日本調理科学会誌
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51 巻, 2 号
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平成29年度日本調理科学会学会賞受賞記念論文
平成29年度日本調理科学会奨励賞受賞記念論文
報文
  • 小林 誠, 龍 家圭, 山崎 大義, 肥田 典子, 三邉 武彦, 土屋 洋道, 内田 直樹, 岩﨑 稔, 卯川 裕一, 沢村 信一, 提坂 ...
    2018 年 51 巻 2 号 p. 81-88
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     我々は,野菜・果実飲料ににんじんピューレ(CP)を配合すると,飲料の力学特性が変わることを報告した。我々は,降伏応力が増大し,ずり流動化流動の特徴を示す飲料の摂取は蠕動運動を亢進させると考えた。大腸癌のリスクファクターのひとつと考えられる,便中の二次胆汁酸と一次胆汁酸の比(二次胆汁酸比)は高脂肪低食物繊維食摂取後に著しく上昇するという報告がある。そこでまずは,便秘の自覚症状のある成人男性において,高脂肪低食物繊維食摂取後の二次胆汁酸比の上昇がCP配合飲料摂取によって抑制できるかどうか検討を行った。その結果,我々は高脂肪低食物繊維食摂取後の便中二次胆汁酸比の上昇がCP配合飲料摂取によって抑制されることを示した。さらに,我々はCP配合飲料摂取によって成人男性の大腸通過時間が短縮することを示した。これらの知見は,CP配合飲料摂取が大腸通過時間を短縮することで大腸癌リスクファクターのひとつを低減することを示唆する。
  • 石井 和美, 早川 あつ美, 藤井 恵子
    2018 年 51 巻 2 号 p. 89-96
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     本研究では,アマランサス粉とキヌア粉とホワイトソルガム粉を使用してグルテンフリーパンを調製した。ホワイトソルガム粉パンは加水量が100~150%で調製でき,これは使用した雑穀粉の中で最も範囲が狭かった。ホワイトソルガム粉パンは加水量が増加するとパンの内相は硬くなった。キヌア粉の製パン可能な加水量の範囲は70~300%,アマランサス粉は60~120%だった。最適加水量で調製したアマランサス粉パンの内相はべたつき,すだちは粗かった。キヌア粉パンの比容積は最も大きく,内相は軟らかかった。ホワイトソルガム粉パンは硬く弾力があった。ホワイトソルガム粉はアミロースを多く含み,米粉と似た成分だった。そして損傷澱粉は最も多かった。粉の糊化特性はラピッドビスコアナライザーで分析し,キヌア粉はセットバックとブレークダウンが小さかった。これらの特性は製パン性と関係していると考えられた。
ノート
  • ―色・テクスチャー・香り・抗酸化能面での評価―
    山﨑 歌織, 赤石 記子, 長尾 慶子
    2018 年 51 巻 2 号 p. 97-104
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     生姜添加濃度ならびに漬込み期間を変えて調製した味噌漬カツオ肉製品の品質について比較検討した。味噌漬けすることでカツオ肉の抗酸化能が上昇し,生姜添加濃度が高く漬込み期間が長い程上昇した。カツオ肉の明度及び色相(L* 値,a* 値,b* 値)は味噌漬けにより低下するが,L* 値は漬込み期間が10日から20日と長くなるに従い上昇し,明るい色に変化した。味噌漬カツオ肉は漬込み7日までは硬くなる傾向にあるが,10日以降は軟らかくなり,生姜添加濃度が高い程その傾向は強かった。機器測定でのカツオ肉の“におい”は漬味噌の“におい”に近づき,味噌漬20日では両者の“におい”の類似度が増した。
資料
  • 山野 善正, 次田 隆志, 合谷 祥一, 酒井 映子, 次田 一代, 早川 文代
    2018 年 51 巻 2 号 p. 105-111
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     女子大生342人を対象として,苦味・渋味を有する14種の食品の30日間にわたる摂取状況を調査した。また,それらの食品に含まれる苦味・渋味量を味認識装置の測定値から換算するとともに,対象者のBMI値と苦味・渋味成分摂取換算量との関係を調べた。平均喫食量が多かったのは,固形食品では,グレープフルーツ,なす,ほうれんそう,チョコレート,ピーマンなどであり,液体飲料では,ペット緑茶,紅茶,インスタントコーヒーなどであった。対象者が30日間に摂取した苦味・渋味成分の平均摂取換算量は,苦味成分0.21 g(イソα酸換算),渋味成分1.66 g(タンニン酸換算)であった。対象者のBMI値と苦味・渋味成分摂取換算量をプロットすると,苦味・渋味成分摂取換算量が多くなってもBMI平均値はほとんど変わらなかったが,BMI値の変動幅は小さくなった。
  • 山下 晋平
    2018 年 51 巻 2 号 p. 112-118
    発行日: 2018年
    公開日: 2018/04/20
    ジャーナル フリー
     山口県内の私立保育所および私立幼稚園で作成された2015年度の給食献立表を対象に,献立の分析及び郷土料理の提供頻度を調査した。収集できた給食献立表17園分を保育所・幼稚園に分類し,分析対象とした。その結果,保育所・幼稚園とも主食として「ごはん」の提供回数が最も多かった一方で,主菜と副菜においては提供回数の多い料理や調理法が異なっていた。郷土料理の提供率は,保育所で0.21%,幼稚園で0.41%と低く,提供した郷土料理の種類も保育所は3種類,幼稚園では2種類と少なかった。また郷土料理の提供頻度は,保育所が3ヶ月に1回未満,幼稚園は1ヶ月に1回未満ときわめて低かった。これらのことから,保育所・幼稚園において郷土料理の提供が少なく,幼児が郷土料理に触れる機会が少ない状況にあると推察された。
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