昭和歯学会雑誌
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19 巻 , 1 号
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  • 望月 美佳, 山縣 健佑, 徳富 清美, 河野 勇治, 七田 俊晴, 金 修澤
    1999 年 19 巻 1 号 p. 1-15
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    音声分析パターンと連動するダイナミックパラトグラフィーを用い, 無歯顎者1名について文章発音中の舌の調音運動パターンと子音産生のタイミングを健常有歯顎者18名から求めた標準パターンと比較検討した.口蓋および歯列の基底結節と舌側咬頭に計96個の電極を配列したダイナミックパラトグラフィーセンサーを被験者の使用中の上顎全部床義歯上に装着し, 被験音「桜の花が咲きました」を5回発音させ, 音声と同時にPalatometer (Model 6300 : KAY社) により舌接触パターンを記録した.データをComputerized Speech Lab (Model 4300B : KAY社) に転送し, 各子音について “構え”, 音発生, 舌の最大接触, 音終了の各時点を判別した.そして, 各時点で舌接触する電極の位置を記録し, 個々の電極について同一音での接触の頻度 (%) を集計した.有歯顎者の標準パターンと比較して本無歯顎被験者では, 最大接触時のセンサー数 (%) が, すべての音で大きく, 特に [ki] では, 全電極の90%以上が接触し, 最大接触から音発生時までに舌が硬口蓋の広範囲に接触する特異的なパターンを示した.しかし, その他の音では舌接触パターンは, やや幅が広いものの両者に大きな違いはみられなかった.また, [s], [∫], [t] では, 無歯顎者も有歯顎者と同様に最大接触時には, 粉末法と同様のパターンを示し, 舌運動様式や接触範囲が調音に重要な役割を果たすことが裏付けられた.
  • 藤島 昭宏, 池田 訓子, 宮崎 隆, 佐々 竜二
    1999 年 19 巻 1 号 p. 16-24
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/11/09
    ジャーナル フリー
    コンポジットレジンのフィラータイプと機械的性質との関連を調査するため, 9種類の市販コンポジットレジンを用いて, フィラー含有量, 反射電子像によるフィラー形態の観察, 37℃水中における破壊靱性試験, 曲げ試験を行い, 以下の知見を得た.フィラー含有量 (wt%) は, 各コンポジットレジンで53~86wt%と大きく異なり, フィラー含有量ならびに反射電子像によるフィラー形態から, コンポジットレジンを高密度充填型, 中密度充填型, 低密度充填型の3種類に分類した.コンポジットレジンの破壊靱性値は, 高密度タイプで1.8~2.0MPa・m1/2, 中密度タイプで1.2~1.4MPa・m1/2, 低密度タイプで0.9~1.1MPa・m 1/2であった.また, 曲げ特性においては, 高密度タイプで比例限55~60MPa, 曲げ強さ150~180MPa, 弾性率15~18GPa, 中密度タイプではそれぞれ40~50MPa, 130~140MPa, 9~12GPa, 低密度タイプでは25~30MPa, 80~90MPa, 4.5~5.5GPaとなり, フィラータイプにより機械的性質が大きく異なっていた.コンポジットレジンのフィラー含有量 (wt%) とフィラー体積率には高い相関性が認められ, さらに破壊靱性値, 曲げ特性値 (比例限, 曲げ強さ, 弾性率) においても, フィラー含有量と高い相関関係が認められた.これらの結果から, コンポジットレジンの機械的性質の変化は, フィラータイプによりフィラー充填量が制限されるために生じ, フィラータイプによるコンポジットレジンの機械的性質の分類が可能であることが認められた.
  • Masakazu SANO
    1999 年 19 巻 1 号 p. 25-30
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    5-HT (0.01-10μM) contracted isolated hilar bronchus from guinea pig treated with tetrodotoxin in a concentration-dependent manner. 5-HT 2-agonists, such as 5-methoxytryptamine (5-MeOT) and α-methyl-5-HT (α-Me-5-HT), also caused a similar contraction to 5-HT. Other types of 5-HT agonists, such as 8-hydroxy-2-(di-n-propylamino) tetralin (8-OH-DPAT, 5-HT1 agonist) of 2-methyl-5-HT (2-Me-5-HT, 5-HT3 agonist) cause no obvious contraction in the preparation. The concentration-response curve of 5-HT was inhibited by the 5-HT2 antagonists, ketanserin, ritanserin, LY53857 and 1-(3-chlorophenyl) piperazine (mCPP) in a concentration-dependent manner, while the maximum response of 5-HT was reduced by them. These results suggest that 5-HT-induced contraction may be mediated through an action on 5-HT2-like receptors, and that the receptors mediating the responses of 5-HT in hilar bronchus are different from those in other tissues in their pharmacological profile.
  • 中田 好久, 西村 佳奈子, 横溝 友子, 樋口 大輔, 梅澤 正樹, 柿下 俊三, 船登 雅彦, 川和 忠治
    1999 年 19 巻 1 号 p. 31-41
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 平成8年度に昭和大学歯科病院第一補綴科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1,072個で, クラウンが889個 (82.9%), ブリッジが183個 (17.1%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠495個 (55.7%) であった.次いでレジン前装鋳造冠185個 (20.8%), 陶材焼付鋳造冠145個 (16.3%) であった.平成2年度の調査開始以来, 初めてレジン前装鋳造冠の装着数が陶材焼付鋳造冠を上回った.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に約60%, 前歯部および前歯部から臼歯部にわたるものに, それぞれ約20%ずつ装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたるもの, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった.6.クラウンにおける保険診療は77.5%であり, ブリッジにおいては69.9%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は87.3%, インプラント支台は3.0%, ブリッジにおいては無髄歯が72.0%で, 前年度初めてブリッジの支台に使用されたインプラント支台が, 本年度はなかった.
  • 幸治 亮
    1999 年 19 巻 1 号 p. 42-55
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    現在, Er:YAGレーザーは歯科領域において, CO2レーザーや, Nd:YAGレーザーでは困難な『レーザーを用いた窩洞形成』のために臨床応用されている.Er:YAGレーザーは, 歯の硬組織に対して照射した場合, 水の吸収曲線ならびに, 歯のhydroxyapatiteのOH基の吸収のピークに近い赤外線を放射することが知られている.今回の実験は, 歯の硬組織や歯髄に対するEr:YAGレーザーの照射の影響を基礎から再検討するために, 酸化ゲルマニウムファイバーを導光路に用いたEr:YAGレーザーの照射装置を, 歯質から1mmの距離を保持しながら, 出力 ; 3W, 繰り返し周波数 ; 20pps, 照射スポットサイズ ; 約0.7mm, 1 pulseあたりのエネルギー;200mJ, 照射時間;10秒間で注水しない場合と注水した場合に分け, ヒト抜去歯のエナメル質および象牙質に照射を行い, その照射部の形態学的観察, 実体顕微鏡観察, 走査型電子顕微鏡観察, エネルギー分散型X線分析, 三次元表示像観察などを行った.また注水下でサル前歯および小臼歯部に対し窩洞を形成し, 病理組織学的観察を行った.それらの結果について解析, 検討したところ, 次のような結論を得た.1.形態学的観察において, 非注水下における窩洞の直径および深さは, 注水下における窩洞よりも有為に大きかった.2.実体顕微鏡観察において, 注水下における照射部では, 非注水下における照射部で観察された炭化などが見られなかったことから, 臨床上安全で, 効率的な照射のためには注水が必要であることが示唆された.3.走査型電子顕微鏡観察により, 非注水下における照射に比べ, 注水下における照射では, 融解像やスメアーレイヤーが観察されなかった.このことから, 歯質に対する為害性を減少させるためにも, 照射時の注水は必要であると思われた.4.エネルギー分散型X線分析装置による解析から, 照射野におけるCaおよびPの重量%は非照射野よりも著しく上昇するが, 重量比およびモル比はほとんど変化しなかった.このことから, 照射野の歯質が変性することはないが, 耐酸性が向上することが予想された.5.三次元的表示像の観察から, 非注水下での照射に比べ, 注水下での照射では, 窩洞全体がやや浅いが境界明瞭であり, 側壁も滑らかであることが示された.これらのことからも, 窩洞形成時における注水は有効であると考えられた.6.サル歯髄における病理組織学的観察により, 照射野直下の歯髄における象牙芽組胞層の萎縮や歯髄の充血, 軽度の炎症細胞の浸潤などが観察されたが, これらは従来のラウンドバーによる窩洞形成においても同様に観察された所見であることから, このEr:YAGレーザーは, 従来のものと同程度のものであると思われる.
  • 田口 京子, 割田 研司, 川和 忠治, 渡辺 裕子, 小西 潔, 福永 秀樹, 三森 健治, 磯部 久政, 玉置 幸道
    1999 年 19 巻 1 号 p. 56-62
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    精度に優れた支台歯の印象法であるシリコーン・ラバー印象材によるレジン個歯トレー印象法をより確実に行うためには, 印象材と個歯トレーの接着は重要である.従来, 付加型シリコーン・ラバー印象材用の接着剤は, 接着強さだけではなく, 被膜厚さが大きいことや乾燥に要する時間など操作性の問題も指摘されてきた.本研究では疎水性の付加型シリコーン・ラバー印象材4製品と親水性の付加型シリコーン・ラバー印象材6製品について, 引張試験により即時重合レジンとの接着強さを測定し, 印象材付属の接着剤の評価を行うとともに, 最近開発されたシリコーン系のリライニング材用接着プライマーの付加型シリコーン・ラバー印象材によるレジン個歯トレー印象法用接着剤への応用の可能性について検討した.その結果, 付属の接着剤では臨床的に十分な接着強さを有していないものが多く見られたのに対し, 本プライマーは被膜厚さも薄く, 速乾性で操作性に優れており, EXAFINEとEXAFLEXを除いた8種類の印象材については, 付属の接着剤に比べて大きな接着強さを示し, いずれも臨床的に十分な接着力であった.以上のことより操作性に優れた本プライマーは, 印象材との相性に注意を必要とするものの, 付加型シリコーン・ラバー印象材を用いたレジン個歯トレー印象法用の接着剤として有効であることが示唆された.
  • 富田 史彦, 平出 隆俊, 陳 榮敬, 柴崎 好伸
    1999 年 19 巻 1 号 p. 63-73
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 矯正治療の目標である個性正常咬合を達成するための, 治療成績の良否を左右する因子とその成績についての関連性を明らかにすることを目的とした.今回, 顎顔面部の成長に伴う骨格性2級症例 (上顎前突) の抜歯, 非抜歯治療の成績を左右する成績関連因子について検討したので報告する.被験者は本学歯科病院矯正科に来院した上顎前突者120名である.それらの治療開始時の変化を側面頭部X線規格写真を用い検討した.その結果, 1.抜歯症例における治療関連因子として, 下顎骨の成長方向 (Gonial angle), ANBの改善度, 前歯部の被蓋獲得のための上下顎前歯の変化様相, Occlusal plane angle, Palatal Plane angleの変化が挙げられた.2.非抜歯症例における治療関連因子として, 下顎骨の成長方向 (Gonial angle, Mandibular plane angle), 前歯部の被蓋獲得の為の上下顎前歯の変化様相, Occlusal plane angleの変化が挙げられた.
  • 江川 薫, 野中 直子, 星野 睦代, 高野 真, 滝口 励司
    1999 年 19 巻 1 号 p. 74-85
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    骨を構築する基質線維は, 圧縮, 牽引, 歪み, 振れなどの応力に対抗するための適合性をもった配列を呈している.骨に加わる応力と骨層板および線維性基質の配列との係わりを検討する目的で, 解剖学実習用男性遺体の脛骨を用いて, 基質線維の配列を高分解能の走査電子顕微鏡で立体的に観察した.緻密骨層板の表層基質線維を観察するための試料は, 実体顕微鏡下で外骨膜の線維層を剥離した.基礎層板とハバース層板の線維性基質を観察するための試料は, 緻密骨の水平断面と垂直断面を作製して, 切断面の研磨を行った.すべての試料はEDTAで脱灰を施し, トリプシン処理後, 導電染色, 上昇アルコール系列による脱水, 液化炭酸ガスによる臨界点乾燥, 白金-パラジウムのイオンスパッタコーティングの後, 電界放射型走査電子顕微鏡で観察した.筋の付着がない脛骨体内側面の外基礎層板の最表層は大部分が骨の長軸方向に配列された基質線維束で構築されていた.脛骨体外側面の中央部の基質線維束も骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体外側縁には約500μmの幅で骨間膜が基質線維束に侵入していた.脛骨体近位端外側面の最表層基質は交錯した基質線維束で構築され, 基質線維東間には前脛骨筋および縫工筋の腱が侵入していた.脛骨体前縁では基質線維束の大部分は骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体後面の近位骨幹端の最表層は交錯した基質線維束で構成されていた.後面中央部および下部の最表層の基質線維束はほぼ骨の長軸方向に配列されていた.脛骨体の内表面の最表層は大部分が骨の長軸方向に配列された基質線維束で構築されていた.脛骨体の外基礎層板では約5μmの厚さの層板と約3μmの厚さの層板が交互に配列されており, 交互に隣接している層板の基質線維束はやや斜めに交叉していた.ハバース層板を構成する基質線維束はほぼ上下方向に配列された基質線維束からなる厚さ約4μmの層板と, 基質線維束がほぼ同心円状に配列された厚さ約2μmの層板とが交互に配列されていた
  • 飯田 真由美, 斉藤 茂, 杉本 直子, 大塚 純正, 向山 賢一郎, 佐々 竜二, 柴崎 好伸
    1999 年 19 巻 1 号 p. 86-96
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近年, 児童の永久歯萌出順序において, 下顎第一大臼歯に先駆けて下顎中切歯が萌出する小児の割合が全国的に増大しているという.さらに, 近年の不正咬合の傾向が反対咬合から前歯部叢生へ移行しているという報告等より, 第一位萌出永久歯の歯種の変化がこれら不正咬合の傾向になんらかの影響を及ぼしている可能性が推測される.しかし, これまで第一位萌出永久歯と顎顔面形態を関連させて検討を行った研究は見られない.そこで今回, 口唇裂・口蓋裂児について, 従来多いと言われている第一大臼歯先行萌出型 (M型) と近年増加してきた中切歯先行萌出型 (1型) の2型に分類し, 以下のような比較検討を行った.研究対象は, それぞれ第一位萌出永久歯の歯種が確認できた裂児群 (220名 : 男児105名, 女児115名) と, その対照としての非裂児群 (290名 : 男児143名, 女児147名) である.これら2群について第一位萌出永久歯の萌出時期と歯種を調査し, さらに裂児群については顎顔面形態との関連性を検討するため, 6歳時の側面頭部X線規格写真を用いI型とM型の顎顔面形態の比較検討を行った.その結果, I型の占める割合は裂男児>非裂男児≒裂女児>非裂女児の順で高く, これら4群すべてについてM型よりも多かった.裂型別では, 男女で片側性口蓋裂と両側性口蓋裂にI型を示す割合が高く, これら2型の男女を合わせたI型率は70%以上であった.また裂児についてのセファロ分析による顎顔面形態の比較では, 男児においてM型がI型よりも大きい傾向を示し, 特に下顎骨長において顕著であった.一方, 女児では特記すべき傾向は見られなかった.以上のことから, I型の近年における増加傾向は非裂児よりも裂児に, 男女別では男児に多くみられた.また裂児における顎顔面形態に関しては, 男児においてはI型とM型との間に顎顔面形態に差異のあることが認められた.
  • 滝澤 良之, 斉藤 茂, 飯田 真由美, 杉本 直子, 大塚 純正, 向山 賢一郎, 佐々 竜二, 柴崎 好伸
    1999 年 19 巻 1 号 p. 97-104
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    昭和大学歯科病院における口唇裂・口蓋裂患者において, 最初に萌出する永久歯は近年, 第一大臼歯から中切歯へと移行しており, それに伴い男児においては顎顔面形態に変化が起こり始めていることを本研究の第一報にて述べた.今回は, 口唇裂・口蓋裂患者を中切歯先行萌出型 (I型) と大臼歯先行萌出型 (M型) に2分し, I型児, M型児男女における各裂型の占める割合を調べた.さらに口唇裂・口蓋裂患者において, 6歳時から10歳時まで, 経年的に撮影された側面頭部X線規格写真 (セファロ) を男女別に2型に分類し, I型, M型の顎顔面形態の比較検討を行った.その結果, I型では男女とも片側性唇顎口蓋裂 (UCLP) が約半数を占めており, 以下単独口蓋裂 (ICP), 両側性唇顎口蓋裂 (BCLP) の順で多かったが, M型においては男女ともICPが全体の約4割を占め, 次いでUCLP (約1/4), 片側性唇顎裂, BCLPの順であった.男児の経年的 (6, 8, 10歳) セファロにおけるI型, M型の比較によると, 全顔面高を表すN-Me, 下顎骨長を表すGn-CdでM型はI型よりも大きく, 逆に下顎下縁平面に対する下顎中切歯の歯軸傾斜角を表すIMPA, 上下顎関係の代表値であるANBではI型がM型よりも大きいという共通の傾向がみられ, 男児M型において, より骨格性下顎前突症の傾向が強いことが示唆された.一方, 女児においてはこのよな傾向は認められなかった.以上の所見より, 第一報で6歳男児において認められたI型とM型の顎顔面形態の差異は8歳時, 10歳時の男児においても認められ, M型男児における骨格性下顎前突症の傾向が経年的に観察された.
  • 瀧本 純, 瀬川 和之, 滝口 励司
    1999 年 19 巻 1 号 p. 105-116
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    成人顎関節円板の前方および後方肥厚部と中央狭窄部における弾性線維の立体構築を主に走査電子顕微鏡を用いて詳細に観察し, 弾性線維とコラーゲン細線維あるいは円板の外力緩衝機構との関連について検討した.弾性線維構築の典型像を解明するために, 顎関節に影響を及ぼす外来要素の可及的少ない上下顎の第2大臼歯までの全ての, あるいは可及的全ての歯が残存し, 未処置蠣歯の無い成人解剖用遺体で, 形態異常の認められない顎関節円板を材料とした.走査電子顕微鏡で弾性線維を観察するために, 摘出試料のKOH-コラゲナーゼ処理を行った.一部の試料には, 透過電子顕微鏡で弾性線維を観察するために超薄切片のタンニン-ウラニル染色を, 光学顕微鏡で弾性線維の分布を観察するために前酸化処理と弾性線維染色を行った.顎関節円板の弾性線維は基本的にコラーゲン細線維東間に介在しており, 周囲の細線維束と同方向に配列していた.弾性線維は線維状 (円筒状) を呈しており, これらには直線, 湾曲, 蛇行, 分枝などの立体微細形態が認められた.弾性線維の表面には, 微細線維状構造, 微細顆粒状構造および両者が混在する構造が認められた.微細線維状構造物は直径約50nmで, 線維長軸と平行に配列していた.弾性線維の直径は, 前方肥厚部と中央狭窄部では約1μm, 後方肥厚部では約1.2μmであった.弾性線維の電子顕微鏡観察から, 微細線維状構造物と微細顆粒状構造物が透過電子顕微鏡観察によるmicrofibrilと無構造物質に一致すること, 材料とした顎関節円板の弾性線維が老齢変化を呈している可能性があることが示唆された.前方肥厚部の弾性線維は, 細線維束配列とほぼ同様に前後あるいは内外側方向に配列しており, 前方肥厚部全体としては, 不規則に立体交錯した線維構築を示した.中央狭窄部の弾性線維はほぼ前後方向に配列していた.前方および後方肥厚部と中央狭窄部との境界部には, しばしば前後, 上下および内外側方向に配列する弾性線維の立体交錯が認められた.後方肥厚部の弾性線維は, 表層付近ではほぼ前後および内外側方向に配列していたが, 表層直下の深部から肥厚部中央にかけては, 細線維束の配列方向とは無関係に網状に構築されているものが多く認められた.円板後部結合組織に向かう細線維束が主線維を形成している後方肥厚部後部では, 大小様々の直径の直線状あるいは蛇行状を呈する弾性線維が細線維束に沿って配列していた.顎関節円板の弾性線維構築は, 前方肥厚部と中央狭窄部では伸展緩衝, 後方肥厚部では機能圧緩衝および伸展緩衝の機能を, 細線維束の外力緩衝機能の補助として発揮する可能性が示唆された.なお本研究では, 前酸化処理と弾性線維染色による光学顕微鏡観察および透過電子顕微鏡観察において, 無構造物質を欠き, microfibrilのみによる線維構成を有するオキシタラン線維を確認することはできなかった.
  • 阿部 英貴, 大峡 淳, 長谷川 紘司
    1999 年 19 巻 1 号 p. 117-120
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 19 巻 1 号 p. 121-136
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 1999 年 19 巻 1 号 p. 137-142
    発行日: 1999/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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