昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
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18 巻, 4 号
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  • Keiko YOKOYAMA, Takahide KOMORI, Koukichi MATSUMOTO
    1998 年 18 巻 4 号 p. 341-345
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    As there were no strict guidelines about the use of electric dental devices near patients with a cardiac pacemaker, the electro-magnetic interference by an electronic apex locator, a pulp tester and an iontophoresis apparatus to cardiac pacemakers were examined by using an experimental model. Although the electronic apex locator and pulp tester were found to give no interference to cardiac pacemakers, the iontophoresis apparatus altered the pacing waveform and changed the pacing interval. It is suggested that an iontophoresis apparatus should not be used for endodontic treatment of a patient with a cardiac pacemaker.
  • テレメトリー自動計測システムを用いた基礎的解析
    吉野 建二
    1998 年 18 巻 4 号 p. 346-359
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    咬合異常を伴う咀嚼系機能障害患者において, 臨床的に咬合を再構成することにより患者の様々な症状, たとえば顎関節症, 肩こり, 頭痛, 耳鳴り, めまい, 不良姿勢などが緩解されることが報告されている.しかし, 咬合の変化や咬合異常と全身的変化に関する研究は未だ少なく, その因果関係や発症機序を明示するまでには至っていない.本研究は, テレメトリー自動計測システムを用いて, 正常血圧ラット(WKY)および高血圧自然発症ラット(SHR)における活動量, 心拍数, 収縮期および拡張期血圧の相互の関係と口腔領域に加えたストレスに対する循環動態の反応について基礎的解析を試みた.送信器埋め込み手術後活動量は著しく低下したが心拍数は増大した.このような外科的侵襲ストレスからの回復にはほぼ7-10日を要した.回復安定期になるとWKYおよびSHRとも活動量, 心拍数に日内変動が認められたが, 血圧の日内変動は著明でなかった.安静状態における心拍数はWKYおよびSHRにおいて有意差は無く, 収縮期および拡張期血圧はSHRにおいて有意に高かった.活動量および心拍数の増加に伴う血圧の上昇率はSHRにおいて高かった.片側咬合挙上装置を装着して咬合異常のストレスを与えると, ストレス負荷初期には活動量および心拍数は著しく低下し, 以後次第に回復した.一方, 収縮期および拡張期血圧は上昇傾向を示し, 血圧変動の幅(変動値)が大きくなった.変動値はSHRにおいて高い傾向を示した.以上の結果から, テレメトリー自動計測システムを用いてWKYやSHRの循環動態を長期間連続して測定する場合, それぞれの個体の活動量, 心拍数, 血圧の日内変動や血圧の変動値を基準としてストレスに対する反応性を検討する必要性が示唆された.
  • 大島 任, 木下 潤一朗, 鈴木 信之, 木村 裕一, 松本 光吉
    1998 年 18 巻 4 号 p. 360-365
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    齲蝕象牙質を溶解すると報告されている齲蝕溶解剤CarisolvTMは, スウェーデンで開発され臨床応用が公認され実際に使用されている.今回, 我々はこのCarisolvTMの齲蝕象牙質除去能力を調べるため, 有機質溶解剤である次亜塩素酸ナトリウム(NaOCl)と比較し, 又, 更に無機質溶解剤であるRoot Canal Preparation Cream(RC-PrepTM)を併用した場合と比較する実験を行った.本研究では, 慢性齲蝕のある30本の新鮮ヒト抜去歯を用いた.CarisolvTMの使用法は, アミノ酸を主成分としたジェル溶液AとNaOClを主成分とした溶液Bを使用時に混合し, それを齲蝕象牙質に塗布し, 20-30秒後に付属の刃の付いていない専用のインスツルメントで除去するという操作を2回繰り返した.実験は2つの方法で行い, 実験1, 2とした.実験1ではNaOClとCarisolvTMの齲蝕溶解能力を比較する実験を行い, 実験2ではRC-PrepTMとCarisolvTMを交互に作用させ, RC-PrepTMを先に作用させる方法を(A), CarisolvTMを先に作用させる方法を(B)とした.齲蝕除去効果を2%アシッドレッドプロピレングリコール溶液を用いて実体顕微鏡と走査型電子顕微鏡(SEM)で観察した.実験1では, CarisolvTMがNaOClと比較してかなり高い効率で齲蝕象牙質を除去することが認められた.実験2では, (A)と(B)では相違は認められなかったが, CarisolvTM単独の場合と比較するとRC-PrepTMを併用した場合の方が, 窩洞表面が滑沢になっており, 除去効果が高いことを示唆する結果が得られた.これらの結果より, Carisolvの齲蝕象牙質の除去効果については確認出来たが, 齲蝕象牙質を完全に除去出来たか否かについては確認出来なかった.
  • 大澤 純子, 新谷 明幸, 割田 研司
    1998 年 18 巻 4 号 p. 366-375
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究では小臼歯部における全部鋳造冠の適合について検討した.歯列不正にともなう矯正治療の必要から抜歯が予定された第一小臼歯を対象とした口腔内における適合と, 第一小臼歯の人工歯を対象とした口腔外における適合を比較し, 印象法の影響と測定部位におけるセメント層の差異について検討したところ以下の結論を得た.1) 口腔内における全部鋳造冠のセメント層の厚さはすべての部位において口腔外に比べて厚く, 平均的には約2倍の厚さであった.2) 印象法別では口腔外, 口腔内ともに個歯トレー印象法がシリコーン連合印象法, 寒天アルジネート連合印象法に比べてセメント層厚さは薄かった.3) 測定部位別では辺縁部, 軸面部のセメント層の厚さは咬合面部に比べて有意に薄かった.4) 今回の実験において3つの印象法で作られた全部鋳造冠の適合性は, 口腔内と口腔外ともに臨床的に許容できるものであった.
  • 藏内 優子
    1998 年 18 巻 4 号 p. 376-387
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    顔の性差を明らかにする目的で, 非接触で短時間にモアレ画像が得られるモアレトポグラフィー法を用いて, 顔面部の正貌より撮影したモアレ写真を解析することによって得られる顔面の三次元的な形態を計測し観察を行った.その結果, 幅径においては女性は男性に比して顔面中央部の構造物の幅が広い傾向があると考えられた.高径における比較では相対的にみて女性は男性に比して顔面中央部に見られる構造物の占める割合が大きい.すなわち幼児顔に似て咀嚼器官の部分が小さいものと考えられた.顔面深さにおいて, 男性は女性に比して凹凸が大きい傾向を示した.合わせて行った顔面の左右差については, ほとんどの項目で左側は右側に比して大きな値を示した.そのうち特に男女とも咀嚼器官の高径に当たる鼻翼点高, 口唇交差高において有意な差を示していることから本研究にご協力頂いた人たちは右側の方で咀嚼する傾向が強いヒトが多いということが示唆された.
  • 山本 漢〓, 瀬川 和之, 滝口 励司
    1998 年 18 巻 4 号 p. 388-399
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    ヒト顎関節円板の外力緩衝様式を検討するために, 緩衝構造として重要なコラーゲン細線維の立体構築を走査電子顕微鏡を用いて詳細に観察した.ヒト顎関節円板各部位の細線維構築の典型像を解明するために, 顎関節に影響を及ぼす外来要素の可及的少ない上下顎の第2大臼歯までの全ての, あるいは可及的全ての歯が残存し, 未処置齲歯の無い成人解剖用遺体で, 形態異常の認められない顎関節円板を材料とした.前方肥厚部では前後および内外側方向に配列する細線維束が関節面に平行な層構造を形成していた.前後方向に配列する細線維束は漸次増加して, 中央狭窄部の主線維束に移行していた.前方肥厚部と中央狭窄部との境界部では, 前後および内外側方向に配列する細線維束からなる層構造が認められたが, 中央狭窄部の中央付近では, ほぼ前後方向に配列する細線維束が主線維束を占めていた.しぼしば上下方向に配列する細線維束も混在していた.前後方向に配列する細線維束には, 直線状および蛇行状に配列する二種類が認められた.中央狭窄部の細線維束の役割は伸展負荷の伝達, 抗伸展作用および円板形態の維持であることが推察されるが, 蛇行状配列の細線維束はある程度の組織伸展を許容し得る可能性も示唆している.前後方向に配列する細線維束は前方肥厚部から後方肥厚部にかけて連続的に認められたが, この連続性は円板形態を維持しつつ, 前後方向の伸展負荷を円板の前方から後方までの全域に伝達するために必要な線維構築であると考えられる.中央狭窄部では通常認められる紡錘形の線維芽細胞の他に, 類円形の細胞が局所的に存在していた.類円形の細胞の周囲では細線維束は不規則な配列を示した.これらの細胞は, 何らかの機械的刺激や加齢による組織代謝の変化を誘因として, 血液流路の範囲外の中央狭窄部に出現した軟骨細胞であると考えられる.中央狭窄部と後方肥厚部の境界部付近では.前後方向の細線維束問に内外側方向に配列する細線維束が著明に混在するようになり, 中央狭窄部と前方肥厚部との境界部と類似した線維層構造が形成されていた.後方肥厚部は線維束構築の相違によって, 前後方向に配列する細線維束を主体とする関節面側表層, 前後, 内外側および上下方向に配列する細線維束からなる層構造を示す表層直下, 細線維束の大部分が不規則に交錯する肥厚部中央および細線維束の蛇行状あるいは螺旋状配列が認められる円板後部結合組織との境界部の四部に区分できた.後方肥厚部では, 機能圧緩衝には関節面側表層および表層直下の線維構築が, 伸展負荷の緩衝には境界部における蛇行状および螺旋状配列を示す細線維束が重要な機能を果たすと考えられる.
  • 山上 芳雄, 菅沼 岳史, 新谷 明幸, 堀越 直文, 古屋 良一, 川和 忠治
    1998 年 18 巻 4 号 p. 400-405
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, NIH Imageにより関心領域(Regions of Interest)の面積を測定する際の誤差について検討した.Adobe Photoshopを用いて抽出した様々の大きさの円, ひし形および正方形の面積をNIH Imageを用いて測定し, その測定誤差を求めた.その結果, 6.3mm2(約53ピクセル) から243mm2(約2025ピクセル)の範囲では4%以下, 310mm2(約2580ピクセル)以上では1%以下の精度で面積の測定が可能であった.したがって, 測定誤差を小さくするためには, できるだけ測定対象範囲を大きく表示すること, すなわち, 図形を構成するピクセル数をできるだけ多くすることが必要であり, 高い解像度で画像を入力することが重要と考えられた.
  • 松風ハイライトの臨床術式について
    東光 照夫, 久光 久
    1998 年 18 巻 4 号 p. 407-409
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 山口 朗
    1998 年 18 巻 4 号 p. 411-412
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 18 巻 4 号 p. 413-424
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1998 年 18 巻 4 号 p. 425-428
    発行日: 1998/12/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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