Drug Delivery System
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35 巻, 4 号
iPS細胞のDDSへの応用
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
特集 “iPS細胞のDDSへの応用”  編集:谷口英樹
  • 谷口 英樹
    2020 年 35 巻 4 号 p. 275
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
  • 山口 智之
    2020 年 35 巻 4 号 p. 276
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
  • 上野 康晴, 谷口 英樹
    2020 年 35 巻 4 号 p. 278-284
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    肝臓は生体に有毒なアンモニアの代謝を担う重要な臓器である。アンモニアは肝細胞の尿素サイクル(Urea Cycle)において、複数の酵素の働きにより無毒な尿素へと変換され、尿に排出される。しかしながら、尿素サイクルを構成する酵素に遺伝子変異をもつ患者では、アンモニア代謝に異常が生じ、高アンモニア血症を示す。現時点において尿素サイクル異常症の唯一の根治療法は生体肝移植であるが、ドナーの負担が大きい課題が存在する。一方、幹細胞研究の発展により、ヒトiPS細胞等の多能性幹細胞を用いてオルガノイド(organoid)と呼ばれる生体組織と類似した三次元組織を人為的に形成する技術が開発され、移植医療の新たな細胞源として注目されている。本稿では、尿素サイクル異常症に対する研究進展を概説するとともに、ヒトiPS細胞由来オルガノイドを用いた新たな再生医療の可能性について論じる。
  • 多賀 詩織, 須賀 英隆, 木村 徹, 有馬 寛
    2020 年 35 巻 4 号 p. 285-292
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    下垂体は、多様なホルモンを分泌することで全身の内分泌システムを制御する中枢器官であり、生体の恒常性維持および機能調節に大きな役割を果たしている。ゆえに、ひとたび機能不全に陥ると、さまざまな重篤症状を引き起こす。下垂体機能低下症に対する治療はホルモン補充療法であるが、根治療法はなく、より優れた治療法として再生医療に期待がもたれる。筆者らは、マウスおよびヒト多能性幹細胞から機能的な下垂体ホルモン産生細胞を分化誘導することに成功し、機能不全に対する有用性を示してきた。本稿では、下垂体の再生医療分野における研究進展を概説し、今後の臨床応用に向けた課題を述べる。
  • 大河内 仁志, 矢部 茂治, 宮島 篤
    2020 年 35 巻 4 号 p. 293-300
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    インスリン注射でうまく血糖値をコントロールできず、低血糖発作が頻発する1型糖尿病患者には膵島移植が行われている。膵島移植の問題点はドナー不足と、移植後に免疫抑制剤の長期投与が必要になることである。これらの問題を解決するために、筆者らはヒトiPS細胞から膵島細胞を誘導して、デバイスに入れて移植し、免疫抑制剤を回避するという新しい治療法の開発をしてきた。ヒトiPS細胞から機能性膵島細胞の誘導に成功し、アルギン酸でできたファイバー内に膵島細胞を封入して、糖尿病モデルマウスに移植して、血糖値が正常化することを確認した。臨床応用に進むためには、さらなるデバイスの改良が必要である。
  • 土井 大輔, 高橋 淳
    2020 年 35 巻 4 号 p. 301-308
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    パーキンソン病に対する細胞移植治療は、胎児細胞移植の臨床試験で症例によっては有効であるという結果をもとに、ES細胞やiPS細胞などの多能性幹細胞を細胞供給源として研究が進められてきた。最近、世界で多能性幹細胞を使用した細胞移植治療の臨床試験が開始されており、筆者らは2018年からiPS細胞を使用した医師主導治験を開始した。本稿ではパーキンソン病に対する細胞移植治療の歴史、多能性幹細胞を用いた細胞移植治療の開発経緯と、臨床試験での適応、移植方法、リスクについて概説する。
  • 山下 智起, 横田 純平, 乾 達也, 水口 裕之
    2020 年 35 巻 4 号 p. 309-318
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    安全な経口投与医薬品の効率的な開発のためには、前臨床段階で生体のヒト腸管における薬物動態を正確に予測することが必要である。しかしながら、現状のin vitro腸管薬物動態評価系には、種差や、薬物代謝酵素・トランスポーターの発現が低い(無い)などの課題がある。そこで、ヒトiPS細胞から作製した腸管上皮細胞(ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞)に期待が寄せられている。ヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の作製法には大きく分けて2つの手法がある。すなわち、三次元的な培養(腸管オルガノイド)を介するものと、一貫して二次元的な培養を行うものである。本総説では、それぞれの手法で作製されたヒトiPS細胞由来腸管上皮細胞の薬物動態学的応用について論じる。
  • 岩尾 岳洋, 坡下 真大, 松永 民秀
    2020 年 35 巻 4 号 p. 319-330
    発行日: 2020/09/25
    公開日: 2020/12/26
    ジャーナル フリー
    薬物の膜透過性の評価に生体由来の初代ヒト腸上皮細胞と脳毛細血管内皮細胞(BMECs)を使用することが望ましいが、低い生存率や細胞の寿命が短いなど使用において制限がある。加えて、医薬品候補化合物の薬物動態試験や安全性試験などの創薬研究のために、初代ヒト腸管上皮細胞やBMECsを入手することは非常に困難である。ヒトの小腸および血液脳関門(BBB)における薬物動態を正確に予測するには、生体由来の正常なヒト腸管上皮細胞やBMECsと同等の機能を有するヒト人工多能性幹(iPS)細胞由来の腸上皮細胞および脳毛細血管内皮細胞様細胞の開発が必要とされている。本総説では、創薬研究支援モデルを構築するために、iPS細胞から腸管上皮細胞、腸管オルガノイドおよびBMECの作製について筆者らの研究を中心として紹介する。
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