ポーラスコンクリートは, 透水性, 保水性, 吸音性, 熱緩和特性などの多くの機能を持っことから, 建築外構や都市街区に適用することにより, 住空間における環境負荷の低減や快適性の向上に役立てることが期待されている。本報告では, ポーラスコンクリートの現場施工を容易にし, かっ機能と付加価値を向上させることのできる複層 (基層+表層) ポーラスコンクリートの一形態を提案し, これを適用して建物周囲の歩道を現場打設により施工した事例を紹介する。実施工とともに実験室実験を行い, 基層に用いる比較的低い強度のポーラスコンクリートは, 透水性歩道に十分な性能を有し, 製造から打設まで比較的管理しやすいこと, また, 歩道の表層を細粒度の樹脂製ポーラス硬化体とすることにより, ポーラスコンクリート単体で施工した歩道の意匠性や質感を改善できることなどを確認した。
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