比較都市史研究
Online ISSN : 2424-0885
Print ISSN : 0287-1637
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例会報告要旨
研究ノート
  • 村松 綾
    2021 年 40 巻 p. 9-18
    発行日: 2021/12/20
    公開日: 2022/01/28
    ジャーナル フリー

     宗教改革の時代、都市バーゼルでも豪華な典礼具は廃止され、簡素なものが使用されるようになったことから金細工師は新たな顧客を獲得する必要があった。スイス盟約者団は頂点に君主を抱かず、都市バーゼルも都市領主である司教から独立していたことで職人を支える役割は豊かな市民やツンフトが担うようになった。独仏伊の様式の影響下にありつつもツンフトの権力を反映したバーゼル特有の金細工作品も制作されるようになり、16世紀以降のペストの流行や、17世紀の奢侈条例による規制で下火になることもなく、三十年戦争の頃にはユグノーの亡命職人を受け入れてバーゼルの金工産業は発展し、スイスにおける中心地のひとつへと成長した。バーゼルの金工作品は、16世紀から17世紀にかけて裕福な市民の蒐集家によりコレクションされ、バーゼル大聖堂の宝物とともに今日まで連綿と受け継がれている。本稿では金工作品を通じて都市バーゼルの歴史を紐解いた。

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