昭和歯学会雑誌
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10 巻 , 2 号
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  • 鈴木 暎
    1990 年 10 巻 2 号 p. 93-104
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 三木 知
    1990 年 10 巻 2 号 p. 105-123
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    SD系若齢ラットを+Ca, +D (正常食) 群,-Ca, -D (低カルシウム・ビタミンD欠乏食) 群, -Ca, +D (低カルシウム食) 群の3群に分け, 抜歯創治癒過程における骨組織の動態を骨形態計測法, 硝酸銀塩化シアヌルニ重処理法および顕微X線法を用いて検索した.+Ca, +D群の抜歯創治癒過程は, 従来からの所見と基本的に同様であり, 骨梁の新生, その石灰化と改造を経て治癒の完了をみた.骨形態計測的には新生骨梁の単位骨量 (tVsp) は未抜歯歯槽骨部のそれに対して過形成を示したが, その時期に一致して, 平均破骨細胞数 (MCN) および分画吸収面率 (FrRSR) の急激な増加がみられ, 抜歯後21日目には過形成骨梁の改造現象がピークに達した.それも抜歯後32日目には未抜歯歯槽骨のそれぞれの値と同等に復し, 抜歯創の治癒が完了した.-Ca, -D群では, 骨基質の新生はみられたもののその石灰化はほとんど認められず, 骨形態計測的にも相対類骨量 (ROV), 分画形成面率 (FrFSR) はほとんど100%のまま推移した.これら骨梁の形成は量的にも時間的にも抑制されており, 未抜歯歯槽骨に対するtVspの過形成は認められたがピークを示さず, しかも, NCN, FrRSRは増加傾向を示していないことから, 少なくとも本実験期間中, 過形成した骨梁の改造はほとんど行われなかったことを示唆していた.-Ca, +D群では, 抜歯創新生骨梁の石灰化と破骨細胞の出現がみられた.しかし, 骨形態計測的には+Ca, +D群に比べ骨梁形成が抑制され, 同時に時間的にも遅延を示し, 未抜歯歯槽骨に対するtVspの過形成もみられたもののピークを示すことなく推移した.ROV, FrFSRは抜歯後10日以後減少し始め, 不十分ながらも新生骨梁の石灰化の進行が認められた.しかも新生骨梁のMCN, FrRSRは未抜歯歯槽骨のそれらと同様に次第に増加する傾向を示したが, 本実験期間内では+Ca, +D群のような急激な増加を示さず, 過形成骨梁の改造現象はかなり低調であったことを示唆していた.
  • Tsunahiro NAKAMURA
    1990 年 10 巻 2 号 p. 124-130
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    To clarify biochemical characteristics of tumor growth and/or invasion, the energy status of oral squamous cell carcinomas was investigated by measuring adenine nucleotides and correlating with morphological features. For this purpose, tumors originating from human squamous cell carcinoma of the tongue that had been transplanted into nude mice, and surgically resected human oral squamous cell carcinomas were used as materials. Adenine nucleotides, ATP, ADP and AMP, were measured with HPLC, revealing differences in relative concentrations between active and inactive regions of tumor growth and/or invasion. Specifically, the relative concentration of ATP was found to be high in regions where tumor growth and/or invasion seemed most active. Energy charge ratio was also high in those regions. These results suggest that adenine nucleotide metabolism may play some role in growth and/or invasion of oral squamous cell carcinoma.
  • 成澤 英明
    1990 年 10 巻 2 号 p. 131-136
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Delhayeらによって報告された顕微ラマン分光法は, 他の分析法と異なり非破壊, 非接触, 常温常圧で水分を多量に含んだ試料に応用可能であり, さらに直径1μmの小範囲の分析も可能であるという際だった長所を持っており, 歯科分野にも極めて有用な分析手段と思われる.しかしながら, 測定に長時間要したり, 分析する物によっては蛍光を発して測定が困難になったりするなど問題点も多い.本研究は, レーザーラマン分光光度計を用い, コンポジットレジン充填歯の象牙質とレジンとの界面における接着機序を化学的に解明するために行ったものである.その結果, 界面部のスペクトルは測定点によりすべて異なったパターンを示したが, このスペクトルを解析したところ, 接着界面における石英フィラーの存在比が脱灰程度に比例する一方で, レジンの局所存在濃度が脱灰程度に比例しないことが示唆された.
  • 堀内 茂貴
    1990 年 10 巻 2 号 p. 137-148
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯周組織の性状の判定は, レントゲンによる支持骨の状態, 歯周ポケットの深さ, 歯肉の炎症の範囲や程度, ピンセット等を使用した歯の動揺度の測定により, 術者が総合的に判断して行っているのが一般的である.しかし, この判定法には主観がはいるために術者間の比較を行うことは難しく, 同一術者でも日時が異なれば判定が一定しない危険性がある.以前より客観的な診査方法がいくつか報告されてきているが, 実際の臨床で活用されているとは言えない状況である.本研究は歯周組織の客観的な診査法として振動感覚の応用を試みたものである.上下顎小臼歯を対象にオージオメーターと加振器で発生させた振動を歯に加え, 歯周組織の感覚損失値を測定するとともに, 加振器に内蔵された加速度ピックァップにより実際に加えられている振動の振幅を歯周組織の感覚閾値として求めた.それにより以下の結果をえた.1) 感覚損失値はある周波数 (ピーク周波数) で最小となるV字型のパターンを示し, この周波数は動揺度が増加するにしたがい低下した.2) ピーク周波数と歯槽骨の吸収度は負の相関がみられ, 骨の吸収の増加にともない周波数が低下する傾向がみられた.3) ポケットの深さとピーク周波数は, 上顎第二小臼歯を除き負の相関がみられ, ポケットの進行とともに周波数が低下する傾向がみられた.4) 下顎のピーク周波数は上顎よりも, 歯周組織の状態の変化に対して大きな変動を示し, かつ高い相関を示した.5) 感覚閾値は周波数とともに緩やかな変化を示した.6) 損失値からもとめた無負荷時の振幅は, 実際の加振器の振幅である感覚閾値よりも大きいが, ピーク周波数において両者の大きさに逆転がみられた.7) ピーク周波数と共振周波数はほぼ一致した.以上より, 本装置を用い歯周組織の性状を客観的に判定することが可能と考えられた.
  • 植杉 健一, 赤堀 政見, 岡野 友宏
    1990 年 10 巻 2 号 p. 149-153
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯科X線検査の品質管理の一環として写真処理におけるそれが重要とされている・本報告は自動現像機の現像液の交換時期に関する資料を得るために歯科医院で広く用いられている小型の歯科用フィルム専用の自動現像機について1年にわたって調査した結果である.使用した自動現像機はDex2型, 使用フィルムはKodak Ultra-Speed, 参照用ファントムは厚さ1ないし12mmのアルミニウム階段で, 毎朝始業時に撮影後, 処理した.写真濃度は現像液作成後が最大で経日的に低下し, それに伴いコントラストも低下した.濃度は1週間で10-20%低下し, この時期に現像液を交換すべきといえた.1か月後では診断するうえで支障が生ずる程度に低下した.ただし, 日々の測定値に変動が見られ, これは現像液の温度, X線装置の出力などに変動があるためと考えられた.したがって日々の管理に際してはこうした変動も考慮にいれるべきといえた.なお四季, 処理枚数の影響は見られなかった.
  • 槇 千津子, 岡野 友宏, 柴崎 好伸, 福原 達郎
    1990 年 10 巻 2 号 p. 154-157
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    超音波診断装置は, 非侵襲的に形態, 動態分析が可能で, 幅広い分野に利用されている.現在では, 電子工学技術の発達に伴い, 組織性状を定量的に観察しようとするultrasonic tissue characterizationに関する研究が試みられている.画像処理技術の進歩に伴い, この組織性状の定量的評価の一つとして, 被写体の音響的不連続部分から反射されるパルスの強度を表わすエコーレベルの解析が行われるようになった.そこで我々は生体組織に近似したもので, 密度や散乱がそれぞれ異なるファントムを作製し, 装置自体の音響特性を含めて, 超音波画像におけるこれら因子の関与を調査した.ファントムは, 基本材料としてゼラチンを用い, 散乱物質はグラファイトとし4種類の密度のものを作製しエコーレベルを測定した.グラファイト密度が高くなると, 反射波の発生頻度も高くなり, エコーレベルも高い値を示した.グラフでは, エコーレベルは深さとともに上昇し5~6mmにおいてプラトーに達し, 深さ14~15mmで再び上昇し, 18~20mmでpeakとなりその後低下した.同一密度のファントムを用い計測点を一定とした場合, 焦点深度を変えることによりエコーレベルが異なった値を示した.また, この焦点深度撮影は撮影対象物の位置とエコーレベルのプラトーな部位が一致するように設定することにより, 装置固有の音響的特性による影響が少なく, より正確なエコーレベルの測定が可能となることが示唆された
  • 槇 千津子, 岡野 友宏, 柴崎 好伸, 福原 達郎
    1990 年 10 巻 2 号 p. 158-162
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    超音波画像によるtissue characterizationの臨床利用の可能性を追及するために, 組織学的に性質の異なる二種類の生体組織について, その超音波像とを対比し, その超音波のエコーレベルを定量的に解析することにより, 組織学的特性の抽出を試みた.また, エコーレベルのヒストグラムの解析について検討を加えた.組織内脂肪量とエコー散乱を比較すると, 脂肪の少ない食用肉Aは網目状にみられるのに比べて, 脂肪の多い食用肉Bでは均一に高いエコー像を示した.エコーレベルにおいては, Aの平均値が107.3±4.8, 中央値98.3±3.3を示し, Bの平均値は125.3±16.5, 中央値121.7±18.9という結果が得られ, 平均値ならびに中央値ともBのエコーレベルの方が有意に高い値を示した.ヒストグラムの歪度および尖度は, 歪度においてA1.01, B1.04と数値的には著しい差はなく, 両者とも0より大きく正の非対称分布, すなわち, 左傾分布を示していた.また, 尖度はA-0.20, B-0.27と, 数値的には著しい差はなく, 両者とも度数分布は鈍峯といえた.一方, 組織切片の画像解析の結果, Aでは単位面積あたりの筋線維の示す割合が, 86.37%, Bでは50.96%となり, BはAと比較して筋線維の占める割合は少なく, 脂肪成分や膠原線維などの結合組織の占める割合が大きいことが確認された.以上の結果より, 脂肪成分や膠原線維の量が少ない食用肉Aと, それらの量が多い食用肉Bとでは, Aの方がエコーレベルが低い値を示し, エコーレベルは, 筋組織とその周囲に存在する脂肪, 膠原線維などの量的関係を反映していた.また, エコーレベルのみならずヒストグラムの解析を加えることにより, より詳細に組織性状の定量評価が可能となるといえた
  • 野島 洋
    1990 年 10 巻 2 号 p. 163-176
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は乳前-歯歯冠部の色調とその硬さ, および組成の関係を明らかにすることにある.試料は, 本学小児歯科に来院した小児56名より得られた健全乳前歯77歯である.なお, 比較のため永久歯 (5歯) も使用した.すべての歯は測色計 (高速分光光度計) で色調を測定し, さらに乳歯の14歯はビッカース微小硬度の測定, およびCaとPの濃度を分析した.その結果, 以下の知見を得た.1.乳歯の象牙質色は, 永久歯の象牙質色に比べ, 黄色の度合を示すb*値が低い値を示した.また, 永久歯の象牙質色のb*値はその歯冠色 (天然歯の歯冠部の唇側からみた色調) に比べ有意に高い値を示したのに対し, 乳歯では有意の差はみられなかった.2.エナメル質の硬度が高い乳歯ではエナメル質色において透明度が高く, 歯冠色では黄色の度合を示すb*値が低い傾向がみられた.一方, エナメル質の硬度が低い乳歯のエナメル質色は透明度が低く, 歯冠色では黄色の度合を示すb*値が高い傾向がみられた.3.乳歯の透明度が高いエナメル質は, 透明度が低いエナメル質と比べ, 酸抵抗性が強いことが示唆された.4.歯の色調と組成との間には相関性がみられなかった
  • 島 晴信, 大野 康亮, 清水 敏之, 道 健一, 江川 薫, 滝口 励司
    1990 年 10 巻 2 号 p. 177-184
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    遊離前腕皮弁は, 頭頸部再建外科において有用な再建材であるが, 本法の基礎となる前腕部の臨床解剖学的研究はほとんど見られない.そこでわれわれは25歳から95歳までの9体を用いて左側前腕部皮静脈のうち, 特に椀側前腕皮弁の臨床解剖として重要な橈側皮静脈, 尺側皮静脈, 肘正中皮静脈について静脈弁の観察を行った.静脈の内径の計測には, ニコン実体顕微鏡SMZ-10と尾崎社製デジタル計測システム, リニアゲージD-10S, カウンターC-5Sを用いた.その結果, 静脈弁は肘正中皮静脈分岐直前の橈側皮静脈の部位, 合流直前の肘正中皮静脈の部位などで高頻度で見られ, また前腕部皮静脈の本幹で合流, 分岐, 側枝のある部分の方が, それらのない部分 (直線部) よりも多く見られた.静脈弁の形態は5型に分類することとし, そのうちII型の二葉性弁が82.3%と最多であった.観察区間内の本幹の内径の平均値の最小は遠位端の1.424mm, 最大は近位端の3.678mmであった.本幹の内径と静脈弁の数との間には一定の関係は認められなかった.本幹の直線部では合流, 分岐, 側枝部よりも, 一葉性弁がやや多い傾向が認められた
  • 井上 幸一, 鎌滝 貴世子, 町田 孝, 有馬 真理, 渡辺 治爾, 堀川 真奈美, 松本 光吉
    1990 年 10 巻 2 号 p. 185-189
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    定常磁場, 交番磁場ならびにパルス磁場の培養細胞に与える影響を研究する目的で, 種々の暴磁条件を設定し, 酵素処理により歯髄から取り出した培養細胞を暴磁した後, 細胞の増殖率, 総蛋白量, 細胞内アルカリ性フォスファターゼならびに酸性フォスファターゼ活性などの変化を調べた.その結果, 一部に酸性フォスファターゼ活性の変化が観察されたものの, その他の測定結果に変化は見られなかった
  • 森本 由賀利, 加藤 ひろみ, 中村 玄, 松本 光吉
    1990 年 10 巻 2 号 p. 190-195
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本学臨床実習で根管処置した抜髄歯, 感染根管治療歯の予後成績を知る目的でリコール調査した.予後の判定は臨床所見とX線所見の両方で行った.41.9%がリコールに応じ, 来院した患者は, 中, 高年齢層が多かった.抜髄歯では, 臨床所見で85.7%, X線所見で89.3%の症例が予後良好と判定された.感染根管治療歯では, 臨床所見で81.3%, X線所見で56.0%の症例が予後良好と判定された.抜髄後の症例の治療成績は良好であったが, 感染根管治療歯は抜髄症例に比較して, その治療成績は不良であった.これらのことより, 感染根管治療法に関する, より優れた治療法の開発が望まれる
  • Nobuyuki TSUZUKI
    1990 年 10 巻 2 号 p. 196-202
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    This report compares tissue irritation by a newly developed calcium-based root canal filling material with irritation by previously available materials and evaluates the toxicity of various components in the root canal filling material. Polyethylene tubes filled with root canal filling materials were implanted in rat subcutaneous tissue, enucleated after 2, 4, 8 and 12 weeks, and histopathologically evaluated for tissue reaction. The tissue inflammation was microscopically evaluated and divided into 4 grades. The new root canal filling material has good tissue affinity compared to prior material. Transmission electronic microscopy and X-ray analysis revealed : titanium in AH-26; barium and bismuth in. Canals, Tubli-seal and the newly developed root canal filling cement A; and zinc in the root canal filling cement B. Tissue was variously inflamed and, occasionally, necrosis was induced in the cells. The newly developed root canal filling cement A, showed better tissue affinity and no or slightly morphology change
  • 松本 光吉, 小山 隆夫, 白須賀 哲也, 若林 始
    1990 年 10 巻 2 号 p. 203-205
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    シリコン-レジン法による象牙細管のレプリカを作製し, レプリカ像の再現性を検討する目的で本実験を行った.被験歯として, 人の抜去歯を用いた.印象材としては, シリコン印象材系のハイドロフィリック・エグザフレックス・インジェクションタイプ (GC社製) を用いた・また・レジン-レプリカ模型作成用としては, 即時重合レジンであるスーパーボンド (SunMedical社製) を使用した.観察試料作製法は, 象牙細管を露出させるために歯の表面をタービンにて削除後, ホワイトポイントで研磨した.また, 一部は歯を割断して象牙質面を露出した.レジン-レプリカの作製法は, 筆積み法を用いた.走査型電子顕微鏡観察用試料の作製法は常法に従って行い, 観察, 撮影した.その結果, 天然歯の表面に比較して, シリコン-レジン法によるレプリカ像は約10%直径が大きく, 1,000倍以上の高倍率では, 明らかに象牙細管の輪郭が不明であった.また, レプリカ像では再現されない部分も出現したが, 大方の像は, 判断可能であった.
  • 白須賀 哲也, 若林 始, 出張 一博, 小高 鉄男, Sharif AHMED, 松本 光吉
    1990 年 10 巻 2 号 p. 206-215
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    レーザー照射によるエナメル質耐酸性付与効果は, 同装置による蠕蝕予防法の可能性を示してきた・しかし, 臨床応用へ至るにはいくつかの問題点がある.その一つにエナメル質に対する形態的変化が考えられる.本研究の目的は, 照射条件や, エネルギー量を変化させた際に生じるエナメル質表面の形態的変化を走査電子顕微鏡により観察し, 臨床応用上の安全域を検討することにある.本研究は連続波Nd-YAGレーザーを使用した.実験群は墨塗布群と未塗布群を, また, APF塗布群とAPF併用レーザー照射群も設定した.照射条件として, 照射エネルギー量を強 (約80-150J/cm2), 中等度 (約40-60J/cm2), 弱 (約20-30J/cm2) とし, さらにレンズ装着と未装着の場合を設定した.実験処理終了後, 走査電子顕微鏡による観察を行い, コントロール群と比較検討した.その結果, エナメル質表面には, レーザー照射部位における小孔の形成, 溶融凝固した領域, 表層の剥離面と粗造な小柱構造, クラックあるいは亀裂, そして形態的変化なし, 以上の観察所見が得られた・また, 2%EDTA溶液に15分間浸漬して同様に観察した結果, 墨塗布, 強いエネルギー量による照射 (約80-150J/cm2) により得られた溶融凝固したエナメル質部分に, 耐酸性付与効果が認められた.
  • 金子 春樹, 佐々木 崇寿, 斎藤 健, 東 昇平
    1990 年 10 巻 2 号 p. 216-227
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    前回, 我々はストレプトゾトシン誘導糖尿病ラット, およびそれにテトラサイクリンを投与した場合の骨芽細胞における形態的, 機能的変化を各種方法を用いて検索し, 糖尿病では不活性化した骨芽細胞がテトラサイクリンを投与することにより, コントロールと同様の活性化した状態にあることを確認し, 報告した.今回は骨吸収に関与する破骨細胞の形態的, 機能的変化を超薄切片法, 酵素組織化学を併用して検討した.通常の破骨細胞には細胞質中に豊富なミトコンドリアとRERが, また核近傍にはゴルジ装置とライソゾームが認められたほか, 波状縁付近の細胞質中には無数の空胞も存在していた.細胞外では骨に面して明瞭な波状縁と明帯が認められた.酸性ホスファターゼの強い酵素活性は, 細胞質中ではゴルジ装置やライソゾーム, 空胞内部に観察され, 細胞外では波状縁の突起部および波状縁が接する骨吸収面に沿って反応産物が認められた.糖尿病ラットの破骨細胞では細胞内小器官の構成はコントロールとほぼ同様であったが, 細胞外では骨面と幅広の明帯で接している破骨細胞も一部観察されたものの, 多くの破骨細胞では破状縁と明帯の両方を欠いていた.ACPaseの酵素活性は, 幅広の明帯を有する破骨細胞のみに接する骨面にコントロールに比較して微弱な反応が観察されるにすぎなかった.テトラサイクリンをDラットに投与した場合は, 骨面に沿って明帯とわずかな波状縁を有し, ACPaseの酵素活性も波状縁部では強い破骨細胞も観察された.またテトラサイクリンの化学的アナログであるジメチルアミノテトラサイクリンをDラットに投与した場合は, 微細構造学的にも酵素化学的にもコントロールと同様の特徴を有していた.以上の実験結果から, ストレプトゾトシン誘導糖尿病ラットでは骨芽細胞のみならず破骨細胞も一部不活性化されること, またテトラサイクリンの投与が, 破骨細胞および, 関連する骨のリモデリングの活性化に有効であることが示唆された.
  • 道 健一, 大野 康亮
    1990 年 10 巻 2 号 p. 229-231
    発行日: 1990/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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