屋嘉比橋は, 旧橋が塩害により著しく劣化したため, 架け替え架設したPC橋である。塩害対策工の新技術を各種検討した結果, コンクリートにPC道路橋として我が国最初である高炉スラグ微粉末6000を用いたコンクリートを, PC鋼線にエポキシ樹脂全塗装PC鋼より線を, 鉄筋にエポキシ樹脂塗装鉄筋を, シースにプラスチックシースをそれぞれ採用することにより, ミニマムメンテナンスを考慮した高耐久性PC橋の建設を行った。本研究では, 建設時に材齢10年までの現地暴露試験を計画しており, 今回暴露5年まで追跡調査した結果を総合的に解析することにより, 塩害に対応した高耐久性PC構造物の建設と防食効果について検討した。その結果, 採用した対策工はいずれも防食性能が優れており, 塩害に対して効果的であることが検証された。
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