製鋼スラグを成型して二酸化炭素を吹込み, 製鋼スラグ中の酸化カルシウムと反応させることで, 大型の固化体 (ブロック) を作製した。この固化体を微視的に評価し, 多孔質で表面が炭酸カルシウムで覆われていることを確認し, 海藻などの生物親和性が高い材料であると推定した。そのため, その材料特性, 水理特性を把握するとともに, 海藻造成礁として機能性を評価するため, 実海域沈設して藻場機能の調査を行った。その結果, 材料特性, 水理特性はコンクリートと同等で, 藻場造成特性はコンクリートよりも格段の効果があること, また, 珊瑚造成礁としての機能も優れていることを確認した。これらの成果から, 鉄鋼スラグ炭酸化固化体が, 藻場造成礁, 珊瑚礁造成礁などの海域環境修復のための有用な材料であることを示した。
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