昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
22 巻 , 3 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 伊沢 民江, 網野 重人, 伊田 博, 浅里 仁, 佐々 龍二
    2002 年 22 巻 3 号 p. 187-193
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    Candidaの口腔内からの検出率については, 成人を対象とした多数の報告があるが, これまでに, 小児を対象としたCandidaの検出率についての報告は少ない.特に小児においてはCandida albicansCandida症の原因菌と考えられており, 健常児においても, 全身的な抵抗力の低下により発症することがある.そこで今回我々は, 3歳から15歳までの小児 (男子55名, 女子45名) の口腔内からCandidaの検出を試み, 以下の結果を得た.1.Candidaは, 舌背から最も多く検出された.2.ストマスタット®により, Candidaのみの存在を推測することは困難であった.3.Candidaの発現には, 歯の交換現象, 咬合の不安定, 口腔清掃の不適切さなどによる口腔環境の変化が深く関連していた.4.Candidaの増加は, 歯肉炎にも何らかの関連があることが示唆された.5.口腔内に保隙装置を入れていても, 装置の清掃や, 口腔内環境を良好に保つことによって, Candidaの増加は抑えられると考えられた.
  • 岩佐 文則, 若林 克敏, 芝 〓彦, 尾関 雅彦, 木野 淳, 金石 あずさ, 立川 哲彦
    2002 年 22 巻 3 号 p. 194-200
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    現在の肝炎の抗体検査は血液を検体としているため, 針刺し事故などによる感染の危険性や採血のための技術者の確保が必要であるなど, 検体が血液であることが必ずしも最良の方法とは言い難い.そこで本稿ではB型, C型肝炎の感染が確認されている患者から簡易唾液採取器具 [OraSure®] を用いて唾液を採取し, 血清用肝炎抗体キットで唾液による肝炎抗体測定を行った.実験内容は唾液試料に対する基礎的検索事項として, 1.同時再現性試験, 2.希釈試験, 3.凍結融解試験, 4.保存安定性試験の4項目を, また臨床的な検索として, 同検体から採取した血液試料との結果を比較した.同時再現性試験, 希釈試験, 凍結融解試験, 保存安定性試験の基礎的検索ではその測定値は精度範囲内であり判定結果に変化は認められなかった.また血清結果に対する唾液の測定結果は, B型肝炎で血清陽性者7人に対し唾液陽性者6人で, 感度86%, 血清陰1生者16人に対し唾液陰性者16人で特異性100%であった.同じく, C型肝炎では感度88%特異性100%であった.
  • 金 泰榮, 柴田 陽
    2002 年 22 巻 3 号 p. 201-206
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    我々はハンクス緩衝液を利用した液中放電処理により平滑なチタン表面にハイドロキシアパタイトの薄膜コーティングが可能であることをすでに報告した.本研究ではワイヤ放電加工で成形した粗造なチタン表面に対し, 同様の処理を検討した.その結果, 処理時間900秒の試料で結晶質の骨様ハイドロキシアパタイトが確認された.また, 本コーティング膜はチタン母材との密着性が高く, 約1μmの薄膜であった.本研究からハンクス緩衝液を利用した液中放電処理はワイヤ放電加工のような粗造な表面に対してもハイドロキシアパタイトのコーティングが可能であり, 本法は複雑な形状を有する現在のチタン製インプラントへの応用が可能であると考えられる.
  • 藤島 昭宏, 小林 賢一, 渡邊 竜登美, 廣嶋 ふみ子, 前原 聡, 佐藤 裕二, 宮崎 隆
    2002 年 22 巻 3 号 p. 207-213
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究では, 義歯床延長用ならびに義歯補修用材料として新しく開発された補修用コンポジットレジン (DRC) の特性について評価を行った.フィラー構造の特徴は, フィラー含有量, 反射電子像による形状観察およびEPMAによる組成分析により評価された.また, DRCの機械的性質を評価するため, サーマルサイクル (5℃-60℃/分, 5000回) 負荷前後の2条件における曲げ特性の測定を行い, 3種類の市販補修用レジンに対する比較を行った.DRCは, 2種類のペーストを練和するデュアルキュア (化学重合+光重合) 方式のコンポジットレジンである.DRCは, 球状の有機質フィラーおよびシリカから成る微粒子無機質フィラーとマトリックスレジンから構成され, 無機フィラー含有量は15wt%であった.曲げ試験では, DRCは他の補修用レジンに比較してたわみ量は最高値を示したが, 曲げ強さは最も低い値となった.さらに, サーマルサイクル負荷後の曲げ特性は, 他の補修用レジンに比べ低下の程度は小さかった.DRCの変形挙動は, 主に有機質球状フィラーによってもたらされていると推測され, 操作性を改善したコンポジットレジンでありながら大きな弾性変形挙動を示し, 変形に対して容易に破壊しないという特徴を持つことが認められた。今後静的破壊強度の向上等の改良点はあるものの, 床延長用材料のための適度な弾性と操作性を具備し, 義歯床補修用材料として有用な材料であることが示唆された.
  • 水島 彩子, 吉元 奈美恵, 割田 研司, 石浦 雄一, 樋口 大輔, 川和 忠治
    2002 年 22 巻 3 号 p. 214-219
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近年, 前装冠用硬質レジンは歯冠色補綴材料として広く臨床で使用されているが, 色調安定性にはいまだ改善の余地がある.そこで, 本研究では市販されている6種類の前装冠用硬質レジンをコーヒー液に4週間浸漬し, 色調変化を比較検討した.その結果, 浸漬1週間後からすべてのレジンに肉眼的に認識できる色調変化が観察された.また, デンティン色よりもエナメル色で, 研磨面よりもガラス面で色調変化が大きかった.
  • 小倉 有美子, 平川 崇, 柴崎 好伸
    2002 年 22 巻 3 号 p. 220-228
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    長期の歯科矯正治療ならびに補綴処置により, 咬合の再構成を行った左側唇顎口蓋裂の一治験例について報告する.症例は初診時年齢7歳5か月の左側唇顎口蓋裂の女性で, 上顎左側の側切歯の欠如がみられた.生後4か月時に口唇形成, 1歳4か月時に口蓋形成, 3歳4か月時に口唇修正, 5歳7か月時に鼻修正が実施された.矯正処置は第一期治療時に上顎歯列の側方拡大および上顎の前方発育誘導を行った.その後, 上下顎の成長観察したのち, 第二期治療時に抜歯を併用し3年5か月間のマルチブラケット法による咬合の再構成を行った.床装置を用いた3年2か月の保定の後, 顎裂部の側切歯欠損部に固定式補綴物を装着した.一部に補綴物を併用した咬合の再構成であるが, 経過観察後も咬合は比較的安定している.
  • 槇 宏太郎, 中納 治久, 久保田 雅人, 薄井 俊朗, 柴崎 礼子, 小川 尚己, 小林 廣之, 真鍋 真人, 南雲 正男, 柴崎 好伸
    2002 年 22 巻 3 号 p. 229-247
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    5年以上の長期に渡る動的治療期間を要した外科矯正難治症例について, 治療手技や治療経過に対する考察から, 今後の矯正臨床上解決すべき問題点を抽出した.最も大きな問題点としては, 機能・咬合・形態, 三者間の相互関連性とその治療中の変化を, 定量的に評価し予測に用いることが不可能であった点が上げられた.そのため, 多くの症例において, 骨形態の大きな改善に伴った咬合の再構成基準が曖昧なものとなり, 治療が効率的かつ速やかに進行しなかったものと考察された.さらに, 個々の患者における皮質骨と歯根の植立状態の差異や, 遺伝的要因の影響なども, 診断時の情報として考慮すべきであることが指摘された.今後, より正確な治療目標の設定と, より科学的な臨床研究の立案を行うために必要な事項として, 以下の各点が上げられた.
    1.定量的, かつ3次元的な画像診断方法の開発.
    2.個々の症例における力学解析/シミュレーション手法の確立.
    3.遺伝情報も考慮した診断方法の開発.
  • 薄井 俊朗, 槇 宏太郎
    2002 年 22 巻 3 号 p. 248-258
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    外科的矯正治療によって上下顎の不調和が改善されれば, 顎口腔系の機能が変化し, それらが咀嚼筋群に与える影響は大きいものと考えられる.そこで術後の咬合の安定を獲得するためには, 外科的矯正治療前後の筋機能の変化を解析・検討することが必要である.そしてこのように顎態に大きな変化を伴う治療においては, 治療前後の機能面における変化を正確に評価することも重要であると考えられる.本稿では, 臼歯部咬合の崩壊と顎変形症を併発した患者の治療において筋電図 (Electromyogram以下EMGとする) による咀嚼機能の評価と, その治療における応用を試みたので報告する.外科的矯正治療による筋機能の変化を検討するために, 表面双極電極を用いて咀嚼筋EMGの記録を行った.外科的矯正前後 (暫間総義歯装着もしくは非装着) と術後1か月, 3か月, 6か月, 8か月, 12か月について, 咬頭嵌合位での最大咬み締めを行わせた等尺性収縮の状態で左右の咬筋と側頭筋前腹および後腹部のEMGを導出し記録を行った. 1.咬合高径再構築の際, 左右の筋バランスを大きく崩さないように再構成を行った.その結果術前矯正中に特記するような臨床症状は無かった. 2.術前から術後にかけて, EMGフィードバックを施行した.その結果術後の左右筋バランスは大きく崩れることなく, 顎位の安定性は良好であった.これらから, EMG解析は外科的矯正治療の機能分析だけでなく, EMGバイオフィードバック療法などを用いた術後の顎位安定などに対しても, 有用な筋機能療法の一助になると考えられた.
  • 樋口 大輔, 船登 雅彦, 江口 良宏, 相馬 ルリ子, 山田 もえこ, 高場 雅之, 三間 清行, 柿下 俊三, 川和 忠治
    2002 年 22 巻 3 号 p. 259-267
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究は, 平成12年度に昭和大学歯科病院クラウンブリッジ科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台歯の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は1033個で, クラウンが826個 (80.0%), ブリッジが207個 (20.0%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠の398個 (48.2%) で, 次にレジン前装鋳造冠の190個 (23.0%), 陶材焼付鋳造冠の187個 (22.6%) であった.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に58.5%, 前歯部から臼歯部にわたる部位に21.2%, 前歯部に20.3%装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたる部位, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった.6.クラウンにおける保険診療は71.1%であり, ブリッジにおいては64.3%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯は84.5%, インプラント支台は5.0%, ブリッジにおいては無髄歯が69.5%, インプラント支台が0.4%であった.
  • 長谷川 郁夫, 宮澤 康, 長谷川 紘司
    2002 年 22 巻 3 号 p. 269-273
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 2002 年 22 巻 3 号 p. 331
    発行日: 2002/09/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top