日本調理科学会誌
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40 巻, 3 号
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  • 塚本 知玄, 田山 一平
    2007 年 40 巻 3 号 p. 121-126
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 山口 智子, 尾田 友香, 勝田 麻美子, 稲熊 隆博, 石黒 幸雄, 金沢 和樹, 高村 仁知, 的場 輝佳
    2007 年 40 巻 3 号 p. 127-137
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    日本で主に食されている8種類の野菜について,ゆで加熱,煮込み加熱,電子レンジ加熱,炒め加熱,揚げ加熱の各調理過程における1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル(DPPH)ラジカル捕捉活性の変化を調べた。さらに,総ポリフェノール量およびアスコルビン酸量の変化も併せて検討した。
    野菜のラジカル捕捉活性および総ポリフェノール量は,ゆで加熱および煮込み加熱により減少し,電子レンジ加熱,炒め加熱,揚げ加熱の各調理では保持される傾向がみられた。アスコルビン酸量は,いずれの調理法においても減少した。このように,野菜の加熱調理においては,アスコルビン酸量は減少するものの,比較的熱に安定なポリフェノールが多く含まれるため,全体的にはラジカル捕捉活性の著しい減少はみられなかった。しかしながら,ゆで加熱や煮込み加熱においては,ラジカル捕捉活性成分がゆで汁や煮込み汁に流出することが明らかになった。
  • 小出 あつみ, 山内 知子, 大羽 和子
    2007 年 40 巻 3 号 p. 138-145
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    本研究では,東海地域で飼育されている3種類の鶏を選び,ロースト鶏腿肉の物性や成分を測定するとともに年代の異なるパネルの嗜好評価にもとづき,各年代に好まれるロースト鶏腿肉の調理条件と嗜好特性について明らかにした。
    1)ロースト鶏腿肉の理化学特性はブロイラー肉(B肉)・三河赤鶏肉(M肉)・名古屋コーチン肉(K肉)で異なった。明度と赤みの濃さは,K肉>M肉≧B肉の順で濃く、肉の硬さは,K肉>M肉>B肉の順で硬かった。遊離アミノ酸含有量は,B肉>M肉>K肉の順で多かった。
    2)年代別嗜好評価の結果,色では各年代で赤みの濃いK肉が好まれた。肉の硬さでは,青年で軟らかいB肉が,壮年・高齢者で硬いK肉が好まれた。香りでは,青年で有意差が認められず,壮年・高齢者でK肉が有意に好まれた。味では,青年でB肉が,壮年でK肉が,高齢者でM肉が好まれた。したがって,年代によって好まれる鶏肉の理化学特性が異なった。好まれる鶏肉の理化学特性として味とテクスチャーは重要な要因であり,色はあまり寄与しなかった。
  • 木下 枝穂, 久保倉 寛子, 石田 丈博, 津田 淑江
    2007 年 40 巻 3 号 p. 146-155
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    本研究では,煮加熱におけるジャガイモの機能性成分の変化におよぼす本みりんの影響を検討した。アスコルビン酸量および風味形成に関与するアミノ酸分析を行った。また,DPPHラジカル消去活性を測定し,抗酸化活性の検討を行った。その結果,本みりんは,加熱によるアスコルビン酸の減少を抑制していることが明らかとなった。
    この効果は,本みりん中に含まれるエタノールによるものではないことが明らかとなった。
    アミノ酸分析の結果,みりん溶液およびエタノール溶液でジャガイモを加熱することにより,ジャガイモの構成アミノ酸は減少し,遊離型のアミノ酸量は増加した。このことより,本みりんおよびエタノール溶液で加熱することにより,ジャガイモに含まれるタンパク質やペプチド内の結合の加水分解が促進されたと考えられた。
    また,少量の煮汁で加熱した場合,本みりんによるラジカル消去活性は大きく増加した。
  • 吉村 美紀, 桑野 稔子, 西成 勝好
    2007 年 40 巻 3 号 p. 156-165
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    寒天ゲル(AG)(1w/v%)の物性におよぼすコラーゲンペプチド(CP)(0~30w/v%)添加の影響について破断特性,テクスチャー特性,動的粘弾性,離漿量,示差走査熱量測定(DSC)より検討した。AGゲルはショ糖添加により,破断応力,破断エネルギー,かたさが増加した。AG・CPゲルの破断応力,破断エネルギー,かたさは,CPがある濃度までは増加し,それから,CP濃度が増加するに従い減少した。CPとショ糖はAGゲルの離漿を抑制した。
    CP水溶液は,G′とG″の周波数依存性より,測定した温度範囲内(5~30℃)で液体の挙動を示した。AGは昇温DSC測定により,吸熱ピークがみられた。CPは,測定した温度範囲内(5~90℃)で吸熱・発熱ピークを示さなかった。レオロジー測定とDSC測定より,ある濃度までのCPの添加により,自由水が減少しAGの実質的濃度が増加し,AG・CPゲルの硬さを強くすることが推察され,一方,CP濃度が増加するに従い,CPによりAG分子の架橋が阻害されるため,AG・CPゲルの硬さが減少した。
  • 粟津原 理恵, 野村 孝弘, 二階 堂修, 長尾 慶子
    2007 年 40 巻 3 号 p. 166-172
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    我々はソバの調理性の向上を目指し,ルチン-アルカリ処理ゼラチン混合試料を用いて,ルチンと食品タンパク質との相互作用についての基礎研究を行った。ルチン濃度とpHを変えて調製しゲル化させた試料を用いて,レオロメータによるゲルの破断特性測定,走査型電子顕微鏡(SEM)によるゲルの構造観察により検討するとともに,ゲル中に析出したルチン結晶の顕微鏡観察からも考察した。ルチン-ゼラチンゲルの破断特性はルチンの結晶量やゲルのpH環境によって変化した。また,タンパク質濃度が高くルチン濃度が低くなるとルチン結晶は析出しにくく小さな形状となることが分かった。SEM観察では高濃度ルチンの試料において,ゼラチンの網目構造中に凝集したような太い構造が確認された。この構造は濃度に関係なくルチン添加試料において観察されたため,ゲルの構造は明らかにルチン添加により変化したと言える。以上の結果より,ルチンとゼラチンを混合すると両者の複合体が形成されることが示唆された。
  • 三宅 紀子, 五十嵐 歩, 酒井 清子, 鈴木 恵美子, 倉田 忠男
    2007 年 40 巻 3 号 p. 173-178
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    トウナ(苔菜)はアブラナ属(Brassica)の葉菜類の一種であり,その多くが様々な地域で地方伝統野菜として栽培されている。本研究の目的は新潟県産トウナ類の数種の市販品種(‘メイケナ’,‘カワナガレ’,‘オオサキナ’,‘ヤイロナ’)について栄養性・機能性を有する成分の含量を明らかにすることである。トウナのアスコルビン酸含量は60.4~82.0mg/100g新鮮重であった。‘メイケナ’の総ビタミンC含量の50%以上が5分以内のゆで加熱および塩漬け(浅漬け)(4℃で16~18h)後に残存していた。トウナの総ポリフェノール含量は8.4~13.1μmol没食子酸/g新鮮重であった。従って,トウナはビタミンCおよびポリフェノールの重要な供給源のひとつであると考えられた。
  • 永塚 規衣, 原田 和樹, 安藤 真美, 長尾 慶子
    2007 年 40 巻 3 号 p. 179-183
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    各種の材料を変えた“煮こごり”を調製し,調味料として濃口醤油を加えた場合のラジカル捕捉能を比較検討した。次に,魚のマコガレイを材料として,添加する醤油の種類を濃口醤油,淡口醤油,溜り醤油,白醤油,魚醤油3種と変えた場合の煮こごりのラジカル捕捉能を比較した。測定には化学発光(ケミルミネッセンス)法を用いて,活性酸素の中でも体内における損傷が特に大きいとされるペルオキシラジカル捕捉能を検討した。
    その結果,いずれの水煮“煮こごり”試料も高いペルオキシラジカル捕捉能を有しており,そのラジカル捕捉能は醤油を添加することでさらに増強されることが明らかとなった。また,マコガレイを材料として,添加する醤油の種類(濃口醤油,淡口醤油,溜り醤油,白醤油,魚醤油3種)を変えた“煮こごり”のラジカル捕捉能について比較検討した結果,小麦を主原料とする白醤油を除いた他の醤油添加“煮こごり”にペルオキシラジカル捕捉能が認められた。特に大豆を主原料とする溜り醤油や濃口醤油の添加効果が高いことが明らかとなった。
  • 内田 麻子, 大原 和幸, 長阪 玲子, 潮 秀樹
    2007 年 40 巻 3 号 p. 184-188
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    糠漬けは,野菜を米糠に漬けた日本の伝統的な漬物である。米糠油中の最も代表的な生理活性物質であるγ-オリザノールは,フェルラ酸がトリテルペンアルコールや植物性ステロールとエステル結合した化合物の混合物である。γ-オリザノールは血中コレステロールの低下などの生理活性作用を示すことが報告されている。HPLCを用いて,生大根と6種の市販糠漬け大根中のγ-オリザノールを測定した。実際に生大根を米糠に漬け,糠漬け大根中のγ-オリザノール量の変化を,水分含量および塩分濃度とともに測定した。紫外蛍光顕微鏡を用いて,糠漬け大根中のγ-オリザノールを観察した。これらの結果から,糠漬け工程中にγ-オリザノールが糠漬け大根へ蓄積されることが明らかになった。糠漬け大根に蓄積されるγ-オリザノール量は,生理活性作用を有する濃度と比較すると少量であったが,長期間に渡って糠漬け大根を摂取するならば,γ-オリザノールが有する種々の生理活性作用を期待できる可能性が示唆された。
  • 三宅 紀子, 酒井 清子, 五十嵐 歩, 鈴木 恵美子, 倉田 忠男
    2007 年 40 巻 3 号 p. 189-192
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    エダマメ中の呈味成分やビタミンCは水溶性や不安定な化合物であるためゆで加熱中に分解したり,溶出したりすると考えられてきた。本研究の目的はエダマメ中の呈味成分およびビタミンC含量に対するゆで時間(3-10分)の影響を調べることである。主要な呈味成分であるスクロース,グルタミン酸,アラニンなどの糖および遊離アミノ酸含量は7分間以内のゆで加熱では著しい減少は認められなかったが,10分間ゆで加熱では総遊離アミノ酸とアラニンが有意に減少した。総ビタミンCは7分間以内のゆで加熱では90%以上が残存していたが,10分間加熱では85%に減少した。従って7分間以内のゆで加熱時間ではエダマメの呈味成分およびビタミンC含量はあまり影響を受けないことが明らかになった。
  • 李 利, 江原 絢子
    2007 年 40 巻 3 号 p. 193-201
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
    本研究は,中国明朝に李時珍によって編纂された『本草綱目』(1587年)と,この書を学び,日本の食生活にあわせて編纂した食物本草書『本朝食鑑』(人見必大著1697年刊)の分類上の比較を通して,両国の食文化の特徴を明らかにすることを目的としている。
    その結果『本草綱目』で取りあげられなかった食品が,『本朝食鑑』で多く取りあげられていたものは魚介類であり,逆に『本朝食鑑』で積極的な解説がなく,わずかな種類しか取りあげられなかったものは,獣類や虫類である。その取りあげ方を見るだけでも両国の食文化のちがいが明確になる。
    また,獣畜類に着目すると,『本朝食鑑』では,胆,皮などは薬として扱っているが,『本草綱目』のように,血,心臓など多くの内臓については紹介していないのも食文化のちがいを示す特徴の一つといえる。
  • 梅垣 敬三
    2007 年 40 巻 3 号 p. 202-205
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 澤 完司, 兼子 健太郎
    2007 年 40 巻 3 号 p. 206-209
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 東北・北海道支部 北海道研究グループ
    2007 年 40 巻 3 号 p. 210-215
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 吉岡 慶子, 福地 乃理子, 時藤 亜衣
    2007 年 40 巻 3 号 p. 216-220
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
  • 佐原 秋生
    2007 年 40 巻 3 号 p. 221-222
    発行日: 2007/06/20
    公開日: 2013/04/26
    ジャーナル フリー
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