鉛快削鋼の採用による切削加工費節減の実例と経済性の理論を対比し,ほぼ傾向を等しくすることをたしかめ,つぎの利益推定方法を求めた。
1) 生産能率向上による素材1kgあたりの正味切削費の節減額Δφ
Cは次式でしめされる。
Δφ
C=0.28k
0・S/W
ただしk
0:労賃(円/h),S:正味切削時間節減量(sec) W:素材単重(gr),
2) 素材1kgあたりの切削加工費の節減額Δφは無鉛鋼の素材1kgあたりの正味切削費λ(円/kg)から次式で推定できる。
Δφ=0.62λ
3) 鉛快削鋼による正味切削費の減少割合R
Cと工具費の減少割合R
Tの関係は次式でしめされる。
R
T=1.0-0.85R
Cなお実用例を整理した結果つぎのことがわかった。
1) 切削加工の種類により労賃および工具費係数は異なり次表のようになった。
2) 工具費係数の大きい切削の場合,その工具寿命方程式の指数nの値は小さく,工具費係数の小さな切削ではnは大きい。
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