Drug Delivery System
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31 巻, 1 号
核酸医薬とDDS
選択された号の論文の15件中1~15を表示しています
年頭にあたって
特集 “核酸医薬とDDS”  編集:奥 直人
  • 奥  直人
    2016 年 31 巻 1 号 p. 7
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
  • 小田切 優樹
    2016 年 31 巻 1 号 p. 8
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
  • 井上 貴雄
    2016 年 31 巻 1 号 p. 10-23
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    アンチセンス、siRNA、アプタマーに代表される核酸医薬品は、抗体医薬品に続く次世代医薬品として注目を集めている。現在、製薬業界では創薬シーズの枯渇が問題となっているが、核酸医薬品は従来の医薬品では標的にできなかった新規分子をターゲットにできる点において魅力的である。また、薬効本体がオリゴ核酸で構成されるという共通の特徴を有すること、有効性の高いシーズ(配列)のスクリーニングが他の医薬品と比較して容易であることなどから、1つのプラットフォームが完成すれば短期間のうちに新薬が誕生すると考えられている。本稿では、新たな局面を迎えている核酸医薬品の基本的性質と開発動向について概説する。
  • 田中 浩揮, 秋田 英万
    2016 年 31 巻 1 号 p. 24-34
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    遺伝子・核酸治療用ベクターの開発を考えるうえでは、細胞内における動態やベクターからの解離性を制御することが重要である。筆者らは、エンドソーム内のpH環境に応じて正に帯電し、さらに細胞質内の還元環境に応じて崩壊する粒子を形成するための脂質様材料として、SS-cleavable and pH-activated lipid-like material(ssPalm)を開発した。本粒子の最大の特徴は、電荷的に中性であるという点にある。本分子の脂溶性足場として各種の脂溶性ビタミン(ビタミンAやビタミンE)を採用し、さらに第三級アミンの分子チューニングを施すことにより、遺伝子や核酸、低分子等さまざまな用途に利用できるナノDDSプラットフォームへと展開できることが明らかとなってきた。本稿では、遺伝子・核酸デリバリーシステムへの応用例を中心として紹介したい。
  • 曽宮 正晴, 黒田 俊一
    2016 年 31 巻 1 号 p. 35-43
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    核酸医薬の本格的実用化には、生体内標的へ高効率で送達する安全なナノキャリアの開発が不可欠である。これまでは主にカチオン性キャリアが核酸医薬に使用されているが、電荷に由来する細胞毒性、生体内での動態と安定性に問題があった。一方で、非カチオン性キャリアは生体適合性が高く、生体内での動態や安定性も制御しやすく好ましいが、核酸分子の効率的な内封法の開発が必要であった。本稿では、各種の非カチオン性キャリアによる核酸医薬送達技術について紹介するとともに、最近筆者らが開発した簡便で高効率な非カチオン性リポソームへのsiRNA内封法とそれを用いたsiRNA送達技術を概説する。
  • 宮田 完二郎, 内田 智士, 内藤 瑞, 片岡 一則
    2016 年 31 巻 1 号 p. 44-53
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    核酸医薬は、がんをはじめとする多様な難治性疾患の治療薬となり得ることから、その実用化に大きな期待が寄せられている。しかしながら、酵素により容易に代謝され、また細胞膜を透過できないことから核酸のバイオアベイラビリティは非常に低く、その医療応用は困難を極めている。このような状況を打破するために、核酸を標的部位に効率よく運ぶためのDDSの開発が世界的に行われている。本稿では、合成高分子材料を基盤とする核酸DDSの設計指針を、とりわけ細胞内の局所環境に応答して機能発現する“スマート”ポリイオンコンプレックス(PIC)ミセルに注目して説明する。また、siRNAとmRNAデリバリーに関して得られた最近の成果を紹介する。
  • 岡本 彩香, 浅井 知浩, 奥 直人
    2016 年 31 巻 1 号 p. 54-61
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    統計的に日本人の3人に1人以上が罹患するといわれるがんは、我が国の死因別死亡率の第1位を占めており、より有効な抗がん剤の開発が望まれている。筆者らは、低分子医薬、抗体医薬に次ぐ抗がん剤シーズとして、がんにおける異常なシグナル伝達を特異的に遮断し、がん細胞を選択的に細胞死へと導きうる核酸分子、特に低分子2本鎖RNAに着目した。2本鎖RNAの臨床応用にはDDS技術が不可欠であることが広く認識されている。筆者らはリポソームや脂質ナノ粒子を核酸のDDSに応用し、がん選択的な核酸送達および効率的なRNA干渉の誘導を示してきた。本稿では、筆者らが開発したポリカチオンリポソームや抗体修飾脂質ナノ粒子を用いたがんへの核酸送達について、近年の知見を紹介する。
  • 味呑 憲二郎, 新津 洋司郎
    2016 年 31 巻 1 号 p. 62-70
    発行日: 2016/01/25
    公開日: 2016/04/25
    ジャーナル フリー
    肝硬変は、肝臓において持続的に炎症が引き起こされることで線維化が進行し、病態が進行した場合には、肝臓がんや肝不全等で命を落とす危険性の高い疾患である。近年、抗ウイルス薬の開発が目覚ましい進歩を遂げてきているが、一度線維化が進行した肝臓の線維を積極的に除去する薬ではなく、抗線維症治療薬はアンメット・メディカル・ニーズとして上市が待望されている。筆者らは、HSP47 siRNAを含有するビタミンA修飾リポソーム製剤の開発を進め、2014年より米国にて治験1b/2を開始、現在、日米欧3極で同時に治験を進めているところである。本稿ではこれまでの開発経緯、および他臓器線維症への応用展開について紹介する。
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