昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
22 巻, 1 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • (第3報) 各種被着体に対する接着強さと表面処理効果
    大山 晃代, 藤島 昭宏, 斎藤 茂, 廣嶋 ふみ子, 前原 聡, 大塚 純正, 宮崎 隆, 柴崎 好伸
    2002 年 22 巻 1 号 p. 1-12
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    最近, 歯科矯正用接着システムとして用いられるようになったレジン添加型グラスアイオノマー系接着剤 (RMGIC) および現在高頻度で臨床使用されているレジン系接着剤 (SB) を用い, 各種ブラケット材料および歯冠修復材料に対する接着性を勇断接着強さから評価した.矯正治療において想定される被着材として, メタル, セラミック, プラスチック系材料を各3種類ずつ, ならびにコントロールとしてヒトエナメル質の計10種類の素材を実験に用いた.また, RMGICに対してはプライマー効果, 表面処理効果についても検討した.ヒトエナメル質を除いた各種被着面に対するSBの接着強さは27.8~39.8MPa, RMGICでは0.1~13.9MPaとなり, すべての材料においてRMGICでは有意に低い勢断接着強さを示したが, エナメル質に対してはそれぞれ39.0, 25.6MPaとなり, 良好な接着性を有していることが認められた.また, RMGICにおいては各被着面に対して適切なプライマー処理を施すことにより, 接着強さを向上させることが可能であることが確認された.しかし, ポリカーボネートに対しては, RMGICの接着強さを顕著に向上させるプライマー処理や表面処理法は認められなかったため, プラスチック系ブラケットの使用はRMGICの矯正臨床への応用における課題であることが確認された.
  • 粕谷 景子, 宮崎 芳和, 薄井 俊朗, 槇 宏太郎, 柴崎 好伸, 李 元植, 宮崎 隆, 佐野 恒吉
    2002 年 22 巻 1 号 p. 13-21
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    矯正治療後のブラケット装置の撤去および歯面の研磨処理 (以下, debondingと記す) は, その後の着色やプラークの蓄積に影響を及ぼすことが知られている.本研究では, 現在用いられている16種類の歯面研磨方法を比較, より適切な処理法について検討することを目的とした.ヒト小臼歯抜去歯32本を用いて, 4-META/MMA-TBBレジンにてメタルブラケットをbondingする前とdebonding時の研磨後における唇面表面性状の変化を, 長軸方向の中心線平均粗さ, およびSEM所見を用いて検討した.中心線平均粗さの計測結果から, 16方法中の12方法においてbonding前とdebonding研磨後の粗さに有意な差が認められた (p<0.05).また, 各方法のSEM所見から, 1.研磨後にレジンが残余しているもの (ラウンドバーのみ用いた方法, プロケアをラバーカップまたはブラシコーンで用いた方法), 2.研磨効果がレジンタグまで及んでいるもの (コンポジットポリッシングシステムを40gの荷重で用いた方法), 3.研磨効果がエナメル質深層まで及んでいるもの (スーパーファイン, ダイヤモンドポリッシングシステム, オーロラポリダイヤ, Sof-lex, シリコンカップポイントを用いた方法, およびコンポジットポリッシングシステムを80gの荷重で用いた方法) などが明らかとなった.そして, コンポジットポリッシングシステムを40gの荷重で使用する方法では滑沢な表面を示しレジンの残余やエナメル質の過剰な削除も避けられることが判明した.
  • push-back法, 二段階口蓋形成法, 頬筋粘膜弁法と非裂者の比較
    平川 崇
    2002 年 22 巻 1 号 p. 22-30
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    片側性唇顎口蓋裂患者におけるpush-back法 (PB群), 哺乳床使用二段階口蓋形成法 (TS群), 頬筋粘膜弁法 (BF群) との術後顎発育について, 矯正歯科治療開始前の混合歯列中期に頭部X線規格写真を用い非裂者 (NC群) との比較検討を行い以下の結果を得た.NC群との比較においてPB群は鼻上顎複合体の高さ深さともに不足していることが示された.下顎は上顎の変化に対応するように後上方位を示した.TS群はU1の後方位と, 下顎でL1以外の全ての計測点で後方位が観察された.BF群はPtmと歯列上の点であるU1とMoが後方位を示した.PB群とBF群の比較では上顎の深さにのみ差異を認めた.TS群とBF群は近似していた.以上のように口蓋形成手術の違いにより顎発育への影響の違いが示唆された.
  • 杉山 一朗, 山縣 健佑, 北川 昇, 小村 朋己, 樋口 貴大, 丸茂 実希
    2002 年 22 巻 1 号 p. 31-45
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究の目的は, 「タ」, 「キ」, 「ラ」発音時に無歯顎者の無歯顎の状態と全部床義歯を装着した状態での口蓋および上顎歯槽部, または上顎義歯に対する舌の接触パターン (パラトグラム) を比較することである.被験者は, 無歯顎者で「タ」, 「キ」発音時10名 (男性3名, 女性7名), 「ラ」発音時6名 (男性2名, 女性4名) である.無歯顎時と義歯装着時に口蓋ならびに上顎歯槽部を覆う黒色の特殊塩化ビニールシート製の人工口蓋板を製作し, 表面に白色アルジネート印象材の粉末を散布した後, 口腔内に装着した.被験音を発音させ, ただちに記録板を取り出すと, 舌の接触部位の粉末が湿って, 記録板が透過し黒色となりわかる.画像解析装置 (LUZEX®Fニレコ社製) 上で, 各被験者の無歯顎時 (E) と義歯装着時 (D) に採得したそれぞれ5回の同一被験音の60%以上共通範囲を抽出し, その個人の平均パターンとした.さらに各個人の平均パターンを義歯の人工歯列を基準点として標準歯列の模式図上へ変換して標準化し, 全被験者のパターンを累積して重ね合わせた.同一音を累積したパラトグラムから70%以上の被験者の共通範囲を抽出し, 無歯顎時と義歯装着時の代表パターンとした、その結果, 無歯顎時 (E) と義歯装着時 (D) での接触様式を比較すると「タ」, 「キ」発音時では, 無歯顎時 (E) は義歯装着時 (D) に比して舌接触範囲が広かった.特に「キ」では有意差が認められた (Studentt-test, P<0.05).「ラ」では逆に, 無歯顎時 (E) は義歯装着時 (D) より舌接触範囲が狭かった.舌接触範囲を第1小臼歯の前後に分けてみると, 「タ」, 「キ」ともに前方では義歯装着時 (D) より無歯顎時 (E) の方が小さいが, 後方では義歯装着時 (D) より無歯顎時 (E) の方が大きかった.
  • 平成10年度分について
    柳沢 伸行, 樋口 大輔, 船登 雅彦, 和栗 邦治, 佐藤 正賢, 三島 立樹, 永瀬 友子, 梅沢 正樹, 川和 忠治
    2002 年 22 巻 1 号 p. 46-54
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 平成10年度に昭和大学歯科病院クラウンブリッジ科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台歯の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は988個で, クラウンが781個 (79.0%), ブリッジが207個 (21.0%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠の417個 (53.4%) で, 陶材焼付鋳造冠は153個 (19.6%), レジン前装鋳造冠は152個 (19.5%) であった.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に52.2%, 前歯部から臼歯部にわたる部位に25.1%, 前歯部に22.7%装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたる部位, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった。6.クラウンにおける保険診療は74.6%であり, ブリッジにおいては67.1%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は87.1%, インプラント支台は2.4%, ブリッジにおいては無髄歯が67.8%, インプラント支台が2.3%であった.
  • 松本 光吉
    2002 年 22 巻 1 号 p. 55-59
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 22 巻 1 号 p. 61-78
    発行日: 2002/03/31
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top