昭和歯学会雑誌
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21 巻 , 1 号
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  • 福原 達郎
    2001 年 21 巻 1 号 p. 1-4
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 足立 満
    2001 年 21 巻 1 号 p. 5-9
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    臨床医学の上で歯科医療は局所を扱う専門分野であるが, 全身性疾患が歯科医療に大きく影響する場合があるため内科的疾患についても十分な配慮が必要である.全身性疾患のために歯科治療に障害をもたらす代表的な疾患には免疫力の低下する糖尿病, 血液疾患, ステロイド治療中の膠原病などの難治性疾患がある.出血傾向を伴う血液疾患, 肝硬変, アスピリン, ワーファリン治療患者は抜歯等の外科的手技において多量の出血をもたらす危険性がある.他方口腔内の病変が全身性疾患の部分病状である場合がある.アジソン病の黒色舌, 血小板減少症での口腔内出血, 糖尿病の合併症としての歯周病がその例である.歯科疾患が全身性疾患の原因, 増悪因子となる心内膜炎, 甲状腺機能充進症も注意すべき事項である.歯科治療には多くの金属を使用するため, 金属アレルギーによる皮膚粘膜疾患の発生には注意が必要である.薬剤アレルギーによる皮膚炎, 肝機能障害, 消化管の炎症や潰瘍は良く知られているが, 忘れてはならないものに気管支喘息患者において重篤な発作を引き起こすアスピリンに代表される非ステロイド性消炎鎮痛薬過敏喘息がある.本稿では歯科医療と全身性疾患で特に注目される糖尿病, 金属アレルギーおよびアスピリン喘息について述べる.
  • 角田 左武郎
    2001 年 21 巻 1 号 p. 10-15
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯科診療という心理的ストレスあるいは診療行為が, 患者の全身状態に予期せぬ影響を与えることがある.このような事態は, 高齢者あるいは生活習慣病を持った有病者においてさらに高まることが予想される.そこで本稿では, 一般的な歯科診療が全身的にどのような影響をおよぼす可能性があるか述べるとともに, 生じた場合の対応を概説した.さらに, 平成11年1月から平成12年3月までの間で, 入院して歯科診療を行った58名の患者について, 処置中の血圧の変動幅を検討した.その結果, 生活習慣病の有無で比較したところ, 生活習慣病を持った患者では変動幅が有意に大きかった.また, 65歳以上の高齢者と65歳未満で比較したところ, 65歳以上の人で変動幅が大きいことが示された.
  • 鷲見 正宏
    2001 年 21 巻 1 号 p. 16-21
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    高齢化と糖尿病, 高血圧, 心臓病, 腎不全などの生活習慣病の増加により, 歯科治療時に基礎疾患を有する患者に薬剤を直接使用したり, 処方する機会はきわめて多い.本稿では歯科臨床で繁用されている薬剤を基礎疾患を有する患者に使用するときの注意を解説した.
  • 吉村 節
    2001 年 21 巻 1 号 p. 22-26
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    著者らは, 1999年度に昭和大学歯科病院において, 麻酔科が管理した全身疾患を有する外来歯科治療患者の管理状況について調査を行った.管理症例は165例で, 121例に術前の全身状態に異常がみられた.循環器系合併症が53例 (43.8%) を占め, その内訳では高血圧症が31例でもっとも多かった.術中は全症例にモニタリングによるバイタルサインの観察が行われていた.静脈内鎮静法を併用した全身管理症例がもっとも多く, 128症例に施行されていた.循環器系疾患の合併患者に対しても麻酔科管理のもとでは, 多くの症例で1/8万エピネフリン添加2%リドカインが選択されていた.今回集計した症例は, 適切な術前管理と鎮静法を中心とした術中管理により, 術中・術後を通じて全例がほぼ順調に経過していた.これらの結果をもとに, 全身疾患を有する患者の歯科治療時の全身管理について概説した.
  • 西堀 雅一
    2001 年 21 巻 1 号 p. 27-30
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 西村 周三
    2001 年 21 巻 1 号 p. 31-35
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 山縣 健佑
    2001 年 21 巻 1 号 p. 36-41
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    無歯顎補綴処置, すなわち, コンプリートデンチャーは難しいのか?易しいのか?どちらの見解も正しいであろう.つまり, 義歯の製作法自体は, さして難しいものではないし, 義歯の種類や構成が複雑なわけでもない.しかし, 実際には, 一見, 同じような義歯が症例によってうまく収まったり, 患者の満足が得られず苦労したりする.これがコンプリートデンチャーの難しいところである.筆者は, 各段階の処置が確実に進行し, 義歯が収まるまでのトータルで見れば能率がよい製作術式と義歯装着後にも続く顎堤の吸収と人工歯の摩耗などによる為害作用で難症例をつくらないことを目指している.そのための義歯製作法の要点を述べる.
  • 若月 英三
    2001 年 21 巻 1 号 p. 42-45
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    モンゴロイドの基盤となる集団と近縁であると考えられるSundadontに属する南方系のフィリピン人 (マニラ市近郊に在住する女性) とSinodontに属する日本人 (昭和大学歯学部女子学生) と日本人の起源と関係の深い北方系の中国人 (青島市在住の女子高校生) の頭顔部の生体計測を行い, 統計的に検討した.計測項目は身長と頭顔面部の計測 (マルチンの基準) (頭長, 頭幅, 頭耳高, 頬骨弓幅, 下顎角幅, 形態顔面高とそれに顔面厚 (美濃部ら)) である.その結果, 頭顔部の計測項目において, 日本人は北方アジア系である中国人と南方アジア系であるフィリピン人との中間に値する計測項目が多かったが, 中国人と同じ値を示す計測項目もあれば, フィリピン人と同じ値を示す計測項目もあった.また, 日本人がこれら他の集団より大きい値を示す計測項目もあった.したがって, 現代の日本人の頭顔部は南方系縄文顔と北方系弥生顔の混血が現在でも進行中と考えられた.よって, この研究は, 埴原の日本人の起源についての仮説を支持する.
  • 若月 英三, 柴垣 博一, 宋 文霞, 中島 功, 近藤 信太郎
    2001 年 21 巻 1 号 p. 46-51
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    モンゴロイド集団というのは, 大きく分けて2つのグループに分けられるという.1つはSinodont (中国型歯形質) とよばれるもの, もう1つはSundadont (スンダ型歯形質) である.日本では, このSundadontをもつ縄文人が1万年ほど前に渡来した.しかし, その後, 約2000年前にSinodontをもつ弥生人が朝鮮半島経由で渡来し, 混血して現在のようなSinodontが優性な日本人が形成されたといわれている.そこで著者らは, モンゴロイドの基盤となる集団と近縁であると考えられるSundadontに属する南方系のフィリピン人とSinodontに属する日本人と日本人の起源と関係の深い北方系の中国人の各々の上顎歯列石膏模型を作製した.これらの上顎歯列石膏模型をレーザー計測装置SURFLACERVMS-150R-D (UNISN社) を用いて三次元的に計測し, パソコン上で画像解析ソフトSURFACER (米国IMAGEWARE, INC.) で, 歯列弓の大きさと口蓋の深さ (前頭断面, 矢状断面) について解析し, これらを統計学的に検討した.その結果, 日本人が中国人に近い項目は歯列弓の大きさの項目が多く, 日本人がフィリピン人に近い項目は口蓋の前頭断面の中央部と口蓋の矢状断面の後方部で, 日本人が両者の中間の項目は第二大臼歯の歯列弓幅で, 日本人が大きい項目は, 前歯列弓長, 犬歯弦であった.以上を要約すると, 現在の日本人の歯列弓の大きさと口蓋の深さは北方系の中国人と南方系のフィリピン人の要素が複雑に混血しているが, 歯列弓の大きさは中国人に近く, 北方系弥生人の要素が強く, 口蓋の深さ (前頭断面の中央部, 矢状断面の後方部) はフィリピン人に近く, 南方系縄文人の要素が強い.さらに, 日本人の口元は出っ張り気味で北方系弥生人の要素が強いことが示唆された.
  • 川名 文, 清水 美帆, 澤江 佳子, 佐原 貴子, 五十嵐 理恵, 馬谷原 光織, 佐々木 崇寿
    2001 年 21 巻 1 号 p. 52-57
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    生物学的な歯周組織再生療法の観点からその有用生が示唆されているエナメル基質誘導体 (Enamel matrix derivative : EMD) による硬組織形成の可能性を, 骨組織の修復と骨改造そしてインプラント治療を含めた骨組織再生工学への応用に着目して研究した.実験ではラットの膜性骨 (頭頂骨) および軟骨性骨 (大腿骨) に作製した骨欠損部位にEMDを填塞し, 経日的な治癒過程を組織学的に解析した.また大腿骨に植立したチタンインプラントへの骨梁骨による支持に対するEMDの作用と同様に検討した.実験の対照群には, EMDのキャリアーとなるPGAを填塞した.骨の修復過程における骨芽細胞の分化と骨質の初期形成は微細構造観察と骨シアロタンパクの免疫組織化学から確認し, 破骨細胞の分化は多核巨細胞の微細構造観察とカテプシンKの分子発現から確認した.EMDによる骨再生は, 光顕, 透過電顕, BSE, μ-CT観察のほか, EDX分析を基に定性的・定量的に評価した.その結果, 頭頂骨および大腿骨に骨欠損を作製しEMDを填塞すると, 骨欠損部位での骨芽細胞を含む間質細胞の増殖と分化が顕著で, 新生骨基質の形成が促進された.骨の修復過程では早期から破骨細胞が多く出現し, 活発な骨改造が示された.新生骨の形成状態は骨の種類によって異なり, 膜性骨では欠損部辺縁骨膜からの骨新生が主であったが, EMD填塞群ではさらに欠損内部での間質細胞の凝集と特異な石灰化組織の形成が多く観察された.またEMDは, 大腿骨欠損部での骨梁骨の修復過程における骨新生や, インプラント体への骨梁骨の支持を有意に促進した.これらの実験結果から, EMDの骨組織再生工学への応用の可能性が示唆された.
  • 井上 富雄, 鶴岡 正吉, 佐野 正和, 山上 芳雄, 臼井 美恵子, 齋藤 充, 松谷 貴代
    2001 年 21 巻 1 号 p. 58-63
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    咀嚼する食品の物理的性状に従って咀嚼筋活動は適切に調節されるが, この調節には歯根膜感覚受容器と閉口筋筋紡錘からの感覚情報が重要な役割を果たしている。三叉神経運動核周囲の網様体には, 口腔領域からの感覚情報が入力し, 出力を三叉神経運動核に送るニューロンが存在する.このようなニューロンは咀嚼筋活動の調節に関与している可能性がある.閉口筋運動ニューロンに口腔領域からの感覚によって修飾を受けた咀嚼の運動指令が入力するが, 同時にセロトニン入力によって興奮性が増大するなどの変調を受ける.以上のようなメカニズムは, 咀嚼する食物の性状に見合った適切な咀嚼力の発現に役立っていると考えられる.
  • 宇田川 信之, 高見 正道, 自見 英治郎, 伊藤 雅波, 小林 幹一郎, 須沢 徹夫, 片桐 岳信, 新木 敏正, 高橋 直之
    2001 年 21 巻 1 号 p. 64-69
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    破骨細胞は高度に石灰化した骨組織を破壊・吸収する唯一の細胞である.骨吸収を司る多核の破骨細胞はマクロファージ系の前駆細胞より分化する.この破骨細胞の分化と機能は, 骨形成を司る骨芽細胞あるいは骨髄細胞由来のストローマ細胞により厳格に調節されている.大理石骨病を呈するop/opマウスの解析より, 骨芽細胞が産生するマクロファージコロニー刺激因子 (M-CSF) が破骨細胞前駆細胞の分化に必須な因子であることが示された.更に最近, 骨芽細胞が発現し破骨細胞の分化と機能を調節する腫瘍壊死因子 (TNF) ファミリーに属する破骨細胞分化因子 (osteoclast differentiation factor, ODF/receptor activator of NF-κB ligand, RANKL) がクローニングされ, 骨芽細胞による骨吸収の調節メカニズムのほぼ全容が解明された.骨吸収の調節は, Ca代謝調節ホルモンと共に局所で産生される各種のサイトカインが重要な役割を担っている.骨吸収促進因子は骨芽細胞あるいは間質細胞に作用してRANKLの発現を促進する.しかし, TNFαやIL-1は破骨細胞前駆細胞や破骨細胞に直接作用し, RANKLのシグナルを介さずに破骨細胞の分化や骨吸収機能を促進することも明らかにされた.さらに, 骨形成因子 (BMP) をはじめとするTGF-βスーパーファミリーに属するサイトカインがRANKLの存在下で破骨細胞の分化と機能を促進する結果も得られた.現在, これらのサイトカインとRANKLとのシグナル伝達のクロストークに関する解析が活発に行われている.
  • 江藤 由美子, 山本 綾子, 五十嵐 武, 森崎 弘史, 浅賀 恵美子, 後藤 延一
    2001 年 21 巻 1 号 p. 70-74
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    我々は, 口腔微生物を従来よりも簡便で迅速に検出・同定する方法を開発する目的で, (1) 齲蝕原因菌とされるS.mutans, S.sobrinusおよび口腔常在レンサ球菌S.salivariusが保有するデキストラナーゼ遺伝子, (2) 歯周疾患への関与が疑われるC.rectusあるいはC.showaeの16SリボソームRNA遺伝子, (3) 歯周ポケットから分離されるが, 検出・同定が困難な原虫E.gingivalisおよびT.tenaxの18SリボソームRNA遺伝子, のそれぞれに特異的なPCRプライマーあるいはDNAプローブを設計し, PCRおよびハイブリダイゼーションによってこれらの微生物の検出を試みた.その結果, PCRおよびハイブリダイゼーションともに目的菌のみを特異的に検出することができた.検出感度は, PCRの場合, 反応液50μ1中約0.1~1.0pgの標的DNA, 細胞数で約10~100個であった.ハイブリダイゼーションでは, 標的DNA約1ngから検出可能であった.このようにPCRやハイブリダイゼーションを用いた菌の検出・同定法は, その迅速性, 確実性および感度において, 現在常用されている生化学的手法よりも優れていることが示された.
  • Tarou IRIÉ, Reiko TSUCHIYA, Gou YAMAMOTO, Yukiko MAEDA, Tetsuhi ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 75-81
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Laser microdissection is a new method for the procurement of targeted cells from tissue section and has enabled the analysis of nucleic acid and protein. However, the contamination of cells, other than target cells and damage of mRNA, has become a problem, since it must adhere the target cells to thermoplastic film after dissection in the conventional laser microdissection. We developed a laser pressure cell transfer method that did not need to use thermoplastic film, and the semiquantitative analysis of the various transcriptional product in oral squamous cell carcinoma and normal mucosal epithelium in the identical sample was carried out by using this method and semiquantitative RT-PCR. As a result of this analysis, the procurement of mRNA from each sample was possible. By accumulating of cases using this analysis, it was indicated to become basic data for the establishment of objective judgment and prognostic evaluation of the cancer's malignancy.
  • 天野 均, 鈴木 恵子, 山田 庄司
    2001 年 21 巻 1 号 p. 82-85
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Colony-Stimulating Factor-1 (CSF-1) 刺激により破骨細胞のCSF-1受容体及びそれに会合しているPLCγ;のチロシンリン酸化が起こり, さらにIP3産生充進に伴い, 細胞内Ca2+濃度 ([Ca2+] i) が一過性に上昇した.またその後に誘導される周期的な [Ca2+] i上昇も核及び膜に観察されたが, これは新規に開発されたNCX阻害薬KB-R 7943の添加あるいはCa2+キレート剤であるBAPTA添加により完全に抑制されたことからCa2+流入モードのNCX1の活性化を介するものと推測された.一方, KB-R7943もしくはNCX1 antisense oligodeoxy nucleotideは濃度依存的に破骨細胞形成, アクチンリング形成及び象牙質切片上のpit形成を有意に抑制した.特にKB-R7943の場合は, 細胞外からのCa2+流入モードを阻害する濃度 (10-6M) では, その効果は顕著であった.Western blot及び免疫抗体染色により破骨細胞及びその前駆細胞はNCX1を発現していることが確認された.以上のことから, CSF-1によるNCX1活性化機構が破骨細胞の分化調節及び骨吸収活性に大きく関与することが推測された.また今までその役割が全くわかっていなかったNCX1の流入モードが破骨細胞の形成から分化・骨吸収までに重要な役割があること, さらに新規NCX1阻害薬KB-R7943が骨粗霧症治療薬となる可能性が示唆された.
  • 堀田 康弘, 小澤 篤, 小林 幸隆, 宮崎 隆
    2001 年 21 巻 1 号 p. 86-91
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    当教室では, 1985年から一般工業界で用いられる様々な機械加工法を用いたクラウンの製作方法について研究を重ね, 現在CAD/CAMシステムを用いたクラウンの製作システムを開発してきた.このシステムでは, 支台歯模型を三次元の数値データとして取込むためにレーザ変位計を用いた計測を行う.得られた計測データの中から通常の技工操作で必要とされるポイントをコンピュータが自動的に認識し, それらランドマークに適合するクラウンをコンピュータが自動で設計する.この設計データをもとに, 4軸制御の切削加工を行いクラウンが製作される.このCAD/CAMシステムの開発の過程において, レーザ変位計を用いた計測システムの計測精度, ボールエンドミルを用いたセラミックスやチタンの切削加工精度について様々な検討を行い, その結果, 臨床上十分な精度が得られるようになった.
  • 田村 文誉, 水上 美樹, 綾野 理加, 石田 瞭, 大久保 真衣, 原 明美, 萬屋 陽, 大河内 昌子, 向井 美惠
    2001 年 21 巻 1 号 p. 92-96
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    要介護高齢者108名を対象とし, 歯科衛生士による専門的口腔ケアの介入程度について3群に分類した.対象者に対し, 介入前と介入2か月後, 4か月後の3時点において, 歯科医師, 歯科衛生士が口腔内診査および機能検査を行った.そのうち, 経管栄養2名を除し, 非介入のA群31名, 器質的口腔ケア介入のB群34名, 器質的・機能的口腔ケア介入のC群41名の3群における専門的口腔ケア介入の効果について検討した.その結果, 以下の知見を得た.1.食べこぼしの頻度は, ほとんどこぼさない者はA群において, 介入前の30名中18名 (60.0%) から, 2か月後には13名 (43.3%), 4か月後には9名 (30.0%) へ減少していた.介入前と4か月後とを比較すると, 5%の危険率で有意差がみられた.B群において, 食べこぼしが頻繁な者は, 介入前の33名中11名 (33.3%) から2か月後には7名 (21.2%), 4か月後には1名 (3.0%) に急激に減少した.介入前と4か月後とを比較すると, 1%の危険率で有意差がみられた.2.舌苔の付着状態は, 「なし」か「わずかにみられる」者がB群では, 介入前の34名中12名 (35.3%) から, 2か月後には25名 (73.5%), 4か月後には30名 (88.2%) と急激に増加した.介入前と2か月後とを比較すると5%, 4か月後とを比較すると1%の危険率で有意差がみられた.以上の結果より, 歯科衛生士による専門的口腔ケアは, 要介護高齢者の口腔の衛生状態や摂食・嚥下機能の維持・増進に寄与することが示唆された.
  • Mozammal HOSSAIN, Yuichi KIMURA, Yoshishige YAMADA, Nobuyuki SUZUKI, M ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 97-100
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Objective : The purpose of this study was to evaluate the acquired acid resistance of lased enamel and dentin by Er,Cr:YSGG laser to artificial caries-like lesions, in vitro.Methods : An Er,Cr:YSGG laser was used to irradiate the enamel or dentin samples from 30 extracted human molars at 6 W (67.9 J/cm 2) or 5 W (56.6 J/cm 2) pulse energy, respectively, with or without water mist. Samples were then subjected to 2μl of 0.1 M lactic acid solution (pH 4.8) for 24 h at 36°C. The parts per million (ppm) of calcium ion (Ca 2+) dissolved in each solution was determined by the atomic absorption spectrophotometry, and the morphological changes were investigated by scanning electron microscopy (SEM). Results : The lowest mean Ca 2+ ppm was recorded in the lased samples. SEM observation showed that the lased areas were melted and seemed to be thermally degenerated. After acid demineralization, the thermally degenerated enamel or dentin surfaces were almost unchanged. Conclusions : The results of this study suggested that Er,Cr:YSGG laser irradiation with and without water mist appears to be effective for increasing acid resistance.
  • Kazuo ITOH, Atsufumi MANABE, Tokuji HASEGAWA, Hisashi HISAMITSU
    2001 年 21 巻 1 号 p. 101-108
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    As demonstrated by Asmussen in 1975, the effectiveness of the dentin bonding system should be evaluated by observing the wall-to-wall polymerization contraction gap immediately after polymerization of the resin composite, which was restored in the cylindrical dentin cavity. We reported that the contraction gap width increased when the dentin cavity was decalcified by the acidic dentin conditioner or the functional monomer was eliminated from the dentin bonding agent. Therefore it was possible to speculate that the bonding between the resin composite and dentin cavity wall was established by the chemical interaction between the calcium in the dentin and the functional monomer in the dentin bonding agent. Furthermore, we reported experimental dentin primers that were aqueous solutions of the methacrylate derivatives and diols. We also defined that the contraction gap formation was completely prevented by a combined application of the optimized dentin conditioner, dentin primer, dentin bonding agent, and resin composite. To obtain the complete marginal integrity, the dentin should be conditioned with EDTA. Then the cavity should be primed with experimental materials (35% glyceryl mono-methacrylate, 45% erythritol methacrylate, 45% xylitol methacrylate, 62.5% ethyleneglycol, or 45% 1, 6-hexane diol). The commercial dentin bonding agents containing the 10 methacryloxy decyl dihydrogen phosphate or 4-methacryloxy ethyl trimellitate anhydride were recommended for use. The resin composite must flow into the cavity during polymerization, though only a few commerial materials are recommended.
  • 鈴木 基之, 伊佐津 克彦, 須田 玲子, 趙 東生, 長谷川 紘司
    2001 年 21 巻 1 号 p. 109-112
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯周炎の自然史を究明する為に歯科医療低普及地帯住民を対象として3年間に渡る経年的追跡調査を行った.対象は中国河北省の無歯科医村の住民486名 (男211名, 女275名, 年齢14~44歳).対象者の腔内を4分割し, 上下・左右を含む2区分を無作為に選択しプラーク, 歯石の付着状況, 歯肉の炎症程度, Probing Depth, Attachment Levelの計測を十分にカリブレーションを行った4名の診査者で行った.診査はべースライン時と2年後に行った.生活習慣, 口腔内状況, 歯科受診歴, 口腔清掃習慣に関する27項目の対面聞き取り調査を行った.対象者の70%以上で歯科受診経験は無く, 口腔清掃習慣は女性, 若年者を除き不良であった.歯周組織診査で個人のPD, ALの平均値は増齢的に増加していた.個人の平均値の経年観察結果は手金値の増加が認められたが, 部位別経年観察結果ではそれぞれ90%以上の部位では変化が無かった.以上の結果より, 歯周炎の進行は部位ごとに持続進行しているのではなく, 静止部位と活動部位が存在することが示唆された.
  • 樋口 大輔, 川和 忠治, 石浦 雄一, 福永 秀樹, 割田 研司, 古屋 良一, 石田 和宏
    2001 年 21 巻 1 号 p. 113-117
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    作業模型の咬頭嵌合位の再現性に関与する材料側の因子として, 作業模型の寸法精度を明らかにするとともに咬頭嵌合位との関連について検討した.その結果, シリコーン・ラバー印象材による作業模型の寸法変化量はアルジネート印象材による作業模型に比べて1/4~1/5程度であり, シリコーン・ラバー印象材による作業模型の寸法精度が大変優れていることが明らかとなった.また, 寸法精度の良好な作業模型ほど咬頭嵌合位の再現性が良くなることが示唆されたが, クラウンが高くなる要因の中で, 材料側が関与しているのは全体の1/4~1/2程度であり, その要因が主として生体側にあることが推察された.
  • 北川 昇, 山縣 健佑, 金 修澤, 下平 修, 河野 勇治, 山縣 徹哉, 樋口 貴大, 七田 俊晴, 杉山 一朗, 丸茂 実希, 小村 ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 118-125
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    無歯顎者における下顎運動の記録のための基準点は, 通常, オトガイ部の軟組織上に設定される.したがって, 皮膚と下顎骨の運動の関係を知ることは, 臨床上きわめて有益である.下顎の皮膚上に9つの光反射性標点を設置した.さらに, 3つの標点を立体的に配置したマーカーフレームを各被験者の下顎前歯に付着し, 2つの標点を並べたスティックで指示した仮想点の計測値を得た.6台のビデオカメラを用いて顔面皮膚上標点 (S) の顎運動時の位置を求め, 自動追跡した.モーションキャプチャーシステム (Vicon 370, Oxford Metrics) を用いてマーカーの移動量から算出した仮想点 (V) の計測結果を標点 (S) のビデオデータと合成した.義歯装着時と無歯顎時に被験音 [サ], [シ] をそれぞれ発音させ, 静的パラトグラフィーによって, 舌と口蓋ならびに歯槽部, あるいは舌と上顎義歯との接触パターンを比較した.すなわち, 口蓋ならびに上顎歯槽部を覆う黒色ビニール製の人工口蓋板に白色アルジネートの粉末を散布し, 被験者の口腔内に装着する.被験音の発音後に, 人工口蓋板の舌接触部位は湿って白色から黒色へと変化して判別できる.新たに開発した画像解析システムを使用して, 各被験者の同一被験音5回のパラトグラムを平均化し, 標準歯列模式図上に変換した.10名の被験者の同一音を累積したパラトグラム像から70%に共通する範囲を抽出し, 比較した.
  • 塚崎 弘明, 尾関 雅彦, 芝 〓彦, 酒井 敏博, 豊嶋 康, 瀧澤 秀樹, 中根 宏之, 金石 あずさ, 加瀬 智夏, 大山 明博, 榎 ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 126-132
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    強電解水の誕生は1987年頃である.当教室ではこの強電解水の登場と同時に研究を始め, 歯科領域での応用を推進してきた.現在では抜髄根管, 感染根管の根管洗浄, 歯周ポケット内の洗浄, 器械器具類の洗浄・消毒, 抜歯窩の洗浄, 義歯の洗浄・消毒, 歯科用ユニット内部水回路の殺菌, 印象材の洗浄・殺菌, 含漱用等に積極的に応用されている.その他, 胃カメラの洗浄・消毒を始め, アトピーなどの改善に医療領域で応用されるようになったが, さらに農業, 工業, 食品, 畜産, ゴルフ場などの分野で幅広く応用されている.この機能水は非常に優れた特徴を有しているので21世紀にはぼたく水となることを確信している.
  • 道脇 幸博, 高橋 浩二, 山下 夕香里, 横山 美加, 平野 薫, 衣松 令恵, 難波 亜紀子, 小澤 素子, 高橋 奈里, 服部 俊彰, ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 133-138
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    高齢社会の進行により摂食・嚥下障害を呈する患者は急速に増加している.しかし摂食・嚥下障害に対する取り組みは不十分で, 現状では患者の生活の質 (QOL) は低く, 早急な対策が必要である.そこで診断法と治療法, 介護システムの開発や体系化に取り組んでいるので, その概要を報告する.摂食・嚥下障害患者の多くが在宅や老人ホームなど, いわば病院以外の施設で介護を受けていること, 不顕性誤嚥も多いことから, 簡便でどこででもできるスクリーニング検査法が必要であるが, 現状では信頼性の高いスクリーニング検査法は確立していない.そこで, 症候学的研究や呼気音の聴覚的な印象を基にスクリーニング検査法を開発している.精密検査法については, 従来定性的な分析に使用されてきたX線ビデオ透視検査法 (以下VF検査法) を使って, 時間軸上で解析する方法を検討し, さらに喉頭蓋の形態や運動性と咽・喉頭部への残留と嚥下障害が関連していることを明らかにした.また呼気音の音響学的診断法や近赤外線を応用することでX線透視検査に代る精密検査法の開発を行っている.治療や訓練法については, 効率的な摂食・嚥下訓練のために簡易型検査法の開発と訓練法の体系化を行い, 患者に応じた対応ができるようにした.また舌背および舌根の挙上, 喉頭挙上, 喉頭部の閉鎖を改善することを目的として新たな嚥下法を開発し, 臨床的に適応している.さらに摂食・嚥下障害を呈する患者のQOLの向上のために, 「安全な経口摂取」の観点から食物の物性や素材と嚥下障害との関連を検討し, すでに食物の物性が嚥下障害に影響を与えることを明らかにしている.今後の課題として, 診断法については, 病院以外の施設での嚥下機能検査や頻回の検査を可能をするためにX線ビデオ透視検査に代る誤嚥診断法の開発が必要であり, 治療・訓練法については, 治療法の開発とともに体系化が必要である.また患者のQOLの向上のためには, 代替栄養法の適応および代替栄養法と経口摂取の併用に関する研究も必要であると考えている.
  • 井本 衣美, 角田 左武郎, 堀 真弓, 宇山 洋平, 八上 公利, 南雲 正男
    2001 年 21 巻 1 号 p. 139-143
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    我々はヒト骨肉腫をヌードマウスに移植継代することに成功した.この移植腫瘍は, 組織学的に軟骨肉腫様の形態を呈し, typeI, II, Xコラーゲンを基質中に産生していた.最近, この移植腫瘍より軟骨細胞の形質を発現する細胞株を樹立することに成功した.そこで, この細胞株の性質を明らかにすることを目的とし, それぞれの培養ステージでの細胞の形態の変化と各種コラーゲンのmRNA発現との関連をin vitroで検討した.その結果, 単層培養ではtype IコラーゲンmRNAは主として増殖期からサブコンフルエントの時期のtype IIコラーゲン, type XコラーゲンmRNAはサブコンフルエントからコンフルエントの時期の細胞に発現していた.そこで, スポットカルチャーを行ってin situ hybridizationにより, それぞれのコラーゲンmRNAを発現している細胞の形態を検討した.その結果, type Iコラーゲンは周辺部の紡錘形の細胞に, type IIコラーゲンは周辺から中心にみられるpolygonalな細胞に, type Xコラーゲンは中心部の肥大化したpolygona1な細胞に発現していた.これらの結果より, USAC細胞がオリジナルの腫瘍組織の性質をもっていることが示された.
  • 槇 宏太郎, 中納 治久, 久保田 雅人, 土岐 泰弘, 山口 徹太郎, 薄井 俊朗, 宮崎 芳和, 柴崎 好伸, 伊能 教夫, 高西 淳夫
    2001 年 21 巻 1 号 p. 144-151
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    To investigate the relationship between skeletal morphology and muscle function in maxillofacial complex, and for the further understanding of mastication and/or biological basis of orthodontic treatment, we have been developing new analyzing systems with the help of advanced technology. In this article, we present some results from our studies.
    From the results of our first study concerned with bone density and mechanical stress generated by muscle loading, mandibular skeletal growth was affected by the muscle development. In the second study, the vector of reaction force at the condylar head calculated by moment analysis, using EMG activity and muscle-loading direction, was coincident to the growth direction. Also, from the analysis of changes in the curve of Spee during orthodontic treatment, the dental arch showed sufficient reconstruction of their position to adapt the mechanical environment. This suggested that the biomechanical simulation method, including the measurement or muscle activity and bite foree, was necessary for treatment planning. Genetic analysis applied to the prediction of mandibular growth was introduced in a third study. The DNA pattern of growth hormone receptors demonstrated a strong correlation with mandibular size in cephalometrics. A more accurate growth prediction will be possible in the future. Furthermore, a computer-assisted orthodontic diagnosis system and a corn-beam CT scan were introduced.
    These computer-assisted and advanced technologies could make it useful for us to derive clinically indisposable information about mechanical conditions in the mandible and mastication functions in individual subjects and lead scientific evaluation in orthodontic diagnosis.
  • 佐々 龍二, 井上 美津子, 網野 恭子, 船津 敬弘
    2001 年 21 巻 1 号 p. 152-160
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    極・超低出生体重児の顎顔面・口腔の形態および機能を明らかにする目的で継続的研究を行ってきた.それにより以下の結果を得た.1) 乳歯列咬合完成期においては, 頭蓋, 顔面部の幅径での圧偏, 後頭部への拡大傾向, 下顎骨の劣成長が認められた.2) 乳歯列弓は健常児と比較して小さく, とくに幅径は上下顎ともに乳臼歯間で顕著に狭窄していた.3) 乳歯歯冠幅径は男女ともほぼすべての歯種で健常児に比較して小さい傾向を示した.4) 上顎乳臼歯の咬合面形態は, 健常児と比較して固有咬合面の面積, 頬側咬頭の面積および頬舌方向成分の咬頭頂間距離が顕著に縮小していた.5) 乳歯列期の咬合力・咀嚼能力は健常児より低く, 混合歯列期でも同様の傾向を示した.6) エナメル質形成不全歯および癒合歯は高い発現率を示した.また, 乳歯の微小硬度はエナメル質, 象牙質ともに健常児と比較して小さかった.本研究により, 極・超低出生体重児においては頭蓋の骨格的特徴が乳歯列形態や, 乳歯歯冠幅径および咬合力にも影響を与えていることが示唆された.
  • 佐野 司, 山本 実佳, 佐久間 克哉, 荒木 和之, 木村 幸紀, 関 健次, 松田 幸子, 花澤 智美, 田谷 あつ子, 酒巻 紅美, ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 161-165
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    当教室では, 研究テーマの1つとして顎関節症のMRIを中心とした画像所見と臨床症状の関連の検討を行ってきた.また, 当科では, 昭和大学病院放射線科の協力により高磁場強度のMRI装置使用下で, 高速撮像法を応用した顎関節のMR画像を得ている.本研究の目的は, 高速スピンエコー法により同時に撮像されたプロトン密度およびT2強調像の円板診断能の高さをT1強調像と比較して検討することである.対象は, 顎関節内障が疑われ高速スピンエコー法でプロトン密度およびT2強調像の撮像を行った52名104関節と, 対照として通常のスピンエコー法でT1強調像の撮像を行った40名80関節である.方法として, 円板転位, 円板復位, 円板形態の3つの検討項目で “good” と “fair” の評価基準により診断能を評価した.その結果, 全検討項目でプロトン密度およびT2強調像は, T1強調像に比べ有意に “good” を示す割合が高かった.以上から, 高速スピンエコー法により得られたプロトン密度およびT2強調像は, 円板診断において高い診断能を有することが判明した.
  • 五島 衣子
    2001 年 21 巻 1 号 p. 166-169
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    現在, 血液製剤の安全性は, 非常に向上してきているが, ウィンドウ期にある献血者からの提供による血液からの感染や, 輸血後のGVHD (Graft versus host disease) などの危険は内在している.また, 血液製剤を国内の献血血液で充足する必要性から, 血液製剤の使用の適正化がいわれている.これらの理由から手術中の出血に対して, 自己血輸血が推奨されている.当科では自己血輸血を希釈式により, 1991年から開始し, その後貯血式自己血採血の開始に伴い, 顎変形症手術症例ではほぼ100%に同種血輸血回避が行われていた.また, 出血量の減少を目的とした低血圧麻酔の併用や, 悪性腫瘍手術症例についての適用についても検討している.しかし, 自己血輸血を適切かつ安全に行うためには, 採血量の限界や, 希釈式自己血採血での急速採血に伴う循環動態の変化などの知識が必要である.
  • 山口 昌治
    2001 年 21 巻 1 号 p. 170-171
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 宮崎 なおみ, 袖岡 恵, 布川 桂子, 中西 眞知子, 日山 邦枝, 斉田 昭子
    2001 年 21 巻 1 号 p. 172-177
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    われわれ昭和大学歯科病院看護部業務委員会は, 患者の実態および歯科医療に対する動向を把握するため, 1994年から2000年にわたり来院患者の意識調査を実施した.目的として, 1.患者サービスの向上, 2.業務の改善を図る, 3.患者のニーズと傾向を知る.以上のことから, 得られた情報により院内では数多くの改善がなされた.また, 質問内容の改革を行ったことによる回答の変化から, その時代の患者のニーズと傾向等を知ることが出来, 同時に情報社会による影響力の大きさも実感した.加えて, アンケート結果が職員全体の患者サービスへの意識向上の動機付けにおいて, 非常に効果的であったことを認識することができた.
  • Akihiro FUJISHIMA, Kuniko IKEDA, Mariko AOYAMA, Takashi MIYAZAKI, Ryuj ...
    2001 年 21 巻 1 号 p. 178-185
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    The aim of this study was to evaluate the durability of three resin-modified glass ionomer (RMGI) cements (Vitrebond, Vitremer, and Fuji II LC) as compared with a conventional acid-base glass ionomer (ABGI) cement for a restorative use (Fuji II). All specimens were stored in deionized water from one month up to one year. Compressive strength, direct tensile strength (with thermal cycling), diametral tensile strength, and fracture toughness were measured. Durability was quantitated as the reduction in strength from the highest value. ABGI cement showed brittle fracture for all periods. RMGI cement initially showed some plasticity that decreased with increased aging time. Tensile strengths of all cements measured by the diametral test were significantly higher than those measured by the direct tensile test. Because of the deformation of specimens under compression, we suggest use of the direct tensile test for an evaluation of the tensile strength of RMGI. All measured properties of the RMGI cements were greater than those of the ABGI cement during all periods. However, the reduction in properties for the RMGI cements was slightly greater than that of the ABGI cement (with the exception of compressive strength). These results suggest that RMGI cements may be more suitable restoratives because of their enhanced strength, but further investigation of the durability of these cements in stress-bearing areas is needed.
  • 宋 文霞
    2001 年 21 巻 1 号 p. 186-197
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    中国人 (山東省) の成人より採取した上顎歯列模型を用いて, 歯列弓の形態計測を行うとともにモアレトポグラフィー法を用いて口蓋の形態計測を行った.その結果, 歯列弓においては肉眼的観察において男女とも帯円方型が最も多いことが示された.計測においても日本人, フィリピン人の過去の報告に比して臼歯部の歯列長ならびに歯列幅が大きく, 山東省の集団は日本人, フィリピン人とは歯列弓の形態が異なることが示された.また, 歯列弓の大きさにおいても山東省の集団は日本人, フィリピン人に比して大きいことが示された.また, 男性は女性に比して歯列弓の長径, 幅径ともに大きいことが示され, 特に幅径においてその差が大きかった.口蓋の形態では, 男性は女性に比して口蓋が大きいことが示された.また, 幅高指数は女性で高く, 長幅指数は男性で高いことが示され, 女性の口蓋は男性に比して幅に対する高さが高いことが示された.さらに, 前頭断面における形態においては犬歯部, 第二小臼歯部では高さに男女差が認められなかったが, 第一小臼歯部においては女性の口蓋が男性に比して深く, 大臼歯部においては男性の口蓋が深いことが示され, 男性の口蓋は女性の口蓋に比して起伏に富んだ形態を呈していることが示された.
  • 直井 繁治, 廣嶋 ふみ子
    2001 年 21 巻 1 号 p. 198-205
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    新規に考案した引張接着試験法を用いて, 8種類の歯科用セメント (ポリカルボン酸系, レジン系 : 各4種類) が4種類の歯科用金属 (非貴金属系, 貴金属系 : 各2種類) に対して有する引張接着強さならびに試験後の被着面における残留セメント率 (%) を測定し, 各種セメント材料の歯科用金属に対する接着性の評価を行った.各種歯科用金属に対するセメント材料の引張接着強さは, ポリカルボン酸系セメントでは0.5~7.1MPa, レジン系セメントでは1.0~26.3MPaとなり各セメントと歯科用金属の組み合わせによって接着強さは大きく異なっていた.ポリカルボン酸系セメントの引張接着強さは, VMを除いてレジン系セメントよりも低く, 2種類のセメントでは保管中に剥離を生じた.すべての金属材料に対して, レジン系セメントのSBは顕著に高い引張接着強さを示し, 非貴金属系合金, 特に安定な酸化皮膜を有するcpTiではすべてのセメント材料において, 他の歯科用金属に比べて高い引張接着強さを示した.本研究で行った金属被着面に研磨面を用いた引張接着試験方法では, 接着強さの値は従来の試験法に比べて小さいものの接着強さを精度良く測定することができ, さらに破断形態の評価に重要な被着面上の残留セメント率の測定も, 画像処理を併用することにより定量化が可能となった.レジン系セメントにおける接着強さと残留セメント率には, 相関関係 (r2=0.78) が認められたが, セメントの特性が異なるポリカルボン酸系セメントでは, その関係は大きく異なっていた.
  • 割田 研司, 古谷 彰伸, 川和 忠治
    2001 年 21 巻 1 号 p. 206-212
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    高い靱性と耐摩耗性とともに色調再現性の向上をめざして, 新しく開発された試作硬質レジンを用いたインレー, アンレー, クラウン, ラミネートベニア合計50症例について6か月間の臨床観察を行った.観察項目は術者による評価項目として, 修復歯については自発痛, 冷水反応, 温水反応, 打診痛, 二次齲蝕の5項目, 周囲軟組織については歯肉縁の状態, 口腔粘膜の状態, 歯周ポケットの深さ, 歯肉の色調の4項目, 修復物については辺縁部適合性, 表面滑沢性, 咬耗, 破折, クラックの発生, 表面着色, プラークの付着の7項目, 対合歯については咬耗の1項目とした.また, 被験者自身による評価として色調, 咀嚼・咬合, 発音, 装着感の4項目について, 被験者の満足が得られているか否かを判定した.観察時期は修復物装着直後, 3か月後, 6か月後として, 成績を記録, 集計し, 短期的な臨床評価を試みた結果, 以下の結論を得た.いずれの修復物についても, 体部, 辺縁部の破折例はなく, 材料の強度的な問題は生じなかった.また, 修復物および対合歯の摩耗は観察されず, 周囲軟組織への悪影響も認められなかった.一方, 比較的早期に光沢を失いやすく, 研磨等の対策が必要と思われたが, 総合的にみて歯冠色補綴材料として広範囲な応用が期待されると考えられた.
  • 2001 年 21 巻 1 号 p. 213-216
    発行日: 2001/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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