皮膚外科手術は,短期間で簡単に習得できるものではなく,知識と技術を着実に身につけ,経験を積み重ねることで初めて上達する.ただし,ただ漫然と症例をこなすだけでは,技術は向上しない.上達するためには,毎回の手術に具体的な目的意識を持って臨むことが重要である.また,皮膚外科手術では術中の技術だけでなく,術前の準備や術後のフォローアップも含めて学ぶ必要がある.本項では,術前の準備,術中の技術のポイントに焦点を当てて解説する.
皮膚がんは皮膚のあらゆる部位に発生しうるため,皮膚がん領域で外科治療の対象となるリンパ節領域は頸部・腋窩・鼠径・骨盤と広い範囲に及ぶが,リンパ節へアプローチする手技は,基本的な結紮・切離・剝離操作の応用で対応が可能である.本稿では主に,骨盤内領域におけるリンパ節郭清術の手順や実際の手技について概説する.
皮膚外科手術は,一般的に安全性の高い術式が多いが,表在神経損傷と深部静脈血栓症(DVT)などの重篤な合併症が潜んでいる可能性がある.本稿は顔面神経など損傷しやすい神経の解剖・症状・術中の留意点を整理し,DVTの機序,術後リスク因子,予防とスクリーニング,皮膚科手術における大手術/非大手術について示す.十分な術前説明と各患者のリスクを加味した個別化が重要であり,同意書記載や説明について概説する.
17歳女性.重症のコリン性蕁麻疹で,抗ヒスタミン薬内服下でコントロールできず複数回のアナフィラキシーショックを起こし,日常生活が困難であった.慢性蕁麻疹・機械性蕁麻疹・温熱蕁麻疹を合併し,安静時の血漿ヒスタミン値も高値であり,負荷試験では軽微な負荷で症状が誘発された.慢性蕁麻疹に対してオマリズマブによる治療を開始後,慢性蕁麻疹だけでなく,コリン性蕁麻疹の症状も軽快し,負荷試験でも症状が誘発されなかった.本症例の結果からIgEが関連するコリン性蕁麻疹に対するオマリズマブの有効性が示唆された.