最近の国内外の地震記録で, 特に震央近くでは, 水平地震動レベルに匹敵する上下地震動が多数記録されており, 建築構造物の耐震設計上, 上下地震動の考慮が不可欠となってきている。本文では, まず, 地盤および建築物について多くの加速度記録が得られている米国の1994年のノースリッジ (Northridge) 地震記録を軸に, 地表面レベルでの最大上下加速度と最大水平加速度の関係, 上下地震動波形の特徴, 同応答スペクトルの形状および建築物屋上階における最大上下加速度と最大水平加速度の関係等を説明し, 続いて, 日本, 中国および米国の3国における建築設計各規準での上下地震動に対する耐震規定を解説する。
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