日本都市計画学会中部支部研究発表会論文集
Online ISSN : 2435-7316
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  • 2023 年 34 巻 p. 0-
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
  • -中心市街地活性化基本計画認定後の事例を対象として-
    西山 晃太, 山﨑 晋
    2023 年 34 巻 p. 1-4
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,中心市街地に多く立地する百貨店の閉店・撤退が相次ぎ,中心市街地の空洞化が社会的課題として挙げられている.このような状況下で,中心市街地活性化基本計画(以下,中活)を策定し,中心市街地の活力向上に資する事業として百貨店撤退後の利活用事例が増えている.そこで本研究では,中活認定後の事例に着目し,中心市街地活性化の観点から百貨店撤退後の建物・跡地利活用に対する知見を得ることを目的とする.はじめに,中活認定後に百貨店跡地関連の利活用方策に該当した事例を抽出し,立地状況を踏まえ,中活内での利活用方策の位置付けや実施内容を把握した.次に,中活のフォローアップより中心市街地活性化に向けてのねらいや効果を把握し,利活用主体や利活用種類等を組み合わせることで様々な利活用手法を明らかにした.以上の結果,周辺都市機能拠点施設を勘案した広域的な利活用がなされている傾向にあることが示唆され,中心市街地の核となるような目標や効果を見据えながら百貨店撤退後の建物・跡地利活用が実施されていることを明らかにした.
  • -特措法施行から令和2年度に行われた351事例を対象にして-
    野中 優希, 山﨑 晋
    2023 年 34 巻 p. 5-6
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年,日本では空き家数,空き家率が増加傾向にあり,この状況に対し,国は平成27年5月に「空家等対策の推進に関する特別措置法(以下,空き家特措法)」を施行した.現在この法律に基づいて,各自治体は空き家問題に取り組んでおり,本法における取組の一つである代執行の件数は年々増加傾向にある. 代執行においては特定空き家の除却やコンクリート塀の撤去などが行われているが,立地や周辺環境に応じて跡地の管理や活用が求められる.そこで本研究では,空き家特措法による代執行の事例を対象に,立地及びその跡地利活用状況との関連性を明らかにすることを目的とする.本研究では国土交通省・総務省の資料,自治体のホームページを基にWEB調査を行った.以上の結果,代執行対象地は市街地より地方部に多い傾向が示唆された.また,跡地は駐車場や住宅として活用されるものがあり,市街化区域での利活用割合が最も高いという結果が得られた.
  • -富山県氷見市に居住する高校生を対象として-
    森 豪大, 籔谷 祐介, 宋 俊煥
    2023 年 34 巻 p. 7-12
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    人口減少問題を抱える日本において,Uターン人口増加のための糸口として,都市に対する市民の誇りと定義されるシビックプライドの醸成が注目されている.本研究では,農漁村地域である富山県氷見市を対象に,Uターン施策を行う上で重要とされる高校生を対象にアンケート調査を実施した.その結果,どのような源泉がシビックプライドを醸成し,将来の定住意識を高めるかという一連の流れを明らかにした.シビックプライドの源泉は「魚・海」,「祭」,「公園・広場」,「歴史・文化」の4つの因子で構成され,シビックプライドの構成要素は「参画」,「アイデンティティ」,「愛着」,「持続願望」の4つであることを提示した.また,共分散構造分析の結果,高校生における将来の定住意識は,シビックプライドの構成要素の一つである「愛着」によって形成され,その「愛着」は「魚・海」と「公園・交通」の源泉によって醸成されることが明らかになった.
  • -藤沢市のスマートシティ推進政策を例に-
    志賀 優貴, 宮田 将門, 東海 明宏
    2023 年 34 巻 p. 13-18
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では,自治体スマートシティの「準備段階」を念頭に,神奈川県藤沢市を対象に市民ニーズ把握を目的としたアンケート調査と分析手法を検証し,市民ニーズに基づく新たなまちづくりを推進する上での戦略的検討の一例を示す。具体的には,藤沢市スマートシティ基本方針をもとにスマートシティの取組分野を網羅する調査項目として,暮らしに対する感じ方(満足度),ライフスタイル・価値観,生活環境に関する評価を構成する23項目について,項目間の関係性を踏まえ施策ニーズ抽出のための分析モデルを設定。暮らしの満足度項目に対する各生活環境項目の影響度の大きさをパス解析によって算出した結果,各満足度項目を向上させる効果的な施策分野は対象の満足度項目や世代の別によって異なることが明らかとなった。藤沢市民の場合,住みやすさに対しては子育て環境のよさが好影響を与えるが,今後のテクノロジーを活用したまちづくりに向けては市民参加の充実度を高める必要性が示唆された。
  • 松本 義正, 宮田 将門, 宮下 光宏
    2023 年 34 巻 p. 19-20
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    対象自治体におけるサッカースタジアムは建設から約30年経ち、維持更新を継続的に行う必要があるほか、スタジアム自体に求められる機能等も建設当時とは異なる状況にあり、今後現状スタジアムを改修しながら継続して利用するか或いは新たな場所にスタジアムを建設するかの検討が必要である。本研究では、土地ありきのスタジアム検討ではなく、利用者や市民の意識からどのようなスタジアムが求められているかを明らかにするため、静岡市民やサッカー観戦者を対象にアンケートを行い、共分散構造分析を用いて利用者選好を明らかにした。分析では、居住地と現スタジアムでの観戦頻度を元に、利用者を静岡市民、市外の熱心なファン、市外のライトなファンの3つに類型化ができ、新スタジアムに期待することの順位を把握した。全体として公共交通アクセスとの影響は高い傾向がみられ、市民や市外のライトなファンは臨場感との影響は低い傾向がみられるものの、市外の熱心なファンは影響が高い傾向がみられた。
  • - リサイクル・プロセスと取引関係に注目して -
    仙田 璃温, 小野 悠, 中村 大介
    2023 年 34 巻 p. 21-24
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本論文では13コンパウンドにおけるプラスチック・リサイクル産業の集積理由を考察することを目的とした。インドは1991年の経済自由化以降、IT等の機械産業を中心として目覚ましい経済成長を続けている一方で、低所得者の居住する低質かつ高密な市街地=スラムは拡大の一途を辿っている。対象地である13コンパウンドは、インド有数のスラムでありながらムンバイの経済活動の要所として機能しているダラーヴィ地域の一部であり、主にプラスチック・リサイクル産業が集積していることで知られている。本研究では事業所の経営者及び労働者へのインタビューを通して事業に関するデータを収集し、事業プロセスや取引先について整理することで分析を行った。その結果、プラスチック・リサイクル産業の集積は同業者同士の近接による事業的な連携が目的ではなく、営業機会の増大による顧客の獲得や、周辺の鉄道や空港および幹線道路などによる交通利便性が理由であるという考察が得られた。
  • 松下 航太郎, 小野 悠
    2023 年 34 巻 p. 25-28
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究はザンビア・ルサカの未計画居住地を対象に、土地利用や居住者の生活環境の実態を明らかにすることを目的とする。研究は53区画で構成されるエリアを対象に、建造環境、土地利用、敷地境界壁などに関する観察調査と、水・電気の利用状況、所有者と借家人の居住状況などに関する土地所有者へのインタビュー調査により実施した。調査から、(1)建築の過密化は現時点で問題になっていないが商業利用や賃貸経営など利益追求的な土地活用が進むことで今後問題となる可能性があること、(2)水や電気は住民にある程度行き渡っているが普及率を上げる必要があること、(3)未計画居住地は所有者にとって居住の場としての性格が残っているがビジネスの場としての性格も強くなりつつあること、が明らかになった。
  • - 高岡やぶなみ駅に着目して-
    寺林 大輝, 本田 豊
    2023 年 34 巻 p. 29-32
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では,コンパクトシティ政策における居住誘導をしただけでは,交通行動変容があまり起こらないということを背景に,富山県高岡市の鉄道新駅周辺に着目し,居住者と転居者の交通行動や居住地選択行動の実態について明らかにし,居住者の交通行動変容の可能性について考察した.  その結果,新駅から徒歩10分圏内の居住者への調査の結果,9割近くが主な移動手段がクルマであり,そのほとんどが「ほぼ毎日」クルマを利用していることが明らかになるとともに,7割近くが駅を「ほとんど利用しない」という実態が明らかになった.クルマ利用者の利用目的の一つである外食・娯楽を,他の移動手段で果たせるようにすることによって,鉄道が移動手段の選択肢に追加される可能性が示唆された.また転居者は転居直後の鉄道利用を想定しているのではなく,転居後の自分の家族のために鉄道利便性を確保することを理由にしている可能性があることが示唆された.
  • -福井市の事例-
    近藤 智士, 野際 大介
    2023 年 34 巻 p. 33-36
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    集約型都市を実現するうえでは周辺地域とのネットワーク,とくに公共交通による輸送手段を確保することが求められる.近年の公共交通においては新技術の導入により輸送手段や輸送方法が多様化することが予想されるが,公共交通を維持するためには一定の需要が必要である.そこで本研究では日常的に利用可能な路線バス沿線の人口密度について,福井市を対象に5次メッシュデータ(約250m四方)を用いて考察を行った.2020年の国勢調査居住人口データによると,往復80便/日以上の路線バス沿線では平均で50.0人/ha,60便/日以上では45.1人/ha,40便/日以上では30.4人/haの値を得た.ただし,2010年から2020年のデータを比較すると,公共交通の利便性が高い地域で人口が減少した反面,利便性の低い地域で人口が増加傾向にあり,集約型都市の形成とは逆行していることが示された.
  • -豊橋市中心市街地を事例に-
    宮嶋 太陽, 小野 悠
    2023 年 34 巻 p. 37-42
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    都市縮小期を迎えた地方都市中心市街地では、人口減少やモータリゼーションの進展などによって都市のスポンジ化が問題となっている。商業地における低利用な青空駐車場は都市のスポンジ化によって生じた空間であり、今後地域に賑わいをもたらす可能性を有した余白でもある。そこで本研究では、独自の指標として「路線空処密度」を導入することで、身体感覚により近い形で平面駐車場の立地実態を可視化し、周辺環境の違いによる路線空処密度(空き実態)の違いを明らかにした。結果、時間貸しは、商業・住宅混在系の沿道土地利用かつ路線価の高い路線(駅近辺)において集中して立地すること、月極と専用(店舗等)は補完的に立地すること、専用(マンション)は、他の営業形態に比べて総量が少なく、道路幅員が小さく駅近辺で集中して立地することがわかった。公共空間である道路で低未利用地を捉えることは、低未利用地の暫定活用や道路空間の賑わい創出の推進に向けて、重要な視点であることを示した。
  • プラムーン パニタン , 三寺 潤
    2023 年 34 巻 p. 43-48
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    地方都市の鉄道の魅力のひとつに車窓からの風景がある。車窓景観から多様な地形や地域が持つ固有の風土を感じとることができ、路線別に静かな田園風景から都市景観まで個性豊かな環境を体感することが可能である。本研究では、これら車窓景観を、デジタルツールを用いて平面上に可視化することを試みた。まず、鉄道の車窓景観に関するデータを収集し、より情報を伝わりやすくするために直線的な可視化の方法と車窓景観を図示する方法を検討した。この手法を活用することで、乗車をする前に異なる地域の車窓景観を理解することが可能となる。また、地域鉄道と周辺環境との本質的な関係を読み解くことにより、移動そのものの質を高めるだけでなく、駅周辺および鉄道路線沿いの再生計画の基礎的な知見を提供することが可能となる。
  • 吉村 朋矩, 藤田 和秀, 三寺 潤, 池田 岳史
    2023 年 34 巻 p. 49-52
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    本研究では、自動車に頼らざる得ない地方都市において、電動キックボードを活用した都市・交通施策の展開の可能性に関する基礎的な知見を得ることを目的として調査を実施した。10代から20代の大学生を対象として、電動キックボードの走行体験を行い、被験者が感じた電動キックボードの操作性や安全性、今後の利用意向に関するアンケート調査を行った。その結果、電動キックボードの利用想定距離に着目した場合、バス停や鉄道駅の徒歩圏域、日常生活圏域において電動キックボードの利用が見込まれ、電動キックボードシェアの利用意向については96.3%であった。よって、利用環境を整えていくことで、自動車依存による移動の低減に向けた可能性があることを示唆した。一方、被害軽減の観点から、ヘルメット着用の意識を高めていく必要もある。今後、更なる知見を深め、自動車に頼らざる得ない地方都市において、多様なモビリティが共存する安全な社会を目指した施策の提案につなげたい。
  • 平井 真琴, 土屋 泰樹, 堀田 裕弘
    2023 年 34 巻 p. 53-56
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年、夜の時間帯の観光(ナイトライフ観光)が推進されている。そこで、本研究では、東京23区を対象に、ナイトライフ観光を発展させていく上で重要な要素となる飲食店と宿泊施設の集積の関連やその差異を明らかにすることで、ナイトライフ観光を発展させていくうえでの課題や改善策を考える。飲食店と宿泊施設の立地の集積を明らかにするために飲食店と宿泊施設の位置情報や飲食店の営業時間を民間サイトから取得し、Local Moran’s I統計を用いて分析を行った。その結果、飲食店、宿泊施設ともに同じような規模のクラスターが形成されているエリアがある一方で、飲食店、宿泊施設ともにクラスターが形成されているものの伸びる方向に違いのあるエリアや飲食店のクラスターだけが形成されているエリア、宿泊施設のクラスターだけが形成されているエリアがあることが明らかになった。
  • -愛知県豊橋市松山校区自治会を事例に-
    稲垣 迪和, 小野 悠
    2023 年 34 巻 p. 57-60
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    自治会役員の高齢化や自治会への加入率低下が進む中で自治会活動は衰退しつつある。一方で、2019年末からの新型コロナウイルス感染拡大により、自治会活動が制限される中で、自治会のICTツール導入の取り組みが各地で取り上げられた。また、自治会役員の若返り、自治会業務の簡易化、自治会活動への若手の参加促進等を目的として、ICTツールの導入への期待も高まっている。自治会役員の高齢化が進む自治会に、どのようなプロセスでICTツールを導入していけるのだろうか。本研究では、地元企業が開発したスマートフォンアプリの導入を決めた愛知県豊橋市松山校区自治会を対象に、自治会へのICTツール導入プロセスを町自治会長へのアンケート調査、観察調査から明らかにし、導入の課題や可能性を検討することを目的とした。調査結果から、自治会のICTツール導入の現状、町自治会長のICTツール導入に対する意向、自治会役員を占める高齢者と子育て世代の導入に対する意向のギャップが明らかとなった。
  • - Instagramの投稿内容に着目して -
    井上 晴世, 小野 悠
    2023 年 34 巻 p. 61-64
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    近年、SNSの普及は急速に進み、利用者数が幅広い年齢層で増加していることから、人々の日常の一部となっていると考えられる。企業においてはSNSを活用したマーケティングが進んでおり、SNSは人々の消費行動・来店行動に大きく影響を及ぼしていると言える。本研究は、豊橋市内の飲食店を対象にSNSの一つである「Instagram」の利用実態を調査し、投稿内容に着目したうえでSNSによる情報発信の特性を明らかにすることを目的とする。調査の結果、店舗についての発信だけでなく、地域情報やプライベートについての発信がおこなわれていることが確認され、地域情報については立地によって発信されている内容に違いが見られた。また、クラスター分析によってInstagramを利用する飲食店の類型化をおこなった結果、Instagramの利用に非積極的なグループ、情報発信もつながりも両方大事にするグループ、つながりよりも情報発信を重要視しているグループ、の3つのグループに類型化することができた。
  • 佐藤 凌真, 小野 悠
    2023 年 34 巻 p. 65-68
    発行日: 2023年
    公開日: 2023/09/29
    研究報告書・技術報告書 オープンアクセス
    将来発生し得る南海トラフ巨大地震では,全国で東日本大震災の約17倍に上る約121万戸の応急借上げ住宅が必要になると推定されている。被災者の住まい確保のセーフティネットとして仮住まいを供給するには,各地域において想定される災害ごとに住宅被害を想定し,被害想定に基づく仮住まいの供給量をあらかじめ検討する必要がある。一方で,先行研究等の供給量推計においては,実際に住宅を提供する民間賃貸住宅所有者の意向が考慮されていない。本研究は,南海トラフ巨大地震を想定して豊橋市における仮住まいの供給量推計を行う。その際,民間賃貸住宅所有者の住宅提供意向の考慮の有無と,管理会社の機能の有無に着目する。その結果,所有者の意向を考慮することにより仮住まいの供給量が大きく減少することが分かった。また,事前に所有者と管理会社が連携し災害時の仮住まいの供給に備える(管理会社が機能する)ことにより,仮住まいの供給量が大きく増加することが分かった。
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