都市計画論文集
Print ISSN : 1348-284X
第41回学術研究論文発表会
選択された号の論文の177件中1~50を表示しています
  • 五島 寧
    セッションID: 150
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本論説では,景福宮および満州国執政府の改変・建設事例に着目し,伝統的な計画原理と日本の都市計画との間の関係を検討した。景福宮では,計画原理は意図的に破壊すべき対象という認識にすら達しないほど軽視されたと考えられ,執政府では,溥儀の意向に抗えなかった結果南面が表出したが,意識的な周礼の適用は考えがたいと結論した。計画原理の作為的破壊あるいは尊重という相矛盾した評価は,いずれも植民地都市計画の一面に対する過大評価とするのが筆者の見解である。
  • 東京圏都市鉄道経路選択行動データを用いた事例分析
    加藤 浩徳
    セッションID: 15
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,通勤目的交通を対象として,交通時間と交通時間節約価値との関係を分析することを目的とするものである.まず,居住地選択行動を考慮に入れた個人の時間配分モデルを定式化した.次に,定式化されたモデルを用いて,理論的に交通時間と交通時間節約価値との関係を分析した.交通時間節約価値には,DeSerpa(1971)の定義を用いた.比較静学分析の結果より,両者の関係は効用関数形に依存し,一般的な関係を導くことが困難であることが判明した.そこで,効用関数を非線形関数として近似した上で,実証的に両者の関係を分析することとした.東京圏の通勤目的の都市鉄道経路選択行動データを用いて,離散選択モデルから分析を行ったところ,ある一定の交通時間以下の場合には,交通時間の増加と共に交通時間節約価値は減少するが,一定以上の場合には,逆に増加することが明らかとなった.
  • ―ニューカッスル市リーザス公園を事例として―
    宮川 智子
    セッションID: 66
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年、整備後に年数を経た都市公園では、管理不足の状態が課題となっているケースがあり、現状を放置すれば、公園内施設の劣化・破損が進行し、バンダリズムを誘因するおそれもある。イギリスでは、政府は1996年に遺産宝くじ基金による都市公園事業の制度を整備して都市公園の再生・管理を進めている。本研究は、ニューカッスル市の歴史的な中規模都市公園であるリーザス公園を事例として、施設配置計画の変遷および再生に関連する制度の検討を行い、歴史的な都市公園の再生過程の特徴について明らかにすることを目的とする。結果から、リーザス公園が公園消滅の危機にまで至った要因には、自治体の財政難による維持管理の不足、開発への圧力が関連することが判明した。リーザス公園の再生過程においては、市民による継続的な活動の展開、都市公園事業による再生、再生計画における歴史性の再評価が特徴であることが判明した。
  • _-_人口5万人以上の160市を事例として_-_
    橋本 隆, 湯沢 昭
    セッションID: 101
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    この論文の目的は、市町村合併後の都市計画区域の地域格差と自治体意識の関係を明らかにすることである。研究の着眼点は、都市計画区域の併存状況に応じた規制誘導に対する自治体意識を定量化することである。分析を行った都市は、既に市町村合併した人口5万人以上の160市である。自治体意識の分析においては、自治体意識調査の結果を用いて因子分析と階層分析法(AHP)を行った。分析の結果、都市計画区域の併存状況に起因する自治体意識には、大きな格差があることが分かった。この論文は、これらの分析結果を発表し、都市計画区域の再編の一助とするものである。
  • ―居住者による自律的住環境形成に関する研究―
    原田 陽子, 野嶋 慎二, 薬袋 奈美子, 菊地 吉信
    セッションID: 176
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    地方都市の1つである福井市の周縁部に数十年前に開発された戸建住宅地においては、「空区画」の存在と共に、「区画の統合化」が目立つ事例が複数存在する。
    本研究では、複数区画利用のプロセスを明らかにし、空区画を利用した居住者による自律的住環境形成に向けての基礎的知見を得ることを目的とする。
    本研究を通して明らかになった内容をまとめると次のようになる。
    (1)空区画の数は年々減少し区画統合は継続的に行われており、未利用地の多くは団地外居住者が所有している。また複数区画利用世帯では、非隣接区画の所有や賃貸での暫定利用も見られる。
    (2)区画の統合化には、接道条件や方位との関係が大きく関係している。
    (3)区画の複数利用が行われている背景には、3世代居住や将来の親族への土地の確保が活発であるため、交通手段が不便であり駐車場を確保するため、土地価格の安さの大きく3点が影響している。
    (4)区画統合世帯の多くは現住宅への定住を希望していると共に、居住者は未利用地に対し、必ずしも否定的に捉えているわけではなく、管理面での改善を望んでいる。
  • 青木 義次
    セッションID: 36
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    現実の都市は同種の用途の土地が連担し、非一様で複雑なパターンとなっている。この非一様な都市の土地利用形態の形成現象メカニズムを探ることが本研究の関心事である。これまで青木により確率論的都市モデルが提案され解析されているが、土地利用が一様であると仮定しての解析しかなされていない。 本研究では、一様な状態から僅かにずれた場合に、その後の状態変化により一様状態に戻るか否かを検討し、一様状態から離れて非一様な土地利用パターンの出現する条件を明らかにした。その結果、F関数の2次微分が負の範囲の土地利用比率では、平均よりも高い比率のゾーンと低いゾーンに分解し、非一様な土地利用パターンが形成されることが示された。
  • 岡村 祐, 中島 直人
    セッションID: 158
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     我が国の国会議事堂は永田町の高台に位置し、遠くは桜田門外から正面の広幅員直線道路を介したヴィスタが形成されている。このヴィスタは、お雇い外国人ベックマンによって1886(明治19)年によって初めて見出されたものである。それ以後、1936(昭和11)年の議事堂という眺望対象の出現を経て、1964(昭和39)年の正面道路の整備をもって完成に至る。そこで、本研究はこの約80年間にわたるヴィスタの構想と形成の過程、そして構想・計画図に描かれたヴィスタの具体的デザインを明らかにすることを目的とする。  その結果、以下のことが明らかになった。1)ヴィスタの構想と形成の過程は4つの時代に区分される。2)その背景には、国会議事堂の建設という一つの揺るぎない軸と、明治期や東京五輪直前期にみられる首都東京としての顔づくり、または震災や戦災からの復興都市づくりというものが存在した。3)現在のヴィスタに較べて、道路の概形や視点場としての広場など、はるかに壮大で華麗なヴィスタが構想されていた。
  • 小田 憲治, 近藤 隆二郎
    セッションID: 86
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、日常の街並みの景観を捉えなおす手法として「色彩参画」を提案し、「色彩参画」を行うことによって、変化するであろう市民の景観イメージに焦点を当てる。「色彩参画」とは、「決められた色を持つ任意の要素(モノ)を市民が街並みに飾り付けることによって街路景観の形成に参画すること」とする。本研究では、「色彩参画」が街並みの景観イメージに与える影響を明らかにし、景観形成における「色彩参画」の効果を明らかにすることを目的とする。
    「色彩参画」実験が市民の景観把握へ与える影響を明らかにするために、実験の前後にアンケート調査を行い、街並みの景観イメージと景観認識、実験への関心に関するアンケート調査を行った。
    調査の結果、「色彩参画」を行うことで、日常の街並みの景観を捉えなおし、新たな一面を発見することができることが示された。つまり、景観形成への市民の積極的な参画を促すためのツールとして、「色彩参画」を用いることができると考えられる。
    今後、市民が景観計画や景観協定等の策定といった、日常の景観をつくる際に市民が参画するための“入り口”として「色彩参画」が用いられることが望まれる。
  • 林 光伸, 湯沢 昭
    セッションID: 10
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    地方都市においては,バス事業者の撤退に伴い公共交通の空白地帯が発生している。その対策として,行政は,市町村乗合バスを運行しているが,バス利用者の減少を食い止めることは出来ない状況にある。近年,各地域で運行され始めたものの一つにデマンドバスがある。デマンドバスは従来の路線バスの特徴である定時・定路線型から,利用者の需要に応じて時間と路線を柔軟に対応したサービスを提供することが可能である。本研究は,今後デマンドバスの導入を計画している多くの自治体が直面するであろう課題について調査検討を行ったものである。具体的な内容としては,デマンドバスの運行実態と運行経費に関する検討。デマンドバス利用者の需要予測とデマンドタイプ別の評価である。以上の検討結果,時刻非固定,路線非固定(ダイナミックタイプ)の導入が利用者と事業者にとって効率性が高いことが明らかとなった。
  • 石田 章, 細田 崇史, 横山 繁樹
    セッションID: 108
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本報告では,国際食料政策研究所がバングラデシュのスラム街において実施した調査の個票データを用いて,ソーシャル・キャピタルの水準と医療サービス利用状況との関係を明らかにすることを目的とした。定量分析の結果,必要な医療を受けることができない家族構成員がいる可能性が高いと推察されるのは,次の諸条件をより多く満たす世帯であるといえる。a)女性が世帯主である,b)所得水準が低い,c)貯金額が低い,d)家族数が多い,e)乳幼児がいる,f)困窮時に「親戚のネットワーク」と「隣人のネットワーク」を利用することができない,g)地域の集会やNGO活動に参加している者がいない。特にf)とg)から明白なとおり,緊急時に依存し得る隣人・親戚ネットワークを有する世帯,あるいは地域集会やNGO活動に参加している世帯ほど,医療サービスの利用状況は良好であることが明らかとなった。この分析結果は,既存のネットワークが地域医療の改善に利用できる可能性を示唆している。今後は,隣人や親戚ネットワークの有効活用と,それらネットワークと同様な機能を有する相互扶助的な組織を積極的に育成していくことも検討されるべきであろう。
  • 藤居 良夫, 佐竹 わか菜
    セッションID: 8
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年,地方都市では,地方鉄道の利用者が年々減少してきて,鉄道の存続が困難になってきている。しかし,鉄道は地域住民の足として不可欠な移動手段であり,また,観光振興の一助として,各種環境問題への対策方法としても重要である。今後,鉄道をどのように運営していくかは,地域社会における課題である。本研究では,富山県高岡市と射水市(旧新湊市)間を運行する万葉線を対象に,沿線の地域住民に対してアンケート調査を実施し,選択型コンジョイント分析を用いて,鉄道利用の施策に対する限界評価額を試算して,今後の施策を考察した。その結果,車両の冷房完備に対して住民は最も高い評価を示し,また,運賃の値下げや運行間隔の短縮に対しても評価していることがわかった。
  • 兵庫県加古川市の寺田池協議会の活動事例から
    森川 稔
    セッションID: 127
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    管理の粗放化や潰廃の進むため池を、地域の住民も含めた多様な関係者が参画する組織(協議会)によって、その多面的な価値や機能を生かしながら、保全・管理・運営していくことが大きな課題になっている。本稿では、こうした協議会のなかでも、積極的な活動を行っている、加古川市の寺田池協議会を取り上げ、とくに組織と活動内容の2つの面からその特徴を明らかにした。改修工事にともなう利活用計画案の策定にあたって、住民が参加するワークショップである「寺田池の集い」と「専門部会」を開催するとともに、住民などが発表する「寺田池発表会」の開催、先進地視察の実施、寺田池セミナーの開催、広報活動などを行っている。こうした寺田池協議会の特徴として、以下の点が指摘できる。_1)地元出身者の寺田池への思い、2)一体となった自治会と水利の取り組み、3)市民グループの存在、4)行政とコンサルタントのサポート、5)関係者との連携・協力、6)協議会の立ち上げまで2年近くの準備期間、7)協議会活動のエンジン部分となる運営委員会の積極的な取り組み
  • 港区内JR品川駅と田町駅の自由通路整備の事例研究
    原田 敬美
    セッションID: 96
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、東京都港区内のJR品川駅と田町駅の東西自由通路を対象に、協議会方式による官民協働事業の整備手法について、特徴、問題点、課題を明らかにし、今後官民協働の手法の可能性を検討することである。品川駅自由通路は駅東口の複合都市開発と新幹線品川駅開業に対応するため1998年完成、幅20m長さ250m、工事費160億円である。田町駅自由通路は西口再開発事業計画に公共施設として位置づけ、周辺の再開発や大型開発へ対応するために2003年完成、幅16m長さ80m工事費25億円である。駅周辺の大企業や商店会に協議会参加を呼びかけ、開発者負担、受益者負担の原則で、協議会が建設費を負担し、区は一般財源の支出無しで公共施設整備をした。一方区は開発事業者にボーナス容積のインセンティブを与えた。協議会方式は様々な主体が参加することでコミュニケーションが進み、問題解決が図れ、単独主体で整備するより効率的に事業が進んだ。協議会方式による官民協働の事業の整備手法は今後様々な公共施設整備に活用の可能性がある。
  • 木下 瑞夫, 松行 美帆子, 瀬田 史彦, 西浦 定継
    セッションID: 147
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、都市マスタープランの策定過程において、どのような条件がととのえば戦略的環境アセスメント(SEA) を適用することが容易となるかに焦点を当てることとし、先進事例としての欧州連合(EU)の環境保全政策およびSEA制度および構成国のSEA制度の代表事例を時系列的に整理、分析することを通じて、わが国におけるSEA制度の適用可能性と課題を考察することを目的としている。時系列分析によると、1980年代後半の「持続可能な発展理念」が環境保全政策およびSEA制度に多大な影響を与えたことがわかった。また、わが国の都市計画マスタープランにSEA制度を組み込むためには、計画策定において明確な経済・社会の発展目標と環境保全目標を持つことが必要不可欠と結論づけることができる。
  • カラー画像を用いた街路景観の評価
    鬼束 瑞菜, 三宅 諭
    セッションID: 2
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本研究では、2通りの方法を用いて、カラー画像による街路景観の評価を行った。1つ目の方法として、ゆらぎ理論を用いた定量評価を行い、2つ目の方法として、SD法と因子分析を用いた心理評価を行った。各評価を行った後に、それらの関連性について分析した。  その結果、定量評価では、樹種の違いが評価に影響を与えること、心理評価では、樹種の違いと幅員の違いが評価に影響を与えることが明らかとなった。また、定量評価でのゆらぎ値が-1の値に近づくほど、心理評価での因子得点が高い値を得る傾向がみられた。
  • 大庭 哲治, 青山 吉?, 中川 大, 柄谷 友香
    セッションID: 41
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は,京都市都心部における京町家まちなみ保全活動を対象に,地域社会の協力意向と個人の協力意向との間に存在する社会的相互作用を明示的に考慮した二項選択モデルの枠組みを用いて,地域住民の協力意向をモデル化するとともに,このモデルによる計量分析を通じて,地域互助による京町家とまちなみの保全可能性について評価した.その結果,京町家まちなみ保全活動に対して,他者の協力率が高いほど,地域住民の協力する選択確率が高くなるという同調効果の存在を明らかにした.このことは,社会的相互作用が京町家まちなみ保全活動の推進力として機能しうるものと考える.また,対象とする19の元学区のうち,16の元学区については潜在的な保全可能性を確保しているものの,梅屋,竹間,醒泉の3つの元学区については確保していないことを明らかにした.
  • 赤坂 信
    セッションID: 75
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    国際観光局が組織した国際観光委員会が「山の権威」「山の専門家」を集めて、日本の山岳を中心に国際観光を進める会議を開いた。1931年に国立公園法が公布されたその3ヶ月後に会議は二度開かれ、山の観光の可能性が討議された。外客誘致の方策について先進地スイスアルプスの事情を「山の権威」にきくことから会議は始まる。スキーリゾート、登山鉄道、ホテル施設、道路等の交通施設の事例が紹介される一方、日本の現状、とくに上高地の現状について多くの問題点が指摘された。上高地における道路建設と自然保護はこの座談会の争点ともなった。アルプスの観光で国の経済を立てていると目されていたスイスをお手本と考えていた国際観光局は、(何人かの専門家によって指摘されたが)観光がどれだけヨーロッパアルプスを荒廃させてきたかについては関心を示すことはなかった。
  • 歴史的景観保全と生活環境整備の一体的展開
    清水 肇, 小野 尋子
    セッションID: 171
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    那覇市首里金城地区においては、歴史的環境を有する地区としての景観整備が1980年頃から取り組まれてきた。その過程において、中央部を貫く石畳道を保全し、地区外に通過用道路を建設し、さらにアプローチ道路を整備することが行われてきた。その過程で生活環境を整備しつつ細街路の歴史的形態を保全・整備する方法について模索が行われてきたが。2005年に細街路の両側の石垣を含めて道路用地として石垣や石積の保全修復をはかり、道路自体は歩行者専用道路として整備して有効幅員を2?2.7mとする都市計画決定が行われた。これによって沿道敷地は幅員4m以上の道路に接することとなる。これは環境、利用、設置の三側面を実質的に評価して細街路の目標を定めることによって可能となった細街路整備の方法である。
  • エルファディンク ズザンネ, 卯月 盛夫, 浅野 光行
    セッションID: 25
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    ドイツにおける自転車道の整備は、ノルトライン・ヴェストファーレン州の「自転車に優しい市町村連絡会議」加盟の市町村において、1990年代から新しい自転車道路の種類や整備手法等の先駆的な試みによって、面的な自転車道路ネットワークが実験的に整備された。そして、その成果を受けて1997年道路交通規則と同行政命令に、新たな自転車道整備の考え方と自転車の交通ルールが導入された。
    その具体的な整備にあたっては、「車道の再構成」「交通規制の緩和」「歩道の再構成」による既存道路を前提にした「道路空間の再構成」によるもので、あまり経費と手間をかけない現実的な自転車道ネットワーク整備手法といえる。
    この自転車道ネットワーク整備手法と案内標識などのサービスによって魅力的な交通システムが整備されたことにより、トロースドルフ市は自転車の交通量を増やしながら、自動車交通を減らした環境にやさしい交通計画を実現している事がわかった。
  • 全 泓奎
    セッションID: 107
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    韓国におけるコミュニティ参加は、都市貧困層居住地のまちづくりと密接な関係を持っている。とりわけ都市再開発事業による貧困層居住地の解体は、住民の居住の権利や生存戦略に直接関係しており、それらに対応する様々なコミュニティ参加の取り組みがなされてきた。本稿ではアジアの発展途上国における関連議論を概観し、そこから得た知見を基に韓国におけるコミュニティ参加の分析を試みた。その結果、韓国におけるコミュニティ参加は、「阻止・抵抗型(強制立ち退きに抗する運動)」・「自主管理型(再定住及び協同共同体型まちづくり・協同組合型(貧困層自らによる生産協同組合))」・「エンパワーメント・パートナーシップ型(生産主義的アプローチ)」という特性を持ち、現在も進行中であることを明らかにしている。
  • 雨宮 護, 横張 真
    セッションID: 145
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は,都市公園で発生する逸脱行為の実態を明らかにし,逸脱行為の発生を予測するモデルを構築することである.研究対象としたのは,東京都板橋区の334公園である.板橋区に寄せられた公園に対する苦情の内容の分析,2回の観察調査,観察調査結果の統計解析から,以下の3点を明らかにした.1)都市公園で起こる逸脱行為の中心は,「ゴミの投棄」,「公園施設へのヴァンダリズム」,「園内への居住」,「公園施設への落書き」である,2)最も多いのは「公園施設への落書き」であり,全体の6割の公園で観察される.また,少なくとも一種類の逸脱行為が確認される公園は,全体の7割である.3)逸脱行為を抑制する環境要因は,公園周囲の住宅の存在と,地域住民が参加する公園管理活動の存在である.これらをもとに,安全な公園づくりのためには,公園自身の設計の変更とともに,公園のリスクを管理する主体の育成が必要であると考察した.
  • ドイツにおける土地利用計画への住民参加
    阿部 成治
    セッションID: 102
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    ドルトムント市では、2000年から2004年にかけて新Fプランの策定が行われた。この過程で、市民や各種団体には、早期参加、縦覧、そして再縦覧と、3回にわたって意見を述べる機会が与えられた。そこで、提出された意見とその扱いを検討することにより、住民がプランの決定に参加している実態を明らかにしようとしたものである。約1,000件の意見の内容と採用状況を検討した結果、早期参加と縦覧の段階で提出された意見のうち、かなりの数が採用されていること、参加の機会が複数回あることは再考の機会等として意味があること、市民の参加を拡大するにはその意見を代弁するNPOなどの存在が重要であること、およびFプランが単独で土地利用を計画しているのではなく他の諸計画に支えられて負担が軽減されていること、を明らかにすることができた。
  • 松行 美帆子, 木下 瑞夫, 西浦 定継
    セッションID: 148
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、イングランドのローカルレベルの土地利用計画(LDF)を対象として、戦略的環境アセスメント(SEA)が、計画の意志決定にどのように統合されているのか、すなわち、計画にどのような影響を与えているのかについて分析を行った。研究は、ヒリングドン自治体におけるLDFを事例対象とし、その中でもとくに「空港関連開発」に関する計画策定を対象とした。研究の結果、以下のことが明らかになった。(1)ヒリングドンでは、複数案を設定し、それを選択する際に、各案の持続可能性に関する問題点を軽減する方法(ミティゲーション)が特定できない場合は、その案を選択しなかった。このことより、SEAは計画が著しく持続可能性を欠くものにならないようにするセーフティネットの役割を担っていた。(2)開発の必要性を決定する段階では他の計画決定因子が影響を及ぼしていたが、開発の場所を決定する際にSEAが影響を及ぼしていた。開発の場所の決定はしばしば同意形成が困難になるが、SEAにより各案の持続可能性、ミティゲーション方法を明らかにすることにより、合意形成の一助になると考えられる。
  • シーニックバイウェイルートにおける試行
    石田 眞二, 亀山 修一
    セッションID: 78
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    シーニックバイウェイ北海道とは,道をきっかけに北海道固有の景観,自然,文化等の地域資源を最大限に活用し,個性的な北海道を実現するための取り組みであり,道路の美しい景観づくりが主要なテーマの一つとなっている.  本研究では,「シーニックバイウェイ北海道」で指定されているルートにおいて,車で走行した際に見ることのできる連続した道路景観をシークエンス景観として捉え,定量的に評価するとともに,シーニックバイウェイルートに代表される北海道らしい道路景観の特徴を類型化し,明確にすることを目的とした.  定量的評価手法には,フラクタル次元を用いて,道路景観の複雑さを評価するとともに,道路景観の構成要素から主成分分析を行い,道路景観の特徴を3タイプに類型化し,北海道らしい道路景観の特徴を明確にすることができた.また,シークエンス景観構造は,2つのモデルルートにおいて求めたフラクタル次元と占有率及び,道路景観タイプの変動から,その特徴を明確することができた.
  • 小林 優介, 安岡 善文
    セッションID: 43
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は都市計画及び緑地計画のために、樹林地に対するアクセシビリティとその配置について分析することを目的とする。そのために、本研究ではRAを基にしたFAIとPFAIを提案する。そして、これらの手法を多摩丘陵上の川崎市麻生区・多摩区・宮前区及び横浜市青葉区・都筑区・緑区・瀬谷区・旭区・保土ヶ谷区について、ランドサットTMデータより作成した土地被覆分類に適用した。その結果、以下のようになった。1) RAとFAIは樹林地と市街地の分布を分析するのに有効であった。2) PFAIは樹林地に改変するのに最適な場所を見つけるのに有効であった。3) これらの手法を用いることで、適用した区の樹林地と市街地の分布の特徴を明らかにすることができた。
  • 都市計画家の交流に着目して
    秋本 福雄
    セッションID: 149
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    1910年代、地域計画という用語がイギリスに登場し、間もなくアメリカに紹介され、1920年代、両国で広範に普及した。最近の研究は、地域計画運動の初期の段階について焦点をあてるようになった。しかし、地域計画の概念がどのように形成されたか明らかになっていない。この論文は、19世紀の末から1920年代までの、ハワードの社会都市、パトリック・ゲデスの地域調査、パトリック・アーバークロンビーの地域調査、トマス・アダムスの地域計画、ルイス・マンフォードの地域都市を含む、都市計画家の考えを解析し、地域計画の概念の諸要素がどのように形成されたかを明らかにし、それらの対立点を吟味している。
  • 若江 直生, 吉田 哲, 宗本 順三
    セッションID: 35
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、尼崎市産業連関表を独自に作成し、市内の複数の大規模工場15箇所が2000年から5期15年に渡って移転することを想定し、跡地に想定し得る用途が立地した場合の経済波及効果等を推算した。工場移転によるマイナスの波及効果は今シミュレーションで想定した新用途が立地する場合には、移転のみが生じた場合に比べて104,932百万円分、波及効果が増加し、マイナスの波及効果を新規立地の用途によって約9割補填しうることがわかった。新用途の立地では、商業やサービス業、住宅などを想定したため、製造業では5期を通じて生産額は大幅に減少しているが、移輸出率が平均より小さい非基盤的産業のパルプ・紙・紙加工品、出版・印刷では生産額が増加することが分かった。新用途が想定の通りに立地するという保証はないが、市内生産額や生産波及効果が大きくマイナスにならないよう産業や工場の移転の順序を考慮する必要のあることなどが明らかになった。
  • _-_導入期における水素供給インフラのエネルギー的評価_-_
    朴 海洋, 小林 敬幸, 加藤 丈佳, 鈴置 保雄, 森川 高行, 葛山 弘一
    セッションID: 139
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年、燃料電池自動車ならびに定置型燃料電池の実証実験が盛んに行なわれており、世界的にも実用化レベルに達しているが、商用レベルの実現に向けて明確な水素エネルギー戦略を立てることが重要となる。燃料電池車の導入初期段階には、水素供給インフラの整備を加速させるため、自動車だけでなく隣接した商業施設内の定置型燃料電池へ水素を同時に供給するエネルギーシステムが有効であると考えられる。本論ではエネルギー供給元が一元化した都市構造において、提案する水素併給システムがエネルギー負荷ならびに環境負荷の観点からの導入メリットについて、各種エネルギー需要データを用いて定量的な評価シミュレーションを実施した。検討結果よりFCVのみに水素を供給する場合と比較して、水素併給システムのステーションの稼働率が上回る商業施設において、その導入メリットがあることが確認された。
  • 清水 美砂, 上甫木 昭春
    セッションID: 62
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究では、『摂津名所図会』と『和泉名所図会』に描かれた神社と現在の神社の緑の存在形態とその変化を把握し、それらの空間特性を周辺土地利用と地形条件から検討した。その結果、神社の緑の存在形態において、絵図では樹林型、現在では広場型が多く、緑の存在形態は樹林型から広場型に変化しているところが多かった。また、現在の樹林型内でもより樹林割合が少ないタイプへ移行しており、緑の存在形態が変化していることが明らかとなった。空間特性について、地形条件では大きな変化は見られなかったものの、より起伏の大きいところでないと樹林としての形態が維持できなくなっており、緑の存在形態の変化については、起伏のないところでは広場型がそのまま継承され、起伏が大きいところでは樹林型が継承されていることが明らかとなった。一方、周辺土地利用では大きく市街化が進んでいるにもかかわらず、周辺土地利用との間に明確な関係性は認められず、地形条件の方が緑の存在形態の継承により強く寄与していると類推された。
  • 横山 大輔, 谷口 守, 松中 亮治
    セッションID: 21
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本論文は、商業施設(マーケット)までの商業輸送に起因する環境負荷を定量化するフードマイルを起源とした新たな指標であるマーケットマイルを提案する。マーケットマイルは、アーティクルマイル(原産地から商業施設までの交通環境負荷定量化指標)、ショッピングマイル(商業施設からそれぞれの自宅までの交通環境負荷定量化指標)という二つの指標から成り立っている。さらにケーススタディとして、倉敷市に立地するタイプの異なるマーケットにおいて指標を適用する。分析対象マーケットのひとつは都心に立地する地産地消を謳う朝市を、そしてもう一方は郊外大型店である。分析の結果、郊外型マーケットにおけるマーケットマイルは、都心の地産地消型マーケットと比較して約2倍もの数値であることが明らかとなった。さらに、車に依存した買物行動に起因するショッピングマイルの割合は、大きいということを明らかにした。
  • _-_新たな広域政府としての「レジオン」と「地域連合」の活動分析を中心に_-_
    松本 忠, 大西 隆
    セッションID: 120
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本研究論文は、1990年代後半以降のスウェーデンにおけるカウンティの合併・再編と「レジオン実験」を取り上げ、広域レベルの行政体系が大きく変化することとなった背景・要因の分析を行うとともに、レジオン実験の状況の分析、実験内容の評価、さらには実験結果を踏まえた今後の広域レベルの行政体系のあり方について考察を加えることを目的とする。
     主な結論は次のとおりである。
    1.「レジオン実験」の実施に至る背景には、民意を反映した地域政策担当組織の不在、EUのニーズに戦略的に対応できる効率的な行政システムの欠如、という2つの課題があった。
    2.これまでの「レジオン実験」の成果として、従来、地方行政局が実施していた地域政策に関する事務を「地域自治組織」が行うことにより、地域レベルの関係主体間の連携が強化されるなど、民主性の向上について一定の成果が認められる。一方、実験の結果として、EUのニーズに戦略的に対応できる効率的な行政システムを構築できるかどうかについては、現時点では明確でないと考えられる。
  • 鹿内 京子, 石川 幹子
    セッションID: 161
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    21世紀を迎え、都市において、オープンスペースと公共空間の創出は地球環境の維持、社会的環境の回復のために、重要な課題である。それに伴い、新しい都市空間として都市を再生するために、川と一体化したオープンスペースを創出し、公共空間を生み出す様々な取り組みが行われている。江戸時代に荷揚げ場として川沿いに設置された「河岸」は、明暦年間にはオープンスペースとして規定され、街と密接に関わりあいながら、時代の近代化に柔軟に対応させながら、今日まで継承されてきた。本研究では東京の下町の河川における「河岸」を対象として土地利用と土地所有の2つの視点から、土地利用ではオープンスペースに、土地所有では公有地に焦点をあてながら、明治維新、市区改正、帝都復興事業、戦災復興事業で5期に分けて、その歴史的変遷を分析する。本研究は、江戸期より400年の文化を継承してきた「河岸」を研究することで、オープンスペースの創出の原理原則を把握し、開発速度の速い現代社会においてオープンスペースを維持する方策を講じるための知見を得、これからの新しい公共空間をもった複合都市の再生に向けた政策提案に導くことが、目的である。
  • 若久地区コミュニティ・ゾーン形成事業を事例として
    外井 哲志, 坂本 紘二, 梶田 佳孝
    セッションID: 91
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    参加型の事業を進める場合、結果の分析だけではなく、プロセス全体の分析や異議者の主張等の分析があってこそ、今後の事業のために合意形成の知恵を共有することができる。こうした観点から著者らは、若久地区CZ形成事業調整協議会の議事録の整理、および協議会関係者からのヒアリング調査を通して、事業全体のプロセスを分析し、対立点と合意点を明確に捉えた上で、合意形成を促進させるためには、地域におけるリーダー的人物の存在、住民の意見に対する協議会の柔軟な対応、体験の共有による判断が必要であることなどを明らかにしてきた。本研究では、上記の対立点に焦点を絞り、協議会代表者と事業に異議を唱える住民のそれぞれにヒアリングを行い、両者の主張を対比させることによって、立場の違いに基づく見解の相違を明らかにし、同事業の合意プロセスにいかなる問題点があり、合意形成の要点は何かを考察したものである。
  • 河和 知子, 中井 検裕, 中西 正彦
    セッションID: 65
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    一般的な低層住宅地では、散在して発生する建築行為が緑の喪失に与える影響が大きい。本研究では東京都内で風致地区に近年建築された共同住宅等を対象に、現行の規制と緑化の実態を把握し、今後の望ましい誘導手法を考察した。結論は以下の通り。1、敷地面積別に規制を緩めることの妥当性を見直す必要がある。2、接道部への緑化に優遇措置が導入されているにもかかわらず、その効果は見られなかった。3、共同住宅と長屋では緑地の形状が異なり、それぞれの性質を考慮した緑化指導を行うことが効果的であると思われる。4、空地が緑化されないのは駐車場の影響が大きいため、駐車場の緑化に関するガイドラインを作成することが必要である。5、連続性を考慮した指導の意味と必要性が確認された。
  • 平成12年度京阪神都市圏パーソントリップ調査データを用いて
    花岡 和聖
    セッションID: 16
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本研究の目的は、焼きなまし法を用いたPT調査データの拡大補正法を提案することである。そして、その拡大補正した結果の精度および有効性について、PT調査で用いられている層別拡大法との比較から評価し検討する。
     本研究で得られた知見は、以下のようにまとめられる。1)焼きなまし法による拡大補正結果は、層別拡大法の制約である性別年齢階級別統計表と高い精度で一致した。2)焼きなまし法は、交通行動パターンを規定する上で重要な従業地・通学地を制約条件に考慮することで、従業地・通学地についても高い精度で拡大補正を可能とした。すなわち複数の制約条件を拡大補正に加えることで、PT調査データの多面的な偏りへの対処が可能となった。3)制約に考慮していない変数についても、焼きなまし法は層別拡大よりも良好な適合精度を示した。制約以外の変数については、制約変数との関係性が強い場合に高い精度が期待できることが示唆された。以上の結果を通じて、PT調査データの偏りを拡大補正する手法として、焼きなまし法は高い有効性を有することが確認できた。
  • 公共空間の活用を中心に
    天明 周子, 小林 重敬
    セッションID: 56
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    近年、地域ポテンシャルを高める視点を持ち、これまで整備してきた都市地域をより有効に活用する「エリアマネジメント」の重要性が認識され、こうした取り組みが大都市都心部を中心に展開されている。そのような中で、自治体がエリアマネジメントを積極的に後押しする形で、2003年10月に「東京のしゃれた街並みづくり推進条例(以下、しゃれ街条例)」が施行され、地域の活性化を図るために公開空地等を柔軟に活用することが可能となった。本研究は、しゃれ街条例の運用実態を明らかにし、しゃれ街条例の意義と今後の課題についてエリアマネジメントの視点から考察することを目的としている。
    本研究は、既往研究及び行政資料、関連組織の担当者のヒアリングをもとに、以下の流れで行なった。まず、公共空間を活用した地域活動事例、及び活用に伴う法的規制について調査し、公共空間の活用を促す新たな動きについて整理した。次に、しゃれ街条例を活用している各まちづくり団体の運用実態について明らかにし、それらに基づいてしゃれ街条例の意義と今後の課題について分析、考察した。
  • 土江 憲弘, 近藤 光男, 渡辺 公次郎
    セッションID: 7
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的は、高齢者と身体障害者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化の価値を、直接的利用価値とオプション価値として、算出することである。はじめに、鉄道駅施設のバリアフリー化に対する支払意志額(WTP)を調べるために、アンケートを用いた調査を行った。次に、指数関数型の需要関数を仮定することによって、平均支払意志額を推計した。その結果、高齢者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化においては、直接的利用価値として算出したエレベーターの設置とエスカレーターの設置が最も高い値となった。障害者を対象とした鉄道駅施設のバリアフリー化においては、オプション価値として算出されたエレベーターの設置が最も高い値となった。
  • 東京都中央区月島地区における3項道路型地区計画の初動的な実績と効果
    川崎 興太
    セッションID: 170
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    東京都中央区は、月島地区において、路地を保全しながら、「防災性の向上」と「定住性の高い住宅の立地誘導」を図ることを主な目的として、平成16年7月1日に3項道路型地区計画を施行している。本研究は、3項道路にのみ面する建築物を対象として、平成9年12月1日に施行された一団地型地区計画と比較しながら、その初動的な実績と効果を考察することを目的とするものである。本研究を通じて、以下の3点が明らかになった。第一に、3項道路型地区計画は誘因が効果的に作用し、目的の実現に効果を発揮している。第二に、一団地型地区計画は、一団地活用建築物に限っては3項道路型地区計画とほぼ同様の効果を発揮しているが、8割弱を占める一団地不活用建築物の影響が大きく、全体的にはその効果は限られており、この点で3項道路型地区計画は一団地型地区計画よりも効果を発揮している。しかし第三に、年間平均建築確認申請件数は、一団地型地区計画の施行後よりも3項道路型地区計画の施行後の方が減少していること等から、3項道路型地区計画は目的実現の前提となる建物更新の速度自体には一団地型地区計画と比較して大きな作用を及ぼしているとは言えない。
  • 入江 彰昭
    セッションID: 60
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    これまでの研究において、従来欠落している分析は、ヒートアイランドが分断され小さくなることによってどの程度温度が下がるかということである。緑地計画への応用は、計画した緑地によっていかにヒートアイランドが緩和されるかを証明することにある。本研究は、広域的な都市環境情報を解析するのに有効なランドサットTMデータを用い、ヒートアイランドの緩和に有効な緑地形態、すなわち種類、規模、分布形状について明らかにし、ランドサットデータをベースとしたヒートアイランドの緩和に資する緑地の配置計画の手法を提示し、特に評価手法を開発することを目的としている。本研究の結果、計画された緑地によるヒートアイランドの変化をシミュレーションの結果として示すことができた。
  • 大規模商業施設開発と生活環境の変化に着目して
    西 英子
    セッションID: 173
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    「生活の質」の向上が都市計画においても重要な課題として位置づけられるようになった。日本のこれまでの都市計画は、高度経済成長を荒削りで支えた量としての都市計画であり、ハード整備(Physical Planning)に力点が置かれていたが、今後は、「生活者のための都市計画」、「人々のための都市計画」が大きく問われている。本研究では、熊本市郊外に出店が続く大規模商業施設と周辺に居住する子どもを持つ世帯への生活環境調査を事例に取り上げ、都市開発とQOLについて考察することを目的とする。大規模商業施設の出店によって、周辺の生活環境が変化(悪化)したと答えた95%の世帯からは、交通渋滞やそれに伴う事故の発生が出された。大規模商業施設周辺に住んでいても施設利用には車を利用しているのも事実である。子どもを持つ世帯にとっては、大規模商業施設は消費活動の利便性、嗜好性に貢献しているものの、生活環境全体を通して見た場合には、様々な環境の変化(悪化)という現実に直面している。子どもたちの安全な生活環境や安心して遊べる空間が、車社会を助長する大規模商業施設の開発によっても排除されている。
  • 山梨県南アルプス市を事例として
    宗像 路子, 大山 勲
    セッションID: 70
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    わが国の住宅景観は、歴史との断絶が進行している。今後は歴史との連続を考慮した景観形成を行うことが望まれる。さらに、その形成は単に規制によるのではなく、住み手の内発的な活動によって作り上げられるべきである。  近年多くの自治体で、地域の歴史的資源を再評価し、デザインガイドなどのルールを定めて町並みを誘導する取り組みが行われている。多くの地域は歴史との連続が見えにくくなっているが、その連続の特徴を明らかにすることが、今後の景観形成のために重要であると考えられる。 本研究は、開発の波にさらされ歴史の連続が見えにくくなってしまった地方都市郊外の農村集落の現在の民家景観を対象として、混沌とした民家様式を類型的に整理し、歴史との連続性を考察するとともに、規制によらずに伝統的な建築様式を継承する人々の意識を明らかにした。これより歴史と連続した、内発的な、今後の景観形成に資する基礎的知見を得ることができた。
  • 利用世帯・事業所の特性と意識からみた継承の動向と改修補助事業の影響
    松谷 圭祐, 小林 史彦, 川上 光彦
    セッションID: 68
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本研究は非戦災都市である金沢市の中心部に広範に残存する歴史的木造家屋に着目し、建物調査とそれらを利用する世帯・事業所への質問紙調査などにより、歴史的木造家屋利用世帯・事業所の特性と歴史的木造家屋継承の動向を明らかにするとともに、歴史的木造家屋を対象とする金沢市による改修補助事業の効果について考察することを目的としている。  歴史的木造家屋を利用する世帯は小規模で高齢者のみ世帯が多く、事業所は一部に複数店舗展開する比較的規模の大きいものもあるが、家族経営的な小規模事業所が多い。これまでの継承は、家族内で行われたものが大部分であり、新規利用開始例が経年的に減少しており、継承は停滞傾向にある。今後の継承については、約3割の世帯・事業所は継承の見通しがないことが明らかとなった。  補助事業の利用・未利用で比較すると、利用した世帯・事業所の方が、建物のよいところを見出しながら使っている傾向がある。また、補助事業の種類別では、居住性向上を対象に含む補助事業は家族外での継承を促し、景観要素としての再生に重点を置く補助事業は伝統的外観要素の修復に改修補助事業に効果があることが明らかになった。
  • 逐次型施設配置モデルを用いた分析
    鈴木 勉
    セッションID: 31
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本論文では,逐次型のp-median問題およびフロー需要p-median問題を用いて,高速交通路が最適な施設配置や補足する需要によってできる空間構造に与える影響を明らかにする.結果として,高速交通路の存在は最適配置に影響を及ぼすが,施設利用者数に与える影響の度合はp-median問題よりもフロー需要p-median問題の方が顕著であること,高速交通路は施設を引き付けるが,高速交通路上の移動速度が高速になるとその近辺の施設密度は減少すること,フロー需要p-median問題では,中央の施設ほど多くの需要を獲得するが,高速交通路の存在とその高速化によってその程度は増幅されること,十字状交通路や放射状交通路ではセクターの後背地が扇状になるため,郊外に中央の施設に次ぐ副次的拠点が形成され,全体として施設の階層構造が生じること,格子状交通路や環状交通路の存在は,中央の施設への需要の集中を緩和する効果を持つことなどを明らかにする.
  • 日本からタイ国への区画整理制度の移転についてのケーススタディー
    日野 祐滋, 瀬田 史彦, 木下 瑞夫, 岸井 隆幸
    セッションID: 93
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     欧州に起源を有する区画整理制度は、我が国で発展し、全国各地で様々な都市問題の解決手法として活用されてきている。さらに今日では、急速な都市化に悩むアジア諸国の中にも区画整理を活用している国が現れている。タイ政府は、1992年の閣議での承認に基づき、政府として区画整理の導入に向けて本格的に取り組むことを正式に決定した。以来、日本政府は区画整理の技術協力を続けてきたが、その結果2004年には、タイ国の区画整理法が成立した。  本研究では、タイにおける区画整理法の草案作成から国会での修正可決までの過程をたどりつつ、日本とタイにおける区画整理の相違点について比較・分析し、その背景にある社会的、制度的な相違点との関係を明らかにするとともに、今後、タイにおいて区画整理を推進していくための課題についても分析した。さらに、タイへの区画整理制度の移転を事例として、区画整理制度の移転に関する特徴と課題について考察した
  • 8回目を迎えた東京区市行政職員向け都市復興図上訓練から
    市古 太郎, 饗庭 伸, 佐藤 隆雄, 中林 一樹
    セッションID: 118
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
     本研究は,事前に復興に備える,という事前復興対策として1998年から東京都都市整備局が開催している区市自治体職員向け都市復興図上訓練の経緯とプログラムを整理し,訓練成果と参加者アンケート調査から訓練水準を分析し,その上で訓練の改善点を検討したものである.
     図上訓練は,区市職員が通常時とは手順が大きく異なる復興都市計画策定手順を理解し,行政の役割を意識化する上で効果があることが確認された.一方,訓練テーマと手法については,改善の余地があること,また,今後は行政サイドで責任をもって「計画策定手順を検討しておく」ことに加えて,「計画策定プロセスを共有しておく」試みに進んでいく必要があることが1998年からの経緯を踏まえて明らかとなった.
  • 小関 信行, 高野 公男
    セッションID: 76
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    ドイツのクアオルトの認定条件は、療養の要素、気象、環境保護、医学的鑑定のほか、広範囲に渡っている。それだけ、療養地という場所の環境や生活の質が、高いということである。日本の温泉地には、このようなクアオルトの認定制度がないため、人々の目は、個々の旅館や温泉のみに目が向けられる。そのため私は、いま改めて温泉地全体の環境を、都市計画や環境、医学そして交流する観光の視点から総合的に見つめなおし、ドイツのクアオルトのような美しい温泉保養地から学ぶべきと考える。
  • 福原 由美
    セッションID: 122
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究の目的はベルギーの連邦制への移行に着目し、連邦化に伴う地方分権が都市政策に及ぼした変化とその特徴、さらに新たな課題を明らかにすることである。本研究で得られた知見は以下の4点である。(1)ベルギーでは1962年に「空間計画法」が制定され法的枠組みが整ったが、その後も中央集権のもと自由放任的な都市政策が展開された。(2)連邦制への移行にともなって都市政策の権限が各地域政府に委譲されたため、地域の特性を反映することのできる都市政策体制が整った。(3)各地域政府では、独自の法律のもと都市政策や事業を展開し、社会経済的な状況もふまえて、地域内格差の縮小や都市間ネットワークの形成など独自の課題に対応するアプローチが可能となった。すなわち地域政府自らの意思や判断に基づく都市政策が展開できるようになった。しかし、すべての地域を網羅する法律や国土全体を包含するような計画指針などは存在しないため、地域間の整合性が図りにくく、バランスの取れた都市政策の展開には課題が残されている。
  • 李 召熙, 鈴木 勉
    セッションID: 37
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本論文の目的は,1965-2000年の35年間の日本大都市圏を対象として通勤距離の変化動向とその要因を把握することである.結果は以下の通りである. (1)1965-1975年には,全大都市圏における就業者数が急速に増加し,通勤距離の変化率も大きく増加した.特に,三大都市圏においての増加が顕著であった.これは,就業者数の増加による通勤距離が長くなり,大都市圏の通勤圏域が広がったこと,ニュータウン等の住宅団地の計画や開発が要因として考えられる. (2)1975-1985年には通勤距離の増加の伸び率が小さくなったが,引き続き住宅団地の開発,空港等の雇用拠点の開発等による通勤距離の増加が見られた. (3)1985-1990年はバブル期であり,全大都市圏で就業者数の変化率が大きく,常住・従業距離の変化率も増加した.特に,京浜葉,京阪神,中京,北九州・福岡大都市圏での通勤距離の変化率が急増した. (4)1990-2000年は景気が減退し,全ての大都市圏で就業者数と通勤距離の増加率が小さくなり,1995-2000年では,札幌大都市圏以外の大都市圏で就業者数は減少傾向であった.特に,京浜葉,京阪神大都市圏では通勤距離の減少傾向とともに,都心部での常住距離の増加も見られた.
  • 高橋 美寛, 久保 勝裕, 白木 里恵子
    セッションID: 155
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    北海道の上湧別町は、屯田兵が入植した当時の区画や文化が色濃く残っている。こうした固有の歴史を持つ都市には、固有の住民間の歴史的ネットワークが存在し、そのネットワークをうまく利用すれば、現代のまちづくりにおいて大きな役割を担えると考える。 本論では、屯田兵の末裔である町民を「屯田衆」とし、それらの日常的な付き合いである「屯田ネットワーク」の構造を明らかにした。 分析の結果、上湧別町では、兵村から中心街に移転した町民同士がネットワークを維持している実態などが明らかになった。
  • 皇居造営に伴う周辺土地の皇宮地編入の過程と市区改正への影響の分析から
    大澤 のり子, 小場瀬 令二
    セッションID: 159
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/01/05
    会議録・要旨集 フリー
    本研究は、明治近代国家形成期に行われた皇居造営が、同時期に行われた市区改正をはじめとする周辺の都市づくりに影響を与えた、という仮説を実証したものである。研究方法としては歴史史料の蒐集・分析を行った。実証は皇居造営に伴う皇居周辺土地の皇宮地編入、すなわち宮城附属地指定の取り組みに着目して行った。 実証の過程ではいくつかの事実が明らかとなった。皇居造営に伴って皇居周辺の土地を皇宮地に編入する際、市区改正に伴って丸の内の所轄地を払い下げようとしていた陸軍省から反発が起きていたこと、内務省の市区改正による道路配置は、皇宮地に編入された場所に道路を通さないよう配慮していたことなどである。さらに現在の内濠の景観は、宮城附属地指定によって保全されたことも明らかとなった。
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