環境と安全
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10 巻, 1 号
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原著論文
  • 錦見 端, 富田 賢吾, 林 瑠美子, 村田 静昭
    原稿種別: 研究論文
    2019 年 10 巻 1 号 p. 1-7
    発行日: 2019年
    公開日: 2019/04/09
    ジャーナル フリー

    大学における教育研究時、特に実験やフィールドワーク等がかかわる場合に学生が被災する事故が多く発生している。事故を防止するため、大学等では事故情報の収集やフィードバックなど、様々な取り組みが行われている。本研究では大学で実験等にかかわる学生の業務災害リスクを統計的に評価するため、名古屋大学東山地区在籍の学生を対象に、2014年度から2017年度の業務災害データを発生頻度(年千人率)の観点から解析した。その結果、学生の実験関連業務災害の発生件数は学生の在籍学年によって大きく異なり、学部4年生および修士課程1年生が最も高かった。これを学部1・2年、学部3・4年、修士課程および博士課程の4区分での年千人率として計算すると、それぞれ0.5、4.6、5.6および3.9だった。一方、実験に従事しない学生も含んだすべての学生の非実験業務災害の年千人率は0.7だった。これらの値を用い、学生が大学に6年間(学部4年間、修士課程2年間)在籍した場合の業務災害リスクを計算した結果、実験従事学生の業務災害リスク25.6に対し、実験非従事学生の業務災害リスクは4.2だった。すなわち、学生が6年間在学した場合、実験従事学生は実験非従事学生に比べ、業務災害に被災する可能性が約6倍高いことがわかった。

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