近年, 特殊な配合で製造されるコンクリート縁石ブロックの異常膨張現象が福岡県, 山口県, 岡山県において発見されており, これらの早期対応が求められている。本稿はコンクリート二次製品の異常膨張の原因についてこれらの劣化事例とその原因について報告するものである。異常膨張を生じたコンクリート二次製品は白色セメント, 石灰石骨材, 銅スラグという使用材料により御影石を模擬した縁石ブロックである。各種実験および分析結果から, 異常膨張を生じたコンクリート二次製品には80℃を超えるような過剰な蒸気養生を行った可能性が高いこと, 石灰石骨材界面においてエトリンガイトが生成していることが明らかになった。以上から, 本研究の対象としたコンクリート二次製品の異常膨張はDelayed Ettringite Formation (DEF) であると推察された。
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