Drug Delivery System
Online ISSN : 1881-2732
Print ISSN : 0913-5006
ISSN-L : 0913-5006
27 巻, 1 号
1月
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
特集 “基礎から拓くDDS創薬フロンティア” 編集 : 原島秀吉
  • 伊達 沙智子, 升島 努
    2012 年 27 巻 1 号 p. 10-18
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    従来の既知分子への標識体を用いる分子イメージング法に対し、新しい細胞一ヶでのイメージング法が網羅的な質量分析法と細胞形態観察用のビデオ顕微法を結合して開発された。この手法は、細胞一ヶでの薬物代謝追跡や体液ピコリッター採取の直接分子検出法としても適用でき、今後、細胞内の薬物局在の直接分析や、創薬の高速化にもつながりそうである。
  • 青枝 大貴, 石井 健
    2012 年 27 巻 1 号 p. 19-27
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    近年、自然免疫の分子機構が明らかになるにつれて、これまで経験則によって用いられていたワクチンやワクチンアジュバントの作用機序を科学的に理解することが可能になりつつある。本稿では、これまでに明らかになっている自然免疫応答による樹状細胞活性化とそれに伴う獲得免疫応答の過程、様々な疾患/病態に関与するTh1, Th2, Th17などの異なるCD4T細胞サブセットへの分化制御に自然免疫シグナルが及ぼす影響などについて概説し、抗原及びアジュバントを適切な樹状細胞に標的することによる次世代ワクチン開発の可能性について述べる。
  • 高倉 伸幸
    2012 年 27 巻 1 号 p. 28-33
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    がん細胞はがん幹細胞により構築されることが明らかにされてきた。幹細胞が自己複製や未分化性を維持する領域は“幹細胞ニッチ”と呼ばれ、いわゆる幹細胞にとっての生態学的な適所を提供する。ニッチは細胞毒性のある薬剤や物質から幹細胞を防御する盾としての機能を有することから、がん幹細胞のニッチの破綻によるがん幹細胞治療法が考慮されつつある。近年、このようながん幹細胞の生態学的適所を提供する微小環境のひとつとして、血管領域が示唆されてきており、また血管領域での幹細胞性因子の探索が行われつつある。
  • 樋田 京子
    2012 年 27 巻 1 号 p. 34-39
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    がん組織を養う血管を標的としがんを兵糧攻めにできる血管新生阻害療法は全てのがんに共通する血管新生を標的としており、がんの新しい治療法として近年注目されている。本法の標的である腫瘍血管内皮細胞は正常血管内皮とは様々な点で異なる性質を持つことがわかってきた。腫瘍血管内皮細胞の特性を理解することは腫瘍血管新生のメカニズムの解明、新たな血管新生阻害療法の開発に寄与するものと期待される。本章ではわれわれの研究を含め腫瘍血管内皮細胞の特異性についての最近の研究結果を概説する。
  • 高田 賢蔵
    2012 年 27 巻 1 号 p. 40-46
    発行日: 2012/01/30
    公開日: 2012/04/27
    ジャーナル フリー
    我々の体内では微生物などの外来抗原に低濃度で繰り返し暴露されることにより、これら外来抗原に対する結合活性の高い抗体産生リンパ球が選択的に増幅する親和性成熟が常に起こっている。従って、ヒト血液リンパ球は高活性抗体ソースとして優れている。イーベックではヒト血液リンパ球にEBウイルスを感染させることによりその増殖、抗体産生を誘導し、そこから目的とする抗体産生リンパ球を分離し抗体を作製する独自の技術を開発した。本稿では、イーベックの抗体技術と製薬企業とのライセンス経験について紹介する。
feedback
Top