褥瘡治療の基本は,圧迫の解除+創傷治療(①感染のコントロール,②デブリードマン,③肉芽組織増生の促進,④上皮化の促進)である.全身状態+創の状態に応じて治療を最適化することを目指す.看護師による頻回の体位変換,洗浄だけでも褥瘡は改善する.
膠原病・血管炎に伴う皮膚潰瘍の治療に際しては,その成因となる病態の治療を行うとともに,創傷治癒遅延に関わる病態にも適切に対処する必要がある.前者には循環障害,血栓症,血管炎・血管傷害,脂肪織炎,水疱形成(液状変性),石灰化があり,後者には感染症,痛みの悪循環,高度な線維化などが挙げられる.これらは複合的に存在することも多く,経時的に変化しうるため,その時々の皮膚潰瘍の状態に応じた柔軟な対応が求められる.
熱傷はありふれた皮膚外傷の一つであるが,受傷範囲および原因によっては全身状態に影響を与え,熱傷局所に対しても保存的治療のみならず外科的治療が必要となる.本稿では日本皮膚科学会の熱傷診療ガイドライン(第3版)1)での局所治療の内容に加え,現在行われている手術療法と手術時のドレッシングの方法および術後の局所管理方法,その際に使用するドレッシング材選択の考え方について考える.
2010年から2024年の15年間に当科で初期治療を行ったマムシ咬傷107例の受傷状況および臨床的特徴について検討した.受傷時期は4月から10月で,特に7月に多かった.受傷場所は自宅や田畑が多く,受傷部位は手指が約75%を占めた.合併症として,高クレアチンキナーゼ(CK)血症や腎機能障害などがみられた.治療は主に乳酸化リンゲルによる輸液やセファランチンの投与を行い,重症者には抗毒素を投与した.抗毒素の効果については,腫脹の進行を止める作用は乏しかったが,横紋筋融解を抑制する可能性が示唆された.
Cryptococcus neoformansによる皮膚クリプトコックス症2例を報告する.
70代女性には左上腕に軟部腫瘍を疑われた潰瘍と硬結を生じた.真皮にてPAS・グロコット染色陽性の小類円形菌体を多核巨細胞が貪食していた.デブリドマンや抗真菌薬投与が奏効した.80代女性には両下肢に電気毛布による多発低温熱傷が疑われた紅斑と潰瘍を生じ,死亡した.
本疾患は臨床像が多彩で想起され難いが,水疱,血疱,紫斑を含む暗い浮腫性紅斑の中の光沢ある黄白色潰瘍が特徴的で,その鑑別に寄与すると考える.