筆者らは, 簡便な構造ヘルスモニタリングのッールとして, 最大変位, 累積変位を記憶する変位記憶型センサと非接触計測装置を開発し, これによる層間変位のモニタリングを実施している。この非接触計測装置はランプ点灯によって, 赤 (倒壊・大破に相当) ・黄 (中破に相当) ・緑 (小破・軽微に相当) の3段階の判定が出るようになっており, 特に専門的な知識が無くても地震被災度の診断が可能となっている。本稿では, 3階建RC造建物を対象に地震応答解析によるシミュレーションを実施し, 層間変位モニタリングの妥当性について考察を行った。その結果, 耐震診断基準の2次診断に準じて, 上記判定の閾値を決めることができる見通しが得られた。
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