昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
17 巻, 4 号
選択された号の論文の14件中1~14を表示しています
  • Tetsuo KODAKA, Masaru KUROIWA, Shohei HIGASHI
    1997 年 17 巻 4 号 p. 341-350
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Structural changes of human dentin by brushing with several kinds of commercial dentifrices in vitro were observed with scanning electron and scanning laser microscopes. Their gel, fluid, and paste-type dentifrices for gingivitis, sound enamel, or sensitive teeth contained no abrasives, crystallized sodium chloride (NaCl) which has not been noted as abrasive, abrasive silica, or several abrasives containing silica. Automatic toothbrushing rotated two-dimensionally was performed on the tangential ground surfaces of the cervical sound dentin for 10 min. The brushing with dentifrice containing abrasive silica or silica-containing abrasives caused dentin abrasion although the abrasivity of dentifrice containing NaCl and fluid-type dentifrices containing silica was weakened, while most of their dentinal tubules were occluded. Similar data have been obtained in our previous study using paste-type abrasive dentifrices for sensitive teeth or nicotine removal. Under brushing with a gel-type dentifrice containing no abrasives for gingivitis, the abrasivity was significantly lower than that of abrasive dentifrices. However, the dentifrice caused all the dentinal tubules to open following the erosion of the peritubular matrix because the pH range was 5 to 6. Such a patency of the tubules will cause dentin hypersensitivity in a case of in situ. Therefore, one must be cautious about the abrasivity of NaCl as well as abrasive silica and also the pH range in dentifrice even if dentifrice has no abrasives, when the cervical regions of teeth exposed to the oral cavity are brushed with commercial dentifrice.
  • 荒川 治子, 篠田 浩人, 割田 研司, 樋口 大輔, 川和 忠治
    1997 年 17 巻 4 号 p. 351-356
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    市販されている7種類の付加型シリコーン・ラバー印象材による咬合記録材について, 咬頭嵌合位の再現性に影響を及ぼすと考えられる理工学的性質として, 材料の圧縮ひずみ, 永久ひずみ, 寸法変化率をADAS No.19疎水ゴム質印象材の規格に準じ測定を行い, 印象用の付加型シリコーン・ラバー印象材との比較を行った.咬合記録材の圧縮ひずみは印象用に比べ非常に小さな値を示し, 中でもExabite, President Jet Bite, Bitesil, Stat・BR, Mushprintの値が小さく・Memosil C.D., Expressではやや大きく印象用に近い値であった.咬合記録材の永久ひずみは印象用と同等であり, Exabite, President Jet Bite, Stat・BR, Express, Mushprintが小さく, Bitesil, Memosil C. D.は大きかった.また, 寸法変化率はMemosil C.D.が大きな値を示したが, 他の材料は印象用と同等であった.咬合記録材は, 圧縮ひずみ, 永久ひずみ, 寸法変化率のいずれも小さいものが望ましい.今回の結果からは, Exabite, President Jet Bite, Stat・BR, Mushprintが好ましく, その他の材料については, 取り扱いに注意を払う必要があると思われた.
  • 岸田 徹, 直井 繁治, 池田 祐子, 玉置 幸道, 宮崎 隆
    1997 年 17 巻 4 号 p. 357-361
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    石膏系クリストバライト埋没材の焼成に伴うミクロの構造変化を検討するために, 熱分析, X線回折分析, 圧縮試験及びSEM観察を行った.熱分析及びX線回折の結果, 結合材である石膏は昇温に伴い結合水を放出し無水石膏へと変化していた.SEM観察の結果, 石膏硬化体の針状結晶は昇温に伴い亀裂を生じ, さらに収縮していた.硬化体よりも800℃までの焼成体の強さは著しく低下し, 脱水によるミクロ構造の変化が鋳型の強さの低下の一要因である事が判明した.一方1,000℃焼成後のX線回折線図は, 800℃焼成後のそれと大きく変化したところは見られなかったが, SEM像においては針状結晶が消失し, また粒子の融合像が認められた.1,000℃焼成後の試料の強さは800℃焼成のものより増大していたので焼結による構造変化が影響したと考えられる.
  • 藤森 伸也, 鈴木 正子, 柴田 陽, 藤野 茂, 宮崎 隆
    1997 年 17 巻 4 号 p. 362-367
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    チタンの骨に対する高い親和性の理由の一つとして, 疑似体液中に浸漬した場合に, 選択的にリン酸カルシウムの薄膜を生成する能力があることがあげられる.この能力はチタン板表面の化学構造により影響される.本研究の目的は, 表面にTiO2, TiO2Ti2Oと傾斜機能的に変化する厚い酸化チタン層を有する, ワイヤ放電加工処理チタン板のリン酸カルシウム薄膜の析出能を検討することである.ワイヤ放電加工処理チタン板と, コントロールとしての研磨チタン板を, 37℃の電解液 (無機成分のみのハンクス溶液) に30日間浸漬し, チタン板表面に析出するリン酸カルシウム薄膜の分析を行った.XPS分析およびFTIR分析からいずれのチタン板表面においても, アパタイト様のリン酸カルシウム薄膜の存在が認められた.表面観察から両方のチタン板表面には, 半透明の薄膜が形成され, ワイヤ放電加工処理チタン板では, より厚い粒塊構造物が観察された断面の観察から, ワイヤ放電加工処理チタン板表面には, 研磨チタン板よりも厚いμmオーダの薄膜が形成されたことが確認された. 以上より, ワイヤ放電加工処理チタン板では, 電解液中でのリン酸カルシウム薄膜の生成能が向上し, 骨に対する高い親和性を有していることが判明した.
  • 宮崎 隆, 堀田 康弘, 小林 幸隆, 藤原 稔久
    1997 年 17 巻 4 号 p. 368-376
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    現在歯根形状インプラントが主流になり, 形状的にはシリンダー形状とスクリュー形状インプラントが用いられている.埋入されたインプラントが良好な骨結合の治癒をするためには, 埋入後の初期安定性が重要な因子である. 本研究の目的は, 歯根形状インプラントの初期安定性, 特に臨床的に埋入孔にプレスフィットされるシリンダー形状インプラントの初期安定性を検討することである. 典型的なシリンダー形状とスクリュー形状インプラントのモデルをつくり, コンピュータの有限要素法解析を行った.シリンダーインプラントの摩擦係数を0-0.3に設定した.またインプラントの直径と埋入孔の直径の差を0, 10, 20μmに設定した (常にインプラントの直径≧埋入孔の直径).安定性の評価として, 荷重を加えたときのインプラントと骨の相対変位量を求め, またインプラント周囲の骨に発生した応力を求めた.スクリュー形状インプラントは摩擦係数がゼロ, ギャップがゼロの場合でも相対変位が小さく安定性に優れていた.一方, シリンダーインプラントは, 摩擦係数とギャップがゼロの場合には相対変位が大きく安定性に劣っていた.しかし, シリンダーインプラントの安定性は, 摩擦係数の増大とともに, またギャップの増大とともに向上し, スクリュー形状インプラントと同等の安定性を得ることが可能であった.骨に生じた応力を考慮すると, 摩擦係数のできるだけ大きいシリンダーインプラントを, インプラントの直径よりもわずかに小さく準備された埋入孔に埋入するのが, 安定性を確保し, かつ骨に負担をかけないために有利であると言える.従って, シリンダーインプラントの成功の鍵は, 埋入孔の形成精度とインプラント本体の表面性状であると考えられる.
  • 宮崎 隆, 李 元植, 藤森 伸也
    1997 年 17 巻 4 号 p. 377-382
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    シリンダー形状インプラントの埋入孔の精度は, インプラント治療の成功のための重要な要因である.我々は新しいチタン製シリンダー形状インプラントシステムとしてIAT Fit IIインプラントシステムを開発したが, 本システム用に一連の埋入孔形成用切削工具, すなわちパイロットドリル (直径1.6mm), ツイストドリル (直径2.75mm), カウンターシンクドリル (直径3.6mm), そしてキャノンドリル (直径3.8mm) を開発した.本研究の目的は, これらのドリルの基本性能, 特に切削性と切削精度を検討することである.コントロールとして, 我が国のインプラント工具メーカーに, 市販品と同等の技術水準で同寸法に製作依頼をした, ツイストドリル, カウンターシンクドリルおよびキャノンドリルを用いた.各ドリルを小型のマシニングセンターに取り付け, アクリル樹脂板に対して回転数1000rpm, 送り速度100mm/min, 切削深さ8mmの孔加工を行った.ドリルの直径と加工後の孔の直径差を求め, 加工精度を評価した.また, 4成分切削動力計を用いて, 切削時に被削材のX, Y, Z直交3成分に生じる分力, および回転方向の分力を測定した.被削材としてアルミニウム板も用い, 送り速度200mm/minで同様の切削力を測定した.実験の結果, 今回の切削力の測定は工具の切削性や切削精度の評価に有用であることが認められた.埋入孔を形成する際に, 直径の小さいドリルから順番に拡大していく方法は, 切削性と切削精度を向上するのに有効であった.IAT Fit IIのドリルでは, 特にカウンターシンクドリルとキャノンドリルの性能がコントロールよりも優れていた.とりわけ最終のキャノンドリルの加工精度が硬さの大きいアルミニウム板に対しても非常に優れていたため, 臨床の骨切削においても有用性が高いと期待される.
  • 宮崎 隆, 李 元植, 藤森 伸也
    1997 年 17 巻 4 号 p. 383-387
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 新規に開発した骨切削用パイロットドリルの切削性とその耐久性を評価することである.このドリルは表面に窒化チタンコーティングを施していることが特徴である (以下, TiNドリルと略す).コントロールとして同じ用途に用いられる市販のパイロットドリルを用いた.各ドリルを小型のマシニングセンターに固定し, 被削材としてアルミニウム板を用いて, 回転数1000rpm, 送り速度20mm/min, 切削深さ8mmの条件で孔加工を行った.切削動力計を用いて, 切削時に被削材に生じた直交3成分並びに回転方向の分力を検出した.孔加工は同じドリルを用いて繰り返し100回まで行った.その結果, TiNドリルは100回まで切削精度が著しく高く, また少なくとも90回まで切削性の持続力が優れていることが判明した.一方, コントロールは切削性に劣り, かつ切削性の持続力がはるかに劣っていることが認められた.SEM観察の結果, コントロールでは刃先が大きく磨耗している像が認められた.これらの結果から, 新規に開発したTiNドリルは, ドリルの工具鋼の種類, コーティング, 刃の形状等に工夫を凝らしているので, 高い切削性とその持続力が得られたと考えられる.
  • 岩崎 恒夫, 瀬川 和之, 滝口 励司
    1997 年 17 巻 4 号 p. 388-399
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    下顎頭には顎口腔系の機能あるいは環境の変化と顎関節構造との均衡を維持するために, 適応変化が生じることが知られている.特に関節における機械的負荷の変化に対応する骨関節系の構造変化を関節リモデリングという.本研究では, 成人解剖用遺体の下顎頭を用い, 主に走査電子顕微鏡によって観察した.下顎頭に異常形態が認められない典型的な下顎頭関節層は, 線維層, 増殖層および軟骨層を有する下顎頭軟骨と軟骨下骨によって構成されていた.通常の線維層関節面の多くは, 不規則に交錯するコラーゲン細線維束とこれを被覆するコラーゲン細線維網で構成された線維構築を示した.また下顎頭形態とは無関係に, 関節面の広範囲にわたって堆積している極めて密な網状の細線維塊が認められた.凹凸形成を示す下顎頭関節面では, 骨吸収部の集合を示唆する軟骨下骨板上縁 (関節側縁) の鋸歯状縁の形成と軟骨様組織の軟骨下骨板上への添加とが関節面の凹凸部と一致して認められた.関節面後半部に深達性の侵触が認められる下顎頭では, 線維層下には軟骨下骨板が存在し, 増殖層と軟骨層は欠如していた.軟骨下骨板上面 (関節面) には骨吸収窩と考えられる多数の陥凹が認められた.陥凹底には破骨細胞と考えられる多核の巨細胞がしばしば認められた.これらの構造から, 関節の適応変化である退行性リモデリングと進行性リモデリングの過程が反復して生じる可能性, あるいは退行性リモデリングから退行性関節疾患に移行する可能性が示唆された.
  • Jung-Haeng KIM, Hiroyuki KOTAKE, Shigeru MATSUBARA, Masakazu SANO, Kih ...
    1997 年 17 巻 4 号 p. 400-403
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Relationships between the hand grasp force and occlusal pressure were investigated in young male adults during static teeth clenching and nonclenching. The hand grasp forces of left and right sides during static teeth clenching (L : 37.6±1.89 kg, R : 42.8±1.89 kg) were significantly greater than those during nonclenching (L : 35.7±1.16 kg, R : 40.5±1.06 kg). The findings indicated that the bite force influenced increase in hand grasp force.
  • Eizo WAKATSUKI, Shintaro KONDO, Masato ARAI, Koh NAKAJIMA, Kazuhiko OK ...
    1997 年 17 巻 4 号 p. 404-413
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    The purpose of this study was to investigate in three dimensions the differences in face form between Filipino females, who belong to Sundadont, and Japanese females, who belongs to Sinodont, using moiré Topography.
    The Subjects were 70 adult Filipino females of ages 17-38 years and 70 Japanese females of ages 14-24 years.
    The width, height and depth of each facial part were measured and statistically compared.
    1. The Japanese females had a broad and long middle face and a long nose, whether relatively or absolutely. The Filipino females had long mouths, broad noses, and large and protruding lips. These lip features are also identified in the Negroid, and are thought to be an adaptation to Southern migration.
    2. Though a few items were large in the right face, the left face was relatively large in the Japanese female. In the Filipino female, no items were large in the right face and most were large in the left face. There seemed to be tendency for the left face to be large in general, although there was some difference between the groups.
  • 井上 美津子, 佐々 竜二
    1997 年 17 巻 4 号 p. 415-419
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 小高 鐵男
    1997 年 17 巻 4 号 p. 421-422
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 17 巻 4 号 p. 423-433
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1997 年 17 巻 4 号 p. 434-437
    発行日: 1997/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top