Dental Medicine Research
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28 巻 , 2 号
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  • 森高 俊一郎, 小林 誠, 三井 将, 臼井 通彦, 高田 貴虎, 滝口 尚, 山本 松男
    2008 年 28 巻 2 号 p. 67-76
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    TwistやBone morphogenetic protein (BMP) antagonistは歯根膜細胞の骨芽細胞様分化を抑制的に制御することにより, 歯根膜組織の恒常性の維持を担っている可能性がある.そこで本研究では, 骨分化誘導したヒト歯根膜細胞 (HPL cells) におけるTwistと種々のBMP antagonistの発現動態と, BMP antagonistがこの細胞の骨芽細胞様分化に及ぼす作用を検討した.その結果, HPLcellsを骨分化誘導培地 (ODM) で培養すると骨芽細胞様分化の促進が認められ, これには内因性のBMP-2/4が関与していた.また, この細胞は恒常的にTwistとBMP antagonistであるGremlinとFollistatinを遺伝子および蛋白レベルで発現していたが, Chrodinの蛋白レベルでの発現は確認できなかった.この内Twistの発現はODMで培養あるいはBMP-2刺激することで増加した.一方, Gremlin, Follistatinの発現はODMで培養すると減少したが, BMP-2はこれを変化させなかった.また, Gremlin, Follistatinの精製蛋白はともに, ODMで誘導される骨芽細胞様分化を抑制した.したがって, HPLcellsは恒常的にTwistとBMPantagonistであるGremlinとFollistatinを発現して, 自らの骨芽細胞様分化を抑制的に制御している可能性がある.また, 骨芽細胞様分化が誘導されると, TwistとGremlin/Follistatinはその発現がそれぞれ促進的, 抑制的に制御され, この細胞の骨芽細胞様分化を調節していると考えられる.
  • 高野 顕一, 小林 誠, 宮田 昌和, 村山 怜一郎, 山本 松男
    2008 年 28 巻 2 号 p. 77-86
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    Thy-1は25-37kDaの免疫グロブリンスーパーファミリーに属する糖タンパク質で, 細胞膜貫通領域を有さず, 細胞膜に存在するglycosyl-phosphatidylinosito1 (GPI) 分子と結合することにより細胞膜に繋がれている.この分子は多くの細胞種で発現しており, 細胞接着, 遊走, 増殖などの様々な細胞機能に関わるため, 細胞細胞間や細胞細胞外基質問の相互関係の重要な制御因子であると考えられている.本研究では, Thy-1がヒト歯肉線維芽細胞 (HGF) のコラーゲン貧食に及ぼす作用とその機序について検討した.HGFからmagnetic cell sortingでThy-1陽性細胞率が高い細胞集団 (Thy-1HighHGF) とThy-1陽性細胞率が低い集団 (Thy-1lowHGF) を分取し, コラーゲンでコートした蛍光発色ポリスチレンビーズ (コラーゲンビーズ) と共に培養後, コラーゲンビーズの付着を顕微鏡下で算定し, さらにコラーゲンビーズの貧食をFlowCytometerで評価した.また, HGFを抗Thy-1抗体 (ASO2) とphosphatidy1-inositol-3kinase (PI3K) 阻害薬あるいは細胞骨格阻害薬で前処理後, コラーゲンビーズと共に培養した.その後, Aktのリン酸化をウェスタンブロッティングで, アクチン細胞骨格の変化をrhodamine-phalloidin染色で確認し, さらにコラーゲンビーズの付着能と貧食能を評価した.その結果, HGFから分取したThy-1HighHGF (Thy-1陽性細胞率90%以上) はThy-1lowHGF (Thy-1陽性細胞率10%以下) と比較して, コラーゲンビーズの付着能と貧食能が有意に高かった.また, HGFをASO2で処理すると, アクチン細胞骨格の再構成とAktのリン酸化が誘導され, またその後のコラーゲンビーズの付着と貧食が促進された.さらに, PI3K阻害薬あるいは細胞骨格阻害薬はこれらのASO2の作用を抑制した.したがって, Thy-1の発現はHGFにおけるアクチン細胞骨格の維持と恒常的なコラーゲンの貧食に関与しており, 一方, 抗Thy-1抗体 (ASO2) の刺激を受けたHGFでは, Thy-1を介して細胞内にシグナルが伝達され, PI3K/Aktの活性化により細胞骨格の変化とコラーゲンの貧食の促進が誘導されると考えられる
  • 浅里 仁, 馬谷原 光織, 杉山 智美, 中村 雅典, 井上 美津子
    2008 年 28 巻 2 号 p. 87-92
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    小児歯科臨床において歯根形成途上の歯髄処置は, 歯根形成および発育に重大な影響を及ぼす.根未完成歯における根の歯根形成および発育と根尖閉鎖について, 組織学的な報告は多いが, 歯髄処置が未発達歯根の体積や長さに与える影響の定量的な報告は少なく, 臨床上重要な指標が明確ではなかった.我々はWistar系ラット第一臼歯歯根形成過程, ならびに歯髄感染時の歯根形成過程を従来の組織学的手法による定性化と, 高精度CT撮影 (Micro-CT) による定量化の併用により解析することを試みた.正常群では, Micro-CTにより生後4週から10週ラットにおいて歯根形成が段階的に充進することが定量化された.歯髄感染群は生後4週目に露髄処置を行ったのち, 2~6週間後の歯根をH-E染色像で観察すると, 6週で根先端象牙質とセメント質増加がみられた.しかし, CT定量化の結果は, 正常群と比較し, 歯根形成量が優位に低下していることが明らかとなった.以上の結果から, 歯根形成過程の解析に従来の組織学的解析とMicro-CTを併用することにより経時的な歯根形成動態の解析に有効であることが示されたことから, 硬組織全般での形成, 破壊, 修復過程の解析への応用が期待される.
  • 任 剛一, 渋澤 龍之, 愼 宏太郎
    2008 年 28 巻 2 号 p. 93-98
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    患者は初診時13歳11カ月の男子, 上顎左側犬歯の萌出遅延を主訴として来院した.下顎前歯部に軽度の叢生と上顎左側犬歯の完全埋伏を伴うAngle I級症例である.口蓋側から開窓し, あらかじめリンガルアーチにより予備牽引することで埋伏歯が移動可能であることを確認後, ローフリクション・セルフライゲーションブラケットを用いたマルチブラケットシステムにて矯正治療を開始した.歯列から大きく外れた歯をマルチブラケット装置により牽引する場合, 固定源を確保する目的で補助装置を併用することが多いが, 本症例では埋伏歯の牽引から歯列の配列までのほとんどをマルチブラケット装置単独で行いながらも, ローフリクションブラケットを用いることで固定源の負担を軽減できたため, 牽引力に対する歯列への反作用を最小限に良好な咬合が得られた.
  • 山口 徹太郎, 渡辺 みゆき, 愼 宏太郎
    2008 年 28 巻 2 号 p. 99-106
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    開咬症例は形態的な問題のみならず機能的な問題も関与していることから, 治療後の安定性への不安は大きい.同時に顎関節症を併発していることも多く, 機能的不調和に対する治療・管理は苦慮することが多い.患者は初診時年齢25歳4か月の女性で, 前歯で咬めないこと, 顎関節部の痺痛と雑音を主訴として来院した.咬合所見では臼歯はAngle I級, 前歯部から側方歯部までにおよぶ開咬と叢生を呈していた.MRI所見から閉口時, 両側顎関節円板は前方へ転位しており, 左側は開口時においても復位は認められず, 右側は復位が認められた.また, 下顎右側第一大臼歯は不適切な根管治療により保存が困難であると判断された.最初にスタビライゼーション型スプリントにより両側顎関節部の疼痛の消失ならびに顎位を確認した.その後, 下顎右側第一大臼歯抜去, 下顎右側第三大臼歯が移植された.引き続き上下左右第一小臼歯の抜去, 下顎下縁平面角を開大させないことに留意しマルチブラケット装置による機能的咬合の確立をはかり, 良好な咬合関係を獲得することができた.移植歯は施術後7年においても経過は良好であることを確認した.また, 関節円板の前方転位は整復することはできなかったが, 顎関節部の疼痛の消失を動的治療終了後4年を超える観察においても確認した.
  • Noboru KITAGAWA, Yuji SATO
    2008 年 28 巻 2 号 p. 107-109
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    Complete dentures with decreased vertical dimension should be bite-raised as treatment dentures before new complete denture treatment. The aim of this study is to present a new procedure to increase the occlusal vertical dimension of complete dentures. In this paper, a novel full-arch, bite-raising procedure for complete dentures with a silicone putty core is described to have better appearance. The procedure includes mixing a putty-type silicone-impression material and making an impression of the occlusal and polished surfaces with a stock tray; removing the dentures and abrading the surface of the artificial teeth; pouring the mixed autopolymerizing resin in the artificial tooth depression of the impression; repositioning the putty-type silicone-impression material core on the denture and applying pressure to it. This technique is simple at chair side. Laboratory procedures require an extra appointment. This technique can decrease the number of appointments. This simple procedure is effective for complete dentures with decreased occlusal vertical dimension. This technique is easy, fast, accurate, inexpensive and readily available to clinicians.
  • 鍛治田 忠彦, 木下 芳樹, 後藤 大介, 松橋 谷千代, 津田 一, 山口 昌治, 樋口 大輔, 内田 圭一郎, 尾関 雅彦, 真鍋 真人
    2008 年 28 巻 2 号 p. 111-115
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
    前歯部へのインプラント埋入や骨造成を行った症例においては, 審美的回復を目的として義歯を装着する場合がある.このような外科的処置の直後, 義歯床による外的刺激は出来る限り避けるべきであり, そのため義歯床内面をリリーフすることが行われてきた.しかし, たとえリリーフを行ったとしても, 間接的な刺激が粘膜面に加わることは考えられる.そこで粘膜支持ではないリテーナー義歯が近年用いられ, 臨床に応用されてきた.
    従来のリテーナー義歯では, リテーナーと人工歯部の接着に透明色の即時重合レジンが用いられてきたが, 接着部分の変色など問題点が指摘されている.著者らは人工歯の接着部分に表面滑沢材を用いてリテーナー義歯を製作し, 良好な結果を得たので, 今回その製作方法を中心に報告する.
  • 東光 照夫
    2008 年 28 巻 2 号 p. 117-120
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
  • 2008 年 28 巻 2 号 p. 121-128
    発行日: 2008/07/31
    公開日: 2012/08/20
    ジャーナル フリー
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