昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
16 巻 , 3 号
選択された号の論文の12件中1~12を表示しています
  • 柴崎 好伸
    1996 年 16 巻 3 号 p. 177-194
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    口唇裂口蓋裂児のハビリテーションについては, その障害の拡がりが多岐にわたるため, 治療の時期が幼年期に集中することと長期にわたることが医療サイドの問題として堤起されてきた.中でも矯正歯科治療は, 成長の期間を通して治療を継続するいわゆる連続管理システムに見直しが迫られている.つまりこの従来からのアプローチは, 就学期に相当する歯齢IIIA期に劣成長の上顎に対し上顎歯列の拡大を中心とする刺激を与えることにより, 患者の生来有していると思われる成長能を十分に発揮せしめようとするものであるが, この治療の有効性が問われていることになる.そこでここでは, 早期矯正治療の有効性をこれまでの上顎の成長発育一辺倒の観点から新たに口腔の形態と機能への影響の側面を加味し, より多面的な総合評価を試みた.その結果, 症例によっては, 特に口腔機能の観点から見過ごすことのできない効果が期待できることがわかった.
  • 梅澤 正樹, 今泉 薫, 樋口 大輔, 丸山 淳, 本村 一朗, 吉野 智子, 胡田 由美子, 船登 雅彦, 川和 忠治
    1996 年 16 巻 3 号 p. 195-203
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 平成5年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台歯の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1,202個で, クラウンが1,022個 (85.1%), ブリッジが180個 (14.9%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠572個 (56.0%) であった.次いで陶材焼付鋳造冠183個 (17.9%) とレジン前装鋳造冠183個 (17.9%) で, 陶材焼付鋳造冠は平成4年度の288個と比較して大幅に滅少した.また平成3年度に一例も装着されなかったレジン前装鋳造冠が平成4年度では110個 (10.2%), 平成5年度では183個 (17.9%) と大幅な増加を示した.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠が約50%, 小臼歯部では全部鋳造冠が約70%を占め, 大臼歯部では約90%が全部鋳造冠であった.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にわたるものが, それぞれ約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部において1歯欠損2本支台歯が最も多かった.前歯部から臼歯部にわたるものにおいては, 2歯欠損3本支台歯が多かった.6.クラウンにおける保険診療は74.3%であり, ブリッジにおいては76.7%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は88.8%, インプラント支台0.9%であり, ブリッジにおいては無髄歯が75.4%であった.
  • Testuo KODAKA, Masayuki ABE, Shohei HIGASHI
    1996 年 16 巻 3 号 p. 204-208
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    The tangential ground surfaces of the occlusal enamel in maxillary premolar teeth, extracted from young orthodontic patients, were observed by scanning electron microscopy after EDTA etching. At the junctions of the prism orientation disorders, various abnormal-shaped prisms containing many circular shapes were scattered in a similar way to our recent study on the lingual enamel of maxillary incisor teeth. Abnormal-shaped prisms were also observed in the areae adjacent to the clear spiral region of prisms in the gnarled enamel, however, they were not found in the spirally arranged prisms which agreed to our previous observations. On the other hand, one or a few abnormal-shaped prisms were occasionally present in the regions showing an ordinal orientation of the prisms. From our present observations and a large number of previous studies on abnormal-shaped prisms, such prisms commonly appear in human enamel although their average to the entire enamel prisms in a tooth is low. Thus, we suggest that abnormal-shaped prisms, especially circular structures as a primitive type of enamel prisms, are always found to be present.
  • 湊口 将幸, 国分 敏樹, 鶴岡 正吉, 松井 洋一郎
    1996 年 16 巻 3 号 p. 209-215
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近代医学の臨床の場において患者の痛みを定量化し, 客観的に評価しようとする試みが数多く行われてきた.一方, 痛みの神経機序および痛み物質の研究は, ほとんどが動物実験によるものであった.この両者を結ぶものとして, ヒトにおける実験痛の研究は重要である.そこで我々は臨床痛の評価法において信頼性の高いといわれる視覚的スケール (VAS) を改良し, ヒトの実験痛の感覚量測定を試みた.被験者は34名のボランティアであった.痛み刺激として熱刺激を用いた.各被験者には痛みを感じる一定温度の基本刺激を与えておき, 5分間経過した後, 測定したい任意の温度の試験刺激を与えた.その時の感覚量を基本刺激の時の感覚量にもとづきVASに記入させた.同一温度で繰り返し測定した場合, 個人の記入する位置はほぼ同一点に限局しており, 再現性は高かった.また, 2週間以上隔てて同一の測定をした場合も再現性は高かった.刺激温度と感覚量との関係を調べると, 両者にベキ関数が成り立った.これらの結果から, 我々の開発したVASを用いた実験痛の評価法は, 簡便でしかも信性の高い評価法であると考えられる.
  • 中川 真理子, 大野 康亮, 土屋 亮, 道 健一, 大坪 和則, 朝山 哲夫, 浅田 洸一, 石橋 克禮
    1996 年 16 巻 3 号 p. 216-223
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    HA骨補填材であるInterpore200®を口腔外科疾患の骨補填部に応用し, その有用性と安全性について検討した.使用した材料はInterpore200® (インターポア社) である.本材は多孔性で, 本研究には, 粒径が425-600μmの顆粒と, 5×5×10mmのブロックのものを使用した.対象症例は60症例で, そのうち嚢胞が40例 (66.7%) と最多で, その他唇顎口蓋裂10例, 腫瘍4例などであった.臨床症状の診査にもとづいて, 添加・補填効果と概括安全性を4段階で判定し, さらにこれらを含めた総合判定 (有用性) を5段階で評価した.その結果, (1) 対象症例は60症例で, 特に問題となる全身疾患はなかった. (2) 有用性は, 80%が「有用」以上の良好な成績であった. (3) 術後の不快事項としては本材の漏出, 創離開, 感染, 血腫などがみられた.これらのことより, 本材は各種口腔外科的疾患の骨欠損の補填に有用であると考えられた.
  • 坂田 純一, 有島 直子, 高橋 とし恵, 松田 幸子, 桜井 千里, 塩野目 学, 鈴木 基之, 宮下 元, 長谷川 紘司
    1996 年 16 巻 3 号 p. 224-229
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    初期治療終了後再評価を行い, 骨移植が適応と診断された歯周炎患者34名, 46部位の骨欠損にハイドロキシアパタイト人工骨の骨移植を行った.術前および術後1年目の臨床診査結果の比較および, エックス線写真を用いた術後1年目の移植材残存率について評価した.更に, 前歯部, 臼歯部に分けて比較検討を行ったところ以下の結果を得た. 1) プロービングポケットデプス (PD) は, 術前平均7.2±2.2mmが術後平均3.2±1.2mmに減少した. 2) プロービング時の出血 (BOP) は, 術前69.6%の部位でみられたものが術後23.9%に減少した. 3) 動揺度は術後55.6%の部位で改善し, 悪化したものは認められなかった. 4) 移植材は骨欠損部に, 術後平均80.4% (前歯部89.8%, 臼歯部73.1%) 残存していた.5) 術後のPDおよびBOPの減少は, 前歯部の方が臼歯部よりも大きい傾向を示した.以上のことより, 歯槽骨欠損部にハイドロキシアパタイト人工骨移植材を応用することは臨床症状の改善に有効であった.またこれを前臼歯部に分けて検討すると, PD, BOPの減少, 移植材の残存率は臼歯部よりも前歯部で高い値を示したことから, 前歯部の方がより良好な予後が得やすいことが示唆された.
  • 堀田 康弘, 宮崎 隆, 李 元植, 小林 幸隆
    1996 年 16 巻 3 号 p. 230-234
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    試作のCAD/CAM装置を用いて, CAD/CAMの手法によリセラミック製クラウンを作製する新しい方法を開発した.支台歯と隣接歯の石膏模型を, 装置にとりつけたレーザ変位計を用いて, 非接触で形状計測を行った.引き続き, コンピュータにより支台歯に適合する最適形状のクラウンが自動的に設計され, 加工のためのNCプログラムが作成された.結晶化ガラスセラミックスのブロックから, コンピュータ支援のミリングにより, クラウンを自動製作した.完成したクラウンをリン酸亜鉛セメントを用いて支台歯石膏模型に合着し, 割断面上でセメント被膜の厚さを万能投影機で計測した.その結果, セメント被膜の厚さは0-150μmであり, 咬合面部の被膜がマージン部よりも厚くなっていた.この適合精度には種々の要因が影響しており, 引き続き精度を向上するために研究を進めている.
  • 小林 幸隆, 宮崎 隆, 堀田 康弘, 李 元植
    1996 年 16 巻 3 号 p. 235-239
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    非接触レーザ倣いミリング法によるインレーの新しい製作法を開発した.インレー用のテーパー金型から作製したワックスパターンを, 試作のCAD/CAM装置に付属のレーザ変位計を用いたデジタイザーで, 非接触で形状測定した.このデータをもとに加工用データを自動作成し, 同装置を用いて, コンポジットレジンのブロックから自動でミリング法によりインレーを削り出した.完成したインレーを金型にセットして, 適合精度を検討した.その結果, 本法により製作したインレーは, 原型よりも線膨張で0.56%大きいことが判明した.今回開発した製作法は, 市販のコンピュータ制徒及び倣いによるインレーの製作法に較べて注目すべき特徴を有しており, 今後計測精度の向上を中心に更に改良をする予定である.
  • 平川 崇
    1996 年 16 巻 3 号 p. 240-245
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    上顎前歯の前突感を主訴とし, 当初抜歯が必要と判断されたAngle II級1類不正咬合に対して積極的に咬合弯曲を賦与することにより非抜歯での治療を完了した症例を経験した.咬合弯曲の賦与についてはサービカルギアとマルチブラケット装置を併用し3年9か月の動的矯正期間を要した.通常の矯正治療においては治療の初期段階で咬合平面を平坦化するが, 治療中終始弯曲を賦与し, 十分な治療結果を得たことは, このような症例に対しての新しい治療の方向性を示唆するものとなった.スピー湾曲を賦与することを治療のゴールとした点については未だ論議を呼ぶところであるが, 今回中等度のディスクレパンシーを伴う上顎前突症例に対し積極的にスピー湾曲を賦与することでトータルディスクレパンシーの解決方策とした.予後観察中の現在, 安定した経過をたどっていることよりこの治療法には今後の治療に何らかの参考が隠されているものと思われる.一治験例のみの報告であることを考えると今後更に症例を積み重ね治療のゴールに対する考えを構築して行きたい.
  • 大森 史枝, 平出 隆俊
    1996 年 16 巻 3 号 p. 246-255
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近年, 矯正治療は歯科の一分野にとどまらず, 保存, 補綴口腔外科などとの包括的治療の一助として需要が増えつつある.今同そのような治療方法の中で, 下顎前歯部に歯周疾患と歯肉退縮を伴う成人矯正症例 (初診時年齢36歳3か月.女性) を経験した.そこで症例の治療経過・結果を通し, 成人歯周疾患患者の矯正治療における問題点ならびに今後の課題について検討することにした.
  • 山縣 健佑
    1996 年 16 巻 3 号 p. 257-260
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1996 年 16 巻 3 号 p. 329-331
    発行日: 1996/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top