茶カテキン類の主要化合物であるエピガロカテキンガレート(EGCg)と各種糖質化合物(グルコース,フルクトース,およびスクロース)との混合モデル系を設定し,中性pH条件下,加熱調理過程におけるペルオキシルラジカル捕捉活性およびEGCg量の測定を行った。
外部加熱法の1つである湿式加熱において,糖質化合物が加熱にともなうEGCgのペルオキシルラジカル捕捉活性ならびにEGCg量の減少を有意に抑制する効果を示した。また,内部加熱法の1つである電子レンジ加熱においても,糖質化合物が加熱にともなうEGCgのラジカル捕捉活性の減少を有意に抑制した。これら糖質化合物はEGCg量の減少を抑制する傾向も示したが,有意な差は見られなかった。
EGCg量とラジカル捕捉活性との間で相関性が認められたため,検討した糖質化合物は加熱によるEGCgの減少を抑制し,ペルオキシルラジカル捕捉活性を維持する効果があることが明らかとなった。
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