昭和歯学会雑誌
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20 巻 , 2 号
選択された号の論文の16件中1~16を表示しています
  • Yukimichi TAMAKI, Qazi HARUN-URASID, Zutai ZHANG, Atsushi OZAWA, Yuich ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 149-152
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Our previous report appearing as Snow white (Shofu : the conventional phosphatebonded investment for casting plates) was impossible to apply to a heat-shock method because the mold would explode. In this study we tried to find suitable firing and casting conditions for this investment under a heat-shock procedure. At first we found that the decreasing temperature of heat shock could prevent the mold from expanding. Because we couldn't obtain sound castings from a mold fired at 700°C, we investigated an increase in the soaking time and the firing temperature. We were then able to successfully fabricate the sound Co-Cr full denture plates from the mold that was heat shocked at 700°C for 10 min followed by a secondary heating to 1,000°C with soaking for 30 min. We can conclude that the two-stage heat-shock procedure is available for fabricating a sound Co-Cr casting denture by using conventional phosphate-bonded investments.
  • Atsushi OZAWA, Qazi HARUN-URASID, Zutai ZHANG, Yukimichi TAMAKI, Yuich ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 153-157
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    The possibility of fabricating Co-Cr casting plates by using a heat-shock method with conventional phosphate-bonded investments was investigated. Commercial phosphatebonded investments (Snow white, Univest nonprecious : Shofu) were investigated. A block of a duplicated model was prepared by using each powder mixed with its specific colloidal silica solution. A sheet of wax pattern with 0.5 mm thick on the model was secondarily invested by slurry mixed with water, colloidal silica solution, and their mixture. After 30 min on investing, the mold was put into the furnace preheated at 800°C and kept there for 30 min. Only the mold prepared from Univest mixed with water was available for casting after the heat-shock treatment. Other molds exploded in the furnace or received cracks after the treatment.The Co-Cr castings obtained from the available molds were not obviously sound because of insufficient firing. These results suggested that we might fabricate Co-Cr casting plates by using a heat-shock method with conventional phosphate-bonded investments, but we need further investigations to find suitable conditions for this method.
  • 小林 幸隆, 李 元植, 堀田 康弘, 藤原 稔久, 宮崎 隆
    2000 年 20 巻 2 号 p. 158-164
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    著者らは歯冠修復物をコンピュータ支援下で自動製作する歯科用CAD/CAMシステムの開発を行い, これまでに計測装置と加工装置を一体化した小型のCAD/CAM装置1号機ならびに2号機を試作した.このシステムでは計測装置としてレーザ変位計を用いて, 非接触で石膏模型の計測を行う.レーザ変位計を利用すると計測時間を短縮できるが, 支台歯軸面やマージンの計測精度について不明の点が多い.そこで前報では, 試作CAD/CAM装置2号機を用いてショルダー幅を変えた計測用模型を計測し, レーザ光の散乱や二次反射の影響で軸面隅角部やショルダー部の計測データに誤差が生じることを明らかにした.本研究ではさらに, ショルダー幅800μmの計測用模型を組み合わせてレーザ計測し, 隣在歯が支台歯計測データに与える影響を壽し果, 隣在歯の存在は二次反射のため, 支台歯マージン部の計測に悪影響を及ぼすととが判明した。したがって, 実用上は模型製作時に隣在歯の影響を最小にする方法を検討する必要があることが示唆された.
  • 小林 幸隆
    2000 年 20 巻 2 号 p. 165-172
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    著者らは主としてクラウン自動作製用の歯科用CAD/CAMシステムの開発を行ってきた.これまで小型CAD/CAM装置を試作し, その構成要素である計測装置と加工装置の性能を評価してきた.特に計測については, 単純化した模型を用いて, 支台歯軸面とマージン部に生じる計測誤差を詳細に検討し, 隣在歯が影響することを明らかにした.本研究では, これまでの研究成果をもとに, 試作二号機を用いて, 臨床に近い支台歯模型を計測条件を変えて計測し, さらにセラミックスブロックからクラウンを切削加工し, 模型にセメント合着してセメント被膜厚さを測定した.その結果, 分割模型を計測することにより, ショルダー部のとくに軸面への移行部の計測精度が向上することが判明した.また, 計測ピッチを180μmにすると, ほぼ設計したセメント被膜厚のクラウンを製作できることが判明した.以上のことから, 本CAD/CAM装置二号機では計測方法を改良することにより, 臨床的に許容できる適合性のセラミッククラウンの製作が可能である.
  • Akihiko SHIBA, Hiroaki TSUKASAKI, Azusa KANAISHI, Kiyoko SHIBA, Toshio ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 173-179
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    For exerting a disinfectant effect, electrolyzed strong acidic water should maintain such properties as the oxidation-reduction potential being 970 mV or greater, the concentration of active chlorine gas 0.8 ppm or higher, and pH 2.7 or less. It was found that when fresh samples of electrolyzed strong acidic water are stored in a tightly closed container that protects them from light, no change occurred in 2 weeks and its disinfectant efficacy did not change for about 1 month if the storing temperature was kept as about 4°C. Since salivary proteins largely affect the property of electrolyzed strong acidic water in its oral use, it is necessary to minimize the weakening of the oxidation-reduction potential and the concentration of active chlorine gas by increasing frequency of mouthwashing. Despite the presence of salivary proteins at ordinary concentrations, electrolyzed strong acidic water showed excellent disinfectant effects not only on Streptococcus mutans, a bacterial species relating most closely to dental caries, but also on Candida albicans, a main fungus species forming denture plaques.
  • 佐原 貴子, 佐々木 崇寿
    2000 年 20 巻 2 号 p. 180-191
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Brefeldin-A (BFA) は, 分泌細胞における粗面小胞体 (RER) からゴルジ装置への小胞輸送を阻害し, タンパク性分泌物の合成・分泌を抑制する.著者らは, このBFAを培養破骨細胞に作用させ, 破骨細胞の経時的な微細構造変化と吸収機能発現の変化を解析した.BFA非存在下の対照群の培養破骨細胞は, 共培養した象牙質切片に対して波状縁と明帯を形成し, 象牙質表面に多数の吸収窩を形成した.一方, BFAを培養液に添加した実験群の破骨細胞では, 波状縁がほぼ完全に消失するか不明瞭であるほか, ゴルジ装置の消失, RER内腔の拡大等の細胞構造の変化が観察された.また共培養した象牙質切片における吸収窩の形成は, 対照群では経時的に増加したが, BFA添加群では, 切片表面の脱灰領域ならびに吸収窩の形成ともに強く抑制された.しかし明帯の形成と象牙質切片への細胞接着は, BFAによって阻害されなかった.以上の実験結果から, 波状縁の形成には, RERからゴルジ装置へのタンパク輸送経路の存在が密接に関連しており, この輸送経路の阻害が破骨細胞の吸収能を著しく抑制することが明らかとなった.したがって本実験系は, 破骨細胞における種々のタンパク分子の発現経路と機能の解析に有用であることが示唆された.
  • 矢野 雄一郎, 五十嵐 武, 伊田 博, 山本 綾子, 佐々 龍二, 後藤 延一
    2000 年 20 巻 2 号 p. 192-197
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Streptococcus salivariusのデキストラナーゼ遺伝子 (dex遺伝子) をプローブとしたDNAハイブリダイゼーション法により, 本菌の特異的検出・同定を試みた.DNAプローブにはジゴキシゲニン標識したdex断片を使用した.このプローブを口腔レンサ球菌の標準菌株 (14種25株) のゲノムDNAに対してハイブリダイズした結果, S. salivariusのみが特異的に検出され, その他の菌株は全くハイブリットを形成しなかった.また, S. salivarius精製ゲノムDNAに対するdex DNAプローブの検出感度を測定したところ1ngのゲノムDNAを検出することが可能であった.さらに口腔内から分離したS. salivarius 100株に対してこの検出方法の信頼性を評価したところ, このプローブは使用したすべての分離株に対して明瞭なハイブリットを形成した.これらの結果は, S. salivariusのデキストラナーゼ遺伝子をプローブとしたDNAハイブリダイゼーション法は, 本菌種の特異的検出・同定に有用であることを示唆している.
  • 齋藤 浩人, 鈴木 規子, 藤田 幸弘, 道 健一, 高橋 俊行, 赤木 正人, 和久本 雅彦
    2000 年 20 巻 2 号 p. 198-214
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    舌・口底切除症例の言語障害の原因を解明するためには変形した構音器官の形態を知る必要がある.近年, 磁気共鳴撮像法 (Magnetic Resonance Imaging : MR撮像法) によって構音時の声道形態を観察することが可能となった.われわれは前報においてMR撮像法を応用して健常例の3次元声道形状を解析し, 本法の有用性を報告した.今回は本法を, 切除範囲の異なる舌・口底切除症例に適応し, 声道形状の特徴および音響的特徴との関連について検討を行った.対象症例は舌・口底切除例10例であり, 口底切除例2例, 舌可動部半側切除例3例, 舌半側切除例1例, 舌亜全摘例4例である.再建材料は遊離前腕皮弁5例, 大胸筋皮弁2例, 腹直筋皮弁2例, 肩甲皮弁1例である.対照群として健常男性5名の結果と比較した.研究方法としてMR画像は, MAGNETOM VISION Ver.31 B (シーメンス社製) にてFisp 3 D法を用い, /ai/発音時の/i/発音開始からの21秒間を撮像した.MR撮像にあたり, 歯の形態を明瞭に描出するため, 造影剤を封入した歯冠プレートを作製した.得られた画像の分析は, 基準線として正中矢状面像から後鼻棘と大後頭孔後縁を結んだ線を規定し, 上顎中切歯歯頚部相当部を基準点として後鼻棘相当部に至るまでの5mm間隔の前頭断面を計測した.計測項目は (1) 声道断面積の変化, (2) 声道における狭窄部の位置および断面積, (3) 口蓋の前方, 中央, 後方部の声道断面積, (4) 声道形状であり健常群との比較検討を行った.音響分析法としては300~500Hzおよび1,500~3,000Hzの帯域に出現したスペクトル数および周波数スペクトルピーク値について健常例との比較を行った.その結果, 以下のような声道形状の特徴および音響的特徴が明らかとなった.MRI分析結果では, 1) 声道断面積の変化では (1) 口蓋中央部で減少し, 後方部にかけて増加する症例, (2) 口蓋の後方にかけて著しく増加する症例, (3) 後方部にかけて著しく減少する症例, (4) なだらかな症例がみられた.切除範囲別にみると, 舌可動部半側切除例では健常例に近い傾向であったが舌亜全摘例では (2) (3) (4) の症例が観察された.2) 最狭窄部の位置は (1) 口蓋中央部で狭窄部をつくる健常例に最も近い症例, (2) 口蓋前方部で狭窄部をつくる症例, (3) 口蓋後方部で狭窄部をつくる症例, (4) 狭窄部が存在しない症例の4つのタイプがみられた.切除範囲別にみると, 舌可動部半側切除例2例では健常例と同様, 中央部に位置し, 亜全摘例1例では健常例より後方部に位置し, その他の7例では前方に位置していた.3) 口蓋の3部位における声道断面積では舌可動部半側切除例2例で各部位とも健常範囲であった.一方, 他の症例では特に中央部, 後方部において健常例と異なる大きな断面積を示す症例が多かった.4) 声道形状の観察では健常例は対称的な楕円形を示し, 口蓋と舌の距離が短かった.舌可動部半側切除例では健常人と類似の傾向がみられた.その他の症例では多様な形状が観察された.音響分析結果では300~500Hzの帯域については口底切除例の1例, 舌可動部半側切除症例2例は健常範囲内であったが, その他の症例はすべて高い値であった.1,500~3,000Hzの帯域では舌可動部半側切除例3例および舌半側切除例1例において健常例と同様, 1つのピークが観察された.他の症例では2つのピークが観察された.1,500~3,000Hzの帯域の値は舌可動部半側切除例3例では健常範囲内であったが, その他は低い周波数値であった.ピークが2つの症例ではいずれも周波数値が低い傾向であった.これらの結果から, /i/発音時において音響的特徴が健常範囲にある声道形状の要因は1) 口蓋中央部付近にゆるやかな変化を示す部位が存在すること, 2) 狭窄部位が口蓋中央部に近いこと, 3) 狭窄部の断面積が健常範囲に近いこと, 4) 左右対称的な楕円形の声道形状を示すことであり, 音響的に1,500~3,000Hzにピークが2つ存在するような異常となる要因としては1) 口蓋中央部から後方部にかけて声道断面積の変化が著しく大きいこと, 2) 口蓋中央部の断面積が著しく広いこと, 3) 声道形状が著しく不整形であることなどが考えられた.これらの結果は言語障害を予防するための再建方法を考慮するために有用な示唆を与えるものと考えられる.
  • 池田 祐子, 五十嵐 武, 藤森 伸也, 後藤 延一, 宮崎 隆
    2000 年 20 巻 2 号 p. 215-222
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近年, 酸化チタンの結晶形態の1つであるアナターゼ型酸化チタンに紫外線を照射することによって, 親水性, 防汚性, 抗菌性などの付加的効果が現れるという報告がある.本研究では, 表面にアナターゼ型酸化膜を形成したチタン板を用いて, 紫外線照射による酸化膜表面のぬれ性の変化と抗菌力獲得の有無を調べ, この両者の関係について検討を行った.チタン板表面のぬれ性は, 紫外線の照射時間に依存して増強し, 24時間の連続照射で最大となった.しかし, このぬれ性には持続性がなく, 照射後速やかに回復した.したがって, ぬれ性の保持には紫外線の継続的照射の必要性が示唆された.一方, チタン板表面上での齲蝕原性細菌に対する抗菌効果は, 紫外線照射時および照射後のどちらにおいても観察されず, チタン板表面の酸化膜の存在は抗菌性とは直接関係していないことが示唆された.
  • Takako OHSHIMA, Haruhisa NAKANO, Ryoko TAKASE, Takashi HIRAKAWA, Kouta ...
    2000 年 20 巻 2 号 p. 223-231
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    In the clinical, growth suppression in a cleft palate patient caused by postoperative scar tissue after the palatoplasty. Recently, the metabolism pattern of the normal palatal mucosa reports a difference in comparison with the scar tissue in collagen cross-link and conformer. This fact indicates the importance of leading the collagen of the scar tissue, which exists for the palate to the normal condition, to stimulate growth of the normal maxilla. However, the research that revealed metabolism activity of the collagen included for palatal mucosa and growth of the maxilla is limited, and the elucidation is urgent. It was then made that the relevance to maxilla lateral growth and collagen metabolism existing for palatal mucosa of the normal rat was clarified as the first step of purpose in this study. The retrieval was observed by the change of the gelatinase activity, which is concerned in metabolism activity of the collagen, using histological observation by morphological evaluation and H-E staining of the rat maxillary dentition, Film in situ zymography method (the FIZ method). The following was obtained after each relevance was examined.
    1. With aging, the dentition width described by the increase curve equal to the body weight. Especially, it was indicated to be the growth middle point of a 15-week-old rat nearly in puberty almost. And though the start of the growth of the dentition width was later than that of the body weight, it became a similar growth rate after 11 weeks-old rat.
    2. With the aging was a narrowing of the midpalatal suture division cartilage layer.
    3. Gelatinase activity of the palatal mucosa was highest at either week-old in the epithelium.The high activity was recognized in the connective tissue division in nerve and blood vessel circumference. Moreover, the activity of epiphysis circumference bone in the midpalatal suture division was highest in a 4-week-old rat, and it lowered afterward time-dependent. In an 11-week-old rat it could not be recognized.
    These findings suggested that gelatinase activity, which is collagen metabolism activity, was changed with the growth of the maxilla, and it was proven that the change was obvious in the midpalatal suture.
  • 高瀬 涼子, 大嶋 貴子, 中納 治久, 平川 崇, 槇 宏太郎, 柴崎 好伸, 入江 太朗, 立川 哲彦
    2000 年 20 巻 2 号 p. 232-240
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は口蓋裂患者における口蓋閉鎖術後の口蓋粘膜に生じる瘢痕組織における細胞外基質の分解系の活性変化を解析することを目的とした.実験は3週齢SD系雄性ラットの口蓋に粘膜骨膜切除を施した後, in situ zymography法を用いて1, 2, 4, 8週目におけるゼラチナーゼ活性の発現分布を比較検討した.その結果, 切除後1週目の粘膜骨膜切除部位は炎症性細胞浸潤を伴う幼弱な肉芽組織で形成され, その部には高いゼラチナーゼ活性を認めた.この時期の上皮の再生はわずかであり, その再生上皮にはゼラチナーゼ活性を認めなかった.切除後2週以降では, 炎症性細胞浸潤が消退していくに伴い, ゼラチナーゼ活性も弱くなり, 術後のゼラチナーゼ活性は炎症性変化と強い相関を有していた.上皮部では切除後の創面に再生上皮が形成され, 上皮細胞分化による角質形成に伴いゼラチナーゼ活性が発現していた.切除後, 8週目では, 上皮下結合織は細胞成分の少ない線維性結合織によりなり, ゼラチナーゼ活性は, ほとんど認めなかった.この時期の再生上皮は正常上皮と比較してその構造や細胞組成, さらにはゼラチナーゼ活性に差を認めなかった.以上のことより, ラット口蓋粘膜におけるゼラチナーゼ活性は, 瘢痕形成過程における炎症性細胞浸潤の多寡と相関性を示すことが示唆された.
  • 遠井 由布子, 平川 崇, 吉田 佳恵, 高瀬 涼子, 柴崎 好伸
    2000 年 20 巻 2 号 p. 241-251
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 片側性唇顎口蓋裂患者の上顎複合体の劣成長を伴う反対咬合に対して, 上顎前方牽引装置を用いて治療を行った際の治療効果の実態の把握と, 治療後6か月~2年の経過観察中の変化の把握である.研究対象は, 昭和大学歯科病院矯正科を受診し, 同一の矯正歯科医により上顎前方牽引治療が施行された片側性唇顎口蓋裂患者7名である.これら研究対象の治療前・上顎前方牽引終了時・6か月~2年までの経過観察時の顎顔面骨格および歯槽骨の変化を側面頭部X線規格写真を用いて分析した結果, 次のような結論が得られた.1.本装置の反対咬合の改善機序は, 上顎複合体の前方誘導と, 下顎骨の後方回転, および上顎歯槽部の唇側傾斜, 口蓋平面の反時計廻りの回転によるものであった.2.被蓋改善後の経過観察中に, 反対咬合が再発したものは7例中4例で, その原因は1.治療により唇側移動した前歯の舌側傾斜, 2.治療により後下方へ回転した下顎骨の前方への後戻りであった.3.乳歯列期からの上顎前方牽引の適用が骨格および咬合の改善をもたらしたが, 装置撤去後に臨床上好ましくない後戻り変化をみるものもあった.
  • 佐藤 真弥子, 角田 左武郎, 羽鳥 睦津美, 南雲 正男
    2000 年 20 巻 2 号 p. 252-258
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    我々は, 要介護高齢者の口腔の実態を把握するため, 1998年大田区に開設された特別養護老人ホーム入所者の口腔内実態調査を行った.その後, ホームの依頼により行った訪問歯科診療の概要は以下のようであった.1.歯科診療を希望した対象者は27名で, 全入所者のほぼ1/3に相当し, その中でも比較的若年のグループに属する人達であった.2.対象者の全てが基礎疾患を持っており, 入所者全体と比べると循環器疾患がやや多く, 脳神経系疾患が少ない傾向がみられた.3.受診理由は, 義歯に関連するものが多かった.義歯の不調を訴えた患者の中には, いわゆる難症例もあり, 20回以上の受診を数えたケースもあった.4.訪問診療で可能な範囲の処置として, 義歯の調整や修理, 投薬, 口腔衛生指導などを行った.訪問診療では対応しきれない全身的な管理の必要な処置や, 難症例の新義歯作製などは, 歯科病院を受診してもらい治療を行った.
  • 入江 太朗, 吉澤 美奈, 前田 由紀子, 相田 忠輝, 薄井 智美, 荒井 滋朗, 河野 葉子, 油井 久美恵, 南雲 正男, 立川 哲彦
    2000 年 20 巻 2 号 p. 259-264
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    下顎に生じる発育性嚢胞の裏装上皮はそのほとんどが重層扁平上皮であり, 線毛上皮や粘液細胞の出現をみることは非常にまれである.本症例は45歳男性の下顎左側大臼歯部に生じた含歯性嚢胞であり, 裏装上皮に線毛上皮の出現が目立ち粘液細胞も散見された.嚢胞壁には軽度の炎症細胞浸潤やコレステリン空隙形成・ヘモジデリン沈着等の炎症性変化を伴っていた.当教室過去5年間の下顎発育性嚢胞の臨床病理学的検討を行った結果, 線毛上皮の出現は6%の頻度で認められ, そのすべてが含歯性嚢胞であった.男女比は3 : 1, 平均年齢は30.8歳で比較的若い男性に好発する結果となった.線毛上皮出現の機序については明らかではないが, 炎症性変化により生じた化生の可能性が高いと考える.下顎に生じる発育性嚢胞の裏装上皮は重層扁平上皮がほとんどであり, 線毛上皮や粘液細胞の出現をみることは非常にまれである.今回, 下顎左側智歯部に生じた嚢胞で裏装上皮に線毛上皮の出現が目立った症例を経験したので, 当教室における過去5年間の下顎発育性嚢胞の臨床病理学的検討とあわせて報告する.
  • 岩瀬 正泰, 南雲 正男
    2000 年 20 巻 2 号 p. 265-268
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 2000 年 20 巻 2 号 p. 269-275
    発行日: 2000/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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