本研究は, 平成13年度に昭和大学歯科病院クラウンブリッジ科で装着されたクラウンおよびブリッジに関して, その総製作数, 種類および割合, 支台歯の有髄, 無髄等を統計的に調査し, 歯冠補綴治療の現状を把握することを目的として行われ, 以下の結果が得られた.1.クラウンとブリッジの総数は956個で, クラウンが778個 (81.4%), ブリッジが178個 (18.6%) であった.2.クラウンにおいて最も多いのは全部鋳造冠の382個 (49.1%) で, 次にレジン前装鋳造冠の197個 (25.3%), 陶材焼付鋳造冠の154個 (19.8%) であった.3.クラウンは前歯部ではレジン前装鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 小臼歯部では全部鋳造冠と陶材焼付鋳造冠, 大臼歯部では全部鋳造冠が大部分を占めた.4.ブリッジは臼歯部に93個 (52.2%), 前歯部から臼歯部にわたる部位に50個 (28.1%), 前歯部に35個 (19.7%) 装着されていた.5.ブリッジは前歯部, 臼歯部, 前歯部から臼歯部にわたる部位, いずれも1歯欠損2本支台歯が最も多かった.6.クラウンにおける保険診療は72.4%であり, ブリッジにおいては66.9%であった.7.クラウンの支台歯における無髄歯の割合は82.1%, インプラント支台は7.5%, ブリッジにおいては無髄歯が73.9%, インプラント支台が0.5%であった.
抄録全体を表示