日本調理科学会誌
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52 巻, 6 号
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総説
報文
  • ─品質及び嗜好性からの検討─
    谷口 明日香, 丸山 里菜, 京極 奈美, 長尾 慶子, 小林 理恵
    原稿種別: 報文
    2019 年52 巻6 号 p. 376-385
    発行日: 2019/12/05
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー

     調理中の小麦グルテンの形成抑制が要点となる天ぷらの調理を容易にするため,我々はグルテンを形成しない雑穀粉の利用を検討している。本論文では,雑穀の大麦粉,ソバ粉,ハトムギ粉を取り上げ,主穀の小麦粉,うるち米粉,もち米粉を対照にそれぞれの天ぷら衣を調製し,天ぷら衣への雑穀粉の利用適性を評価した。

     その結果,いずれの雑穀粉も揚げ衣の臭気指数相当値がバッターの状態と比較して低下したことから,揚げ加熱は雑穀粉の調理に適すると考えた。また,揚げ加熱時の水と油の交代現象は穀物粉の種類により異なった。ソバ粉は特有の灰褐色が好まれず,内層粉を使用することによる色の改善が必要であった。ハトムギ粉はうるち米粉と類似した特性を有し,色以外は嗜好性が低かった。しかし,ハトムギ粉も小麦粉との混合により有効利用できると考える。一方大麦粉は,小麦粉と類似した品質と高い嗜好性を有していたことから,天ぷら衣として単独で利用可能であると評価した。

  • 細田 捺希, 高山 裕貴, 赤田 樹, 青井 雄幹, 原 信岳, 吉村 美紀
    原稿種別: 報文
    2019 年52 巻6 号 p. 386-394
    発行日: 2019/12/05
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー

     貯蔵期間の異なる手延べそうめんの性状と構造に及ぼす影響を明らかにすることを目的とした。貯蔵期間0ヶ月,6ヶ月,12ヶ月,24ヶ月の試料を用いた。放射光X線マイクロCT観察の結果から,貯蔵期間の長い12ヶ月,24ヶ月貯蔵試料は,乾麺内部に大きな隙間構造と乾麺表面には線吸収係数の大きな構造物が多く観察された。示差走査熱量測定において,貯蔵期間が長くなると,第1吸熱ピーク及び第2吸熱ピークのピークが低温側と高温側に移動し,乾麺試料1 mgあたりのエンタルピーは増加する傾向がみられた。これにより小麦でんぷんの結晶性が増加し,でんぷんの糊化及びたんぱく質の変性が抑制されると推察した。

ノート
  • 手島 陽子, 小西 史子
    原稿種別: ノート
    2019 年52 巻6 号 p. 395-404
    発行日: 2019/12/05
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー

     大学生に包丁技術に関する模範ビデオを視聴させ,ビデオ視聴前後の包丁技術に関する意識と行動の変化を検討した。包丁操作に伴う注意項目は,1)構えに関する項目群(5項目),2)包丁に関する項目群(4項目),3)切断後の切断物に関する項目群(3項目)から成る12項目とした。

     ビデオ視聴は,包丁操作の注意項目に対する意識の向上に有効であった。また,繰り返して視聴すると,意識の定着に正の効果があることが示された。しかしながら,ビデオ視聴効果としての行動における習得はみられなかった。ただし,項目群別にみると,構えに関する項目群は,包丁に関する項目群と切断後の切断物に関する項目群より,向上しやすい,または優先的に向上する可能性が示唆された。

     また,意識と行動の関連には,2つの乖離の型があることがわかった。意識していても,行動が伴っていない「意識>行動型」の項目は多かった。しかし,意識していなくても,行動は概ね注意内容どおりという「意識<行動型」の項目は少なかった。

資料
  • 柴田(石渡) 奈緒美, 向後 明里, 松波 由奈
    原稿種別: 資料
    2019 年52 巻6 号 p. 405-412
    発行日: 2019/12/05
    公開日: 2019/12/20
    ジャーナル フリー

     本研究では主要アレルゲンである鶏卵,小麦および牛乳を使用しないハンバーグの調理方法を検討した。

     ハンバーグには鶏卵,パン粉および牛乳が使用されている。そこで鶏卵の代わりにすりおろした長芋と大和芋,パン粉と牛乳の代わりに豆腐とおからを使用した。その結果,卵,パン粉および牛乳の全てを1種類の食材で代替すると,焼成後ひき肉同士が接着されない,通常のハンバーグ(標準試料)と比較し有意に硬くなる等,同等な品質を担保できないことが明らかとなった。2種類の食材で代替すると,焼成後,ひき肉同士が接着されていた。また代替する豆腐の含水率を変化させることで,焼成後のハンバーグの硬さを調節できることが明らかとなった。これに対しておからを代替する食材として使用した場合,硬さを調節することは難しいことが示唆された。また大学生を対象とした官能評価より,長芋と30分水切りした豆腐を使用したハンバーグが,標準試料に近い品質であることが示唆された。

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