昭和歯学会雑誌
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13 巻 , 3 号
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  • 岩崎 進
    1993 年 13 巻 3 号 p. 207-217
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    マイクロフィラメントから構成される破骨細胞の細胞骨格の生理的意義を解明するため, 象牙質切片と共培養した破骨細胞の細胞構造とその吸収能の発現に対するアクチンフィラメントの特異的伸展阻害薬 (サイトカラシンD : CD) の影響を微細形態学的に解析した.CD非存在下の対照群の培養破骨細胞は共培養した象牙質切片に対して波状縁と明帯を形成し, 象牙質表面に多数の吸収窩を形成した.免疫電顕的には, 抗アクチン抗体の反応は波状縁と隣接する空胞に強く検出され, 明帯と側壁細胞膜における反応は少なかった.一方, CD添加群の破骨細胞は球形または扁平な細胞外形を呈し, 波状縁と明帯がほぼ完全に消失したほか, 細胞体側壁の微絨毛も減少した.また免疫電顕的には波状縁における抗アクチン抗体の反応性が著しく低下した.共培養した象牙質における吸収窩の形成は, CDの濃度に依存して強く抑制された.以上の実験結果から, 破骨細胞の細胞構造とその骨吸収能は, 波状縁中のアクチンフィラメントを主要構成成分とする細胞骨格によって制御されていることが強く示唆された.
  • 羽根田 喜良
    1993 年 13 巻 3 号 p. 218-229
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    インスリン欠乏型糖尿病における歯根膜の線維芽細胞と骨芽細胞の微細構造ならびにコラーゲン代謝の変化を解析する目的で, ラットにストレプトゾトシン (STZ) を静注して糖尿病を誘導し, 下顎臼歯の歯根膜線維芽細胞と骨芽細胞の細胞構造の経日的な変化とタンパク合成能の変化を, 通常の光顕・電顕的観察に加え3H-プロリンを用いた電顕オートラジオグラフィーによって検索した.経日的に, 線維芽細胞の配列は不規則となり, 細胞体の極度の扁平化, 自己融解小体の増加また細胞の多核化等の形態変化が生じた.歯根膜の骨芽細胞は, 対照群 (STZ非投与群) ではゴルジーRER系のよく発達したタンパク合成系の細胞構造を示し, 経時的に3H-プロリンのゴルジ領域への取り込みと類骨層への分泌が観察された.しかしSTZ投与群では, 骨芽細胞の外形は極度に偏平化したbone-1ining cellの像を呈し, 3H-プロリンの細胞内取り込みと類骨層への分泌は著しく減少していた.また類骨層の幅も減少していた.STZ投与によって, 歯根膜線維芽細胞に同様のタンパク合成の低下が生じることは著者らがすでに報告した。以上の実験結果から, インスリン欠乏型糖尿病では歯根膜の線維芽細胞と骨芽細胞のコラーゲン合成能が著しく低下するとともに細胞の退行性変化が進み, 歯周疾患の重要な増悪因子 (基礎疾患) となることが示唆された.
  • Tetsuo KODAKA, Fumikazu NAKAJIMA
    1993 年 13 巻 3 号 p. 230-232
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Rod-shaped deposits composed of hexahedrally based crystals, identified as whitlockite, were occasionally found in the dentinal tubules of the attrited cervical dentin of cariesfree human teeth. It is suggested that the deposits were formed by using the collagen fibers within the tubules for the initial matrix.
  • 松本 光吉, 富永 明彦, 斎藤 祐一, 若林 始
    1993 年 13 巻 3 号 p. 233-236
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    1954年, Nelsonらによって開発されたタービンが世に出て, 約40年の歳月が流れたが, 依然として, タービンによる歯質切削時の不快音, 象牙質切削時の麻酔の必要性は完壁には改善されていない.これらの諸問題を前進させるために開発された酸化アルミニウム粉末噴射法について, 噴射時のエナメル質, 象牙質切削面の形態学的変化を検討するために本実験を行った.被験歯として, 人の抜去歯20本を使用した.酸化アルミニウムの粉末粒子の径は約27μmと約50μのものを使用した.また, 噴射装置は, American Dental Laser社のKCP-2000を使用した.噴射速度はSlowが80 psi (5.6) kg/cm2, Mediumが120 psi (8.4kg/cm2), Highが160 psi (11.2kg/cm2) であった.切削法は粒子の大きさと切削速度を組み合わせて, 約1-2mmの距離より粉末を歯質表面に噴射した.なお, チップの直径は約0.34mmで, 噴射時に生じる切削片や粉末は付属のバキューム装置で吸引した.切削而の観察は, 肉眼的, 実体顕微鏡, 走査型電子顕微鏡によって行った.その結果, 酸化アルミニウムの粉末の粒子の大きさ, 切削速度の差によって, 切削面の形態学的差はなく, 滑沢な, 砂丘状を示した.酸化アルミニウムの粉末および切削歯質は噴射時に大方は飛散してバキュームにより吸引されたが, 一部は歯表面に残存していた.特に象死質では, 躯細管内に圧入されていた.歯融象頒の切削時に, 周囲と明らかに区別される物質が観察された.なお, 以上の観察所見には炭化や溶解.嫉凝固などの変化は観察されず歯質の本来の色調を示していた.
  • 玉置 幸道, 堀田 康弘, 田中 久雄, 宮崎 隆
    1993 年 13 巻 3 号 p. 237-242
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    チタン鋳造における溶解時の雰囲気が鋳造体の品質に及ぼす影響についてアルゴン融解加圧鋳造機を用いて検討した.銅金型と試作のカルシア鋳型を用いてアルゴンガス置換の回数を変えた場合, 置換を行わず排気時間を延長した場合, 排気量の大きいロータリーポンプを利用した場合についてそれぞれチタン鋳造の実験を行い, 鋳造体の硬さを測定した.アルゴンガス置換の回数を増加することにより溶解室中の酸素濃度が減じられ, 得られた鋳造体の硬さは顕著に小さくなることが認められた.排気時間を延長した場合, 銅金型では2分間までは硬さは減少する傾向を示したが, 60分間排気した場合は逆に若干増加していた.カルシア鋳型の場合は, 排気時間の延長による硬さの変化は認められなかった.これらの結果から, 排気時間の延長とアルゴンガス置換では置換回数を多くした方が汚染を少なくする効果があることが示唆された.新しく利用したロータリーポンプは鋳造機付属のポンプよりも排気力が強く, 操作時間を短縮できることが認められた.また, ロータリーポンプを用いて1000℃のカルシア鋳型中にチタンを鋳込んだところ, 鋳造機付属のポンプを用いた場合よりも硬化層の薄い鋳造体が得られた.これらのことから, 真空ポンプの性能は操作性を改善し, 高品質のチタン鋳造体を得るために有用であると考えられた.
  • 松井 義郎, 大野 康亮, 中村 好宏, 代田 達夫, 森 紀美江, 道 健一, 関 健次, 岡野 友宏, 秦 博文, 積田 正和, 山縣 ...
    1993 年 13 巻 3 号 p. 243-253
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    プラズマ溶射によるアパタイトコーティングチタン人工歯根 (Integral (R) ) 適用例の臨床経過について検討した.対象は男性14例, 女性16例の計30例, 年齢は22歳-73歳である.これらの症例に対し, 1988年4月-1990年5月に162本のIntegral®人工歯根を埋入した.その結果, 1.術中偶発症として上顎洞への穿孔が3例, 術直後合併症として下唇の知覚鈍麻が6例, 創の喀開が5例にみられたが, 重篤なものは認められなかった.2.フィクスチャー埋入後2年8か月から4年9か月, 平均3年5か月経過した時点で162本中158本 (97.5%) が経過良好であった.不良例4本のうち3本は裂奇形術後症例に埋入したものであった.装着した上部構造39例のうち38例 (97.4%) が予後良好であった.3.不良要因として, 埋入部の骨量の不足, 付着歯肉の欠如, 埋入方向の不正などが考えられた.以上より, Integral (R) は臨床的に有用な人工歯根であり, その治療成績を向上させるためには, 綿密な術前計画と適切な外科的処置が必要であることが明らかとなった.
  • 吉田 佳子, 近藤 信太郎, 北村 誠敏, 若月 英三
    1993 年 13 巻 3 号 p. 254-261
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    外鼻の形態は, 現在までに多数の報告がある.著二者らは日本人女性とフィリピン人女性の外鼻の形態を比較し, モンゴロイド大人種のうち, 日本人女性は北方系の要素を持ち, フィリピン人女性は南方系の要素を持つと報告した.今回は, 日本人男性と日本人女性の外鼻の形態の違いを調査した.研究方法は, 外鼻の計測とモアレ縞の走行による鼻背, 鼻屋の形態の分類を行った.その結果, 鼻長, 鼻幅, 鼻背長, 鼻深は, 男性の方が女性より有意に大きかった.鼻背の矢状断面の角度は, 有意差は認められなかった.指数項目では, 鼻長幅指数では男女間に有意差は認められなかったが, 鼻幅深指数は, 男性が有意に大きかった.鼻背のモアレ縞の間隔による分類から, 男性の鼻背の形態は, 大部分が直線型であり, 女性の場合も, 直線型が最も多いが, 男性と比較すると凹曲型も認められた.鼻屋の発達度による分類の結果は, 男女ともに著明な走行を示さない分類型が最も多かった.しかし, その他の分類型の出現率では, 男性は, 鼻屋の発達の良い分類型を, 女性では, 鼻屋の発達の悪い分類型を示す傾向が認められた.これらのことから, 外鼻の大きさは男性が女性より大きく, 鼻背の形態も女性は直線型のみではなく, 凹曲型も認められ, また, 鼻屋の形態は男性の方が発達の良い形態が存在しており, 男女で外鼻形態が異なっていた.
  • 山本 麗子, 道脇 幸博, 松井 義郎, 道 健一, 立川 哲彦
    1993 年 13 巻 3 号 p. 262-265
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    耳下腺深葉に発生したWarthin腫瘍の1例を経験したので報告した.患者は42歳男性で耳下腺部の腫脹を主訴に来院した.超音波所見, CT所見により耳下腺の嚢胞形成性腫瘍が疑われたので摘出術を施行したところ, 腫瘍は耳下腺深葉由来であった.病理組織学的診断はWarthin腫瘍であった.われわれが, 渉猟し得た文献で記載の明らかなものにおいては耳下腺深葉由来のものは見られず, 耳下腺深葉由来の本腫瘍は極めて稀と考えられた.
  • 山縣 健佑
    1993 年 13 巻 3 号 p. 267-272
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1993 年 13 巻 3 号 p. 333
    発行日: 1993/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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