焼き,揚げ,蒸し,マイクロ波加熱処理を行ってクッキー様の製品を作り,加熱処理が水分調整後のテクスチャー,糊化度,官能評価に及ぼす影響を調べた。
(1) R.H. 23%の吸湿条件では加熱法による硬さの差が少なかったが,R.H. 88%では焼き<揚げ<マイクロ波<蒸し加熱製品の順に硬化する傾向があった。
(2) 硬化ピークが出現したのは,水分9~16 g/乾物100 gの範囲であった。
(3) 蒸し加熱試料とマイクロ波加熱試料は硬い,歯ごたえがあると評価され,官能評価値とR.H. 88%の破断特性値との間に高い相関が得られた。
(4) 糊化度(溶出デンプン量など)とR.H. 88%の破断物性値との間に高い相関が得られた。
(5) マイクロ波加熱には蒸し加熱と似た湿熱加熱効果があり,同時に乾燥効果もあるため硬化現象が発現しやすいと考えられる。
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