昭和歯学会雑誌
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10 巻 , 3 号
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  • 宮崎 隆, 玉置 幸道, 青山 訓康, 小川 博章, 鈴木 暎, 宮治 俊幸
    1990 年 10 巻 3 号 p. 237-240
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    床用レジンの板状試験片を用いて, 表面をエメリー紙 (#800) で研磨してから, 有機質メディアを用いて乾式で遠心バレル研磨 (二連, 回転数450rpm) を行った.バレル内のメディアの容量を20, 40, 60, 80vol%の4段階にかえて30分間バレル研磨を行い, 研磨量, 研磨面表面粗さおよび光沢度の測定, 研磨面SEM観察を行った.メディアの容量が80vol%の場合は研磨量が小さく, 研磨面性状の改善効果が小さかった.メディアの容量が60vol%以下の場合は研磨量が増加し, 研磨面粗さが著しく小さくなった.光沢度の測定結果およびSEM像観察からメディアの容量が40vol%の場合に最も良好な研磨面が得られることが判明した.
  • 中村 幸生, 渡辺 治爾, 町田 孝, 有馬 真理, 福山 一晴, 若林 始, 松本 光吉, 山田 幸生, 菊地 薫
    1990 年 10 巻 3 号 p. 241-245
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    エキシマレーザーの口腔軟組織に対する照射効果を検索する目的でwistar系ラットの舌に対してArFエキシマレーザーを照射し, その直後の変化を光学顕微鏡および走査型電子顕微鏡によって観察したところ次の結果を得た.レーザー照射部には筋組織に至るまでの辺縁が極めてシャープな実質欠損が認められた.この実質欠損の辺縁部には従来の高出力レーザー照射によって生じた炭化層や凝固壊死層などは観察されず, あたかも細胞そのものが剥ぎ取られたような形態像を呈した.
  • 湖城 秀久, 鈴木 摩理, 角尾 明美, 笠原 正江, 島田 幸恵, 佐藤 昌史, 山下 登, 井上 美津子, 佐々 竜二
    1990 年 10 巻 3 号 p. 246-254
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本学小児歯科では, 歯科病院開院以来, 健常児とともに心身障害児に対しても歯科治療を中心とした口腔管理を行ってきた.そこでこれら障害を持つ小児の実態を把握するため, 小児歯科に来院した心身障害児の年齢, 主な症状による障害の内訳, う蝕の罹患状態や処置内容および定期診査の来院状況などについて調査検討した.対象は昭和56年7月より昭和63年9月までの7年間に当科へ来院した心身障害児1,491名である.初診時年齢の分布は0歳から23歳までで, 2歳以下が約半数を占めていた.障害の内訳は, 唇顎口蓋裂児が47.4%と最も多くを占め, 次いで運動・知能障害児が多かった.う蝕の罹患状態や処置内容および定期診査に関しては, 本学小児歯科の診療システムにのった障害児956名を対象に調査を行った.一人平均未処置歯数は歯年齢II A期・II C期の乳歯で7-8歯, IIIA期・IIIB期の永久歯で3-5歯であった.診療形態別の一人平均処置歯数は, 外来治療に比べ全身麻酔下治療の方が約2-3倍多かった.定期診査の来院状況は, 約6割の者が現在も継続して来院していた.また, その定期診査継続児の調査時点における年齢は, 就学前の小児が多くを占めていたが, 13歳以上の者も継続児の約1割を占めていた.
  • 五十嵐 順正, 河田 守弘, 依田 慶正, 芝 〓彦
    1990 年 10 巻 3 号 p. 255-263
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    上下顎とも遊離端欠損を有する患者において遊離端部の人工歯排列を第2大臼歯までとするか, または第1大臼歯までに留めるかは見解の分かれるところでる.そこで, 本研究では被験者5名において人工歯列による下顎の支持機能, 咀特効率, 維持歯の負荷の3者を相互に検討した.その結果, 両条件下では下顎の支持機能には大差はないが, 咀噛効率, 維持歯の負荷には差違のあることが示された.
  • 熊倉 由樹子, 樋口 恭恵, 岡野 友宏, 立川 哲彦, 道 健一, 南雲 正男
    1990 年 10 巻 3 号 p. 264-269
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    下顎骨の歯原性角化嚢胞についてX線学的な鑑別点を得ることを目標とし, 本疾患のパノラマX線所見を整理した.対象は本歯科病院の症例で病理診断の確定した10例 (12歳-67歳, 平均35歳;男4 : 6女) であった.用いたX線写真は初診時のパノラマ写真であった.X線所見は病変の部位, 大きさ, 単房性か多房性, 辺縁の形態, 病変に接した歯への影響について解析した.その結果, 下顎骨体部および下顎枝部に発生し, 長径は3-5cmないしそれ以上, 多くは単房性, 透過像ないしやや半透過像で, 病変に接した歯根の吸収がないこと, 単房性の場合, 辺縁に波状所見を有することが特徴といえた.エナメル上皮腫および非角化性嚢胞との鑑別については今後両者を系統的に分析する必要があるといえた.
  • 向井 美恵, 鈴木 美紀, 千木良 あき子, 尾本 和彦, 金子 芳洋
    1990 年 10 巻 3 号 p. 270-278
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    食物摂取が下手な幼児は多く, これらに対する効果的な指導が望まれている.そこで食物摂取に係わる多くの要因のうち, 乳幼児の摂食行動と性格特徴について調査を行いその関連性について検討した.とくに摂食行動では, 発達的視点から行動と機能について食べ方の下手な内容を分類し, 幼児の性格特徴と関連させて分析を行った.対象は, 保育園に通園する0歳から6歳までの健常な乳幼児160名であり, 乳幼児の食べ方と性格特徴について担当保母に対してアンケート調査を行い資料とした.その結果, 摂食行動における自立過程では, 2歳児以上では多くの幼児が自分で食器を使いながら自立して食べることができていた.2歳以上の幼児で, 摂食機能が下手と答えられた者は, 各年齢とも2-3割を占めた.摂食機能が下手と答えられた幼児は, そうでない幼児に比較してNegativeな性格特徴をあげられる者が多くを占めた.摂食機能を捕食, 咀嚼, 嚥下に分けて, それぞれが下手と答えられた幼児の性格特徴の比較において, 嚥下が下手と答えられた性格特徴は他に比べPositiveな性格特徴をあげた者が少なく, Negativeな性格特徴をあげた者が多くを占めていた.
  • 松本 光吉, 中村 幸生, 若林 始
    1990 年 10 巻 3 号 p. 279-282
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Pulsed Holmium : YAG Laserによる窩洞形成に関する形態学的基礎的研究を目的に本実験を行った.被験歯として, 健全歯と鶴蝕歯を用いた.Pulsed Holmium : YAG Laser装置として, 波長が2.06μm, スポヅトサイズが0.8mm, 一発照射エネルギーが78 J/cm2, ピークパワーが390kW/cm2のものを使用した.観察方法は, 肉眼的, 実体顕微鏡的, 走査型電子顕微鏡的に行った.その結果, 肉眼的, 実体顕微鏡的所見では, レーザー照射部の窩洞辺縁部は黒色を呈していたが, 窩底の歯質表面の色はほとんど変化がなかった.黒色塗布材を塗った部分にレーザーを照射すると, レーザー照射部に白色の約2-3mmの粒子が観察された.健全なエナメル質に対するレーザー照射部のSEM所見では, 表層部から深層部にかけて, 小孔状, 溶岩状に溶解している所見が観察された.鶴蝕部のレーザー照射部SEM所見では, 径が約500μmで再凝縮した小粒子状物が窩洞の中心部に向かって同心円状に配列しているのが観察された.また, 窩洞中心に向かうに従って, 歯質の溶解も強くなり, 再凝固物の粒子の大きさも増加していた.さらに, 症例によっては窩底部に明瞭な象牙細管が観察された.以上の結果より, 今後さらに, 出力と歯髄障害, 窩縁部形態変化と充填材との関係を検討すれば実用化は可能と考えられる.
  • 菅沼 岳史, 船登 雅彦, 新谷 明幸, 古屋 良一, 川和 忠治, 原田 康雄, 岡野 友宏
    1990 年 10 巻 3 号 p. 283-289
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    咬合力の負荷に伴う穎頭の変位を, 種々の咬合状態との関係において解明することは, 顎関節の機能をより深く理解することができるとともに, 顎機能異常の病因を究明する上で重要な情報が得られると考えられる.咬合力の負荷に伴う穎頭変位を解明する上で, 歯の変位や歯槽骨および顎骨自体の歪みを含めたより生理的な状態において, 穎頭の微少変位を観察する方法として側方位単純X線写真から測定する方法を選択し, アクリル模型と頭蓋模型を被写体として用い, 矢状面内の穎頭変位の測定精度について検討した.その結果, 矢状面内の穎頭変位を側方位単純X線写真によって0.05mmの精度で測定可能であることが判明した.
  • 姜 静姫, 鶴岡 正吉, 松井 洋一郎
    1990 年 10 巻 3 号 p. 290-297
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    ラット脊髄後角広作動域ニューロンの侵害受容応答に対する非侵害刺激の抑制効果について調べた.侵害刺激として尾部に熱刺激を与え, 非侵害刺激として小筆によるブラッシング (LB) を用いた.ニューロンの熱刺激応答中にLBを短時間適用したとき, LBを熱刺激と同じ皮膚分節に適用した場合にのみ抑制効果がみられ, 異分節に適用した場合には抑制効果がみられなかった.一方, LBを5分間適用したときは, 同分節だけでなく異分節に適用した場合も抑制効果がみられた.これらの結果は, 異分節に加えたLBが抑制効果を発現しないとされてきた従来の報告とは異なった.本研究は, LBの適用時間が抑制効果発現のための重要な要因であることを示した.
  • 松田 恵里子
    1990 年 10 巻 3 号 p. 298-312
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    乳歯の生理的歯根吸収過程における破歯細胞の機能的役割を明らかにするため, ヒト乳歯の歯根吸収面を微細構造学的ならびに酵素組織化学的に分析した.歯根吸収初期におけるセメント質, 吸収中期における歯根象牙質, そして吸収晩期における歯頸部エナメル質の各吸収面を走査電顕で観察すると, いずれの組織の吸収面も大小不同の吸収窩からなり, セメント質と象牙質の吸収面にはそれぞれシャーピー線維の断端や基質コラーゲン線維の露出像が認められた.また象牙質吸収面には, 管周基質の溶解による象牙細管腔の拡大が生じていた.歯頸部エナメル質に形成された吸収窩の表面性状は一様ではなく, 主にエナメル小柱体部が強く溶解されているものと, 小柱鞘を中心とする小柱体辺縁部がより強く溶解されているものとの2型に区別された.反射電子検出器による象牙質の吸収窩表層の組成像の観察では, 吸収窩表層の管間および管周基質の黒化度の上昇, すなわち無機質量の減少がみられた.次に透過電顕で象牙質およびエナメル質の吸収面に存在する破歯細胞を観察すると, 吸収窩に局在する破歯細胞は象牙質ならびにエナメル質吸収のいずれにおいてもrufned border (波状縁) を有し, その細胞間隙と隣接する貧食空胞内にはタンニン酸可染性の微細な無定型物質が認められた.しかしコラーゲン線維の破歯細胞内への取り込み像は観察されなかった.破歯細胞におけるライソゾーム性の酸性ボスファターゼの細胞内局在には基質特異性があり, β-glycerophosphateを基質に用いた場合, 酵素活性が破歯細胞のゴルジーライソゾーム系にのみ検出されるの対し, trimetaphosphate, p-nitrophenyl phosphateを用いた場合はゴルジーライソゾーム系に加えてruffled borderの細胞間隙と吸収窩表面に酵素活性が検出された.また破骨細胞のマーカー酵素である酒石酸抵抗酸性ホスファターゼ (TRAP) 活性を電顕酵素化学的に調べたところ, 破歯細胞に酵素活性は全く認められなかった.以上の結果から, 破歯細胞は破骨細胞同様の硬組織吸収能を持つが, 破骨細胞とはやや異なった表現形質を示すことが示唆された.
  • 角田 知子, 熊倉 由樹子, 川田 雅章, 野上 浩志, 岡野 友宏
    1990 年 10 巻 3 号 p. 313-316
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    静止性骨空洞12例のX線所見を整理した.その結果, 1) 男性が12例中11例, 平均年齢49歳, 2) 透過像は顎角部の正中寄りから大臼歯部の下顎骨下縁にみられ, 3) 下縁の皮質骨の侵食と, 透過像周囲の不透過帯が多くにみられた.以上は既に報告された所見と同一であった.また顎下腺造影の所見からは顎下腺の関与を直接, 示唆する所見は得られなかった.
  • 金本 恵子, 南雲 正男
    1990 年 10 巻 3 号 p. 317-319
    発行日: 1990/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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