Drug Delivery System
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23 巻, 1 号
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特集 “分子イメージングとDDS” 編集 : 杉山雄一・奥 直人
  • 佐治 英郎
    2008 年23 巻1 号 p. 24-32
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/10
    ジャーナル フリー
    分子イメージングは,生きているヒトを対象として,薬の動態や作用点での相互作用を直接視覚的に解析できることから,医薬品開発研究を大きく推進することが期待されている.この分子イメージング解析において,検出試薬となる分子プローブはイメージング装置とともに基盤要素であり,その開発においては,構造-活性-分布の相関に基づいた,薬自身あるいは薬の標的分子と特異的に相互作用する分子の標識体の設計が不可欠である.本稿では,医薬品開発のために用いるPET・SPECT用分子プローブの分子設計について具体例を示しながら概説する.
  • 白石 貢一, 横山 昌幸
    2008 年23 巻1 号 p. 33-39
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/10
    ジャーナル フリー
    MRI造影剤,特に対象部位のみを選択的に画像化できる造影剤に,ターゲティング研究の成果が積極的に用いられはじめている.この状況は,DDSと分子イメージングが融合する領域で,今後の大きな発展が期待される.本総説は,DDS側からみてこの融合領域にどのようにアプローチしうるかについて,筆者らの研究例を盛り込んで解説した.具体的には,選択的MRI造影剤の概念,薬物と造影剤の場合のターゲティングの相違点,造影剤で選択性を得る方法,高分子ミセルキャリアを用いた造影剤の研究例である.
  • 浦上 武雄, 奥 直人
    2008 年23 巻1 号 p. 40-48
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/10
    ジャーナル フリー
    バイオイメージング技術は,イメージングシステムとシステムに合ったイメージングプローブの開発により発展してきた.ポジトロン断層法(PET)は,超短半減期のポジトロン放出核種を用いる最も高感度なイメージング技術の一つであり,非侵襲的に定量的な分子イメージングなどを行うことが出来るため,医療現場での機能診断や生体生化学研究に用いられ,イメージング技術として確固たる地位を築いてきた.また,PETデータを解析することにより,物質の生体内での特性が理解できるため,医薬品の研究開発に応用する試みがなされている.DDS製剤の開発においても,ナノ粒子やナノメディスンの動態解析イメージング技術は有効であろう.
    筆者らは,これまでにPETを用いてDDS製剤,とりわけリポソームの体内動態を解析してきた.最近,さらに簡便かつ応用性の高いDDS製剤用PETイメージングプローブと標識法の開発を手がけている.本稿では,DDS製剤開発のためのイメージング技術と,筆者らが行っているPETを用いた小動物でのDDSナノメディスンの分子イメージングに関して紹介する.また,これらのイメージング技術をいかにDDS製剤の研究・開発に利用していくかを議論したい.
  • 渡辺 恭良
    2008 年23 巻1 号 p. 49-60
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/10
    ジャーナル フリー
    生体分子イメージングの手法を用いて,病態の分子医学的把握とその情報を有効に用いた薬効評価,また,従来の血中動態だけでない標的細胞・分子への薬物動態を捉え,薬剤送達システム(DDS)の評価を行うことが出来る.特に,“ヒトに対しての創薬”を行っていくために欠くことの出来ない方法である.わが国の統合的な研究プログラムを国策として推進することが絶対必要である.本稿では,筆者らのこれまでの研究成果と,現在研究を担当している文部科学省の分子イメージング研究プログラムによる近未来の研究の方向性について述べたい.
  • 青木 伊知男, Rumiana Bakalova
    2008 年23 巻1 号 p. 61-68
    発行日: 2008年
    公開日: 2008/04/10
    ジャーナル フリー
    MRIは,非侵襲的に高い軟部組織コントラストと空間分解能をもたらす画像法で,臨床において幅広く普及したほか,感度と周波数分解能の高い高磁場MRIは,分子特異的事象を反映する“分子イメージング”への適用が期待され,薬剤開発の効率化,再生・移植医療の可視化,腫瘍や神経科学研究への展開が臨まれている.そのなかで,DDSは,MRIが“分子イメージング”に発展する中核となる技術と考えられ,本稿ではDDS技術を用いたMRI関連技術の動向を概説し,将来を展望したい.
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