Drug Delivery System
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21 巻, 6 号
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特集 “ナノバイオサイエンス” 編集 : 岡野光夫
  • ―DDS用の新しい高分子材料―
    木戸脇 匡俊, 片岡 利介, 伊藤 耕三
    2006 年 21 巻 6 号 p. 592-598
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/30
    ジャーナル フリー
    DDS用の新しい高分子材料である環動高分子材料について, 基礎的知見から最近の応用までを概説する. ポリロタキサンの環動特性を最もよく利用した環動高分子材料の一つである環動ゲルは, 滑車のように自由に動く架橋点を持つことから, 従来の化学ゲルとは力学特性が大きく異なり, むしろ生体に近い特性を示す. また, 中性子小角散乱の測定結果から, 環動ゲルでは滑車効果によりゲルの不均一構造が緩和することが明らかになった. さらに, 最近発見されたメチル化ポリロタキサンのゾル-ゲル転移について紹介し, 環動高分子材料のDDSへの応用と今後の展望を概観する.
  • 山下 一郎
    2006 年 21 巻 6 号 p. 599-607
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/30
    ジャーナル フリー
    無機材料のナノ構造を作製する新しいプロセスとして, 蛋白質の同質性, 自己組織化, バイオミネラリゼーションを利用する手法を提案した. このプロセスに利用する, 単電子トランジスタの鋳型蛋白質を対称性を利用して設計・構築し, 大型のフェリチン2次元結晶をフェリチンの特異的相互作用を利用して作製した. また, この手法により作製したフローティングゲートメモリは良好な特性を示し, 提案したプロセスの電子デバイス部品作製への有用性が示された.
  • 船津 高志
    2006 年 21 巻 6 号 p. 608-614
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/30
    ジャーナル フリー
    ヒトゲノムの塩基配列が明らかになり, 蛋白質の機能解析と蛋白質間相互作用がポストゲノムの重要な課題となっている. 本稿では, 1分子蛍光イメージング法を解説し, この手法を用いた蛋白質の機能と相互作用の解析例を紹介する. また, 生体分子や超分子複合体 (オルガネラ) を, マイクロチップを用いて物理的に分離・回収し, 分子間相互作用している生体分子を分析的に解析する試みを紹介する.
  • 横山 昌幸
    2006 年 21 巻 6 号 p. 615-622
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/30
    ジャーナル フリー
    2000年にナノテクノロジーの振興が提唱される以前から, DDSではナノサイズのキャリアが当然のごとく使用されてきた. それは, 1990年代までにナノサイズを用いる意義がDDSで深く認識されてきたことと, ナノサイズのキャリアを作製する技術が得られていたことによる.
    本稿では, 薬物キャリアがナノサイズである意義と, キャリアの投与経路, そしてキャリアの形態を分類して説明する. 最後の章では, 各キャリア形態の最近の発展を概観するとともに, 関連したトピック (ナノメディスンと分子イメージング) についてまとめる.
  • 大和 雅之
    2006 年 21 巻 6 号 p. 623-626
    発行日: 2006年
    公開日: 2007/03/30
    ジャーナル フリー
    根治治療を可能にすることが期待されている再生医療の本格的実現には, 今後, 多くのブレークスルーが必要である. また, すでに臨床応用がはじまっている組織中に存在する体性幹細胞につづいて, ES細胞の臨床応用が近づいてきている. 本稿では, 再生医療とES細胞研究の現状を概説するとともに, この分野におけるナノテクノロジーの活躍への期待を併せて述べたい.
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