メラノーマの遺伝子異常は多様である.人種ごとに亜型の割合が異なりそれに伴って遺伝子異常の頻度も異なる.特に日本人をはじめとした東アジア人に多い末端メラノーマや粘膜メラノーマは,BRAF変異が少ないため,分子標的薬の適応例が限られる.また,これらのメラノーマでは腫瘍遺伝子変異量が低いため免疫チェックポイント阻害薬の奏効率も低い.さらに日本人のリアルワールドデータからは皮膚メラノーマにおいても免疫チェックポイント阻害薬の効果が低いことが指摘されている.その理由の一つとして,日本人においては,末端メラノーマや粘膜メラノーマと同様に皮膚メラノーマも腫瘍遺伝子変異量が低いことが挙げられる.本総説では,日本人のメラノーマにおける遺伝子異常と治療戦略に焦点を当て,最新の知見を解説する.
超音波検査は侵襲が少なく皮下病変の生検前,術前評価に非常に有用である.一般的に粉瘤,脂肪腫,石灰化上皮腫などはBモード法,ドプラ法のみでも診断可能なことが多いが,非典型的なエコー像を示す病変も少なくない.そこで我々は病理組織学的に診断し得た粉瘤55例,脂肪腫37例,石灰化上皮腫15例について超音波shear wave elastographyを用いて腫瘍の硬さの平均値を後方視的に評価した結果,石灰化上皮腫>粉瘤>脂肪腫の順に有意に硬く,また粉瘤は大きさと硬さに負の相関を認めることがわかった.
76歳と72歳の女性の下肢に生じた魚鱗癬型サルコイドーシスの2例を報告した.どちらも生検組織像は軽度の角質増生と表皮顆粒層の菲薄化,真皮内に類上皮細胞肉芽腫を認めた.症例1では他のタイプの特異疹はみられなかったが症例2では皮下型サルコイドーシスがみられた.症例1は肺と眼,症例2は肺病変を伴っていた.魚鱗癬型サルコイドーシスの国内外の報告例を集計し比較したところ,女性の下肢に多い点は共通していたが,海外では頭部にも症状がみられることや,本邦例では眼病変の割合が高いといった違いが認められた.