裏高尾橋工事では橋脚のマスコンクリート対策の一環として品質管理材齢およびセメント種類の変更による効果を温度応力解析により検討した。その結果,低発熱・収縮抑制型高炉セメントがひび割れリスクの低減,工費削減,CO
2排出量抑制の観点から有利であることが明らかとなった。しかし,当該セメントは比較的新しい材料であることから,橋梁工事での適用実績がほとんどなく,東京都三多摩地区では使用実績がなかった。そこで,現場の施工条件に応じた基本特性を試験により把握し,裏高尾橋工事での適用性を確認した。現場適用に当たっては,当該セメントが低発熱および収縮抑制というJIS規格以上の性能を有したセメントであることに配慮し,品質管理方法を独自に設定した。
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