日本色彩学会論文誌
Online ISSN : 2436-7451
3 巻, 1 号
選択された号の論文の3件中1~3を表示しています
  • 若田 忠之
    原稿種別: 原著論文
    2025 年3 巻1 号 p. 1-18
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/06/30
    ジャーナル フリー

     本研究では単色を対象として色の心理的な「明るさ」と「あざやかさ」を合成した概念を仮定し,それを数値化すること,およびその概念と色の属性,印象次元間の関係性を検討することを目的とした.方法はPractical Color Co-ordinate Systemより12トーン×5色相(赤,黄,緑,青,紫)および無彩色5色の計65色を用いて心理的な明るさ,あざやかさの評価および印象評価を行った.その結果,配色,単色の刺激の形態によらず明るさとあざやかさの間に相関関係が見られた.そこで,単色刺激について主成分分析によって明るさとあざやかさの合成を行ったところ,88.2%の説明率で合成可能であることが示された.この合成概念を“Brilliantness”:Brtと命名した.また,単色刺激に対する印象次元の抽出として印象評価値に対して因子分析を行った結果3因子が得られた.Brtと各因子の間で相関係数を求めたところ,第1因子(評価・潜在性)と(r = .965),第2因子(活動性)と(r = .937)のように,それぞれ高い相関関係が見られた.上記の2つの印象空間内ではBrtによって色の印象を整理できる可能性が示された.

  • 東 洋邦, 瀬川 かおり, 岡嶋 克典
    原稿種別: 原著論文
    2025 年3 巻1 号 p. 19-33
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/06/30
    ジャーナル フリー

     錐体と桿体だけでなくメラノプシン細胞も色の見えに寄与することが最近報告されてきている.しかし,これまでの研究では視覚刺激(光源)を視野の一部にしか呈示していないため,視野周辺に広く分布するメラノプシン細胞が照明環境の色の見えに与える影響は不明である.そこで本研究では,メラノプシン細胞が照明環境の色の見えに与える影響を調べるために,波長可変LED光源を天井に配置した装置を作成して実験を実施した.実験参加者は色覚正常の10名で,光源の条件は相関色温度(2700K,5000K,8000K)とメラノプシン細胞の刺激量を組み合わせた8条件とした.実験の結果から,5000 Kと8000 Kの一部の条件においてメラノプシン細胞の刺激量が高いほど緑成分方向に変化する傾向がみられた.部分的な視野だけでなく,照明環境の色の見えにもメラノプシン細胞が寄与している可能性が高いことから,照明光の分光分布設計は,測色値だけでなく,メラノプシン細胞の刺激量も考慮する必要があることが示された.

  • 澁谷 孝幸, 平 健吾, 矢野 雅文
    原稿種別: 原著論文
    2025 年3 巻1 号 p. 34-42
    発行日: 2025/06/30
    公開日: 2025/06/30
    ジャーナル フリー

     人が感じる明るさ感には個人差があり,同じ輝度でも眩しさを感じない人がいる一方で,眩しさを感じてしまう人がいる.光の刺激に極度に反応してしまうことで,アーレン症候群といった視知覚障害を起こすこともある.今回,このように個人ごとに異なる明るさ感に関して,薄明視領域における輝度差弁別閾との相関調査を行った.輝度差弁別閾の測定には視力測定で用いるランドルト環を利用し,30人を対象者として輝度差弁別閾の調査および日常生活においてどのように明るさを感じるかのアンケートを実施した.結果として,輝度差弁別閾特性と明るさ感に関するアンケートに一定の相関傾向を確認することができた.

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