日本皮膚科学会雑誌
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114 巻, 11 号
選択された号の論文の8件中1~8を表示しています
生涯教育講座
  • 山西 清文
    原稿種別: 生涯教育講座
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1755-1761
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
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    Psoriasis is recognized as a T-cell-mediated inflammatory skin disease. Therapies using new biologics that target T cells or inhibit post-secretory cytokines have been developed to treat the immunologic basis of psoriasis. Alefacept and efalizumab inhibit T cell activation by blocking co-stimulatory signals. Etanercept, infliximab, and adalimumab inhibit the activity of TNF-α. Alefacept, efalizumab, and etanercept have been approved by FDA, and infliximab and adalimumab are in the late stages of clinical development in the USA. Clinical trial data have supported the efficacy and safety of these biologic therapies. Broad-spectrum immunosuppressive agents and phototherapy have limitations and toxicities associated with their use. These new biologics have the potential to provide patients with options for safe and effective long-term control of their psoriasis.
原著
  • 望月 隆, 田邊 洋, 河崎 昌子, 安澤 数史, 石崎 宏
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1763-1767
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    2003年に当科に同定の依頼があった白癬からの分離菌株57株,ならびに同定確認の依頼があった74株の計131株について,真菌のリボゾームRNA遺伝子のITS領域の制限酵素分析(PCR-RFLP法)を行い,その分子型を検討した.制限酵素Mva I,Hin fIを用いたところ,131株中,Trichophyton(T.)tonsurans型の分子型を示した株が98株を占めた.以下T. mentagrophytes var. interdigitale型が11株,T. rubrum型が8株,Arthroderma(A.)vanbreuseghemii型が4株,A. benhamiae型が2株,Microsporum(M.)canis/M. ferrugineum型が3株であった.各施設の同定でT. tonsuransとされた66株は全てT. tonsurans特有の分子型を示した.皮膚糸状菌における既知の泳動パターンを示さなかった4株は本法では同定不能であった.
  • 小林 誠一郎
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1769-1776
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    天疱瘡の病勢・治療効果は主として病変範囲を観察する医師の主観によって判定されている.病変面積を定量できれば,客観化は可能となるが,本症の皮膚病変は水疱・びらん・痂皮・色素沈着など多様であるため,明度のみの単純な画像認識では正確に病変抽出ができない.本研究の目的は,適切な画像解析を用いた病変定量により病勢を客観的に判定し,合わせてELISAによる血中抗体価の変動との比較を行うことにある.病変を正確に抽出するため,赤色系の情報をCIE L*a*b*表色系とガウスフィルタを用いて背部臨床写真から病変占有率を定量した.その結果,色差13以上で明らかな赤色系皮膚病変のみが抽出されたが,約0.3%の誤差があり,占有率が小さいとその影響が大きかった.CIE表色系は,赤色系皮膚病変の活動性の評価に有用であると考えた.ELISAによるDsg1抗体価は病初期には病変面積と平行するが,治癒期には必ずしも平行しないと判断された.
  • 近藤 千晴, 中瀬古 裕乃, 小林 美幸, 三笠 聖美, 玉田 康彦, 松本 義也
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1777-1780
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    サルコイドーシスの皮膚病変10例(全身型8例,皮膚型2例)に対し,5-aminolevulinic acid(ALA)を用いた外用・光線力学的療法(ALA-PDT)を行った.10例全ての症例で皮疹に改善が認められ,そのうち2例については組織学的にも類上皮細胞肉芽腫の消失が確認された.サルコイドーシスの皮膚病変は一般的に治療抵抗性のことが多いが,外用ALA-PDTは非侵襲的で整容面でも優れており,有用な治療法の一つとなりうると考えた.
  • 小田 真喜子, 雄山 瑞栄, 清島 真理子
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1781-1786
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    8歳,女児.父方の祖母にSLEあり.初診の1カ月前より右頬に痒みのない環状紅斑に気づいている.その頃より右の耳下腺腫脹を繰り返していた.2~3年前より多関節痛がある.発熱はない.軽度の口渇はあるが,眼乾燥症状は自覚していない.血液検査で,抗核抗体1,280倍(speckled pattern),抗Ro/SS-A抗体,抗La/SS-B抗体は共に陽性.サクソンテスト陽性,唾液腺シンチグラフィーでは集積の左右差がみられた.以上よりシェーグレン症候群(Sjs)の診断基準を満たし,同症と診断した.今回われわれは過去42年間の本邦における小児Sjsの報告例について統計的観察をおこなった.その結果小児Sjsでは成人例と比較して自覚的乾燥症状を欠き,耳下腺腫脹や関節痛を呈することが多かった.小児が繰り返す耳下腺腫脹や関節痛,環状紅斑を訴えて受診した場合には,自覚的乾燥症状がなくてもシェーグレン症候群を念頭において,血液検査,唾液腺検査,眼科的検査を積極的に行うべきと考えた.
  • 福山 國太郎, 横関 博雄, 西岡 清
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1787-1792
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
    ジャーナル 認証あり
    多剤併用療法が奏効した外陰Paget癌多発骨転移の1例を経験した.症例は64歳,男性.2000年10月初診.右鼠径部に紅斑と結節を認め,12月腫瘍切除,右鼠径,総腸骨リンパ節廓清術を施行した.日本皮膚悪性腫瘍学会によるTNM分類と病期分類にてpT3N1M1病期IVであった.補助療法としてLow dose FP[フルオロウラシル(5-FU),シスプラチン(CDDP)]療法,ドキシフルリジン内服を施行したが,術後2年で高カルシウム血症を伴う多発骨転移が認められた.Weekly PET療法[CDDP30mg/m2,エピルビジン(EPI)50 mg/m2,パクリタキセル(PTX)120 mg/m2(day1),顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)300 μg(day 3~5)]を行ったところ,血清CEA値,高カルシウム血症ともに正常化し,CT上も腫瘍転移巣の一部に縮小を認めた.
  • 中田 芳, 豊田 雅彦, 中村 元一, 籠浦 正順, 諸橋 正昭, 足立 雄一
    原稿種別: 原著
    2004 年 114 巻 11 号 p. 1793-1797
    発行日: 2004/10/20
    公開日: 2014/12/13
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    難治性円形脱毛症の姉妹例(7歳全頭型と12歳汎発型)を経験した.臨床的には姉妹ともに,明らかな甲状腺疾患がないが,血中抗甲状腺抗体(特に,抗甲状腺ペルオキシダーゼ抗体)が高値を示した.姉妹ともにHLA-DNAタイピング検査でHLA-DQB1*0301(DQ7)と-DRB1*0401(DR4)の両者が検出された.白人ではDQ7とDR4は広範囲で遷延化する円形脱毛症に特徴的なマーカーであるとされているが,本邦の報告は無く,自験例は,両マーカーが認められた本邦初の難治性姉妹例である.さらに,自験例は,円形脱毛症の病因における遺伝的因子と抗甲状腺抗体などの自己免疫的因子の重要性を強く示唆している.
学会抄録
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