日本調理科学会誌
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43 巻, 5 号
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総説
報文
  • ―スポンジケーキの焙焼―
    大石 恭子, 渋川 祥子
    2010 年 43 巻 5 号 p. 286-293
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/10/03
    ジャーナル フリー
    家庭用のスチームコンベクションオーブンを用いて,蒸気がスポンジケーキの調理特性に与える影響について調べた。
    自動モードでケーキを焙焼した場合,蒸気は焙焼後期に極めて短い時間投入された。これらのケーキのテクスチャーは,蒸気を投入しないで焙焼したケーキに比べて,わずかに硬く,もろかった。次にオーブンの試作機を用い,蒸気を連続投入してケーキを焙焼した。これらのケーキは山型になり,自動焙焼のケーキ,および蒸気を投入しないで焙焼したケーキに比べて焼き色は濃く,ケーキの表層は硬く,内部は軟らかくなった。また,オーブンの見かけの熱伝達率が加熱初期において極めて高いため,焙焼時間を通常の半分に短縮することが可能であった。
    これらの結果より,ケーキの調理特性は,蒸気の連続投入による影響を大きく受けるが,焙焼後期におけるわずかな使用では影響が極めて少ないことが認められた。
  • 金 娟廷, 高橋 智子, 大越 ひろ
    2010 年 43 巻 5 号 p. 294-300
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/10/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,豚ロース肉を用いたミンチ肉と,ミンチ肉の一部をマッシュポテトとデンプンで置換した試料肉を採用し,それぞれの試料肉に食塩を添加したものと添加していないものを用いて,咀嚼運動に及ぼす影響について検討を行なった。
    その結果,食塩添加した試料肉は,無添加試料に比べ,唾液分泌量が増加し,咀嚼回数が少なく,総筋活動量は少なかった。食塊の硬さが高いほど,唾液分泌量が少なかった。さらに官能評価の結果でも,食塩添加試料は,風味が良く,おいしいと評価された。
ノート
  • 島田 玲子, 澤畑 絢子, 木村 靖子, 川嶋 かほる
    2010 年 43 巻 5 号 p. 301-305
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/10/03
    ジャーナル フリー
    本研究では,22組の親子に肉じゃがを調理してもらい,それぞれが調理した試料の類似性を検討した。その結果,具材の選び方や切り方などについて親子間に高い類似性が見られ,家庭の料理はある程度,親から子へと伝承しているものと考えられた。子へのインタビュー調査の結果,子は親の料理をおいしいと感じ,その味を再現しようと試みていたが,未熟さにより再現できていないと感じている人が多かった。すなわち,調理時の具材や調味料の選び方は調理を手伝うことで伝承されるが,親の味を再現するためには一人で家族の食事を作り,出来上がった料理に対して家族の批評を受けることが必要であると考えられた。
  • 田中 佐知, 早瀬 明子, 粟津原 元子, 香西 みどり
    2010 年 43 巻 5 号 p. 306-313
    発行日: 2010年
    公開日: 2014/10/03
    ジャーナル フリー
    オーブンレンジにおける鶏肉の嗜好性の高い調理方法を明らかにすることを目的として,鶏もも肉を電子レンジ加熱(M)(500W電子レンジ加熱8分間),オーブン加熱(O)(210°Cコンベクションオーブン加熱40分間),それら2つの調理を組み合わせた組合せ加熱(C)(電子レンジ加熱5分間の後オーブン加熱25分間の30分間)の3種類の方法で加熱調理し,調理物の物性測定,官能評価を行った。
    電子レンジ加熱(M)はオーブン加熱(O)よりも温度上昇速度が高く,内部温度と表面温度の温度差が小さい。また,オーブン加熱(O)は他の加熱よりも重量保持率が低く,電子レンジ加熱(M)は他の加熱よりも柔らかい。官能評価では,外観評価,総合評価ともに,電子レンジ加熱(M)に比べて組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)が有意に好まれ,組合せ加熱(C)とオーブン加熱(O)の好まれ方は有意な差はなかった。よって,組合せ加熱(C)は,好ましい調理を短時間で加熱調理できることから,オーブンレンジに適した嗜好性の高い鶏肉調理が可能な調理方法であることが示された。
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