低炭素強靱鋼SMK22を利用するにあたり,熱処理に必要な基礎資料が必要となり,さきに連続冷却変態の測定が行なわれている。これをさらに充実することを目的として恒温変態の測定を行ない,合わせて恒温変態におよぼすTiおよび熱履歴の影響について調査することとした。
(1) まずSMK22について組織と伸び変化との関係を明らかにした後,恒温変態図を作成した。特徴としてフェライト変態開始線が二段に現われている。上部ベイナイト変態部分については,長時間を要するフェライト変態が先行していることが認められたので,フェライト変態領域とベイナイト変態領域とを明確に区別して示した。
(2) Tiを含有しない同種材料との比較を行ない,フェライト変態が二段に現われること,および550°C附近でフェライト変態開始線が長時間側によっていることがTiの影響であることを確認した。
(3) 高温および低温熱履歴によりフェライト変態が促進され,焼入れ性が低下することを恒温変態図からも確認し,考察を行なった。
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