日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
Online ISSN : 2435-7316
32 巻
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  • 2021 年 32 巻 p. 0
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • 高橋 明花里, 鶴田 佳子
    2021 年 32 巻 p. 1-4
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では、土地利用基本条例制定により、都市計画区域内外を含めた包括的土地利用コントロールを目指す長野県飯田市を取り上げ、その制度内容の調査分析を行った結果、500㎡を超える建築・開発行為等について、開発のための基準を設定した届出勧告制を全市に課し、法的拘束力は弱いものの全市で土地利用コントロール可能とする仕組みを構築していることが分かった。独自の地域区分としては、都市計画区域内外に跨る農振白地地域を土地利用誘導地域に設定し、土地利用上課題のある地域を明示することで、地域の意識を高め、地域土地利用計画策定のきっかけとなることも期待している。また、地域土地利用計画策定2事例から自治区レベルで都市計画区域内外おいて一体的に土地利用計画を実現していることが分かった。加えて、市を区分する4つの地域区分とは別に将来、法令等に基づく土地利用計画との調和が懸念される地域を土地利用調整地域として設定し、対象指定想定エリアの一部は都市計画区域編入後の特定用途制限地域や地区計画の指定によって現行土地利用規制との調整が行われている。
  • - 役割分担型業務代行方式の採用 -
    穴田 卓, 面屋 覚, 岡崎 太郎, 高橋 昌里
    2021 年 32 巻 p. 5-6
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    地方都市の既成市街地において、様々な問題を抱えて長期間有効活用が図られていない一団の用地を開発する手法として、状況に応じて柔軟に対応できる土地区画整理事業の導入が考えられる。 しかし、小規模な施行地区で土地区画整理事業を行う場合は、工事量に比べて事業収益が低く参画業者(工事施工業者など)が少ないこと、保留地としての大規模な用地確保が難しいこと、地価の下落等による保留地処分のリスクが伴うことなどにより、土地所有者の不安材料が増加し合意形成を図ることが困難な場合が多い。 今回、小規模な施行地区における役割分担型「業務代行方式」として、保留地を一括引き受けする地域の不動産業者、事業運営と調査・設計を行う建設コンサルタント、工事を実施する地域の建設業者が共同企業体を結成して業務代行者となり、事業運営・保留地処分をコーディネートしてリスクを回避し実施した、組合土地区画整理事業の事例を紹介する。
  • 金子 孝輔, 秀島 栄三, 中居 楓子
    2021 年 32 巻 p. 7-8
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    モータリゼーションや人口減少等を背景に,持続可能な都市構造としてコンパクトシティが注目されて久しい.また,1960〜1970年代に整備された大量の施設が老朽化しており,早急に施設の削減や更新をすることが求められている.そこで本研究では,コンパクトシティに整合する公共施設削減の手法を明らかにすることを目的とする.具体的には,小学校を対象とし,将来にわたって異なる人口変動が起きる複数シナリオにおいて,学級数や通学距離等の条件下で統廃合を行う.最も管理費を削減できる施設配置を示した上で,施設の更新を行う際の留意点を明らかにする.結果,都市の拠点内に移住することを意図したシナリオが最も公共施設の管理費を削減できた.さらに,施設を更新する際に将来の需要不足を見据えて早期に廃止するという判断が,管理費用削減に繋がることも明らかになった.
  • 秦 瑞希, 浅野 純一郎
    2021 年 32 巻 p. 9-14
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は、中活事業の中で小中学校に関するハード事業を取り上げ、その内容を明らかにし、中心市街地における既存小中学校施設又は廃校・跡地を活用した都市再生へ向けた手法について考察するものである。2006年公布の改正中心市街地活性化法に基づき認定された中心市街地活性化基本計画を全て確認し、そこに記載された小中学校に関する中活事業を全て取り上げる。事業目的による分類と立地の関係を踏まえて各市の中心市街地活性化のねらいを読み取り、小中学校をつかった都市再生手法論の構築へと導く。結果として、1)中活の小中学校に関わるハード事業を目的別に分類化すると①現状維持型事業、②にぎわい創出型事業、③歴史・アイデンティティ整備型事業、④コミュニティ維持推進型事業の4型とそれらの混在型であった。2) 中心市街地においては小中学校の統廃合による廃校舎・跡地利用あるいは既存校舎の更新そのものが中心市街地の再生手法として考えることができることが明らかになった。
  • 水野 有華, 小野 悠
    2021 年 32 巻 p. 15-18
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    人口減少や高齢化の進行する地方都市において、地域外からの来訪者を増やすことが地方創生の足掛かりとして注目されている。本研究では、他地域への移動目的の中でも、出張に着目し、出張先での移動行動や活動を明らかにすることを目的とする。また、新型コロナウイルス感染症の流行による出張への影響についても検討する。 調査は、豊橋市への出張者を対象とし、豊橋駅にてアンケートを実施した。その結果、地方都市に訪れる出張者はタクシーやレンタカーなど、非路線型の交通手段を利用する割合が高く、公共交通の整備されていない地域に目的地があることが推察された。また、豊橋市へ訪れる出張者にとって最も求められているのは「待ち時間をつぶすのにちょうどいい施設」であることが確認された。新型コロナウイルスの影響でリモートワークが浸透し、約半数の出張者が今後出張が減ると予想した。
  • 佐田 大幸, 松本 幸正, 澤田 基弘, 小倉 俊臣
    2021 年 32 巻 p. 19-24
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    乗用車を利用した観光客の増加による観光地周辺の渋滞が問題になっている.交通渋滞は,観光地の魅 力低下,周辺住民の QOL 低下や環境負荷につながっていると考えられ,交通渋滞の緩和は観光地の主 要な課題の一つである.本研究では,彦根市により交通渋滞緩和のために彦根城周辺で実施されたパー ク・アンド・バスライド(P&BR)の社会実験における駐車場利用実態を,観測結果や利用者アンケー トから明らかにした.その結果,P&BR 利用者は彦根城近辺の駐車場利用者と比較して,滞在時間が長 く,訪問観光地数も多くなっており,P&BR 施策は周遊観光にも効果があることがわかった.交通面か らP&BR導入効果を定量的に評価するため,P&BRの車両の動きを組み込んだ交通流シミュレーション を行った.P&BR 未実施時の結果と比較したところ,P&BR 実施時の方が彦根城周辺の旅行時間や走行 速度,遅れ時間などの交通状況が改善される可能性があることがわかった.
  • 伊藤 聖樹, 松本 幸正
    2021 年 32 巻 p. 25-28
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    リニア中央新幹線は最短で2037年に東京-大阪間の全線が開通予定となっており,三重県へも駅の設置が予定されている.目的地までの移動時間短縮は時間的余裕を生み,観光においても訪問箇所数の増加や範囲の広域化が期待される.そこで本研究では,リニアの全線開通が三重県での観光行動にどう影響するかを把握するため,まず,現在の三重県の人気エリアをSNS投稿データから抽出した.次に,WEBアンケートの結果に基づき,リニア全線開通後の観光地間の関連の強さを算出し,想定される周遊ルートを明らかにした.その結果,リニア全線開通後の三重県内の周遊ルートとしては,伊勢,鳥羽,志摩の組み合わせが最も選ばれることになった.また,広域周遊する場合,大阪や奈良,京都も訪問先として選ばれる可能性があることもわかった.他にも,東京在住者は熊野への周遊が増加する可能性が,大阪在住者は名古屋まで観光範囲が広がる可能性も示唆された.
  • 村瀬 瑛士, 木幡 寿人, 安本 倫章, 長谷川 法彦, 上村 祥代, 川本 義海
    2021 年 32 巻 p. 29-34
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    まだ道路を歩き始めて間もないこどもは大人と比べ視野も狭く,段差や凹凸,自動車などといった危険が道路のどこに潜んでいるか把握していないため,それら危険を回避することが難しい.つまり歩行者の安全はこども目線で考えていくことが歩行者全体の安全につながると考える. そこで本研究では,こども特に幼児が外に出て歩く場面は保育園などの教育の一環として行われる散歩であると考え,認定こども園と保育園の保育者を対象にアンケート調査,実際の散歩の観察調査とヒアリング調査を行い,散歩の現状と傾向を分析し,散歩時の行動と感じていること,道路の状態との関係について考察を行った. その結果,「歩道または路側帯がない・狭い」と「車のスピード」に対して危険意識を持つグループに大別され,その両方で街路における通行優先は自動車にあることが明らかとなり,散歩時の安全に悪影響を及ぼしている要因はすれ違い時の歩行者と車との近さが大きく関係していることが明らかになった.
  • 吉村 朋矩
    2021 年 32 巻 p. 35-38
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では、鉄道やバス等の公共交通を補完することが期待できる電動キックボードに着目し、地方都市における持続可能な地域交通としてのあり方に関する基礎的な知見を得ることを目的として、若年層を対象とした電動キックボードの走行調査および、利用意向に関するアンケート調査を実施した。電動キックボードを認知している割合は35.7%であり、電動キックボードシェアリングサービスが本格的に展開された際の利用意向は、28名全ての被験者が利用したいとしていることが分かった。電動キックボードを利用したい距離は、福井市立地適正化計画での公共交通を利用しやすい区域の考え方に基づき整理した結果、鉄道駅の徒歩圏域である800m未満の割合は78.6%、バス停の徒歩圏域である300m未満の割合は17.9%であることが明らかとなった。以上から、電動キックボードの利用は、バス停ならびに鉄道の徒歩圏域をカバーするとともに、バス停や鉄道圏域を拡大する可能性があることを示唆した。
  • 稲本 隆治, 浅野 周平, 渋川 剛史, 松本 隼宜
    2021 年 32 巻 p. 39-42
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    人口減少や高齢化を背景に,我が国の地方都市では,コンパクトシティの形成に向けた取り組みが行われている.コンパクトシティを形成するためには居住の誘導による人口の集約だけでなく,都市機能の誘導による昼間の賑わいを創出することも肝要である.しかし,現在,多くの自治体が都市の評価を行う上で用いる指標は夜間人口をベースにしたものであるため,都市機能の誘導による昼間の賑わいを評価するには不十分であると考える.一方で,情報通信技術(ICT)の進歩によって,携帯電話の基地局データから動的に変化する滞留人口を任意の時空間で把握することが可能となった.これを活用することで昼間の賑わいを正確かつ簡便に把握できる可能性がある.そこで本研究では,携帯電話基地局データを活用し,滞留人口の時間変化に着目した都市の傾向を把握する.これにより,昼間の賑わいを考慮した都市の評価を行うことを本研究の目的とする.
  • - 2005年から2015年の国勢調査データを用いて -
    近藤 智士, 野際 大介
    2021 年 32 巻 p. 43-48
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    岐阜市と津市を対象に2005年,2010年,2015年の国勢調査の地域メッシュデータを用いて,両市における人口分布及び居住地空間の集約・拡散状況について分析した。分析手法としては市街化区域内外における人口の時系列推移の集計,人口階級別の人口及びメッシュ区画数の把握,人口密度関数の推計などを行った。その結果,両市において居住人口の市街化区域内比率が上昇していることから,人口の受容という面では市街化区域制度が有効に機能していること,両市ともに1000人以上の人口を持つメッシュに人口が集約されつつあること,一方で居住地空間としては都市中心部から拡散する傾向にあることが示された。特に津市においては郊外の田園地域において新たに人口が定着する地点が見られ,集約型都市構造の形成とは逆行する傾向がみられる。
  • 竹田 陽太, 豊島 祐樹, 寺山 一輝, 中道 叶, 浦島 里梨子
    2021 年 32 巻 p. 49-54
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    金沢市では、伝統的木造家屋の空き家の発生や建替えによる建物の滅失が問題視されている。伝統的木造家屋の保全・継承を行うためには、その特徴を明らかにした上で、有効な施策を検討する必要がある。そこで本研究では、金澤町家情報バンクに掲載されている伝統的木造家屋(金澤町家)を対象として、それらの利用実態を明らかにすることを目的とする。具体的には、まず金澤町家と一般的な木造建物の取引価格や敷地面積などを比較し、金澤町家の特徴を把握する。次に、目視調査の結果を用いて、金澤町家の使用中・空き家の判別を行い、両者の違いを明らかにする。分析の結果、金澤町家は一般的な木造建物に比べて、事業用途で利用される傾向などがみられた。目視調査の結果、分析対象とした町家の中で成約済みの物件120件のうち、12件が空き家となり、17件が建替え等によって滅失していることが分かった。そして、敷地面積が小さいことなどが空き家の発生要因として抽出された。
  • 谷口 史織, 出村 嘉史
    2021 年 32 巻 p. 55-60
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究は、近代の大垣の各種産業インフラ,特に電力(揖斐川電力)と鉄道(養老線)の経営上の変遷を,両者統合的に整理してその段階を明らかにし,その段階毎の大垣商工者の産業発展に対する思考を確認することで,大垣人士によって認識されてきた産業発展の全体像を明らかした。大正初期に大垣の工業都市化を目指した商工者らにより産業基盤が計画,整備されたが,時代が変わるにつれ大垣はインフラの経営ではなく,利用者としての立場で産業発展を推進した.商工者はインフラ整備期から一貫して産業発展が中心の考えであったが,大正後期には都市計画法施行による近代都市への整備の方に視点を向けるようになった.大垣の商工者は時代の変化により,インフラ経営への立場を変え,産業振興の方針を適切に転換し,工業都市化への発展を実現した.
  • - えちぜん鉄道三国芦原線を事例として-
    山﨑 翔史, 中島 伸, 三寺 潤
    2021 年 32 巻 p. 61-64
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年の地域鉄道事業者の厳しい経営状況下において、路線廃止等の議論があるが、多くは利用者数推移など直接的な利用価値が評価軸となっている。しかし地域鉄道には、車窓風景や鉄道の走る風景による人々の認知を通じた存在価値的要素が内在しており、現況の評価軸と異なる視点による評価方法を模索することが重要であると考えられる。  本研究では、えちぜん鉄道三国芦原線を対象に、沿線自治体の都市計画の把握、車窓動画撮影資料による空間分析と利用者の印象的な車窓・沿線風景の把握を目的としたアンケート調査を実施する。車窓・沿線風景の現況と利用者の風景イメージを明らかにした上で、車窓景観が利用者にとって地域鉄道の重要な視点であることを考察し、今後の地域鉄道の存在価値検討の基礎的知見を得る。  空間分析では、3種類の景観要素から景観類型Ⅰ〜Ⅶが抽出された。アンケート調査では、利用者の約8割から印象的な車窓・沿線風景要素の回答があり、魅力的な風景要素を有していると言える。以上から、利用者が車窓景観を強く意識していることを示しており、車窓景観による鉄道と利用者との関係性は、地域鉄道の存在価値検討における重要な視点だと考えられることが明らかとなった。
  • - 富山県富岩運河環水公園お花見広場の再整備 -
    白井 勝敏, 橋 侑利, 横木 将也, 野村 敦
    2021 年 32 巻 p. 65-66
    発行日: 2021年
    公開日: 2021/10/05
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    富山県富岩運河環水公園は、富岩運河の歴史資源を活用した公園整備が進められ、富山県のシンボルとして、県民をはじめ多くの観光者等に親しまれている。公園東側のサブエントランスとなるお花見広場は、サクラを主体とした樹木と芝生で構成された広場であるが、樹勢の衰えた樹木が多く、かつ休憩施設等がないため、景観性や快適性、利便性の向上を図り、ここちよい広場空間の創出のための再整備が求められた。再整備にあたっては、既存樹木や移植樹木、新規樹木の配置、それらを踏まえたエントランスや休憩施設等の配置や形状等について、多面的な視点で検討する必要があった。このため、ドローンによる写真撮影(空撮)や3Dモデリングデータを活用し、樹木や休憩施設等の配置や公園内外からの広場の見え方をわかりやすく表現し、その内容について関係者と協議、調整を図った。本稿では、再整備に向けて実施した3Dモデルを活用したデザインシミュレーションの内容について報告する。
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