昭和歯学会雑誌
Online ISSN : 2186-5396
Print ISSN : 0285-922X
ISSN-L : 0285-922X
25 巻 , 2 号
選択された号の論文の11件中1~11を表示しています
  • 五十嵐 武
    2005 年 25 巻 2 号 p. 71-78
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    グラム陽生菌の表層タンパク質は, 感染部位への付着・宿主細胞への侵入・栄養源の獲得・免疫応答の回避に重要な役割を果たしている.そのため, 表層タンパク質は細菌の感染機序を理解する上で非常に興味深く, さらに, 感染症治療の標的分子としての可能性を秘めている.グラム陽性菌の感染に関わる多くの病原性表層タンパク質は, Sortaseと呼ばれる膜結合型トランスペプチダービによって細胞壁に共有結合されている.グラム陽性病原性細菌はSortaseを欠損するとその毒力を喪失することから, Sortaseが病原性に重要な役割を果たしていると考えられている.加えて, 近年の細菌ゲノム解析データは, Sortaseが広くグラム陽性菌に分布していることを示唆している.これらの知見は, Sortaseがグラム陽性病原性細菌に対する新たな治療薬の普遍的な標的酵素であることを示唆している.
  • 佐藤 裕二, 積田 正和, 北川 昇
    2005 年 25 巻 2 号 p. 79-82
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯科医師に必要な最低限の知識の有無を評価するために, 2002年の歯科医師国家試験から必修問題が導入された.国家試験では30問で80%以上の正解率が必要とされた.この研究の目的は, 卒前教育における必修知識の経時的な変化を評価することである.29名の歯科医師 (卒後1.5年以内の者13名, 卒後2.5年以上の者16名) と卒業前6か月の歯学部6年生 (120名) に30問の必修問題の試験を実施した.3つのグループ (若年歯科医師群, 熟年歯科医師群, 学生群) の正解の平均点を, t-検定で検討した.識別指数0.15以下の質の低い問題が30問のうち5問あった.若年歯科医師の平均点 (68点) は, 熟年歯科医師 (58点) や学生 (59点) よりも有意に高かった (危険率 : 5%).熟年歯科医師と学生間には有意差はなかった.これらから, 若年歯科医師は学生や熟年歯科医師よりも歯科医師としての必須の知識が多く, その知識量は卒後1.5年間の間維持されると思われた, しかしながら卒後2.5年以上が経過すると, 歯科医師に必須の知識は減少すると思われた.この結果から, 予備試験における必修問題の適正化と卒前教育の改革の継続が必要であることが示唆された.
  • 中島 還
    2005 年 25 巻 2 号 p. 83-92
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    摂食行動は, 生後吸畷運動から咀噛運動へと大きく転換する.この転換の背景には, 顎顔面口腔器官の発育変化に対応した中枢神経機構の変化があると考えられるが, その詳細はいまだ明らかでない.そこで本研究は, 近年開発された光学的電位測定装置をラット脳幹スライス標本に適用し, 三叉神経運動核 (MoV) とその三叉神経上領域の外側部 (1SuV) の問に存在する, 下顎運動の制御に関与すると考えられる局所神経回路の発育様態を調べた.前頭断脳幹スライス標本のさまざまな部位を電気刺激したところ, 1SuVにおいてMoVに興奮性の光学的応答を誘発する部位が見出された.さらに, 細胞外液のCa2+をMn2+に置換してシナプス伝達を遮断した状態でMoVを電気刺激すると, 1SuVに逆行性の光学的応答が認められた.次に, この興奮性出力を担う神経伝達物質を検討したところ, 1~6日齢の動物では, CNQXとAPVの同時投与, あるいはstrychnine投与により, 1SuV刺激に対するMoVの興奮性応答が減弱し, グルタミン酸受容体およびグリシン受容体の関与が明らかとなった.一方, 7~12日齢の動物ではCNQXとAPV投与でMoVの興奮性応答は抑制されたが, strychnine投与によるMoVの興奮性応答は増強し, グリシン性のシナプス伝達は抑制性に変化した.以上の結果から, ISuVからMoVに対するシナプス伝達様式が発育により変化することが明らかとなった.このような変化は, 吸畷から咀囑への転換に対応する可能性が考えられる.
  • 胡 書海, 藤島 昭宏, 佐野 恒吉, 長田 貴幸, 清水 太加志, 宮崎 隆, 川和 忠治
    2005 年 25 巻 2 号 p. 93-99
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    市販品2種類 (FBK, EVS) ならびに試作品1種類 (EXP), 計3種類のファイバー強化型プラスチック (FRP) 製ポスト材料を用い, ポスト表面の走査電子顕微鏡 (SEM) を用いた2次電子像による形態観察, 反射電子像による内部構造の観察, さらにエネルギー分散型X線分析 (EDX) によるファイバーの組成分析を行い, 各種FRPポスト材料の形態的ならびに構造的な特性の評価を行った.FRPポストの形状は, ストレートな形状のものと微細な突起部を規則的に配列してあるものの2種類が観察された.FRPポストの表面は, ほぼマトリックスレジンで覆われていたが, ガラスファイバーが露出している部位も観察された.また, マトリックスレジン中にフィラーが添加されているものが認められた.ガラスファイバーの形状は, 各FRPポストで比較的均一な円柱状であったが, 直径は9~18μmとそれぞれ異なり, さらにファイバー密度もFRPポストにより大きく異なっていた.FRPポストに用いられているガラスファイバーは, それぞれ組成が異なり, Eガラス, Sガラス, ジルコニウム含有ガラスの3種類が用いられていた.
  • 渋澤 亜子, 渋澤 龍之, 槇 宏太郎
    2005 年 25 巻 2 号 p. 100-106
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    患者は初診時10歳7か月の女児, 歯並びを主訴に来院した.上顎両側犬歯の先天性欠如および上顎両側側切歯の舌側転位を伴うAngle II級症例である.一期治療として上顎両側側切歯の舌側転位の改善を行った後, 二期治療として永久歯列完成とともに下顎両側第一小臼歯を抜去し, エッジワイズ装置による治療を開始した.両側犬歯の先天性欠如がある上顎では, 第一小臼歯を犬歯とみなし排列を行った.犬歯のかわりに小臼歯を用いる場合, 舌側咬頭の形態修正により咬頭干渉を回避することが多いが, 本症例では歯の移動のみで咬頭干渉を回避し, 下顎の前方ならびに側方運動時における誘導も良好な機能的咬合が得られた.
  • 高津 涼子, 山口 徹太郎, 久保田 雅人, 槇 宏太郎
    2005 年 25 巻 2 号 p. 107-121
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    成長期にある骨格性上顎前突を認める二卵性双生児に対し, 機能的矯正装置を使用し, その治療効果を比較・検討した.双生児の妹は, 初診時年齢8歳11か月で, 機能的矯正装置を, 11歳0か月から8か月間使用した.姉は初診時年齢9歳0か月で, 機能的矯正装置を, 11歳9か月から6か月間使用した.その結果, 姉妹ともに機能的矯正装置により∠SNAが減少し, 上顎骨では, わずかな前方成長の抑制傾向がみられた.また装置使用期間の年間成長速度を, 楠元らの標準成長速度と比較すると, 成長速度の低下が認められたが, その変化はわずかであった.姉妹ともに下顎骨では, ∠SNBは増加し, 前方成長がみられるとともに, 下顎骨の大きさも増大していた.特に下顎枝高 (CDGO) と下顎骨全体長 (GN-CD) の長さに, 著明な増大が認められた.その増加量を姉妹で比較すると, それぞれ経過観察中である姉妹の自然成長量より, 大きいものであった.また姉妹の装置使用期間の年間成長速度を, 楠元らの標準成長速度と比較すると, 下顎枝高 (CD-GO) と下顎骨全体長 (GN-CD) においては, 2倍以上の著明な成長速度の増加を示していた.以上のことより機能的矯正装置は, 下顎骨の成長を, 自然成長量を超えて, 前方方向へ促すとともに, その大きさ自体をも増大させる効果を有することが示唆された.特に本症例におけるその効果は, 下顎枝高を中心とした垂直的な高さにおいてより顕著であったと推察された.
  • 中納 治久, 松本 一彦, 片岡 洋子, 福本 顕嗣, 槇 宏太郎
    2005 年 25 巻 2 号 p. 122-132
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    近年, 歯科医学の進歩に伴い, 各分野の専門家が連携するinterdisciplinary dentistryが重要視されている.しかし, たとえスペシャリストを集めても各分野のコーディネート, 治療目標の統一がなされなければ不必要な治療の強要になってしまう.本症例は, 初診時年齢29歳9か月の女性, 不良補綴物, 軽度の成人性歯周炎, 顎関節の機能障害, 下顎骨の左側への変形を伴う, 片側性Angle III級, 骨格性3級の顎変形症で, 歯周治療, 外科的矯正治療, 補綴治療を各分野の専門家と連携をとって包括的に治療を行った.その結果, 歯周治療や咬合の再構成, 審美的要求に対して満足な結果が得られた.しかし, 治療結果の完成度を向上し, 予知性の高いメンテナンスを実践するためには, 各分野の専門知識を共有し, コンセプトをすり合わせた上での治療目標の設定と治療計画が重要であると示唆された
  • 山下 夕香里, 今井 智子, 難波 亜紀子, 石野 由美子, 道脇 幸博, 鈴木 規子, 大野 康亮, 道 健一, 高橋 浩二
    2005 年 25 巻 2 号 p. 133-141
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    歯科領域における言語障害患者の実態を把握するために昭和大学歯科病院言語治療室開設期より26年間の言語障害患者2,419例について臨床統計的観察を行い, 以下の結果を得た.1.1977年から1986年は口唇・口蓋裂患者が多かったが, 1987年以降は口腔腫瘍術後患者や機能性構音障害患者が増加した.2.来院経路は歯科領域が多かった.3. 78.4%の患者に, 構音障害がみられた.4. 23.5%の患者は言語治療のみ受けたが, 20.6%の患者は言語治療に加えて補綴的治療を受けた.
  • 長澤 郁子, 岩崎 多恵, 増田 陸雄, 五島 衣子, 岡 秀一郎, 吉村 節
    2005 年 25 巻 2 号 p. 142-145
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
    静脈内鎮静法の施行時に, フルマゼニルの投与直後に血圧上昇, 頻脈および不穏状態をきたした症例を経験した.患者は59歳女性, 体重60kg.2種類の降圧薬を服用している.静脈内鎮静法下で, 下顎デンタルインプラント埋入手術を施行した.手術終了まで良好な鎮静状態で経過した.手術終了後, 鎮静状態からの回復が不十分だったため, フルマゼニルを0.1mgずつ総投与量0.2mgを静脈内投与した.その直後からめまい, 胸部不快症状を訴え, 血圧と脈拍の急激な上昇と一過性の不穏状態をきたした.約30分後には, 不快症状は緩解し, 発症から1時間後には帰宅可能となった.後日, 既往歴の再確認を行った結果, 精神安定薬の服用中であることが判明し, 今回の不快症状はフルマゼニル投与後の一過性の離脱症状と推測された
  • 東光 照夫, 久光 久
    2005 年 25 巻 2 号 p. 147-150
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
  • 2005 年 25 巻 2 号 p. 151-153
    発行日: 2005/06/30
    公開日: 2012/08/27
    ジャーナル フリー
feedback
Top