寒天ゲル(AG)(1w/v%)の物性におよぼすコラーゲンペプチド(CP)(0~30w/v%)添加の影響について破断特性,テクスチャー特性,動的粘弾性,離漿量,示差走査熱量測定(DSC)より検討した。AGゲルはショ糖添加により,破断応力,破断エネルギー,かたさが増加した。AG・CPゲルの破断応力,破断エネルギー,かたさは,CPがある濃度までは増加し,それから,CP濃度が増加するに従い減少した。CPとショ糖はAGゲルの離漿を抑制した。
CP水溶液は,G′とG″の周波数依存性より,測定した温度範囲内(5~30℃)で液体の挙動を示した。AGは昇温DSC測定により,吸熱ピークがみられた。CPは,測定した温度範囲内(5~90℃)で吸熱・発熱ピークを示さなかった。レオロジー測定とDSC測定より,ある濃度までのCPの添加により,自由水が減少しAGの実質的濃度が増加し,AG・CPゲルの硬さを強くすることが推察され,一方,CP濃度が増加するに従い,CPによりAG分子の架橋が阻害されるため,AG・CPゲルの硬さが減少した。
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