セメント硬化体の含水状態に依存した熱膨張係数の非線形特性を明確にする観点から, 硬化セメントペーストを対象として, (∂h/∂T)θで定義される相対湿度の温度依存性に関する係数(Hygrothermic coefficient)を実験的に明らかにした(T:温度, h:相対湿度, θ:含水率)。実験では, 飽和した試料に対するFirst desorptionプロセスを対象として25[℃]と35[℃]に平衡する相対湿度を計測した。相対湿度とHygrothermic coefficientの関係は凸型のプロファイルを示し, 乾燥した試料を対象とした吸着プロセスから評価される結果に比較して, その値は3~4倍程度高い値を示すことが明らかとなった。
抄録全体を表示