昭和歯学会雑誌
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13 巻 , 2 号
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  • 菱川 健司
    1993 年 13 巻 2 号 p. 69-80
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    扁平上皮細胞の角質層の形成には間葉系細胞との相互作用が重要な要因となっている.そこで本研究は舌粘膜上皮より分離した上皮細胞の基質としてコラーゲン・ゲルを用い, そのゲル中に舌粘膜結合織より分離した線維芽細胞および鼠頚部皮下脂肪組織より分離した脂肪細胞をコラーゲン・ゲル中に含有させた.これらの問葉系細胞の含有の違いや上皮層の空気暴露の有無による上皮細胞の分化形態を検索した.いずれの間葉系細胞を含有しないコラーゲン・ゲル表而に上皮細胞を培養した場合では上皮細胞の空気暴露の有無に関わらず, 角質層の形成は認められなかった.また, 上皮細胞の特有な構造であるトノフィラメントの形成は少なく, 基底膜やヘミデスモゾームの形成は認められなかった.コラーゲン・ゲル中に線維芽細胞を含有させた場合, 細胞を含有しないコラーゲン・ゲルでの培養と比較し, 空気暴露の有無に関わらず, 上皮細胞の重層化を強く認めた.この上皮の重層化は空気の暴露により促進され, 上皮の表層細胞でケラチンパターンを示す角質層が部分的に形成されていた.コラーゲン・ゲル中に線維芽細胞および脂肪細胞を含有させた条件で培養し, 上皮細胞を空気に暴露しない場合では上皮細胞の重層化は3-4層を呈したが, 空気暴露した場合では10層以上の上皮の重層化を呈した.さらに, すべての上皮表層の細胞はケラチンパターンを呈する角質層が形成され, 加えて, ケラトビアリン顆粒や基底膜の形成が認められた.以上のことより, 上皮細胞の正角化の形成やケラトピアリン顆粒の形成などは間葉系細胞との相互作用および上皮細胞への空気暴露が不可欠な因子であることが示唆された.これらの因子は上皮細胞の特有な細胞構造であるデスモゾーム, トノフィラメント, 基底膜およびヘミデスモゾームなどの形成にも強く関与していることが判明し, この方法は, in-vitroの角化上皮の非常に優れた三次元的培養系となることが示唆された.
  • Eiichi IMAI
    1993 年 13 巻 2 号 p. 81-89
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Effects of occlusal interference on blood pressure were examined in 47 unanaethetized rats. The occlusal interference was produced by insertion of unilateral bite-raising splints (1, 2 or 3 mm in vertical dimension). The splints were set on the upper teeth for 20 days. The systolic blood pressure was measured from the caudal artery by the tail-cuff method before, during and after insertion of the splints. The blood pressure of the 1 mm unilateral bite-raising group did not change significantly between before and during insertion of the splints. In the 2 and 3 mm bite-raising groups, the blood pressure during insertion of the splints increased significantly as compared with that before insertion of the splints; after removal of the splints, the increased blood pressure returned to the pre-insertion level. Reproducibility in the increase of blood pressure was observed when the insertion of the splints was applied repetitively. Unilateral bite-raising also produced a statistically significant reduction of body weight during insertion of the splints. However, when the effect of fasting on the blood pressure was examined, the blood pressure did not change significantly, whereas the body weight decreased remarkably during fasting. This indicates that the increase of blood pressure depends primarily on unilateral bite-raising. The results of the present study suggest that activation of the autonomic nervous system is involved in the increase of blood pressure induced by insertion of unilateral bite-raising splints, and that occlusal interference activates the autonomic nervous system as a stressor.
  • Eiichi IMAI
    1993 年 13 巻 2 号 p. 90-96
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    To determine whether the sympathetic nervous system is involved in the increase of blood pressure induced by occlusal interference, the effects of adrenergic antagonists on blood pressure were examined in 22 male Wistar rats. Systolic blood pressure was measured by using the tail-cuff method. Prazosin (0.5 mg/kg, i.p.) and propranolol (1 mg/kg, i.p.) were used as α-and β-adrenergic antagonists, respectively. When a 3 mm unilateral bite-raising splint was applied for 20 days, the blood pressure during insertion of the splints increased significantly compared with that before insertion of the splints. However, the heart rate was not statistically significant between before and during insertion of the splints. The increased blood pressure, 143.1±6.6 mmHg, decreased significantly to 108.8±9.6 mmHg 1 h after the administration of prazosin. There was no statistically significant difference of heart rate between before and after administration of prazosin, although the heart rate increased from 333.6+29.2 to 377.6±22.1 bpm. Propranolol significantly reduced the blood pressure from 141.8±8.3 to 134.5±7.6 mmHg. The heart rate decreased from 323.6±15.8 to 294.8±34.0 bpm after administration; however, no statistically significant difference was observed. These results provide evidence that the increase of blood pressure induced by occlusal interference is mediated by activation of the sympathetic nervous system.
  • 諸岡 治, 大塚 純正, 平出 隆俊, 柴崎 好伸, 福原 達郎
    1993 年 13 巻 2 号 p. 97-106
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    矯正治療の目的には, 総合咀噛器官としての口腔機能の改善が第一に挙げられてきた.しかしながら現在の主流であるEdgewise法の矯正治療の現状では形態的改善に主眼が置かれ過ぎ, 咬合や顎運動などの機能面に関しては, その評価方法の問題も含めて十分とは言い難い.健全な咬合が歯および顎関節を介する神経筋機構の働きの上に成り立っていることを考えると, 機能評価法の確立は急務の課題であり, 今後矯正治療の診断や治療効果の判定に必要不可欠なものになると考えられる.本研究目的は, 表面筋電図パワースペクトル分析を用い, 新たな機能分析法の確立のために, まず最も適したパラメータを検索することを計画した.今回, パワースペクトルのパラメータとしては咬筋/側頭筋パワーバランス (M/T), Mean Power Frequency (MPF), スペクトルパターンの三つを選択し, 正常咬合者8名 (男性3名, 女性5名), 上顎前突, 下顎前突, 叢生などの咬合異常者10名 (男性4名, 女性6名) を被験者として分析を行った.そして両群の比較を行うことによりこれらのパラメータの特徴, 有効性についての検討を行い, パワースペクトル分析を用いた機能分析法の適切な指標をうることを目的とし実験を計画した.その結果以下の知見を得た. (1) 正常咬合者のスペクトルは一峰性もしくは二峰性のパターンを示し, MPFは比較的低い値を示した.またM/Tは1.0以上の値を示す傾向にあった. (2) 咬合異常者のスペクトルはピークの見られない帯状のパターンを示す傾向にあり, MPFは比較的高い値を示した.またM/Tは1.0以下を示す傾向にあった. (3) MPFは正常咬合者で低く, 咬合異常者で高い傾向にあったが, 筋繊維の性質等に影響をうけることが示唆された. (4) M/Tは全般的に咬合異常者で低く, 側頭筋優位を示したが, 咬合異常の種類との関連性が示唆されたことより, 咬合機能のみでなく骨格形態とも関連のあるパラメータであることが考えられた. (5) 以上より表面筋電図パワースペクトル分析のパラメータは, それぞれの特徴を考慮した上で機能分析法に用いられるべきと考えられた.
  • Yong-Ning WANG, Masayoshi TSURUOKA, Yoichiro MATSUI
    1993 年 13 巻 2 号 p. 107-111
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    In intact anaesthetized rats, large myelinated afferent stimulation (LMAS) produced a decrease of discharge frequency in response of spinal cord dorsal horn neurons to noxious heating. In spinalized rats, in which the cervical cord (C2-C3 segments) was transected completely, LMAS failed to reduce the neuronal discharges in response to noxious heating. This result suggests that inhibition of nociceptive responses of dorsal horn neurons produced by LMAS is mediated via descending spinal pathways from supraspinal structures.
  • 吉野 諭
    1993 年 13 巻 2 号 p. 112-126
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は印象操作に伴う歯冠色の変化について検討することである.5名の被験者の上顎左側中切歯に対し, 未処理, エアーシリンジによる乾燥後および上顎前歯部印象採得後において分光光度計を用いて歯冠を測色した.印象材には3種類のラバー系印象材および1種類のアルジネート印象材を使用した.さらに歯冠色の変化の原因についての検討を行った.その結果, 乾燥後の測色値は, 未処理に比べ, L*は増加の傾向を, a*およびb*は減少の傾向を示した.ラバー系印象材による印象採得後の測色値は, 乾燥後に比べ, L*は増加の傾向を, a*およびb*は減少の傾向を示した.アルジネート印象材による印象採得後の測色値は, 乾燥後に比べ, L*は減少の傾向を, b*は増加の傾向を示し, a*は大きな変化は示さなかった.歯冠色の変化量は, 被験者, 印象材により異なり, 肉眼で識別できる程度変化する場合があった.印象操作に伴い変化した歯冠色の未処理-洗口後間の色差は, 肉眼で識別可能な値より大きい場合があった.印象操作に伴う歯冠色の変化には歯冠の乾燥が関与していると考えられた.以上の結果から, 審美性を重要視する前歯部や小臼歯部の歯冠補綴の際, シェードテイキングの時期に配慮すべきであることが示唆された.
  • 梅澤 正樹
    1993 年 13 巻 2 号 p. 127-141
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は歯型に塗布したセメントスペーサーと全部鋳造冠の適合精度を検討する目的で, 支台歯軸面の表面粗さの異なる4種類の金属原型を用いてセメントスペーサーを1-4層塗布した歯型の表面粗さとセメントスペーサーの被膜厚さの変化について実験を行った.さらに, 支台歯軸面の表面粗さの異なる2種類のエポキシ樹脂製の支台歯を用いて, それを原型にして以下の実験を行った. (1) 歯型にセメントスペーサーを4層塗布した場合の表面粗さの変化・ (2) 支台歯軸面の表面粗さの差異, (3) セメントスペーサーの有無による全部鋳造冠の適合精度について検討を行った・その結果, セメントスペーサーを4層まで塗布すると表面粗さの小さい歯型では, わずかに表面粗さが増加する傾向を示したが, 大きな変化はみられなかった.表面粗さの大きい歯型では, 表面粗さが逐次減少する傾向を示した.セメントスペーサーの被膜厚さは, 歯型の表面粗さに関係なくほぼ一定の厚さとなった.冠内面の表面粗さに, セメントスペーサーは影響を及ぼさなかった.適合試験の結果, 両支台歯の歯型にセメントスペーサーを塗布すると適合性は向上し, 研磨仕上げをした支台歯の方がその効果はより顕著に表れた.
  • 池田 光安, 船登 雅彦, 本村 一朗, 宮治 俊朗, 福永 秀樹, 石田 和弘, 川和 忠治
    1993 年 13 巻 2 号 p. 142-147
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 平成2年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で製作したクラウンとブリッジに関して統計的情報 (総製作数), クラウンの種類とその割合, 支台歯の歯髄の有無等) を確定することであり, 以下のような結果が得られた. (1) クラウンとブリッジの製作総数は1,149個であり, そのうち966個 (84%) がクラウンで, 残り183個 (16%) がブリッジであった. (2) クラウンのうち最も多いのは全部鋳造冠496個 (51.3%) で, 次いで陶材焼付鋳造冠232個 (24.0%) であった. (3) 前歯部では陶材焼付鋳造冠とジャケット冠がほぼ同数, 小臼歯部では全部鋳造冠が陶材焼付鋳造冠の約2倍, 大臼歯部では大部分が全部鋳造冠であった. (4) ブリッジに関しては下顎臼歯部に最も多く装着され, ついで上顎臼歯部であり, 最も少ないのが下顎前歯部であった. (5) ブリッジ支台歯に関しては70%が無髄であり, 30%が有髄歯であった.
  • 村上 正治
    1993 年 13 巻 2 号 p. 148-167
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    極小未熟児・超未熟児乳歯の形態学的特徴を客観的に明らかにすることを目的として, 本研究を行った.対象は本学小児歯科外来で管理中の, 出生体重1500g未満の小児のうち, 現在全身状態に問題のない小児50名である.資料は, これら対象児が平均4歳0か月になった時点より得られた口腔内診査記録・口腔内写真, 歯列石膏模型および交換期により脱落した抜去歯である.その結果以下の結論を得た. (1) 模型分析より, 歯の大きさの平均は歯冠近遠心幅径において, 全歯で標準値の-1SD前後小さく, 歯冠唇 (頬) 舌径では, ほぼ全歯で標準値の-1SD以内の小さい値を示した. (2) 形態異常については, 癒合歯が健常児にくらべ高い発現率 (14.0%) を示した・ (3) エナメル質形成不全は, 50名中41名に認められ, その発現率は, 82.0%であった. (4) エナメル質形成不全における減形成の発現部位は, 上顎前歯部に多く, 石灰化不全は上下顎の臼歯部に多く認められた. (5) 歯の平均微小硬度数は, エナメル質で308.4, 象牙質で42.9で, ともに健常児にくらべ低い値を示した・ (6) 光顕的観察では, エナメル質新産線の発現位置が健全歯に比較して切端寄りに認められ・Retzius線が明瞭に認められた.以上の結果から極小・超未熟児の乳歯の大きさは小さく・形態異常・形成異常が多く, 歯質の硬さは低く, 石灰化不良な状態であることが示唆された.
  • 柴田 恭典
    1993 年 13 巻 2 号 p. 168-180
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    正貌頭部X線規格撮影法の撮影時の誤差を求めるために仮想PAセファロ撮影モデルを設定した.仮想被写体を左右耳桿の中心を原点とし, ±10°まで1°ずつ回転させ, 回転によりフィルム上に投影される基準点間の位置変化を算出した.その結果, 最も固定が難しいと思われるvertical rotationの変化でフィルム上の基準点は, U1で上下に最大32.7mmと変化が大きかった.基準点問距離はGo間幅径で最大1.27mm (1.24%), CG-Me間距離で最大2.87mm (2.31%) の変化を示した.角度変化については, ∠CG-Go1-Go2で最大2.32° (4.89%), ∠CG-Go1-Meで最大19.22° (25.32%) の変化を示した.このことから, PAセファロを利用する際には, 基準点の位置は誤差が大きく, 基準点間距離については, CG-Meのような垂直的線分よりもGo1-Go2のような左右対称な基準点の幅径の方が計測項目として誤差が少なく, 角度計測については正中からの点 (例えばCG) と左右同名点を選べば角度計測の誤差が少ないことが判明した.
  • 蘇 志鵬
    1993 年 13 巻 2 号 p. 181-193
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    台湾在住の高山族の中から, パイワン族, アミ族, ブヌン族, タイヤル族と漢族の学童の生体計測値のうち, 頭長, 頭幅, 頬骨弓幅, 形態学顔高について分析して, 欠田らの日本人の頭顔面部の段階的な成長が台湾高山族にも見られるか, 否かを検討した.その結果, 1.頭幅の成長にはすべての群に段階性があり, 頭長では, 半数以上の群に認めうる.顔面頭蓋の計測値には段階性は認められない.2.段階的成長様式では2段階に分かれる様式が3段階のそれより多い.段階は特異型といえる.3.段階性の出現には性差は認められない.4.頭幅は加齢的増大の程度が低く, これが頭幅成長の段階的成長の群数の増加につながる.5.頭部計測値の成長の段階性は各種族を通じて出現し, その分析には精密なる計測数値が要求される.
  • 福永 秀樹, 古谷 彰伸, 小島 有紀子, 川和 忠治
    1993 年 13 巻 2 号 p. 195-197
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 13 巻 2 号 p. 199-201
    発行日: 1993/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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