本研究では,学校マネジメント,チーム援助体制,心理職活用およびチーム援助行動との関係を検討することを目的とした。そこで,小・中・高・特別支援学校の教職員1,966名に対する質問紙調査を実施した。その結果,管理職と一般教職員(主任層を含む)に共通して,チーム援助行動の[チーム援助への積極的関与]は,マネジメント委員会の[校長の意思の共有],チーム援助体制の[学年会・委員会の活用体制]と[学年会・委員会の会議の運営],心理職活用の[心理職の評価]から影響を受けていた。また,[チーム援助での役割遂行]は,マネジメント委員会の[教育活動の評価と見直し],チーム援助体制の[学年会・委員会の会議の運営],心理職活用の[心理職の評価]から影響を受けていた。一方管理職においては,[チーム援助への積極的関与]は,[情報共有・問題解決]から強く影響を受けるが,一般教職員においては,[学年会・委員会の活用体制]から強く影響を受けていた。「チームとしての学校」の実現に向け,校長のリーダーシップのもと,情報共有と問題解決の機能を高め,主任層が運営する学年会・委員会の活用体制を築くことが必要であることが示唆された。
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