昭和歯学会雑誌
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12 巻 , 3 号
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  • 村上 光広, 高橋 英和, 割田 研司, 川和 忠治
    1992 年 12 巻 3 号 p. 203-206
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    リソ酸亜鉛セメントは, 硬化初期に水分に接すると物性が劣化することが報告されている.そこで, リン酸亜鉛セメントの硬化初期の水分による影響を防止する目的で, 硬化直後のメーカー指示および臨床的粉液比でのリン酸亜鉛セメント表面にバーニッシュおよびワセリンを塗布した場合の, リン酸亜鉛セメント成分であるZn, Mg, Pの溶解量と表面硬さについて, これらの表面処理の効果について検討した.その結果, 溶解量試験において, Znには表面処理の影響はみられなかったが, PとMgはワセリン, バーニッシュの順に溶解量が有意に減少した・いずれの条件においても臨床的粉液比試料での溶解量が大きかった.また, 表面硬さはワセリンおよびバーニッシュで有意に増加した.またメーカー指示粉液比が有意に大きな値を示し, バーニッシュ塗布の効果が臨床的粉液比より大きく現れた.以上のことより, リン酸亜鉛セメントの硬化初期における水分の影響を防止するにはワセリン, バーニッシュともに有効であり, 特にバーニッシュの効果が大きいことが判明した.
  • Walid EL-KINANY, Haruhide KANEGAE, Yoshinobu SHIBASAKI, Tatsuo FUKUHAR ...
    1992 年 12 巻 3 号 p. 207-220
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    The effects of maxillary protraction with face mask on dentofacial morphology were studied in fifteen patients with cleft lip and/or palate. Maxillary traction was initiated at the age of 4 to 10 years (mean age 7.5 years). Traction term ranged from 9 to 24 months (average 17.2 months). Average force magnitude was 250-400 g on each side. Traction forces were used from one of the following sites; 1 : The molar's hook, 2 : an overlay palatal plate and 3 : buccal hooks from the main lingual arch on the premolar area. A control group of 15 untreated patients with similar anomaly and age was observed for one year. Changes in the dentofacial morphology in both groups were compared. Forward traction and correction of anterior crossbite were achieved in 6 cases (40 %) while traction failed to correct the crossbite in the remaining 9 patients. However, the orthopedic effects on palatal depth, S-N-ANS angle and upper lip improvement were observed in all subjects. In general, younger subjects showed more skeletal and dental improvement than older subjects. Moderate clockwise rotation of the mandible was observed in the overlay type. The results of this study suggested that using protractor appliance in the deciduous and early mixed dentitions is indicated as an early treatment of maxillary retrusion and anterior crossbite, especially in patients with cleft lip and/or palate.
  • 大野 彰久, 鈴木 康生, 高橋 真朗, 向山 賢一郎, 野島 洋, 藤原 理彦, 大山 まゆみ, 山田 かやの, 佐々 竜二
    1992 年 12 巻 3 号 p. 221-229
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    小児歯科臨床における外傷症例の対応は, 予後管理も含めて, 近年ますますその重要性が高まってきている.これまで小児の歯の外傷に関しては, 症例や処置内容などの実態調査の報告は多いが, 受傷から来院までの経過を詳しく調査した報告は少なく, その実態を知ることは, 適切な処置を施す上でも大切なことといえる.今回, 当科来院までの経緯を把握すべく, 外傷の既往が比較的はっきりしている受傷後1週間以内に来院した者に限って, その内容を調査した・その結果, 当科来院状況では, 約10年前に比べ, 総来院者に対する外傷児の比率が高くなってきていた・年間の月別来院者数は, 8月がやや少なかった.受傷曜日と来院曜日をみると, 乳歯では木曜から土曜日の週後半の受傷者が若干少ないものの, ほぼ1週間変わりなく, また来院は圧倒的に月曜日が多かった.永久歯では火曜から土曜, 中でも金曜日に多く, 来院は週後半に漸増していた・受傷原因は, 乳歯・永久歯とも転倒が多くを占めた.受傷場所では乳歯で屋内が多いのに対し, 永久歯では屋外の事故も増加していた.受傷状態は, 乳歯では重度脱臼が最も多いのに対し, 永久歯では歯冠破折が多数を占めていた.受傷直後の受診医療機関をみると, 乳歯では近医 (歯科) と当科を受診した者で7割強と多かったが, 永久歯では直接当科を受診した者が半数を占めていた・当科来院までの日数は, 全体として24時間以内, あるいは2日以内の早期に来院する者が多く, 特に永久歯の場合に著明であった.これを受傷状態との関連でみると, 脱臼症例では乳歯・永久歯とも早期来院者が多く, 特に重度脱臼者では24時間以内の来院が7割を超えた.一方, 歯冠破折症例では, 乳歯ではやや来院が遅れる小児が増えるのに対し, 永久歯では24時間以内が8割程度と早期の来院が特徴的であった.受傷部位は上顎前歯部が圧倒的に多く, その処置は, 乳歯では固定処置, 永久歯では歯髄処置を含めた歯冠修復処置が多かった.以上のような調査結果から, 当科では外傷児の来院が増加傾向にあり, また受傷後, 早期の来院者が比較的多いことからも, 受け入れ側としての的確な対応と体制の整備が望まれることが判明した.
  • 富田 尚道, 桜田 重世, 佐藤 篤, 大島 修, 杉森 正英, 堀 雅人, 南雲 正男
    1992 年 12 巻 3 号 p. 230-233
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    茎状突起の発育異常あるいは形態異常に起因する茎状突起過長症は, 咽頭痛, 嚥下痛, 開口時違和感, 放散性耳痛など臨床的に多様な症状を呈する.茎状突起過長症についての報告は我が国でも多数見られるが, そのほとんどが耳鼻科領域からのものであり, 口腔外科領域の報告は比較的稀である.今回われわれは, 茎状突起過長症と診断された3例を経験し, いずれも口内法により過長茎状突起を切除し, 良好な結果が得られたのでその概要を報告する.
  • 清水 敏之, 道脇 幸博, 秋月 弘道, 山崎 善純, Kouji TAKAHASHI, 道 健一, 河野 葉子, 菱川 健司, 山口 朗
    1992 年 12 巻 3 号 p. 234-242
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    今回われわれは比較的まれな腫瘍である腺様歯原性腫瘍の例を経験したので, すでに報告した1例と併せて報告する.症例1は11歳男子で邑部の腫脹を主訴に当科を受診した.口腔内所見では1部の唇側歯肉に境界明瞭な無痛性, 弾性軟の腫脹がみられた.症例2は17歳女性で, 35部の違和感を主訴に当科を受診した.口腔内所見では同部の頬粘膜に弾性硬の膨隆がみられ, 同部口蓋側にも羊皮紙様感を伴う腫脹がみられた.症例3では23歳女性で口腔内精査を主訴に当科を受診した.口腔内所見ではCが残存し, 頬側歯槽堤部は軽度の骨の膨隆がみられた.X線所見では3症例とも境界明瞭な単胞性のX線透過像がみられ, 内部にはX線小不透過像が散在していた.全例に摘出術を施行し, 病理組織診断にて腺様歯原性腫瘍の診断が得られた.全症例の経過は良好で再発と思われる所見は認められない.さらに本症例を含めた本邦報告例について若干の文献的考察を加えた.
  • 金 修澤, 秦 博文, 藤田 春雄, 澤田 久, 山縣 健佑, 大野 康亮, 中村 篤, 工藤 昌人, 斎藤 健一, 道 健一, 篠原 親, ...
    1992 年 12 巻 3 号 p. 243-248
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    顎関節症状を伴う顎変形症患者1名に対して歯科矯正科, 補綴科, 口腔外科のチーム・アプローチによって咬合を改善した.症例は30歳の男性で顎関節の雑音を伴う落痛および顔貌の異常が主訴であった.口腔内所見では下顎前歯を除くほぼ全顎に補綴処置が施されていたが, 不適合補綴物が多く, 大幅な咬合高径の増加と術後補綴処置が必要なことより矯正治療の適応外と診断された.治療経過としてはまず, 暫間補綴処置により安静空隙の範囲内で咬合を挙上した.そして咬合器上で規定した下顎の予想後退位置にて咬頭嵌合するように上下臼歯部鋳造冠およびブリッジを作製した.下顎後退手術に際しては, 術前に咬合挙上し, 症状が消失した下顎頭位を保持するように復位, ネジ止め固定を行った.術後1年の経過においても顎関節の状態は良好で, 手術直後の咬合関係が保たれていた.このように術前の補綴処置と外側骨片復位ネジ止め固定システムを組み合わせることにより良好な結果が得られた.
  • 岡田 隆, 斎藤 健一, 片岡 竜太, 大野 康亮, 道 健一, 立川 哲彦
    1992 年 12 巻 3 号 p. 249-251
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    われわれは63歳, 男性の右側舌縁に発生した稀な紅板症の1例を経験した.右側舌縁部に4.0×1.7cmの比較的境界明瞭, 表面がやや粗造で魔燗状で, 一部に白斑を伴う鮮紅色の病変が認められた.右側舌縁部紅板症の臨床診断のもとに試験切除を施行し, 病理組織診断にて中等度から高度の上皮異形成が認められる紅板症との診断が得られたため, 舌部分切除術, 植皮術を施行した.術後約1年5か月の現在, 再発は認められず, 術後経過は良好である.
  • 松本 光吉
    1992 年 12 巻 3 号 p. 253-255
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1992 年 12 巻 3 号 p. 311-312
    発行日: 1992/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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