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沢井 長雄, 藤本 美法
セッションID: A1
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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一楽,二萩,三唐津という茶界の諺は,萩焼の茶陶における優位性を端的に物語っており,陶器としての萩焼については多くの解説書や美術書がある.しかし,萩焼の原料粘土の性質や産状,成因の情報はほとんどない.萩焼の陶土は,大道土が主たるものであり,これに金峰土や見島土などが配合されて胚土となる.野外観察やXRDとXRF分析結果などから,これらの粘土の成因について検討した.
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井上 厚行, ムニエ アラン, パトリエーマ パトリシア, リゴール セシール, ボッフォール ダニエル, ビエイアー フィリップ
セッションID: A2
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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天然と実験の両面から、これまでに多数のクロライトの化学組成変化を利用した地質温度計が提案されているが、続成作用から変成作用といった広い条件範囲に提要できる普遍的な温度計は存在しない。この研究では、低温生成のクロライトの組成変化の特徴に基づいて、低温生成のクロライトの生成温度推定に適用できる新たな地質温度計を提案するとともに、Walshe (1986)やVidal et al. (2001)の温度計との比較を行い、その有効性について議論する。
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中沢 弘基, 古川 善博, 関根 利守, 大庭 雅寛, 掛川 武
セッションID: A3
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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初期地球の表層(N
2,H
2O,CO
2大気、ほとんど海洋)へ普通コンドライトが衝突する条件で衝突実験を行い、蛇紋石とアミンや脂肪酸およびグリシンなど生物有機分子の生成を確認し、発表者の提案する「有機分子ビッグバン仮説」の一端を証明した。
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永田 洋
セッションID: A4
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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粘土鉱物の結晶構造について情報のエントロピーの概念を導入することにより、粘土鉱物の結晶性に関する理解と表現の見直しを目指し、それに基づいた粘土鉱物の分類法を考える。
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-鉱物組成変化やモンモリロナイトの鉱物学的特徴変化への反応溶液組成の影響-
横山 信吾, 中村 邦彦, 田中 幸久
セッションID: A5
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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供試体の初期乾燥密度や反応溶液組成をパラメータとした圧縮成型ベントナイトのアルカリ変質試験を1年程度実施した.その結果,pH12程度の溶液を用いた試験(KOHは除く)では鉱物組成の変化など顕著な変質は観察されなかった.KOHを用いた試験では,混合層様鉱物の生成が認められたものの,その他の随伴鉱物の鉱物組成には顕著な変化は認められなかった.また,生成した混合層様鉱物は,その他の陽イオンで交換処理すると再度膨潤性を示した.
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分子シミュレーションとX線反射率測定の比較
佐久間 博, 河村 雄行
セッションID: A6
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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粘土鉱物の膨潤挙動の理解は、断層の摩擦強度や土木分野・廃棄物処理など基礎研究から実用まで幅広く重要である。粘土鉱物の膨潤挙動は層間イオンの水和特性を知ることが必要となる。雲母はへき開により原子レベルで平滑な広い表面を容易に準備でき、表面に交換性カチオンを持つため、表面に吸着したカチオンと水の構造・物性を調べるのに最適である。本研究では分子動力学計算を用いて、雲母表面の水の性質を調べ、従来報告されているX線反射率法の反射率パターンと比較し、雲母表面上および表面間のカチオン・水の構造・物性を考察する。
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諸留 章二, 河村 雄行
セッションID: A7
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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粘土のミクロ-マクロ力学解析において、粘土のメソスケールの組織構造を知ることは非常に重要である。そして、X線小角散乱実験は粘土組織を解析する最も有効な手段の一つである。
本研究では、三種類の粘土-水系(不飽和系、水分散系、NaCl溶液分散系)に対してX線小角散乱実験を行った。
結果、散乱パターンはそれぞれの系で異なっていた。それぞれの系の特徴的な大きさ、形などを議論する。
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鈴木 啓三, 佐藤 努, 米田 哲朗
セッションID: A8
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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モンモリロナイトの粉末試料に対して加熱処理を行うと、処理温度によって
水分散液の粘度が変化する。
変化の傾向あるいは程度はモンモリロナイト試料によって異なる。
山形産およびワイオミング産モンモリロナイト試料に対して、110℃~400℃で加熱処理を行って水分散液の粘度を測定し、モンモリロナイトの特性と粘度変化の傾向とを関連付けた。
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森田 紘史, 小川 誠
セッションID: A9
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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非イオン性アゾ色素メチルイエローと合成サポナイト(スメクトンSA)との固相反応を行った。赤色の生成物が得られ,これは水によく分散した。色素の吸着状態,分散液の乾燥に伴う薄膜化を吸収スペクトルなどで評価した。
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井出 裕介, 小崎 剛, 小川 誠
セッションID: A10
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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層状アルカリケイ酸塩、オクトシリケートとメルカプトプロピルトリメトキシシランとの反応により層表面にチオール基が固定されたシリル化オクトシリケートを合成し、これを硝酸処理することでチオール基を定量的に硫酸基に変えた。硫酸化オクトシリケートの基本面間隔は水との反応に伴い増大し、その程度は硫酸基の固定量あるいは層表面残存シラノール基のトリメチルシリル化によって異なった。
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松尾 侑紀, 山中 暁子, 望月 大, 黒田 一幸
セッションID: A11
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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p-(トリクロロシリルメチル)安息香酸エチルと層状ケイ酸塩オクトシリケートを反応させた。XRD,
29Si MAS NMR,
13C CP/MAS NMRの結果より、層間への安息香酸エチルの固定化を確認した。エトキシ基の加水分解により安息香酸へ転換させ、層間の安息香酸と金属種との反応についても検討した。
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渡辺 雄二郎, 生駒 俊之, 山田 裕久, 堀田 賀洋子, 田中 順三, 藤永 薫, 小松 優
セッションID: A12
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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層状複水酸化物は合成が容易であり、その構造特性から様々な陰イオンや分子をインターカレーションすることができる。そのため、砒素、ヨウ素、リン酸イオンなどの環境汚染物質の除去材料や、製薬成分や生化学的化合物を担持した生体材料としての利用か期待される。一方アパタイトはアルカリ条件下での低溶解性を利用した放射性物質の長期固定化材料や高い生体親和性を利用した生体材料として応用されている。本研究ではこれらの層状複水酸化物とアパタイトの特徴を利用するため、Ca/Al系層状複水酸化物を合成し、その表層へのアパタイトの複合化を検討した。
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亀島 欣一, 中島 章, 岡田 清
セッションID: A13
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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テトラ型の塩化白金酸と層状複水酸化物の複合体を主に再構築法で作製した.得られた複合体は底面間隔が0.76nmから0.82nmとなった.この値は塩化物型LDHの0.78nmよりは大きいが,多くの研究報告があるヘキサ型の塩化白金酸の1.07nmよりは十分に小さく,塩化白金酸の四辺形が層間に平行に入ったことが示唆された.得られた複合体は500℃での熱処理でもXRDでの白金の析出は見られなかった.これは,層間が狭いことで白金の粒成長が抑制されたためと考えられる.
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蛯名 武雄, 水上 富士夫, 米本 浩一, 奥山 圭一
セッションID: B1
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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粘土膜と炭素繊維強化プラスチック(CFRP)を積層することにより、水素ガスバリア性および耐久性に優れた水素タンク用複合材料を開発した。開発した複合材料は粘土膜とCFRPを積層し高温高圧で加工したものであり、従来のアルミニウムや高密度樹脂をガスバリアライナーとして用いるものよりも構造が簡単で信頼性が高い。水素ガスバリア性、熱衝撃試験、材料の変形等に対する耐久性試験結果などは良好であった。本複合材料は、優れた水素ガスバリア性を活かして航空機・ロケット・車用の軽量水素タンクなどに応用可能である。
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渡邉 克晃, 中澤 弘基, 松井 良夫
セッションID: B2
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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粘土鉱物を材料にした無機フィルムは、高いフレキシビリティ、耐熱特性、気密特性、吸湿特性などを有する先端機能性材料をして注目されている。これまでアロフェンのフィルム化(特にセルフサポーティングフィルム)には成功していない。今回、水相‐油相界面を用いアロフェンの凝集を二次元方向に制御することで、セルフサポートのアロフェンフィルムを得ることに成功した。フィルム形成のメカニズムおよびフィルムの電子顕微鏡観察結果について報告する。
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山岸 晧彦, 佐藤 久子, 谷口 昌宏, 田村 堅志, 山田 裕久
セッションID: B3
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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両親媒性のIr錯体を合成し、その錯体と粘土とのハイブリッドLB膜をつくった。単分子膜においても十分な蛍光を示し、気体センサーとして働くことを見出した。
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楠本 啓貴, 笹井 亮
セッションID: B4
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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我々はこれまでに層状チタン酸の層間にキサンテン系色素と共に界面活性剤を導入することにより高量子収率の色素単量体発光を示す固体材料の作製に成功している。さらにこの材料が周囲の湿度に応じて発光特性を変化させる湿度応答性を示すことを報告してきた。本研究では新たに、ハイブリッド材料の発光特性への様々な有機溶媒蒸気の影響を評価し、ガス中有機溶媒成分の発光検出のための材料としての可能性を調査した。
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田村 堅志, 山田 裕久, 井伊 伸夫, 丸山 典夫, 八田 珠郎
セッションID: B5
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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有機修飾した層状複水酸化物(LDH)を用いて熱硬化性ポリマーをマトリックスとするポリマーナノコンポジットを調製した。得られたナノコンポジットはX線回折(XRD)測定、透過型電子顕微鏡(TEM)観察などによりモルフォロジー評価を行った。ナノコンポジットのモルフォロジーと機械的性質の関係について報告する。
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田 宏燕, 多賀谷 英幸
セッションID: B6
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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本研究ではポリビニルアルコールの熱特性、力学特性などの基本性能を向上させるため、粘土鉱物として層にマイナス電荷をもつモンモリロナイト(MMT)、中性のパーライト及び層にプラス電荷を持つ層状複水酸化物(LDH)を混合させ、無機―ポリマー複合材料の創製法を確立すると共に、得られた複合体中で無機化合物の存在による複合体の構造、熱安定性、機械特性などの変化について検討を行った。
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佐藤 公保, 多賀谷 英幸, 島村 哲也, 山下 喜世次, 幅上 茂樹, 梶原 鳴雪
セッションID: B7
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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酸処理した温石綿を出発物質として用い、シリル化反応により反応性官能基を導入したシリコーンポリマーを合成し、機能化の詳細な条件と生成物の物性等について検討を行った。
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北川 隆司
セッションID: B8
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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台湾で1999年9月21日に発生したchi-chi地震により、台中で数千の土砂災害が発生した。特に草嶺地区では、巨大地すべりが発生した。この地すべりに関しては多くの研究報告がある。しかし、粘土鉱物学的立場からの研究報告はほとんどない。筆者らは、2008年5月に現地で調査を実施した。本報告では、この地すべり発生機構に関して、粘土鉱物学的立場から考察した。
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立花 宏, 江川 剛, 高木 慎介, 井上 晴夫
セッションID: B9
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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アニオン性粘土表面にカチオン性ポルフィリンを吸着させることにより、無会合で規則的な配列を形成できることを見いだしている。同形置換による粘土表面の電荷発生位置の詳細については不明な点が多い。そこでクーロン相互作用に注目し、ポルフィリンが安定吸着部位へ移動する動的なシミュレーションプログラムを作成した。マウス操作により同形置換部位や吸着分子を容易に操作でき、様々な電荷位置に対する、分子の安定吸着部位とエネルギー等について検討した。
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鈴木 康孝, 坂元 祐輔, 一丸 千何子, 平川 祥一朗, 川俣 純
セッションID: B10
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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いくつかの色素のニ光子吸収効率が、粘土鉱物との複合化により、十倍以上に増大することを発見した。本研究では、粘土鉱物としてスメクトンSAを用いることで、光散乱の無視できる粘土-色素複合体の作成を可能とした。この複合体の一光子吸収スペクトル、ニ光子吸収スペクトルをあわせて議論し、粘土-色素複合系からなる超高効率二光子吸収材料の設計指針について報告する。
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山木 博史, 中山 大輔, 鈴木 康孝, 谷 誠治, 山崎 鈴子, 川俣 純
セッションID: B11
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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粘土と複合化したローダミン類やスチルバソリウム誘導体に光を照射すると、有機色素の分解が大幅に促進され、粘土に光分解の触媒としての効果があることを発見した。この光分解は、物質に吸収がある波長領域での光を照射することで、分解したい物質の対象を選択することが可能である点で酸化チタンを触媒とした光分解とは異なる。これまでに調査した範囲では、カチオン性部位がπ電子系に含まれる窒素である有機色素において、粘土との複合化により光分解が促進されていることがわかった。
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黒田 義之, 黒田 一幸
セッションID: B12
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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イモゴライトとポリスチレンスルホン酸(PSS)ナトリウムを混合し、イモゴライトとPSSを複合化させた。陽イオン性のイモゴライトとアニオン性のPSSとの静電相互作用により複合化させた。複合体を空気雰囲気で熱処理することにより、生成物中にメソ孔が形成した。イモゴライトとPSSの複合化条件により、メソ孔の細孔径、容積が変化した。
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高木 慎介, 荒武 義人, 余語 優子, 増井 大, 嶋田 哲也, 立花 宏, 井上 晴夫
セッションID: B13
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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粘土ーポルフィリン複合体の分子レベルにおける構造について検討した。特にポルフィリン分子の電荷について着目した。ポルフィリンの分子構造を変えることにより、ポルフィリン飽和吸着時におけるポルフィリン分子間距離を制御可能であることを見い出した。また、ポルフィリン分子の複合体内での配向変化挙動についても、ポルフィリン分子構造が著しい効果を示す事がわかった。
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森本 和也, 佐藤 努, 米田 哲朗
セッションID: A14
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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ハイドロタルサイトは陰イオン交換性粘土として広く知られている。ハイドロタルサイトに対する陰イオンの吸着機構は、一般に層間へのイオン交換反応による吸着が主体であると考えられている。本研究では表面錯形成反応に注目し、ハイドロタルサイトに対する各種無機陰イオンの特異吸着性について明らかにした。また、その特異吸着性と陰イオンの示す特性との関連について検討を行った。
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クグベ ジョセフ, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A15
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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LTA zeolite-goethite nanocomposite was successfully synthesized in the laboratory by a two step procedure. Phosphate adsorption was twice in the nanocomposite as it was in a simple mixture of the two minerals. Water, lead and cadmium adsorptions were the same on both samples.
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和田 信一郎, 林 沙耶香
セッションID: A16
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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Alを10%置換したferrihydriteを合成し、陰イオン吸着剤としての安定性および吸着性能の評価を行なった.合成直後から400日後までの鉱物組成変化は、FeをAl置換することでFeのみの試料よりも結晶化をかなり遅延させ、また置換によって吸着量が減少しないことを確認した.さらに合成時のpHに着目し、合成条件が生成物の構造と性質に及ぼす影響を検討した.
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エルシェイク モハマド, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: A17
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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The interaction between low molecular weights and phosphate on clay minerals has a great importance for understanding their impacts on minerals dissolution and metal mobility in the rhizosphere. Phosphate and oxalate adsorption was investigate in single and binary system on two allophane samples, namely one with low Si/Al ratio (KyP) and one with high Si/Al ratio (KnP) ,at low concentration and different constant pH .
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會澤 純雄, 小橋 直将, 安武 愛子, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: A18
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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近年、層状複水酸化物(LDH)への薬剤の取り込みに関する研究が行われている。本研究では、抗ガン剤である5-fluorouracil(5-FU)のLDHへの取り込みならびに複合体の細胞増殖抑制効果について検討を行った。5-FUはイオン交換法ならびに共沈法によりLDHへ取り込まれた。また、細胞増殖の抑制効果は、5-FUに比べLDHと複合化することにより向上した。
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安武 愛子, 會澤 純雄, 高橋 諭, 平原 英俊, 成田 榮一
セッションID: A19
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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近年、LDHをDDS材料として応用する医薬分野等において様々な機能性ペプチドが注目されている.演者らは層状複水酸化物(LDH)と抗ガン剤である5-フルオロウラシル(5-FU)を複合化に成功し、生体細胞への輸送効率が向上することを明らかにした。本研究では、ペプチドによって表面修飾を施した5-FU/LDH複合体の合成とその細胞輸送効率についての検討を行った。その結果、5-FU/LDHと比較してペプチド-5-FU/LDHは細胞輸送効率の向上に加え、細胞内への取り込みに要する時間が短縮されることが明らかとなった。
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伊藤 和之, 黒田 義之, 板橋 謙一, 村上 淳之介, 黒田 一幸
セッションID: A20
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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カオリナイトを出発物質としてスクロール型構造のナノチューブを合成し、層状のチューブ壁間へのインターカレーション反応を行った。ナノチューブは3-アミノプロピルトリメトキシシランをインターカレートしたカオリナイトを、トルエン中に分散させることで得た。また、合成したナノチューブへのn-アルキルアミンのインターカレーション反応を行い、板状のカオリナイトを用いて合成した層間化合物と比較した。
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中戸 晃之, 山田 佳美
セッションID: A21
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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合成ヘクトライトと層状六ニオブ酸との2種類の剥離ナノシートを共分散させた混合コロイドを調製し、その光化学的挙動を調べた。コロイドへ紫外光を照射すると、ニオブ酸ナノシートが励起され、電子-正孔対を生じる。光照射に伴うスペクトル変化は、生成した電子がニオブ酸ナノシートに蓄積されることを示した。一方正孔は、剥離剤として系に加えた有機アンモニウムイオンにより消費されたと推定した。電子蓄積状態の安定性は、共存ヘクトライトの量に大きく依存した。
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高橋 信行, 黒田 一幸
セッションID: A22
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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層状ケイ酸塩kanemite をイオン液体(1-hexadecyl-3-methylimidazolium Chloride(C
16mimCl))水溶液中で撹拌することでC
16mimイオンを層間にインターカレーションした。XRDによりd値が3.7 nmのラメラ構造を確認し、導入量はC16mim/Si比で0.33であった。さらに、得られた構造体を酸処理することで2D-orthohombic構造を有する3次元メソ構造体を得た。
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王 小妹, 平林 大介, 鈴木 憲司, 森川 豊, 伊藤 雅子, 近藤 徹弥
セッションID: A23
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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我々の生活環境を改善するために多くの粘土鉱物が吸着材、酸化触媒、光触媒、調湿材、抗菌材などとして使用されている。今日、微生物や酵素を利用した環境改善も盛んに行われており、この場合はバイオ担体が求められる。本研究ではホルムアルデヒド分解酵素用担体をモンモリロナイトからPVAテンプレート法により合成した。合成した担体にホルムアルデヒド分解酵素を担持し、性能評価を行った。
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磯谷 峻介, 上原 元樹, 工藤 輝大, 山崎 淳司
セッションID: A24
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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ポルトランドセメントに替る建設用原材料として、ジオポリマーが検討されている。本研究では、フライアッシュ I 種をアルカリ処理し、重合固化することにより、ジオポリマー硬化体を作製した。得られたジオポリマー硬化体について、イオン交換特性や、長期養生による構造・物性変化などの諸性質について検討した。
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家村 武志, 本郷 照久, 山崎 淳司
セッションID: A25
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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所定濃度の亜鉛及び鉄の酸性塩の混合水溶液を調製し、それに水酸化ナトリウム等のアルカリ性溶液を滴下・反応させることによりsimonkolleite型の結晶構造を有する物質を合成した。得られたsimonkolleite型物質について、基礎的な物性の評価を行った。特にリン酸塩、六価クロム等の陰イオン含有水溶液について吸着試験を行い、その吸着特性を調べた。
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佐藤 努, 浅井 篤, 森本 和也, 安楽 総太郎, 米田 哲朗, 沼子 千弥
セッションID: A26
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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本研究では、アルカリ環境におけるMg-Si-Al系鉱物の生成条件を明らかにし、それらへのヒ酸の収着挙動と存在形態を明らかにするため、常温での合成実験と合成物に対するヒ酸の吸着実験・収着実験を行った。その結果、Mg-Si-Alの各成分の割合と生成相(スメクタイト、ギブサイト、ブルーサイト蛇紋石、ハイドロタルサイト)の関係が明らかになり、生成相の中では、蛇紋石とハイドロタルサイトで不可逆的にヒ酸が固定されていることが判明した。
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鈴木 勝, 平林 大介, 鈴木 憲司, 酒井 陽一
セッションID: B14
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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モンモリロナイトに酸化触媒機能を付与する目的で、鉄イオンのシリケート層への固着及び酸化鉄の層間架橋による修飾を試みた。前者はNa-モンモリロナイトをFe
3+イオンでイオン交換し、600℃で加熱してFe
3+をシリケート層に固着させた。後者はインターカレーションによりFe
2O
3ピラードモンモリロナイトを合成した。修飾後のモンモリロナイトについてメスバウア分光法による鉄の状態分析や酸化触媒機能を測定し、評価を行った。
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篠塚 悠, 畠山 盛明, 原 孝佳, 一國 伸之, 島津 省吾
セッションID: B15
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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アロフェンは天然に存在するアルミノケイ酸塩であり、直径 3~5 nmの中空球状で高比表面積を持つ。アロフェン表面には同様に高比表面積を持つメソポーラスシリカに比べより高密度に水酸基が存在することから、化学修飾による高機能化が期待出来る。本研究では、スルホ基をアロフェン表面に導入した新規固体酸触媒の合成を行い、デンプン分解反応やオキシラン開環反応に応用した結果、スルホ基修飾後の触媒において飛躍的な活性の向上が見られた。
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武藤 浩行, 三谷 明洋, 大幸 裕介, 片桐 清文, 松田 厚範, 逆井 基次
セッションID: B16
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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高分子電解質をセラミックス粒子表面に繰り返しコートすることで、十分な電荷を有するプライマー層を作製し、この活性表面に、ナノセラミック粒子を吸着させた。これによりナノコートされたセラミックス複合粒子を作製することができた。
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岡田 清, 井川 史彦, 磯部 敏宏, 亀島 欣一, 中島 章
セッションID: B17
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
会議録・要旨集
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タルクは薄い板状粒子で耐熱性にも優れていることから易機械加工性のマシナブルセラミックスの素材として適していると考えられる.そこで,タルクとガラスバルーンを主原料として,これに焼結助剤としてLiClを用いて,低温焼成法により軽量で多孔質のマシナブルセラミックスの作製を試みた.その結果,焼結助剤なしでは1000℃で焼成しても充分焼き固まらなかったが,LiClを添加することにより600℃で目的とする試料が作製できた.得られた各試料について,曲げ強度とマシナビリティを切断および穴開け試験により評価した.
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飯島 宏和, 宮元 展義
セッションID: B18
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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層状粘土鉱物(フルオロヘクトライトおよびフッ素四ケイ素雲母)を水に分散したコロイドについて、液晶転移挙動の明確な同定に成功した。コロイド試料を偏光顕微鏡で観察したところ、液晶に特有のテクスチャと複屈折による干渉色が確認された。濃度及び粒子径を調整した各試料をキャピラリーに封入し相分離挙動について詳しい検討を行ったところ、粒子径および濃度が大きい場合に液晶状態となることがわかった。
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沼子 千弥, 坂本 浩幸, 芳賀 和子, 柴田 真仁, 大和田 仁, 黒澤 進, 山田 憲和, 中澤 俊之, 佐藤 努, 胡桃澤 ...
セッションID: B19
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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放射性廃棄物の地層処理に関して人工バリアとして設計されているベントナイトとセメントの相互作用を評価するために、放射光を用いたXAFS分析を適用した。XAFS測定は高エネルギー物理学研究機構物質構造科学研究所放射光実験施設Photon FactoryのBL9Aにおいて行った。試料としては合成CSHと種々の粘土鉱物、また人工バリア模擬体を3年程度浸水実験した試験片に対して行った。その結果、XAFS法が試料中のCaの化学形の決定及びベントナイトーセメント相互作用の評価に有用であることが解った。
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Erni JOHAN, 松枝 直人, 逸見 彰男
セッションID: B20
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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Synthesis of ZSM-11 was carried out from coloidal silica at 170 ℃ by using autoclave, under presence and absence of cerium oxide (CeO2). The objective of the study is to synthesize and to characterize the CeO2-ZSM-11 nanocomposite.The results indicated that ZSM-11 was formed after 2 days. The presence of CeO2 did not inhibit the formation of ZSM-11 and we considered that the CeO2-ZSM-11 nanocomposite was formed. The nanocomposite showed great ability for catalytic oxidation of VOCs.
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月村 勝宏, 鈴木 正哉, 鈴木 庸平
セッションID: B21
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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カラチャイ湖地域におけるフェリハイドライト・コロイドの生成・溶解に関する地球化学モデルを作成した.このモデルは,2価鉄イオンの岩石から地下水への拡散,2価鉄イオンから3価鉄イオンへの硝酸による酸化,フェリハイドライト・コロイドの生成と溶解,ゲーサイトとヘマタイト結晶の生成の4つのプロセスから成り立っている.数値計算の結果,カラチャイ湖地域では, フェリイハイドライト・コロイドが1万年以上存在することが明らかとなった.
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久保 博, 田島 孝敏, 甚野 智子, 熊谷 祐一
セッションID: B22
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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石炭灰は、日本で約1,000万トン/年発生し、現状では有効利用先としてはセメント原料が大半であるが、さらなる用途開発が要望されている。石炭灰を粉体材料として、より安全安心な利活用が出来るようにするため、石炭灰の酸洗浄による重金属等の除去技術について開発を行っている。この報告では、石炭灰の酸洗浄処理において、酸濃度と処理時間を変えた場合の溶解成分について試験し、あわせて微細形態の変化についてもSEM観察を行なった。
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河野 元治, 小保方 寿峰
セッションID: B23
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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光合成微生物 (Chlorella vulgaris) の炭酸カルシウム鉱物生成に及ぼす影響を明らかにするため、HCO
3、Ca、Mgイオンを含む溶液にC.vulgarisの生菌10~6cells/ml相当量を含む系と同量の死滅菌を含む系を光照射条件下で10日間静置し、溶液中のイオン濃度の経時変化を測定した。その結果、生菌は炭酸カルシウム鉱物の生成速度を数倍促進し、死滅菌は数分の1に抑制することが明らかとなった。
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田崎 和江
セッションID: B24
発行日: 2008年
公開日: 2008/11/01
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金沢大学角間キャンパスに、150m深の井戸水を用いて足湯実験施設を作った。岩山には地下水をそのまま流し、足湯にはガス湯沸かし器で38度に温めたお湯をかけ流しにした。約4ヶ月後には足湯内に緑色のバイオマットが厚く形成した。そのバイオマット中にはシアノバクテリアが多数棲息しており、細胞の周囲にはカルサイトやアラゴナイトの生体鉱物が顕著であった。
一方、自然水を流した岩山には、黒色や緑色のバイオマットが厚く形成した。約1年後の黒色バイオマット中にはマンガン鉱物が形成し、緑色バイオマットには高結晶度のゼオライトとスメクタイトが形成した。
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