昭和歯学会雑誌
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23 巻 , 2 号
選択された号の論文の7件中1~7を表示しています
  • 佐々木 崇寿, 佐久間 啓文, 中川 利栄子
    2003 年 23 巻 2 号 p. 89-94
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    骨芽細胞における細胞接着分子受容体 (αvβ3インテグリン) の細胞内局在を解析する目的で, インテグリンの抗αvおよびβ3サブユニットの細胞質ドメインに対するウサギポリクローン抗体を用いた光顕的・電顕的免疫細胞化学を行った.骨試料にはラット大腿骨の海綿骨梁を用い, パラフィンあるいはLRゴールド樹脂に包埋後, 免疫染色を行った.その結果, αvβ3サブユニットは共に骨芽細胞の粗面小胞体内腔, 分泌顆粒様の細胞内小胞, そして細胞表面全体, 特に骨基質に接する形質膜に発現することがわかった.免疫反応の電顕的検出方法には, プロテインA金法よりもコロイド金標識二次抗体を用いた間接法の方が, 反応の感度・特異性ともに高いことが示された.αvβ3インテグリンは, 骨芽細胞の分化と細胞極性の発現, 骨基質への接着, そして細胞接着後の骨形成に関与することが示唆された.
  • 礒 良枝
    2003 年 23 巻 2 号 p. 95-106
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    大理石骨病は石灰化軟骨および海綿骨の吸収不全による骨硬化症を惹起する遺伝性の疾患で, そのうちマウスで発症するosteosclerosis (oc/oc) では破骨細胞の骨吸収能の低下が報告されている.そこで著者は, oc+の親から生まれた新生児マウス (以下oc/ocマウス) の大腿骨成長板の骨化帯と下顎骨における破骨細胞を微細構造学的に観察し, あわせて破骨細胞の機能的分化の指標となる液胞型H+-ATPaseとカテプシンKの分子発現を解析した.oc/ocマウスの大腿骨と下顎骨の非脱灰試料の反射電子像では, 骨成長の抑制, 骨髄腔の狭窄, 海綿骨梁と皮質骨の吸収不全が観察された.成長軟骨板の石灰化軟骨と一次海綿骨梁の置換部位に出現する破骨細胞には, 接する基質の性状に依存して形態的変化が認められた.未石灰化軟骨基質上で肥大軟骨細胞に近接する破骨細胞は波状縁と明帯を全く形成せず, 小型の細胞突起を多く派生した.細胞内には破骨細胞に特徴的な空胞形成が少なく, 細胞突起付近に径0.15-0.6nmの有芯小胞が密に分布していた.同じ予備石灰化帯で部分的に石灰化組織を含む軟骨基質上に位置する破骨細胞は, 軟骨基質に面して小型の明帯様構造を示したが, 細胞内には空胞形成が少なく, 有芯小胞が多く観察された.石灰化軟骨上に位置する破骨細胞は有芯小胞を有し, 幅広い明帯を形成したが, 石灰化軟骨表面には明瞭なlamina limitansが観察され, 破骨細胞からの酸分泌の抑制が示された.骨基質上に位置する破骨細胞は幅広い明帯で骨基質に接し, 波状縁は観察されなかった.細胞内には明帯に近接して多くの空胞が集積していたが, 有芯小胞は観察されなかった.破骨細胞の接する骨表面には明瞭なlaminalimitansが観察される部位と観察されない部位が混在し, 破骨細胞が不完全ながらも部分的に骨吸収能を発現している可能1生が示された.このようにoc/ocマウスの破骨細胞の微細構造は, 接する基質が未石灰化軟骨基質, 石灰化軟骨基質, そして石灰化骨基質かによって異なることが示され, いずれの場合も完全な波状縁形成には至らないことが共通した微細構造学的特徴と考えられた.さらにoc/ocマウスの破骨細胞におけるH +-ATPaseとカテプシンKの分子発現をコロイド金法で免疫電顕的に解析したところ, H +-ATPaseの局在を示すコロイド金粒子の沈着は破骨細胞の空胞や細胞質上に観察され, 明帯や形質膜に沿った沈着は観察されなかった.またカテプシンKの分子発現は破骨細胞内の空胞に観察され, 骨基質上での反応は観察されなかった.以上の観察結果から, 破骨細胞の構造的ならびに機能的分化は細胞外基質の性状に依存すること, またoc/ocマウスの破骨細胞における骨吸収不全は, 波状縁形成の抑制と同時に波状縁へのH +-ATPaseとカテプシンKの細胞内輸送の阻害にあることが示唆された.
  • 佐野 恒吉, 中村 雅典, 山田 庄司
    2003 年 23 巻 2 号 p. 107-118
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    マグネシウム (Mg) 欠乏飼料を摂取したラットは, その血中のMgが減少し, カルシウム (Ca) がわずかに増加, 切歯象牙質の歯髄側においては石灰化不全層が見られ, 象牙芽細胞に変異が認められている.本研究はこの切歯の形成と石灰化不全層のCa, Mg, 燐 (P) の含有量の測定から象牙質の石灰化異常のメカニズムの一端を解明するために行われた.動物は5週齢の雄のWistar系ラットの16匹を用い, 半数を0.05%のMg含有の正常な飼料で, 他の半数を0.001%のMg含有の低Mg飼料でpair feedingにより飼育した.期間は17日間で, 象牙質の形成量を測定するために開始日, 7日, 14日に鉛キレート化合物を腹腔内に投与した.更に低Mg血症ラットの確認のために期問中の10日と17日に尾静脈から採血を行い血清中のCa, Mg, P及びアルカリ性フォスファターゼ (ALPase) 活性レベルを測定した.その後, 麻酔下で安楽死させ, 上下の顎骨を摘出した.各切歯は所定の前処理を行い各分析に用いた.その結果, 正常ラットと比較してMg欠乏ラットの体重増加率が減少した.切歯象牙質の形成量も減少し, その切歯の長さが短縮した.更に, ラットの切歯象牙質では縞状の石灰化不全層が現れ, そのCa含有量は不全層で減少したが, その部位でMg含有量が増加していた.このMgの増加は, Mg欠乏による象牙質の形成量の減少で沈着したMgが濃縮されたと考えられ, 更に軟組織や細胞の増殖の停滞からのMgの移入による一時的なMgの増加が示唆される.そして, Mgの低下に従いハイドロキシアパタイトの結晶成長が回復したと考えられ, この石灰化不全からの回復の繰り返しにより縞状の石灰化層が象牙質に現れたと考えられる.
  • 斎藤 茂, 三河 雅敏, 倉林 仁美
    2003 年 23 巻 2 号 p. 119-128
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    本研究では各種不正咬合患者の咬合力が器械保定中にどのような変化を起こすのかを感圧型咬合紙のデンタルプレスケールを用いて測定し, さらに治療前後の下顎歯列模型より乱配度 (irregularity index;以下I.I.) を指標とした後戻り率を算出した.これにより保定期間中の咬合力の変化と矯正治療による下顎前歯の後戻り率との間にいかなる相関があるかを不正咬合別に比較検討した.対象は昭和大学歯科病院矯正科に通院中の男子で, 1) 顎口腔系に臨床的な機能異常がなく, 2) 顔面の極端な非対称を呈さず, 3) 唇裂, 口蓋裂がなく, 4) 上下臼歯部に欠損や著しい歯冠崩壊がなく, 5) 第二大臼歯がすべて萌出, 咬合しているもの, の各条件をすべて満たすものをI, II, III級 (Cl.I, II, III) さらに外科的III級 (S-Cl.III) に分類した.これら対象患者はすべてマルチブラケット装置による治療を終了し器械保定中であり, デンタルプレスケールの採得は保定初期 (保定開始6か月未満) と後期 (保定1年6か月以上) に, またI.I.の測定は動的治療開始前と保定後期にそれぞれ行った.その結果S-Cl.IIIを除くすべての不正咬合型において, 保定期間中の咬合力の増加と下顎前歯の後戻り率の間に正の相関がうかがわれ, 特にCl.IとCl.IIにおいては両者の相関は統計学的に有意であった.各不正咬合型の咬合力は保定初期では, Cl.III>S-Cl.III>Cl.I>Cl.IIの順で, 保定後期ではS-Cl.III>Cl.I>CI.III>CI.IIの順となり, その結果として保定期間中の咬合力の増加はCl.I>Cl.II=S-Cl.III>Cl.IIIの順であった.各不正咬合型の動的治療開始時と保定後期のI.I.さらには下顎前歯の後戻り率はいずれもCl.II>Cl.I>Cl.III>S-Cl.IIIの順であった.以上より, 骨格的な不調和が大きいとされるS-Cl.IIIでは顎切除術による骨格的不調和が改善されたことで, 骨格的な不調和が少ないとされるCl.Iと同様に保定期間中の咬合力の増大が認められた.下顎前歯の後戻り率はCl.IIが大きく, Cl.IIIやS-Cl.IIIは少ない傾向となった.これは下顎の劣成長により, 治療前から下顎前歯部に強い叢生が認められるCl.IIでは後戻りを起こしやすく, 反対に比較的大きな下顎を有するCl.IIIやS-Cl.IIIでは後戻りを起こしにくいのであろうと推察された.
  • 中納 治久, 大嶋 貴子, 中納 淳子, 槇 宏太郎
    2003 年 23 巻 2 号 p. 129-140
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    著しい過蓋咬合を伴う, 下顎の劣成長と著しい上顎前歯の唇側傾斜を伴う上顎前突症例に対し, 5⊥4抜歯による矯正治療を施行し予後の安定を図るためoverjet, overbiteのovercorrectionを行った.保定後2年を経過し継続的な歯周病予防の管理と保定装置の使用, さらに咬唇癖などの習癖に対する指導を行っていたにも関わらずoverbiteの増加を認めた.過蓋咬合であっても中心咬合位における安定した歯の接触があり, 機能的に為害作用が無ければ問題ない.しかし, 前方, 側方滑走の制限による顎関節に対する荷重負担や歯周組織に対する為害作用などがあれば, 安定した状態とは言い難い.本症例は骨格的に下顎角が小さく, 上下顎犬歯, 下顎側切歯に著しい咬耗が認められることから, 咀嚼パターンは過度のgrinding patternであることが予測される.これらの機能的な問題は下顎犬歯間幅径の減少, 下顎前歯の挺出と舌側傾斜, 上顎前歯の挺出を引き起こし, その結果, 下顎前歯が上顎前歯を突き上げ, 正中離開とoverbiteの増加を招き不安定な状態である.つまり, 過蓋咬合におけるoverbiteの後戻りを予防するにはovercorrectionのみならず, 機能・咬合・形態の相互関連を定量的に評価した上で, より正確で安定的な治療目標を設定することが重要であると示唆される.
  • 芝 〓彦, 大山 明博, 塚崎 弘明, 金石 あずさ, 菊地 俊輝, 鈴木 満, 三浦 頡剛, 小花 照雄
    2003 年 23 巻 2 号 p. 141-148
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 2003 年 23 巻 2 号 p. 149
    発行日: 2003/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
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